2013年4月17日 (水)
ガンダムのお約束 ~その52~『ガンダムシリーズの主人公たち(その2)』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第52回!
文/馬場絵麻
ガンダム界のリュウグウノツカイと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第52回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その52~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」シリーズに欠かせないものと言えば、なんといっても良い子から悪い子(!?)まで、バラエティに富んだ『主人公』たちです! が、しかし、その主人公をあるときは影ながら愛情で支え、またあるときは主人公を助けるためなら敵陣の中へ果敢に切り込む勇気を見せてくれたりする頼もしい存在といえば……それは主人公の幼なじみです! ってこれまた意外な共通点の一つだったりするんですよ(って知ってました?)。
というわけで、前回の“メカおたく”編に続いて今回は「ガンダムシリーズの主人公たち」(その2) 、“幼なじみ”編をご紹介していきたいと思います~!
●●●
ガンダムに登場する主人公は、実はとっても仲のいい幼なじみがいるのがお約束!?
■フリット・アスノ/エミリー・アモンド(『機動戦士ガンダムAGE』)
エミリー・アモンドはフリット編の主人公&物語のキーマンであるフリット・アスノの幼なじみで、未知なる敵、UE(ヴェイガン)の襲撃で母を失い、ノーラ(コロニー)にやってきたフリットの最初の友達になる女の子です。アリンストン基地の整備部に勤める技術士官(フリットの上司の名物メカニック爺ちゃん、でもまだまだヤングな55歳なんじゃよ!)のバルガス・ダイソンの孫娘でもあります。お爺ちゃんがメカに滅法強いせいか、ペットロボットのハロとはとっても仲が良くて(物語後半では彼女もメカニックの道に進むことに……)、ノーラが崩壊する前は学校のアイドル的な存在でもあったようです。
先祖代々に渡る名門ガンダム鍛冶の家系&ガンダム好きすぎ少年のフリットにはいつのまにか好意を抱いていたようで、正規の軍人でもないのに頻繁に戦場に出ようとするフリットのことが気になるあまり、なんとか彼を戦場から遠ざけようとしたり、また、彼が敵につかまった時には単身で助けに行こうとするという情熱的な面もあったりします。
UEの襲撃を受けたところをフリットに助けられて第2話から登場した、フリットと同じXラウンダー(特殊能力)を持つ少女、ユリン・ルシェルにフリットの嫁……じゃないガールフレンド(?)の座をあやうく取られそうになりますが、その後は無事に結婚して、フリットの息子、アセム・アスノとユノア・アスノの二児の母親になりました。
そんなエミリーは主人公のフリットを常に支える“良妻賢母系幼なじみ”(←実はガンダムシリーズ中では珍しかったりも) といえますね!
■キラ・ヤマト/アスラン・ザラ(『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)
キラとアスランといえば、もう言うまでもなく(ガンダムシリーズでは珍しい?)、女性に大人気なカッコイイモテ系の主人公です。主人公のキラ・ヤマトにとってアスラン・ザラは幼い頃を月で過ごしたかけがえのない大親友なのですが、アスランがおうちの事情(!?)でプラント(新世代コロニーの総称)へ引っ越すことになってからは、そのまま疎遠なかんじになっちゃいました(←よくある話かも……)。その際にアスランはキラに友情の印としてトリィ(小鳥型ペットロボット)を渡します。これが後々、二人の間で揺れ動く感情や運命的な場面にいろいろ登場するんですが、その名演技たるや、アカデミー賞に鳥部門があればたぶん受賞間違いなし! ってくらいの活躍ぶりを見せてくれるんですよ!……なんだか熱く語ってしまいましたが、そんな幼なじみ鳥のトリィのことはさておき(?)、純粋で繊細(←すぎる)なキラと、モテ系メカおたくとして共通する点も多いんだけどちょっぴり兄貴分的なところのあるアスランという、名コンビかつそれまで無二の親友だった二人は、その後の残酷な運命の嵐の中で、互いの守るべきもののためにいつしか敵味方に分かれて激しく戦い続けることになっていきます。これぞまさに戦場のロミオとジュリエット、安寿と厨子王(←なんか違う気が……!?)ではないでしょうか!?
新世代ガンダムシリーズを代表する主役コンビとして、ガンダムファンに鮮烈な印象を残したこの二人は、やっぱり“永遠のライバル&親友(マブだち)系幼なじみ” と呼ぶのが相応しい気がします~!
