2013年4月10日 (水)
ガンダムのお約束 ~その51~『ガンダムシリーズの主人公たち(その1)』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第51回!
ガンダム界のセンジュナマコ(←かなりカワイイ!?)と巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第51回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その51~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」シリーズに欠かせないもの……それは言うまでもなく個性豊かな『主人公』たちです!! なんてったって主人公無しにはお話が始まりません。
生まれも育ちも、ましてや性格もいろいろと、一見ばらばらに見える彼らですが、実は意外な共通点があったりするんですよね~!?
というわけで今回は「ガンダムシリーズの主人公たち」(その1)をご紹介していきたいと思います~!
●●●
ガンダムに登場する主人公は、実はメカおたくだったりするのがお約束!?
メカおたく! っていうと秋葉原(しかも裏側)の日の当たらない路地とかにある露店や、あやしげなビルの中にある謎の店で孤独かつ執拗に獲物を探しつつ徘徊する少々ジャンキーな雰囲気の人たちを連想しちゃうかもしれませんが(←どえらい偏見)、ガンダムシリーズの中に出てくるメカおたくな主人公はそういうクラシカルな求道者タイプじゃなくて、今はやりの理系男子というか、あえて名前を付けるなら“さわやか系メカおたく”というか……すごく自然な感じでメカが好き~! っていうところがとっても好感度高いですね! なんたって、ほぼ全シリーズにレギュラーで登場する(←影の主人公!?)マスコットロボットのハロだって、いとも簡単に改造(カスタム)したり作っちゃったりするんですから! ガンダムのプログラミングをいじったり(←ハッカーですか?)暮らしに役立つ実用ロボットを自作できるなんてスゴイじゃないですか!! ホームセンターやネット通販でお手軽に買うんじゃないんですよ! まあ、その分コミュ力や道徳観なんかにちょっと問題がある子も多い気がしますが……その辺も今風だってことで、やっぱりガンダムって先見性があったんですね~(納得)。
■アムロ・レイ(『機動戦士ガンダム』)
てなわけで、トップバッターはこの人、アムロ・レイです。言わずと知れたTVシリーズ第1弾『機動戦士ガンダム』の主人公で、それまで熱血君(そしてイケメン?)ばかりだったロボットアニメに出てくる主人公のイメージを一気に塗り替えちゃったのがアムロなんです。
メカおたくで内向的な性格というと、どうしてもネガな要素が強くなっちゃうような気がしますが、その分彼はナイーヴで傷つきやすい心を持った純粋な少年でもあります(←ニュータイプの素質のひとつかもしれませんね)。父(テム・レイ)が科学者(ガンダムを作った人)ということもあって小さい頃から機械やコンピューターに親しんでいたアムロは、マスコット(ペット)ロボットのハロを友達としてとても大切にしています(←かなり自分で改造しまくったようですね)。
常にアムロの周りを飛び回り、愛らしくカタコトでしゃべりかけてくるハロですが、単なる愉快なペットロボではありません。必要とあらば脳波を計測してみたり(!?)、子供たち(カツ・レツ・キッカ)の遊び道具になったり、危険を知らせたり、ときにはアムロの相棒として勇敢に(?)戦ったりもするんです。しかも怒ったフラウ・ボゥに思い切り蹴っ飛ばされても壊れないという強靱なタフネスぶり……これらはアムロのカスタムによるチューンアップの賜物でしょうか。この辺はまさにメカおたく魂炸裂です。アムロが今の世の中にいたら世界中の家電メーカーからこぞってスカウトが来ること必至です。
この後もガンダムシリーズには頻繁にハロが出てきますが、基本、このときからコンセプトや姿形が変わってないというのも本当にスゴイことですよ! もちろんメカに強いとはいえ、初めて乗ったガンダムをいきなり操縦しちゃうのもとってもアンビリーバブルなことです! これからはアムロのことを敬意を込めて“ファーストメカおたく”と呼びたいですね!
