2013年4月3日 (水)
ガンダムのお約束 ~その50~『ガンダムシリーズの策士(その2)』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第50回!
ガンダム界のウッカリカサゴ(←カワイイかも!?)と巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第50回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その50~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」シリーズの魅力として欠かせないもの……そのひとつは『策士』です!!
山よりも高いプライドと海よりも深い野望、主人公や世界の根幹を揺るがす大きな仕掛けをも企てて実行しようとする……単なる悪役という枠だけに収まらない彼らの行動からは目が離せません!
というわけで今回は「ガンダムシリーズの策士」(その2)をご紹介していきたいと思います~!
●●●
ガンダムに登場する策士は、とんでもないことを実行して黒幕(?)になっちゃうのがお約束!?
策士は賢くなくては生きてはいけません。そしてあるときは狡くなければ策士の資格がありません……なんだか前にもこんなようなことをどこかで書いたような(?)気がしますが、今回登場する二人もその条件にぴったりとあてはまっちゃっちゃうステキ(!?)な策士さんたちですよ~!
ギルバート・デュランダル(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)
策士シリーズその2の最初に登場するのは、ギルバート・デュランダルです。遺伝子操作をされた人類・コーディネイターによる自治組織、プラントの連合とその軍であるザフトの最高評議会議長の彼は、容姿端麗かつ人心掌握にも優れて、専攻は遺伝子研究なんですが、皮肉なことにかつての恋人、タリア・グラディスとはその遺伝子上の相性が決定的な原因となって別れることになってしまったようです(後に彼女が艦長を務める新造艦ミネルバの強化に力を入れていたみたいですが、やっぱり未練があったのかしら……)。
このタリアとの不本意な別れ方に傷つき、ひどく凹みきってしまったデュランダルは人類救済の方法として“デスティニープラン”(遺伝子によって人の運命を決める)を提唱し、その政策に着手します。
これはどういうことかというと、生まれ持った遺伝子から先天的な能力と適正を解析し、最適な職業や役割を与えて効率的な社会の運営を図るもので、合理的に思える反面、そぐわない者や歯向かう者はさっくりと淘汰、調整(粛清?)してしまうという社会を作ろうというものです。
恋人との理不尽で辛い別れを経てからというもの、デュランダルには、悲劇や間違いが起きることのないディスティニープランによって完璧に計算、管理された社会こそが自分の望む未来に見えてしまっていたのでしょう。彼の考えでは国家による超管理社会が完成した暁には個人間の争いもなくなり、最終的にはすべての人間が幸せに生活できるということらしいんですが……(←ほんとかよ~?)。
しかし、そこは策士のデュランダル、こんな恐ろしい野望を企んでいるだけでなく、ザフトでさらなる支持を得るために、姿をくらました前議長の娘でプラントの歌姫と呼ばれたラクス・クラインの替え玉(←つまりニセ物)ことミーア・キャンベル嬢を使って堂々と慰問コンサート(ようするにライブツアー)なんかをさせたりもしてるんですね~(←見分け方:きわどいコスチューム)。
でもね、これって奥さん、流行のなりすまし詐欺じゃないですか! 「今から銀行に行ってすぐ振り込んできて~!」 (←おまわりさんこいつです)とかミーアからいきなり電話がかかってきたら思わず振り込んじゃう純情なコーディネイターの人だっているかもしれません。
平和主義を説く一方で、新型モビルスーツ(MS)の開発にも熱心だったりと、少々(?)矛盾した考えを持っていたデュランダルはそれだけじゃなく、やっかいものは消えろとばかりにオーブ(オーブ連合首長国・中立国家)でひっそりと暮らしていた本物のラクスに暗殺部隊を差し向けたり、映像を改竄してフリーダムガンダムの活躍ぶりを隠蔽してみたり、またあるときにはテロリストを支援してみたりと、なにげにやってることはなかなかエグイことだらけだったりもします。