■ロラン・セアック/フラン・ドール(『∀ガンダム』)
フラン・ドールは新聞の記者で主人公、ロラン・セアックの幼なじみです。実は彼女もロランと同じ月から来たムーンレィス(月に移り住んだ人類)で、後に商才を発揮(!?)してパン屋さんとなるキース・レジェと三人で地球環境調査隊(移民の偵察隊)として地球に降りてきました。
フランは地球へ降りてからは印刷工としてノックス・クロニクルという新聞社に勤めていましたが、それから2年後に月と地球が戦争を始めたことで、双方を行き来する従軍記者になります。
ある日、心優しいロランは食糧難にあえぐ民間人(帰還民)たちのためにターンエー(∀)を使って牛を運ぶことになりましたが(←胸部のサイロに牛を入れて運べるエコなガンダムはターンエーだけ!)、そのことで住民(地球人たち)から酷い罵声を浴び、人間同士が互いに罵り合う愚かしさに堪えられなくなった彼は「自分はムーンレィスだ!」とみんなの前で告白します。
これを見たフランはロランがムーンレィスから来た月の民であることを記事にして訴えますが、それによってロランは捕えられてしまうことに……。
戦争の真実を伝えるべく、熱いジャーナリスト魂に燃えていたフランは、たとえ幼なじみといえど仕事に情けは無用(?)というクールな“ペンは剣よりも強し系幼なじみ”(?) でしょうかね。
■ウッソ・エヴィン/シャクティ・カリン(『機動戦士Vガンダム』)
褐色の肌に黒髪、黒い目という牧歌的な雰囲気を持つ少女、シャクティ・カリンは、主人公ウッソ・エヴィンの幼なじみです。
この彼女、実は特殊なヒーリング能力を持つザンスカール王国の女王でマリア主義の象徴ことマリア・ピァ・アーモニアの娘であり、同国将校のクロノクル・アシャーの姪っ子でもあります。
性格は見たとおり素朴でおとなしく、ウッソにとっては当初から妹的な存在だったようです(そのわりにはしっかりとウッソの世話を焼いたり、ご飯を作ったりしてたみたいですが)。
ニュータイプとしての能力は非常に高く(母親ゆずり?)、物語のラストではザンスカール帝国が建造した戦艦のような巨大サイコミュ兵器、エンジェル・ハイロゥの中心部であるキィ・ルームで平和の祈りを捧げて空中分解させるという離れ業を見せてくれました! これには「スペシャル」な少年こと、ウッソもさぞかしびっくりしたことでしょう。
“淑女の仮面を外してみれば、なんと般若鬼女系な初恋の人”であり (←2時間サスペンス風)後半は愛憎溢れるサイコさん丸出しのラスボスキャラ(!?)となって一躍その名を轟かせた(←どこに!?)カテジナ・ルース(やっぱりおかしいですよカテジナさん!)とはまた対照的に、一見地味目、でもほんとは超パワーの持ち主という隠れ王女のシャクティは“平和を願う真面目で地味な名作少女系幼なじみ”ですね~。
■カミーユ・ビダン/ファ・ユイリィ(『機動戦士Zガンダム』)
ファ・ユイリィは主人公、カミーユ・ビダンの同級生です。向こう三軒両隣(いわゆるスープの冷めない距離ってやつですね?)的に隣に住んでいたファは、両親が留守がちだったカミーユの面倒をよく見ていました。しかしカミーユがある事件のどさくさの中でガンダムMk-IIを乗り逃げしていったことから、いきなり嫌疑をかけられたあげくに地球連邦軍の特殊部隊、ティターンズに追われることになります(←カミーユ、あんたひどいやっちゃで~)。しかし地球連邦軍からシャトルごと脱走した後に反地球連邦組織のエゥーゴ入りすることになるブライト・ノア(ブライトさん!)に助けられ、強襲巡洋艦のアーガマに難民として収容されたファは、またここでカミーユと運命的な再会をすることに……強奪事件の巻き添え(関係ないのに)になって親とも生き別れになってしまうなど、普通なら、おのれカミーユ!(←激おこ!) となっていてもおかしくないくらいなんですが、やっぱりどうしてもカミーユのことが気になるファはすでにエゥーゴで戦っていた彼と同じく自分もパイロットになることを志願します。
軍人としてはあまり際立った素質があるとはいえなかった彼女が反地球連邦組織のエゥーゴに参加したのは、どうしてもカミーユのそばにいたかったからだったんですね(←健気です~)。