■ジュドー・アーシタ(『機動戦士ガンダムZZ』)
次はサイド1のスペースコロニー、シャングリラでジャンク屋稼業をしているジュドー・アーシタです。「稼業」なんていうとなんだか街のワルとか不良みたいなイメージがありますが(←昭和風)、ジュドーはちゃらちゃら遊ぶ小遣い稼ぎのためにジャンク屋をやってたわけじゃありません。なんと自分は学校に通わずに、生活費の捻出&大事な妹のリィナ・アーシタちゃんを山の手の学校に入れるために仲間たちと一生懸命に働いてたんですよ。くー、泣けますねー。あ、なんだか目の前が曇ってきちゃいました……ぐすん。素直でいつも元気いっぱい、人付き合いも上手いというアムロとはある意味正反対な性格のジュドーは“兄妹愛系メカおたく”(←そんなのあるんかい)と呼ぶに相応しい存在といえるでしょう。
やがてシャングリラに寄港したエゥーゴ(反地球連邦組織)の巡洋艦アーガマから前大戦で活躍したZガンダムを彼とその仲間が盗みだしたところから物語は始まっていきますが、いくら元気いっぱいでやんちゃな子供たちとはいえ、泥棒は泥棒、他人のものはどんな理由があるにせよ勝手に盗んじゃいけません! という教訓でした(←あれ?)。
■ガロード・ラン(『機動新世紀ガンダムX』)
ヴァルチャー(廃棄された軍の残骸を漁って売りさばく者達)のMSを生身で捕獲し(!?)、ジャンクパーツを売って生活していたガロード・ラン。彼の場合は家族や兄妹のためでなく、純粋に自分の生活のためにそれを行っていました。亡くなった父親が軍の技術者をしていたためか、ガロードも最初はメカニックマンを目指していたようですが、戦災孤児となってしまった後はその技術を生かしてMSを奪取してはパーツを売り捌くことを生業としてずっと一人で生きてきたのです……うっ、なんだかまた目の前が曇ってきちゃいました……ぐっすん。
持ち込まれた依頼で連れ帰る予定だったティファ・アディールに一目ぼれして、彼女の導きで辿り着いた旧連邦軍の秘密工場からガンダムXを盗んだり、それ以降もいきなり「ガンダム売るよ!」と盗んだガンダムXを街のど真ん中で行われていた競売にどさくさで出品したりとやることがいちいちワイルドですが、ガロードはその名の通りに我が道を突き進み、時代を先取りする“オークション(フリーマーケット)系メカおたく”というかんじでしょうかね(←いいのか!?)。
■キラ・ヤマト/アスラン・ザラ(『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)
月のコペルニクス幼年学校時代から親友だったキラとアスラン。ところがアスランが月からプラント(新世代コロニーの総称)へお引越しをすることになり、アスランはキラに鳥型ペットロボットのトリィを友情の印としてプレゼントします(トリィは最初にキラが作ろうとしていたものをアスランが完成させたもの)。これが後々まで二人のくされ縁……じゃなかった二人の愛憎まみえる複雑な関係を象徴するようになっていくのですが……。
アスランは他にも婚約者のラクス・クラインが子供のころに乗って遊んでいた犬型ロボットのオカピを修理したり、気前よくハロをプレゼントしたりするんですが、彼女が一台目のハロ(命名:ピンクちゃん)を気に入ってくれたことに気を良くして、後にものすごい数(←ってどんだけ~!)のハロをプレゼントしたりもしてます。
一方、キラも負けてはいません! もともと工業カレッジの生徒で、スーパーハッカー(←キリッ!)だったキラはザフト襲撃の際にマリュー・ラミアス(地球連合軍のお色気女性士官)とストライクガンダムのコクピットに乗り込み、OSを書き換えて操縦、敵を撃退します。
モビルスーツ(MS)の操縦技術においては右に出る者はいないといわれているキラですが、初めて乗ったガンダムのプログラミングをを自分用にすばやく書き換えて僕仕様にカスタム化しちゃったよ! なんてところはさすがスーパーコーディネイター(遺伝子調整された人類の最高格)の面目躍如というかんじです。
ひたすら純粋なキラとちょっぴり兄貴分のアスラン、二人そろって“めちゃモテ系メカおたく”というまったく憎い主役コンビですね~。
■フリット・アスノ(『機動戦士ガンダムAGE』)
ガンダムAGEフリット編の主人公、フリット・アスノの家は先祖からずっとMS鍛冶(地球連邦軍が兵器関連の技術を廃棄した銀の杯条約以降もMSの開発技術を稼業として代々受け継いでいる者達)の名門家系だっていうから恐れ入ります。7歳の時に敵の襲撃で母を亡くし、そのときにメモリーユニットのAGEデバイスを渡されますが、その中にはなんと! 古代の救世主ことガンダムの設計図が入ってたんです(おお!)その後、データを軍の技術者たちと7年に渡る歳月を得て研究した結果、フリットは遂にガンダムAGE-1を完成させることになります。ちなみに主人公がガンダムを開発するというのは極めて稀なんですよ~! しかし思いを寄せていた少女、ユリンをライバルのデシルによって殺されてしまったことで、二度も大切な人を失うことになった原因である未知なる敵、UE(ヴェイガン/火星移住計画によって移り住んだ者の末裔)に対するフリットの怒りと憎しみはますます高まっていくのでした。