こうして彼の計画通り、ザフトの評価はますます高まり、地球連合軍の評判はだだ下がりになっていく一方で、デュランダルは反コーディネイター思想を持つ団体、ブルーコスモスの盟主たちによる秘密結社ロゴスを滅ぼした後、念願のディスティニープランを実行に移すべく行動を起こそうとします。その際には地球連合軍から奪った大量破壊兵器である軌道間全方位戦略砲であるレクイエムをためらいもなく使用するという残酷こともやってのけたりしちゃいます(←悪い奴ですね~)。
最後は主人公のキラ・ヤマトと人類の未来について言い争いとなり、ついに彼に銃を向けるのですが、最終的には己の理想であるディスティニープランとともに消えていくことになりました。
その外見のイメージからは想像もつかないような強烈な理念と野望を持って、大衆の前で見事な演説や指揮の腕を発揮し、世界を裏から操ろうとしたデュランダルは単なる悪役ではなく、まさしく純粋培養系、生まれついての策士なのではと思います。
■ウルベ・イシカワ(『機動武闘伝Gガンダム』)
続いては仮面の男、じゃなくて、なにやら不穏な雰囲気を漂わせる長髪&半仮面の男、ウルベ・イシカワです。軍服の下に鍛え上げた鋼鉄の肉体を持つ彼は、コロニー国家であるネオジャパンの軍を率いて戦う、まさに黒幕と呼ぶにふさわしい存在でもあります。
この人、武術家としての技術は天才クラスなんですが、なんというかとっても精神面がよろしくない(=性格が悪い)のですよね。そのことがガンダムファイト(コロニー国家間の戦争回避のためのイベント)の敗因となってしまったことにむかっ腹を立てたウルベは(←八つ当たり)、別の方法で大会の頂点に立とうと画策します。自分の正しさを証明するためには手段を選ばない、なんていうところはいかにもワルっぽいんですが、そこで次々と巧妙な計画を企んで実行に移していく辺りはやっぱり策士らしさ&黒幕っぽさ全開なんじゃないかと思いますね~。
最初にウルベは物語のヒロイン、レイン・ミカムラの父であるミカムラ博士と手を組んで、主人公・ドモン・カッシュの父(ライゾウ・カッシュ)とミカムラ博士が作った地球環境浄化用のアルティメットガンダム(地球落下時の暴走で後のデビルガンダムとなる)を強奪しようと企みます。しかし、それを案じたドモンの兄がアルティメットガンダムと共に逃亡すると、ドモンの父を冷凍刑に処したあげく(口封じのため)、地球に逃げて行った彼の兄を悪者に仕立てた嘘をつき、父を罪から解放したければ、ガンダムファイトに出場しろ、とウルベはドモンに迫ります(ドモンやレインはウルベに長い間騙されっぱなしでした)。そのせいで仕方なく(?)大会に出場したドモンがそれからいろいろあって(注:このあたりのことを詳しく知りたい人は『機動武闘伝Gガンダム』本編をぜひご覧ください~)やっとのことでデビルガンダム四天王を撃破し、ガンダムファイトで見事優勝すると、後にデビルガンダムの残骸をこっそり回収。今度は娘のレインに諭されて改心したミカムラ博士を射殺して、そのレインを生贄(!?)っぽく生体ユニットのコアに使ってデビルガンダム(元はアルティメットガンダム)を復活させちゃうんです(←こいつも悪い奴ですね~)!
最期はデビルガンダムに意識を侵食されてしまい、ネオジャパンコロニーと同化したデビルガンダム、デビルガンダムコロニーと一体化、さらにはデビルガンダム四天王の集合体であるグランドマスターガンダムでドモンたちのシャッフル同盟と一騎打ちというとんでもなくスゴいことになっていくのですが……。
デビルガンダムを手に入れて世界を支配する、という己の黒い野望のせいで、ミイラ取りがミイラになるように(?)自らもデビルガンダムやコロニーの集合体の一部となってしまったウルベは、ある意味、空前絶後のスケール(!?)を持ったスゴい黒幕系の策士なんじゃないでしょうか。
というわけで、以上「ガンダムシリーズの策士」(その2)、いかがでしたでしょうか~?
