2008年3月4日 (火)
第33話「コンスコン強襲」
ナレーションで「宇宙攻撃の本部」とソロモンの位置づけと、ドズルが動けずコンスコン機動艦隊を出した理由もはっきり語られる。小惑星に噴射ノズルを装着するシーンもインサートされ、決戦前夜のムードが盛り上がる。
【ブラウ・ブロ登場】
第39話でシャリア・ブルが使うモビルアーマーのテストに、アムロたちが遭遇。後にオールレンジ攻撃として使われる有線ビーム砲も使われ、アムロたちを戸惑わせている。ニュータイプを前提にした機体が、ついに登場し始めたのだ。
【ボトル・アウト?】
アムロがGアーマー分離をこう呼ぶが、本当は「ボルト・アウト」。ボトルでは瓶になってしまう。妙な攻撃を受けて焦ったアムロが言い間違えたのか?
数回前から語られてきたフィアンセ、カムラン・ブルームがついに登場。TV版の声優は塩沢兼人が担当し、気が弱く優柔不断な性格をよく演じている。
【シャアの暗号電文】
コンスコン少将に嫌味を言われたシャアは、「パラロム・ズ、シャア」とキシリアに暗号電文を打つようマリガンに指示。サイド6におけるララァとの合流か、テキサスでのフラナガン機関テストの指示と推察される。オールドタイプの覇権争いにキシリアとシャアはすでに興味を失い、先手を打っているという描写であろう。
【その名はパルダ】
サイドは複数のコロニー(バンチ)から構成されるが、ホワイトベースは「パルダ・ベイ」へ入港、これがこのバンチの呼称である。そして、コンスコンもカヤハワ少尉のリック・ドムを隕石に偽装させ、偵察潜入させている。
【父親との再会】
買い出しに出たアムロはダウンタウンで意外な人物に遭遇する。それは行方不明になった父テム・レイだった。気づいた瞬間にアイ・キャッチャーの入る演出が心憎い。CM中に再会の結果への想像が膨らむからだ。その分、酸素欠乏症による悲劇的再会との落差が大きくなるのである。
表向き「戦争協力」できないサイド6ではあるが、商人のペルガミノが浮きドックを貸与することになる。ミライを気遣ったカムランの采配だ。ペルガミノは両軍の要職と通じていることを自慢するほどのいわゆる「死の商人」だが、そのビジネスは政治とも癒着しているのだ。
【カムランとの断絶】
ミライは終始、カムランが自分で行動を示すのを待っている。彼は決してそれに応えようとしない。自分の骨を折ることをせず、父親の力ばかりを頼りにしている以上、仮にいっしょになったところで先が見えているのに……。こうした生々しい人生の機微が、本作最大の魅力である。
氷川竜介(アニメ評論家)
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