元々は天才的な少年メカニックながら、パイロットとしても類まれなる才能を持ち、その後もガンダムに対してはひたすらに熱い情熱を持ち続ける彼は(続くアセム編では完璧な父親~キオ編では頑固な爺ちゃんとして)まさに世代を超えてガンダムに関わり続ける “進化系メカおたく”ですね。
■バナージ・リンクス(『機動戦士ガンダムUC』)
アナハイム工業専門学校に通うバナージ・リンクスは戦争も知らず、ごく平凡な学生として平和な日々を過ごしていましたが(平凡すぎてどことなく違和感を感じていたようですが……ある意味贅沢な悩みですよね)、オードリー・バーンと名乗る謎の少女と街で偶然出会ったことからその日常は一変、実の父であるカ―ディアス・ビストが作ったユニコーンガンダムを渡されて搭乗することになり、そのまま自らの出生の秘密に関わる運命的かつ大きな争いに巻き込まれていきます。
顔も知らない父に招かれて、工業コロニーの中にあるインダストリアル7の学校で学びつつ、複合企業ブッホコンツェルン傘下のブッホジャンク社で小型のMS(プチモビ)を使ったスペース・デブリを回収するアルバイトをしていたというあたりも自分の専門知識(と趣味?)を生かせるメカおたくらしいナイスな選択です。
一途でまっすぐ、見るからに誠実で真面目そうな彼は“工専系(専門学校系)メカおたく”というかんじがしますね。
というわけで、以上「ガンダムシリーズの主人公たち」(その1)、いかがでしたでしょうか~?
彼らが現代の世の中にいたらガンプラ作りとかすごく上手そうな気が……ここはぜひ一台、私にもお掃除やお料理、宝くじ当選確率計算機etc. に特化した全自動超便利スペシャル仕様のハロを作ってほしいもんです(←強く希望)。
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。
さて、いきなりですが、なんとこのコラムも残すところあと1回ということになりました(←ええ~っ!?)。始まりがあれば終わりが、そして終わりがあればまた始まりもある! というわけでこのままラストまで突っ走って行きたいと思います~!
では次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のセンジュナマコ(←かなりカワイイ!?)と巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第51回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その51~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」シリーズに欠かせないもの……それは言うまでもなく個性豊かな『主人公』たちです!! なんてったって主人公無しにはお話が始まりません。
生まれも育ちも、ましてや性格もいろいろと、一見ばらばらに見える彼らですが、実は意外な共通点があったりするんですよね~!?
というわけで今回は「ガンダムシリーズの主人公たち」(その1)をご紹介していきたいと思います~!
ガンダムに登場する主人公は、実はメカおたくだったりするのがお約束!?
メカおたく! っていうと秋葉原(しかも裏側)の日の当たらない路地とかにある露店や、あやしげなビルの中にある謎の店で孤独かつ執拗に獲物を探しつつ徘徊する少々ジャンキーな雰囲気の人たちを連想しちゃうかもしれませんが(←どえらい偏見)、ガンダムシリーズの中に出てくるメカおたくな主人公はそういうクラシカルな求道者タイプじゃなくて、今はやりの理系男子というか、あえて名前を付けるなら“さわやか系メカおたく”というか……すごく自然な感じでメカが好き~! っていうところがとっても好感度高いですね! なんたって、ほぼ全シリーズにレギュラーで登場する(←影の主人公!?)マスコットロボットのハロだって、いとも簡単に改造(カスタム)したり作っちゃったりするんですから! ガンダムのプログラミングをいじったり(←ハッカーですか?)暮らしに役立つ実用ロボットを自作できるなんてスゴイじゃないですか!! ホームセンターやネット通販でお手軽に買うんじゃないんですよ! まあ、その分コミュ力や道徳観なんかにちょっと問題がある子も多い気がしますが……その辺も今風だってことで、やっぱりガンダムって先見性があったんですね~(納得)。