でも当のカミーユはいかにも不思議系のフォウ・ムラサメ(ホンコンシティで戦って以来、心を通わせていた女性で、強化人間として改造されている)に夢中だったりするからこれまた困ったもんですが、ファはカミーユに近づく女性に対してはかなりはっきりと嫉妬の色を見せていたように思います(←やきもちってやつですね)。
もっともファは当初、爪を噛む癖を注意したりと、なんだか家の姉ちゃんや母ちゃんみたいな細かい口の出し方をカミーユにいちいちしていたようなので、きっと反抗期+思春期ど真ん中のカミーユはそんな彼女の好意に気づかないどころかむしろ彼女のことを「ちっ、うっせーな!」的にちょっぴりウザい存在に思っていたかもしれません。
激しい戦火の中でニュータイプとしてどんどん突き進み、ついには精神崩壊(!?)まで起こしてしまったカミーユを最後までずっと見守り、支え続けていたファは“一途な愛情を注ぐ看護(介護?)系幼なじみ”ですかね~。
■アムロ・レイ/フラウ・ボゥ(『機動戦士ガンダム』)
さて、ラストはフラウ・ボゥ。言わずと知れた初代『機動戦士ガンダム』の主人公、アムロ・レイの幼なじみです。ファーストガンダムと言えば、セイラさん(セイラ・マス)やミライさん(ミライ・ヤシマ)、マチルダさんにララァにキシリア様etc.……と魅力的な女性キャラクターには事欠かないのですが、フラウ・ボゥはほぼ全話に登場する重要なキャラクターの一人でもあります。
コロニーのサイド7に住んでいたフラウは、内向的なメカおたくでひたすら趣味の世界に没頭しているアムロのガールフレンドとして彼の身の回りの世話をいろいろと焼いていました。
そんな平和なある日、ジオン軍のモビルスーツ(MS)、ザクの急襲を受けて港に逃げている最中に目の前で家族を失ってパニックを起こしますが、アムロに強く励まされて地球連邦軍の戦艦、ホワイトベースへと避難します。艦の中では独自にアレンジした制服(←これがカワイイ)を身に纏い、アムロ以外にも艦内の怪我人、病人や、孤児であるカツ・レツ・キッカの三人などの世話をこれまたかいがいしく焼くことになるんですが……。
しかしどれだけ懸命に尽くしてもフラウの気持ちはアムロになかなかわかってもらえなかったようで(←アムロってほんとに鈍感ですね~)、そんなことにちっとも気づかないアムロはホワイトベースの補給に来た麗しのマチルダ中尉に一方的に想いを寄せて、彼女の写真を眺めては鼻の下を伸ばしていたり(!?)とまったくいい気なもんです。
そんなアムロについに業を煮やしたのか(?)、嫉妬に燃えながらもずっと辛抱強い子だったフラウはサイド7で同じくアムロの隣に住んでいた幼なじみだったハヤト・コバヤシと結婚、続く『機動戦士Ζガンダム』でフラウ・コバヤシとして登場します。
っていうか、本当は小さい頃から好意を持っていた普通の幼なじみとしてではなく、特殊かつ超人的な感覚を持つニュータイプとして日々覚醒していくアムロに、だんだんと心の中で距離のようなものを感じ始めていたんでしょうね……(←哀切)。
皮肉なことに最後まで彼女の思いはアムロに届かなかったものの、アムロにとっての大きな心の支えとして、そして彼の人間的な成長にとって幼なじみのフラウという存在は絶対に欠かせないものだったのではないでしょうか。
うーん、これぞまさしく“永遠の正統派ファースト系幼なじみ” ですね!
というわけで、以上「ガンダムシリーズの主人公たち」(その2)、いかがでしたでしょうか~?
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、『今日からガンダム』最終回はここまで!
思い起こせば早や幾星霜(←大げさ)……。雨の日も風の日も休まず(!?)、1年間に渡って続けさせて頂いた『今日からガンダム』ですが、この連載を通じて、私もガンダムという世界の奥深さに少しだけ触れることができたような気がします。
今まで読んで頂いてどうもありがとうございました(感謝)。ぜひ、また次の機会にお会いしましょう!
