2007年12月11日 (火)
第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」
マ・クベ配下のモビルスーツ部隊。それは腕にヒート・ホークやマシンガンを持った変則的なグフの部隊だった。本来グフは、腕内部に類似の武器を内蔵しているはずなのだが……。TV版だけに登場するカスタム機なのかもしれない。
【倒れるブライト】
ブライトの指示に乱れが出て、過労で倒れてしまうエピソード。艦内で続発するトラブルから来るストレスに、いかに彼が圧迫されていたかが推察できる。限界を超える引き金になったのも、頼りにしていたリュウの死であろう。TVシリーズならではの大河ドラマ的テイストである。
鉱山を潰されいらだつマ・クベ。連邦軍の情報をジオン軍に流す内通者が、エルランとその部下ジュダックであることが示されている。エルランの階級はここでは少将となっている(オデッサ作戦時は中将)。
【フラウの入浴シーン】
カツ、レツ、キッカと風呂に入るフラウ・ボゥ。ブリッジの3人の女性中、彼女の入浴シーンのみが劇場版でカットされたため、TVシリーズならではのお楽しみのひとつになってしまった。入浴直後、アムロやハヤトたちの体臭を気にする描写も生活を実感させてくれる。
【プラスチック装備】
ラング、バイスたちジオン兵は探知できないよう金属を排除し、リフトジェットで接近してホワイトベースに爆弾をしかける。汗をふこうとしてヘルメットに気づくところなど、細やかな描写だ。
ブライトが倒れたためミライは代理に立ち、彼女なりに懸命に指揮をつとめようとするが、不慣れなため次々と裏目に出てしまう。操艦やブライトの補佐はできても、直接の代わりはできないという点が実に生々しい。注目ポイントは、セイラがミライに対して見せる態度。状況判断に関してはセイラの方が熟練しているためつい態度に出てしまい、冷たく受け止められがちなセイラの言動が、さらにミライをいらだたせる。そんな軋轢の積みかさねが、実に現実的な重みを映像に加えているのである。劇場版で削除された本エピソード最大のみどころは、そこなのだ。
氷川竜介(アニメ評論家)
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