■アムロ・レイ(『機動戦士ガンダム』)
てなわけで、トップバッターはこの人、アムロ・レイです。言わずと知れたTVシリーズ第1弾『機動戦士ガンダム』の主人公で、それまで熱血君(そしてイケメン?)ばかりだったロボットアニメに出てくる主人公のイメージを一気に塗り替えちゃったのがアムロなんです。
メカおたくで内向的な性格というと、どうしてもネガな要素が強くなっちゃうような気がしますが、その分彼はナイーヴで傷つきやすい心を持った純粋な少年でもあります(←ニュータイプの素質のひとつかもしれませんね)。父(テム・レイ)が科学者(ガンダムを作った人)ということもあって小さい頃から機械やコンピューターに親しんでいたアムロは、マスコット(ペット)ロボットのハロを友達としてとても大切にしています(←かなり自分で改造しまくったようですね)。
常にアムロの周りを飛び回り、愛らしくカタコトでしゃべりかけてくるハロですが、単なる愉快なペットロボではありません。必要とあらば脳波を計測してみたり(!?)、子供たち(カツ・レツ・キッカ)の遊び道具になったり、危険を知らせたり、ときにはアムロの相棒として勇敢に(?)戦ったりもするんです。しかも怒ったフラウ・ボゥに思い切り蹴っ飛ばされても壊れないという強靱なタフネスぶり……これらはアムロのカスタムによるチューンアップの賜物でしょうか。この辺はまさにメカおたく魂炸裂です。アムロが今の世の中にいたら世界中の家電メーカーからこぞってスカウトが来ること必至です。
この後もガンダムシリーズには頻繁にハロが出てきますが、基本、このときからコンセプトや姿形が変わってないというのも本当にスゴイことですよ! もちろんメカに強いとはいえ、初めて乗ったガンダムをいきなり操縦しちゃうのもとってもアンビリーバブルなことです! これからはアムロのことを敬意を込めて“ファーストメカおたく”と呼びたいですね!
■ジュドー・アーシタ(『機動戦士ガンダムZZ』)
次はサイド1のスペースコロニー、シャングリラでジャンク屋稼業をしているジュドー・アーシタです。「稼業」なんていうとなんだか街のワルとか不良みたいなイメージがありますが(←昭和風)、ジュドーはちゃらちゃら遊ぶ小遣い稼ぎのためにジャンク屋をやってたわけじゃありません。なんと自分は学校に通わずに、生活費の捻出&大事な妹のリィナ・アーシタちゃんを山の手の学校に入れるために仲間たちと一生懸命に働いてたんですよ。くー、泣けますねー。あ、なんだか目の前が曇ってきちゃいました……ぐすん。素直でいつも元気いっぱい、人付き合いも上手いというアムロとはある意味正反対な性格のジュドーは“兄妹愛系メカおたく”(←そんなのあるんかい)と呼ぶに相応しい存在といえるでしょう。
やがてシャングリラに寄港したエゥーゴ(反地球連邦組織)の巡洋艦アーガマから前大戦で活躍したZガンダムを彼とその仲間が盗みだしたところから物語は始まっていきますが、いくら元気いっぱいでやんちゃな子供たちとはいえ、泥棒は泥棒、他人のものはどんな理由があるにせよ勝手に盗んじゃいけません! という教訓でした(←あれ?)。
■ガロード・ラン(『機動新世紀ガンダムX』)
ヴァルチャー(廃棄された軍の残骸を漁って売りさばく者達)のMSを生身で捕獲し(!?)、ジャンクパーツを売って生活していたガロード・ラン。彼の場合は家族や兄妹のためでなく、純粋に自分の生活のためにそれを行っていました。亡くなった父親が軍の技術者をしていたためか、ガロードも最初はメカニックマンを目指していたようですが、戦災孤児となってしまった後はその技術を生かしてMSを奪取してはパーツを売り捌くことを生業としてずっと一人で生きてきたのです……うっ、なんだかまた目の前が曇ってきちゃいました……ぐっすん。
持ち込まれた依頼で連れ帰る予定だったティファ・アディールに一目ぼれして、彼女の導きで辿り着いた旧連邦軍の秘密工場からガンダムXを盗んだり、それ以降もいきなり「ガンダム売るよ!」と盗んだガンダムXを街のど真ん中で行われていた競売にどさくさで出品したりとやることがいちいちワイルドですが、ガロードはその名の通りに我が道を突き進み、時代を先取りする“オークション(フリーマーケット)系メカおたく”というかんじでしょうかね(←いいのか!?)。
■キラ・ヤマト/アスラン・ザラ(『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)
月のコペルニクス幼年学校時代から親友だったキラとアスラン。ところがアスランが月からプラント(新世代コロニーの総称)へお引越しをすることになり、アスランはキラに鳥型ペットロボットのトリィを友情の印としてプレゼントします(トリィは最初にキラが作ろうとしていたものをアスランが完成させたもの)。これが後々まで二人のくされ縁……じゃなかった二人の愛憎まみえる複雑な関係を象徴するようになっていくのですが……。
