2008年2月26日 (火)
第32話「強行突破作戦」
放棄されたモビルアーマー、ザクレロがホワイトベースに挑戦する。機動兵器の中でも異彩を放つデザインだが、意外に強敵である。GアーマーのBパーツを足にはめたガンダムも登場するが、本来ガンダムの機体は逆向きに保持されるはず。これもこの回だけの特殊な組み合わせであった。
【ドレンの迎撃】
今回のジオン軍側の作戦はシャアのザンジバルと、かつて彼の副官をつとめたドレンのキャメル艦隊の挟撃だ。劇場版「めぐりあい宇宙編」にも使われた艦隊戦とMS戦の展開が今回のみどころ。ドレンの迎える末路はまったく異なるが、TV版も宇宙での戦いの無情さがよく描かれている。
【艦隊の編成】
「ムサイ」とだけ称されてきた戦艦の固有名詞が明確化する。キャメルパトロール艦隊はムサイタイプ(ムサイ級)宇宙巡洋艦の旗艦キャメル、スワメル、トクメルの3艦で編成される。現実の軍艦の運用に即した呼称で、以後これが踏襲される。
ザクレロやキャメル艦隊の迎撃に関するブライトの戦闘要員計画は、前回作戦の結果と兵の消耗、休息の把握に基づいている。彼の指揮官としての配慮が熟練していることが、連続視聴すると非常によくわかる。他にも連続性を表現した深い描写は多く、仮眠をとったときのセイラの悪夢やアムロとの会話などもその好例である。
【スレッガー出撃】
前回の活躍から、Gファイターの2号機に乗って出撃を命じられるスレッガー。ノーマルスーツを青いものに着替えているカットは芸が細かい。戦いの中で自分の役割を認めさせようとする独白が、プロの軍人らしく聞こえる。
キャメル艦隊のリック・ドム隊、コードネームは「スカートつき」。ガンダムとの一騎討ちとなったとき、アムロは「上か?下か?」と太刀筋を読む。敵にかわされた……と思った瞬間、逆転するアムロのビーム・サーベル技という展開が、時代劇の殺陣ようで快感だ。その戦いぶりは、もはやかつての素人ではない……。
氷川竜介(アニメ評論家)
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