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。アニメでいうとそろそろ4クール目(?)に近づいてきた当コラム、次あたりでなにかが起こるかも……どきどき。
では次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のウッカリカサゴ(←カワイイかも!?)と巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第50回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その50~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」シリーズの魅力として欠かせないもの……そのひとつは『策士』です!!
山よりも高いプライドと海よりも深い野望、主人公や世界の根幹を揺るがす大きな仕掛けをも企てて実行しようとする……単なる悪役という枠だけに収まらない彼らの行動からは目が離せません!
というわけで今回は「ガンダムシリーズの策士」(その2)をご紹介していきたいと思います~!
ガンダムに登場する策士は、とんでもないことを実行して黒幕(?)になっちゃうのがお約束!?
策士は賢くなくては生きてはいけません。そしてあるときは狡くなければ策士の資格がありません……なんだか前にもこんなようなことをどこかで書いたような(?)気がしますが、今回登場する二人もその条件にぴったりとあてはまっちゃっちゃうステキ(!?)な策士さんたちですよ~!
ギルバート・デュランダル(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)
策士シリーズその2の最初に登場するのは、ギルバート・デュランダルです。遺伝子操作をされた人類・コーディネイターによる自治組織、プラントの連合とその軍であるザフトの最高評議会議長の彼は、容姿端麗かつ人心掌握にも優れて、専攻は遺伝子研究なんですが、皮肉なことにかつての恋人、タリア・グラディスとはその遺伝子上の相性が決定的な原因となって別れることになってしまったようです(後に彼女が艦長を務める新造艦ミネルバの強化に力を入れていたみたいですが、やっぱり未練があったのかしら……)。
このタリアとの不本意な別れ方に傷つき、ひどく凹みきってしまったデュランダルは人類救済の方法として“デスティニープラン”(遺伝子によって人の運命を決める)を提唱し、その政策に着手します。
これはどういうことかというと、生まれ持った遺伝子から先天的な能力と適正を解析し、最適な職業や役割を与えて効率的な社会の運営を図るもので、合理的に思える反面、そぐわない者や歯向かう者はさっくりと淘汰、調整(粛清?)してしまうという社会を作ろうというものです。
恋人との理不尽で辛い別れを経てからというもの、デュランダルには、悲劇や間違いが起きることのないディスティニープランによって完璧に計算、管理された社会こそが自分の望む未来に見えてしまっていたのでしょう。彼の考えでは国家による超管理社会が完成した暁には個人間の争いもなくなり、最終的にはすべての人間が幸せに生活できるということらしいんですが……(←ほんとかよ~?)。
しかし、そこは策士のデュランダル、こんな恐ろしい野望を企んでいるだけでなく、ザフトでさらなる支持を得るために、姿をくらました前議長の娘でプラントの歌姫と呼ばれたラクス・クラインの替え玉(←つまりニセ物)ことミーア・キャンベル嬢を使って堂々と慰問コンサート(ようするにライブツアー)なんかをさせたりもしてるんですね~(←見分け方:きわどいコスチューム)。
でもね、これって奥さん、流行のなりすまし詐欺じゃないですか! 「今から銀行に行ってすぐ振り込んできて~!」 (←おまわりさんこいつです)とかミーアからいきなり電話がかかってきたら思わず振り込んじゃう純情なコーディネイターの人だっているかもしれません。
平和主義を説く一方で、新型モビルスーツ(MS)の開発にも熱心だったりと、少々(?)矛盾した考えを持っていたデュランダルはそれだけじゃなく、やっかいものは消えろとばかりにオーブ(オーブ連合首長国・中立国家)でひっそりと暮らしていた本物のラクスに暗殺部隊を差し向けたり、映像を改竄してフリーダムガンダムの活躍ぶりを隠蔽してみたり、またあるときにはテロリストを支援してみたりと、なにげにやってることはなかなかエグイことだらけだったりもします。