アスランは他にも婚約者のラクス・クラインが子供のころに乗って遊んでいた犬型ロボットのオカピを修理したり、気前よくハロをプレゼントしたりするんですが、彼女が一台目のハロ(命名:ピンクちゃん)を気に入ってくれたことに気を良くして、後にものすごい数(←ってどんだけ~!)のハロをプレゼントしたりもしてます。
一方、キラも負けてはいません! もともと工業カレッジの生徒で、スーパーハッカー(←キリッ!)だったキラはザフト襲撃の際にマリュー・ラミアス(地球連合軍のお色気女性士官)とストライクガンダムのコクピットに乗り込み、OSを書き換えて操縦、敵を撃退します。
モビルスーツ(MS)の操縦技術においては右に出る者はいないといわれているキラですが、初めて乗ったガンダムのプログラミングをを自分用にすばやく書き換えて僕仕様にカスタム化しちゃったよ! なんてところはさすがスーパーコーディネイター(遺伝子調整された人類の最高格)の面目躍如というかんじです。
ひたすら純粋なキラとちょっぴり兄貴分のアスラン、二人そろって“めちゃモテ系メカおたく”というまったく憎い主役コンビですね~。
■フリット・アスノ(『機動戦士ガンダムAGE』)
ガンダムAGEフリット編の主人公、フリット・アスノの家は先祖からずっとMS鍛冶(地球連邦軍が兵器関連の技術を廃棄した銀の杯条約以降もMSの開発技術を稼業として代々受け継いでいる者達)の名門家系だっていうから恐れ入ります。7歳の時に敵の襲撃で母を亡くし、そのときにメモリーユニットのAGEデバイスを渡されますが、その中にはなんと! 古代の救世主ことガンダムの設計図が入ってたんです(おお!)その後、データを軍の技術者たちと7年に渡る歳月を得て研究した結果、フリットは遂にガンダムAGE-1を完成させることになります。ちなみに主人公がガンダムを開発するというのは極めて稀なんですよ~! しかし思いを寄せていた少女、ユリンをライバルのデシルによって殺されてしまったことで、二度も大切な人を失うことになった原因である未知なる敵、UE(ヴェイガン/火星移住計画によって移り住んだ者の末裔)に対するフリットの怒りと憎しみはますます高まっていくのでした。
元々は天才的な少年メカニックながら、パイロットとしても類まれなる才能を持ち、その後もガンダムに対してはひたすらに熱い情熱を持ち続ける彼は(続くアセム編では完璧な父親~キオ編では頑固な爺ちゃんとして)まさに世代を超えてガンダムに関わり続ける “進化系メカおたく”ですね。
■バナージ・リンクス(『機動戦士ガンダムUC』)
アナハイム工業専門学校に通うバナージ・リンクスは戦争も知らず、ごく平凡な学生として平和な日々を過ごしていましたが(平凡すぎてどことなく違和感を感じていたようですが……ある意味贅沢な悩みですよね)、オードリー・バーンと名乗る謎の少女と街で偶然出会ったことからその日常は一変、実の父であるカ―ディアス・ビストが作ったユニコーンガンダムを渡されて搭乗することになり、そのまま自らの出生の秘密に関わる運命的かつ大きな争いに巻き込まれていきます。
顔も知らない父に招かれて、工業コロニーの中にあるインダストリアル7の学校で学びつつ、複合企業ブッホコンツェルン傘下のブッホジャンク社で小型のMS(プチモビ)を使ったスペース・デブリを回収するアルバイトをしていたというあたりも自分の専門知識(と趣味?)を生かせるメカおたくらしいナイスな選択です。
一途でまっすぐ、見るからに誠実で真面目そうな彼は“工専系(専門学校系)メカおたく”というかんじがしますね。
というわけで、以上「ガンダムシリーズの主人公たち」(その1)、いかがでしたでしょうか~?
彼らが現代の世の中にいたらガンプラ作りとかすごく上手そうな気が……ここはぜひ一台、私にもお掃除やお料理、宝くじ当選確率計算機etc. に特化した全自動超便利スペシャル仕様のハロを作ってほしいもんです(←強く希望)。
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。
さて、いきなりですが、なんとこのコラムも残すところあと1回ということになりました(←ええ~っ!?)。始まりがあれば終わりが、そして終わりがあればまた始まりもある! というわけでこのままラストまで突っ走って行きたいと思います~!
では次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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