2008年1月7日 (月)
第24話「迫撃!トリプル・ドム」
オデッサ作戦でマ・クベが危ういと知りつつ、キシリアは月面を動くわけにはいかない。将校たちを鼓舞するシーンでキシリアの性格とジオン軍側から見た戦況の一断面が同時にわかる。中でも重モビルスーツの配備先や、シャアの数話先のマッドアングラー隊への着任が語られていることが興味深い。シャアが「中佐」と呼ばれているところにも注目だ。
【黒い三連星とレビル将軍】
ルウム戦役時にレビル将軍が捕虜となったエピソードが語られる。三連星の底知れぬ実力を印象づけると同時に連邦軍側の情報網の強さを示し、スパイのエルラン中将を慌てさせる。手際良い描写でいくつもの要素が描かれている。
少年たちとの記念写真や、放射線洗浄ルームでアムロから受ける質問など、マチルダの他人への接し方は実に誠実な大人の態度である。美しいだけでなく、ひとつずつを誠実に行う凛々しさが好ましいのだ。それゆえ「戦争という破壊の中でただひとつ、物を作っていくことができるから」という言葉もひときわ魅力的に聞こえる。
【ガンタンク操縦系の変更】
本来はふたり乗りであったが、リュウの死を契機に砲座席からの操縦方式へと変更された。カイ、ハヤトとアムロのポジションが明確になると同時に、人手不足で戦うホワイトベースの緊迫感もより明瞭になった。
【セイラ、パイロットに】
セイラがGアーマーのパイロットに配置転換される。パワーアップメカの活躍を印象づけるためだが、彼女はガンダムで出撃したこともあるので、それほど違和感がない。ガンダムとの分離も最初の出撃で見せ、パワーアップの基本システムもきちんと観客に理解させているのは、さすが。
マチルダの死を幻視するミライ、ドムを切断するときのアムロの目の輝きなど、後のニュータイプ描写の先がけとなる描写が頻出する。この時点では、それほど深い意味があるようには、まだ思えないのだが……。
氷川竜介(アニメ評論家)
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