文/馬場絵麻
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」シリーズに欠かせないものと言えば、なんといっても良い子から悪い子(!?)まで、バラエティに富んだ『主人公』たちです! が、しかし、その主人公をあるときは影ながら愛情で支え、またあるときは主人公を助けるためなら敵陣の中へ果敢に切り込む勇気を見せてくれたりする頼もしい存在といえば……それは主人公の幼なじみです! ってこれまた意外な共通点の一つだったりするんですよ(って知ってました?)。
というわけで、前回の“メカおたく”編に続いて今回は「ガンダムシリーズの主人公たち」(その2) 、“幼なじみ”編をご紹介していきたいと思います~!
ガンダムに登場する主人公は、実はとっても仲のいい幼なじみがいるのがお約束!?
■フリット・アスノ/エミリー・アモンド(『機動戦士ガンダムAGE』)
エミリー・アモンドはフリット編の主人公&物語のキーマンであるフリット・アスノの幼なじみで、未知なる敵、UE(ヴェイガン)の襲撃で母を失い、ノーラ(コロニー)にやってきたフリットの最初の友達になる女の子です。アリンストン基地の整備部に勤める技術士官(フリットの上司の名物メカニック爺ちゃん、でもまだまだヤングな55歳なんじゃよ!)のバルガス・ダイソンの孫娘でもあります。お爺ちゃんがメカに滅法強いせいか、ペットロボットのハロとはとっても仲が良くて(物語後半では彼女もメカニックの道に進むことに……)、ノーラが崩壊する前は学校のアイドル的な存在でもあったようです。
先祖代々に渡る名門ガンダム鍛冶の家系&ガンダム好きすぎ少年のフリットにはいつのまにか好意を抱いていたようで、正規の軍人でもないのに頻繁に戦場に出ようとするフリットのことが気になるあまり、なんとか彼を戦場から遠ざけようとしたり、また、彼が敵につかまった時には単身で助けに行こうとするという情熱的な面もあったりします。
UEの襲撃を受けたところをフリットに助けられて第2話から登場した、フリットと同じXラウンダー(特殊能力)を持つ少女、ユリン・ルシェルにフリットの嫁……じゃないガールフレンド(?)の座をあやうく取られそうになりますが、その後は無事に結婚して、フリットの息子、アセム・アスノとユノア・アスノの二児の母親になりました。
そんなエミリーは主人公のフリットを常に支える“良妻賢母系幼なじみ”(←実はガンダムシリーズ中では珍しかったりも) といえますね!
■キラ・ヤマト/アスラン・ザラ(『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)
キラとアスランといえば、もう言うまでもなく(ガンダムシリーズでは珍しい?)、女性に大人気なカッコイイモテ系の主人公です。主人公のキラ・ヤマトにとってアスラン・ザラは幼い頃を月で過ごしたかけがえのない大親友なのですが、アスランがおうちの事情(!?)でプラント(新世代コロニーの総称)へ引っ越すことになってからは、そのまま疎遠なかんじになっちゃいました(←よくある話かも……)。その際にアスランはキラに友情の印としてトリィ(小鳥型ペットロボット)を渡します。これが後々、二人の間で揺れ動く感情や運命的な場面にいろいろ登場するんですが、その名演技たるや、アカデミー賞に鳥部門があればたぶん受賞間違いなし! ってくらいの活躍ぶりを見せてくれるんですよ!……なんだか熱く語ってしまいましたが、そんな幼なじみ鳥のトリィのことはさておき(?)、純粋で繊細(←すぎる)なキラと、モテ系メカおたくとして共通する点も多いんだけどちょっぴり兄貴分的なところのあるアスランという、名コンビかつそれまで無二の親友だった二人は、その後の残酷な運命の嵐の中で、互いの守るべきもののためにいつしか敵味方に分かれて激しく戦い続けることになっていきます。これぞまさに戦場のロミオとジュリエット、安寿と厨子王(←なんか違う気が……!?)ではないでしょうか!?
新世代ガンダムシリーズを代表する主役コンビとして、ガンダムファンに鮮烈な印象を残したこの二人は、やっぱり“永遠のライバル&親友(マブだち)系幼なじみ” と呼ぶのが相応しい気がします~!
