2007年8月28日 (火)
第7話「コアファイター脱出せよ」
衛星軌道に復帰できないホワイトベースに代わり、コア・ファイターが弾道軌道を取ろうと試みる。これは宇宙飛行の基本となる軌道で、世界初の人工衛星スプートニクもこの軌道を使った。現実味の多い用語が続々と出るのもTVシリーズの魅力だ。
【着艦と換装】
帰 還したコア・ファイターが変形してガンダムに組みこまれる換装シーンが登場。「換装」も実際の軍事用語で、ミッドウェイ海戦で艦載機の爆装を変更した事件 が有名。また、ホワイトベース艦底部にワイヤーが出てコア・ファイターが着艦フックでスピードを減殺する機構などもかなり現実の空母に近い描写である。 シャアが、今まで見ていたものは多用途MSの断面に過ぎないと知って驚くシーンともセットになっている。
初 期TVシリーズにおける“戦争のリアリティ”のひとつには、働き盛りの人間が戦禍のために圧倒的に少なくなって、老人と女性と子どもばかりになった社会と いう背景描写がある。本エピソードは宇宙移民を経験した老人たちが、実は棄民政策に不満を抱えながら生きてきたという「戦争の根」にあるものを描いてい る。
【現実にナナメに向き合うカイ】
着実にやれることをやっていくアムロに対し、すべてナナメに構えて冷笑的な言動を繰り返して周囲をいらつかせるカイ。現実にもそういう人間が多いという点で、非常にリアリティを感じさせる描写となっている。
氷川竜介(アニメ評論家)
(C) 創通・サンライズ
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