こうして彼の計画通り、ザフトの評価はますます高まり、地球連合軍の評判はだだ下がりになっていく一方で、デュランダルは反コーディネイター思想を持つ団体、ブルーコスモスの盟主たちによる秘密結社ロゴスを滅ぼした後、念願のディスティニープランを実行に移すべく行動を起こそうとします。その際には地球連合軍から奪った大量破壊兵器である軌道間全方位戦略砲であるレクイエムをためらいもなく使用するという残酷こともやってのけたりしちゃいます(←悪い奴ですね~)。
最後は主人公のキラ・ヤマトと人類の未来について言い争いとなり、ついに彼に銃を向けるのですが、最終的には己の理想であるディスティニープランとともに消えていくことになりました。
その外見のイメージからは想像もつかないような強烈な理念と野望を持って、大衆の前で見事な演説や指揮の腕を発揮し、世界を裏から操ろうとしたデュランダルは単なる悪役ではなく、まさしく純粋培養系、生まれついての策士なのではと思います。
■ウルベ・イシカワ(『機動武闘伝Gガンダム』)
続いては仮面の男、じゃなくて、なにやら不穏な雰囲気を漂わせる長髪&半仮面の男、ウルベ・イシカワです。軍服の下に鍛え上げた鋼鉄の肉体を持つ彼は、コロニー国家であるネオジャパンの軍を率いて戦う、まさに黒幕と呼ぶにふさわしい存在でもあります。
この人、武術家としての技術は天才クラスなんですが、なんというかとっても精神面がよろしくない(=性格が悪い)のですよね。そのことがガンダムファイト(コロニー国家間の戦争回避のためのイベント)の敗因となってしまったことにむかっ腹を立てたウルベは(←八つ当たり)、別の方法で大会の頂点に立とうと画策します。自分の正しさを証明するためには手段を選ばない、なんていうところはいかにもワルっぽいんですが、そこで次々と巧妙な計画を企んで実行に移していく辺りはやっぱり策士らしさ&黒幕っぽさ全開なんじゃないかと思いますね~。
最初にウルベは物語のヒロイン、レイン・ミカムラの父であるミカムラ博士と手を組んで、主人公・ドモン・カッシュの父(ライゾウ・カッシュ)とミカムラ博士が作った地球環境浄化用のアルティメットガンダム(地球落下時の暴走で後のデビルガンダムとなる)を強奪しようと企みます。しかし、それを案じたドモンの兄がアルティメットガンダムと共に逃亡すると、ドモンの父を冷凍刑に処したあげく(口封じのため)、地球に逃げて行った彼の兄を悪者に仕立てた嘘をつき、父を罪から解放したければ、ガンダムファイトに出場しろ、とウルベはドモンに迫ります(ドモンやレインはウルベに長い間騙されっぱなしでした)。そのせいで仕方なく(?)大会に出場したドモンがそれからいろいろあって(注:このあたりのことを詳しく知りたい人は『機動武闘伝Gガンダム』本編をぜひご覧ください~)やっとのことでデビルガンダム四天王を撃破し、ガンダムファイトで見事優勝すると、後にデビルガンダムの残骸をこっそり回収。今度は娘のレインに諭されて改心したミカムラ博士を射殺して、そのレインを生贄(!?)っぽく生体ユニットのコアに使ってデビルガンダム(元はアルティメットガンダム)を復活させちゃうんです(←こいつも悪い奴ですね~)!
最期はデビルガンダムに意識を侵食されてしまい、ネオジャパンコロニーと同化したデビルガンダム、デビルガンダムコロニーと一体化、さらにはデビルガンダム四天王の集合体であるグランドマスターガンダムでドモンたちのシャッフル同盟と一騎打ちというとんでもなくスゴいことになっていくのですが……。
デビルガンダムを手に入れて世界を支配する、という己の黒い野望のせいで、ミイラ取りがミイラになるように(?)自らもデビルガンダムやコロニーの集合体の一部となってしまったウルベは、ある意味、空前絶後のスケール(!?)を持ったスゴい黒幕系の策士なんじゃないでしょうか。
というわけで、以上「ガンダムシリーズの策士」(その2)、いかがでしたでしょうか~?
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。アニメでいうとそろそろ4クール目(?)に近づいてきた当コラム、次あたりでなにかが起こるかも……どきどき。
では次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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