■ロラン・セアック/フラン・ドール(『∀ガンダム』)
フラン・ドールは新聞の記者で主人公、ロラン・セアックの幼なじみです。実は彼女もロランと同じ月から来たムーンレィス(月に移り住んだ人類)で、後に商才を発揮(!?)してパン屋さんとなるキース・レジェと三人で地球環境調査隊(移民の偵察隊)として地球に降りてきました。
フランは地球へ降りてからは印刷工としてノックス・クロニクルという新聞社に勤めていましたが、それから2年後に月と地球が戦争を始めたことで、双方を行き来する従軍記者になります。
ある日、心優しいロランは食糧難にあえぐ民間人(帰還民)たちのためにターンエー(∀)を使って牛を運ぶことになりましたが(←胸部のサイロに牛を入れて運べるエコなガンダムはターンエーだけ!)、そのことで住民(地球人たち)から酷い罵声を浴び、人間同士が互いに罵り合う愚かしさに堪えられなくなった彼は「自分はムーンレィスだ!」とみんなの前で告白します。
これを見たフランはロランがムーンレィスから来た月の民であることを記事にして訴えますが、それによってロランは捕えられてしまうことに……。
戦争の真実を伝えるべく、熱いジャーナリスト魂に燃えていたフランは、たとえ幼なじみといえど仕事に情けは無用(?)というクールな“ペンは剣よりも強し系幼なじみ”(?) でしょうかね。
■ウッソ・エヴィン/シャクティ・カリン(『機動戦士Vガンダム』)
褐色の肌に黒髪、黒い目という牧歌的な雰囲気を持つ少女、シャクティ・カリンは、主人公ウッソ・エヴィンの幼なじみです。
この彼女、実は特殊なヒーリング能力を持つザンスカール王国の女王でマリア主義の象徴ことマリア・ピァ・アーモニアの娘であり、同国将校のクロノクル・アシャーの姪っ子でもあります。
性格は見たとおり素朴でおとなしく、ウッソにとっては当初から妹的な存在だったようです(そのわりにはしっかりとウッソの世話を焼いたり、ご飯を作ったりしてたみたいですが)。
ニュータイプとしての能力は非常に高く(母親ゆずり?)、物語のラストではザンスカール帝国が建造した戦艦のような巨大サイコミュ兵器、エンジェル・ハイロゥの中心部であるキィ・ルームで平和の祈りを捧げて空中分解させるという離れ業を見せてくれました! これには「スペシャル」な少年こと、ウッソもさぞかしびっくりしたことでしょう。
“淑女の仮面を外してみれば、なんと般若鬼女系な初恋の人”であり (←2時間サスペンス風)後半は愛憎溢れるサイコさん丸出しのラスボスキャラ(!?)となって一躍その名を轟かせた(←どこに!?)カテジナ・ルース(やっぱりおかしいですよカテジナさん!)とはまた対照的に、一見地味目、でもほんとは超パワーの持ち主という隠れ王女のシャクティは“平和を願う真面目で地味な名作少女系幼なじみ”ですね~。
■カミーユ・ビダン/ファ・ユイリィ(『機動戦士Zガンダム』)
ファ・ユイリィは主人公、カミーユ・ビダンの同級生です。向こう三軒両隣(いわゆるスープの冷めない距離ってやつですね?)的に隣に住んでいたファは、両親が留守がちだったカミーユの面倒をよく見ていました。しかしカミーユがある事件のどさくさの中でガンダムMk-IIを乗り逃げしていったことから、いきなり嫌疑をかけられたあげくに地球連邦軍の特殊部隊、ティターンズに追われることになります(←カミーユ、あんたひどいやっちゃで~)。しかし地球連邦軍からシャトルごと脱走した後に反地球連邦組織のエゥーゴ入りすることになるブライト・ノア(ブライトさん!)に助けられ、強襲巡洋艦のアーガマに難民として収容されたファは、またここでカミーユと運命的な再会をすることに……強奪事件の巻き添え(関係ないのに)になって親とも生き別れになってしまうなど、普通なら、おのれカミーユ!(←激おこ!) となっていてもおかしくないくらいなんですが、やっぱりどうしてもカミーユのことが気になるファはすでにエゥーゴで戦っていた彼と同じく自分もパイロットになることを志願します。
軍人としてはあまり際立った素質があるとはいえなかった彼女が反地球連邦組織のエゥーゴに参加したのは、どうしてもカミーユのそばにいたかったからだったんですね(←健気です~)。
でも当のカミーユはいかにも不思議系のフォウ・ムラサメ(ホンコンシティで戦って以来、心を通わせていた女性で、強化人間として改造されている)に夢中だったりするからこれまた困ったもんですが、ファはカミーユに近づく女性に対してはかなりはっきりと嫉妬の色を見せていたように思います(←やきもちってやつですね)。
もっともファは当初、爪を噛む癖を注意したりと、なんだか家の姉ちゃんや母ちゃんみたいな細かい口の出し方をカミーユにいちいちしていたようなので、きっと反抗期+思春期ど真ん中のカミーユはそんな彼女の好意に気づかないどころかむしろ彼女のことを「ちっ、うっせーな!」的にちょっぴりウザい存在に思っていたかもしれません。
激しい戦火の中でニュータイプとしてどんどん突き進み、ついには精神崩壊(!?)まで起こしてしまったカミーユを最後までずっと見守り、支え続けていたファは“一途な愛情を注ぐ看護(介護?)系幼なじみ”ですかね~。
■アムロ・レイ/フラウ・ボゥ(『機動戦士ガンダム』)
さて、ラストはフラウ・ボゥ。言わずと知れた初代『機動戦士ガンダム』の主人公、アムロ・レイの幼なじみです。ファーストガンダムと言えば、セイラさん(セイラ・マス)やミライさん(ミライ・ヤシマ)、マチルダさんにララァにキシリア様etc.……と魅力的な女性キャラクターには事欠かないのですが、フラウ・ボゥはほぼ全話に登場する重要なキャラクターの一人でもあります。
コロニーのサイド7に住んでいたフラウは、内向的なメカおたくでひたすら趣味の世界に没頭しているアムロのガールフレンドとして彼の身の回りの世話をいろいろと焼いていました。
そんな平和なある日、ジオン軍のモビルスーツ(MS)、ザクの急襲を受けて港に逃げている最中に目の前で家族を失ってパニックを起こしますが、アムロに強く励まされて地球連邦軍の戦艦、ホワイトベースへと避難します。艦の中では独自にアレンジした制服(←これがカワイイ)を身に纏い、アムロ以外にも艦内の怪我人、病人や、孤児であるカツ・レツ・キッカの三人などの世話をこれまたかいがいしく焼くことになるんですが……。
しかしどれだけ懸命に尽くしてもフラウの気持ちはアムロになかなかわかってもらえなかったようで(←アムロってほんとに鈍感ですね~)、そんなことにちっとも気づかないアムロはホワイトベースの補給に来た麗しのマチルダ中尉に一方的に想いを寄せて、彼女の写真を眺めては鼻の下を伸ばしていたり(!?)とまったくいい気なもんです。
そんなアムロについに業を煮やしたのか(?)、嫉妬に燃えながらもずっと辛抱強い子だったフラウはサイド7で同じくアムロの隣に住んでいた幼なじみだったハヤト・コバヤシと結婚、続く『機動戦士Ζガンダム』でフラウ・コバヤシとして登場します。
っていうか、本当は小さい頃から好意を持っていた普通の幼なじみとしてではなく、特殊かつ超人的な感覚を持つニュータイプとして日々覚醒していくアムロに、だんだんと心の中で距離のようなものを感じ始めていたんでしょうね……(←哀切)。
皮肉なことに最後まで彼女の思いはアムロに届かなかったものの、アムロにとっての大きな心の支えとして、そして彼の人間的な成長にとって幼なじみのフラウという存在は絶対に欠かせないものだったのではないでしょうか。
うーん、これぞまさしく“永遠の正統派ファースト系幼なじみ” ですね!
というわけで、以上「ガンダムシリーズの主人公たち」(その2)、いかがでしたでしょうか~?
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、『今日からガンダム』最終回はここまで!
思い起こせば早や幾星霜(←大げさ)……。雨の日も風の日も休まず(!?)、1年間に渡って続けさせて頂いた『今日からガンダム』ですが、この連載を通じて、私もガンダムという世界の奥深さに少しだけ触れることができたような気がします。
今まで読んで頂いてどうもありがとうございました(感謝)。ぜひ、また次の機会にお会いしましょう!
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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