2013年2月6日 (水)
ガンダムのお約束 ~その42~『女性パイロット(その3)』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第42回!
ガンダム界のアブラボウズと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。
第42回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その42~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力もいろいろありますが、殺伐とした戦場に輝く夜空の星のような存在ともいえるのが美しい女性パイロットです。その光は優しく、強く、そしてあるときは深い悲しみを胸に湛えながらも静かな輝きを放ち続けていくことでしょう。
というわけで第42回目は「女性パイロット」(その3)をご紹介していきたいと思います!
●●●
【その1】
ガンダムシリーズに登場する女性パイロットは、運命の渦に巻き込まれて性格が一変するのがお約束!?
ソーマ・ピーリス(『機動戦士ガンダム00』)
その美しい銀髪が印象的な彼女は、人類革新連盟(通称:人革連)所属の士官でMSパイロットです。
超人機関技術研究所という、○○マンや××メン(?)がいっぱい飛び出してきそうな怪しげな研究所出身の彼女は、遺伝子工学によって作られたデザインベビーで宇宙空間に適するために身体に様々な強化(←しかもかなりピーキーな)を施されていることから「超兵一号」というちょっとコワモテな名前でも呼ばれてたりもします。愛機は超兵専用にカスタマイズされたティエレンタオツーです(←ごっついどピンクの機体がステキ~)。
同じ超人機関出身で、戦争根絶のためにあらゆる武力介入を行う私設武装組織、ソレスタル・ビーイング(CB)所属のガンダムマイスター、アレルヤ・ハプティズムとは非常に因縁深い関係だったりもしますが、普段は穏やかで優しいのに、時々ハレルヤというとっても好戦的な人格がつい表に出てきちゃったりするアレルヤさん同様、彼女もまた強化された人間であり二面性があったりするので、その性格も名前の呼び方も「ピーリス」なのか「ソーマ」なのか、はたまた「マリー」なのか、なかなか安定しません。でもってあるときは収監されていたアレルヤに自分の本名を言われてパニクったりしちゃいます(本名はマリー・パーファシー)。もっともアレルヤは記憶喪失だった研究所時代に出会ったピーリスからアレルヤという自分の名前を授かったりしてますからさらにややこしいですね(アレルヤが人革連軍の超人機関に拉致されていたときの名前は「被験体E-57」)。
ピーリスの脳量子波(機体操作や敵の攻撃回避を可能にする能力)はアレルヤさんの脳量子波と激しく干渉するため、初めて戦場でアレルヤさんと接近遭遇したときにはバキバキの電波、じゃない暴走モードにもなっちゃいました(←電波管理局から怒られそうです)。
ソーマという全身を制御する人格を研究所で植えつけられているせいか、当初は常に冷静で、極めて感情表現に乏しい彼女でしたが、対CBの切り札として“ロシアの荒熊”(!?)の異名を持つ人革連の指揮官、セルゲイ・スミルノフ中佐率いる特務部隊「頂武」のメンバーとして戦っていくうちに徐々に人間っぽい(?)感情を抱くようになっていき、ついにはセルゲイを本当の父親のように慕うようになります。荒熊セルゲイもまだ若いソーマを娘のように扱うようになり、一時はめでたく養子縁組……という心温まる展開に、と思ったものの、彼女に地球連邦軍の独立治安維持部隊であるアロウズへの転属命令が下ったことに加えて、超人機関出身の強化人間という出自について悩んだソーマはその誘いを断ってしまいます(あーあ)。
その後、アレルヤがうっかり本当の名前を言っちゃったせいで(?)、それまで封印していた心優しいマリーの記憶を取り戻してアレルヤとともにCB入りすることになりますが、セルゲイの実の息子であるアンドレイ(アロウズ所属)がセルゲイを撃墜する現場を目撃し、あまりのショックでまたしても攻撃的な超兵・ピーリスに逆戻り。
これ以降は荒熊父ちゃん・セルゲイの仇(!?)とばかりにGNアーチャーでアンドレイを追いかけまわしますが、リボンズ・アルマーク率いるイノベイド勢力との決戦ではまたしても主人格であるマリーの人格が表に出ることに(!)
人革連から始まって、地球連邦軍、アロウズ、そしてCBへと戦う場所を変えていった彼女ですが、アレルヤやセルゲイの願いをはねのけて最後まで戦い続けたのは、ピーリスだけではなく本来の人格であるマリーの意志でもあったようです。
最後にはセルゲイの息子・アンドレイとも和解し、彼に最後まですれ違いのままであったセルゲイの本当の気持ちを伝えます(実の娘のようにセルゲイのことを考えていたんでしょうね)。
後にアレルヤとともに巡礼の旅に出た彼女は、やっと本来の人格であるマリーとして安堵の日々を送れるようになったことでしょう。
運命によって不幸な道を歩んてきてしまったとはいえ、最終的にはアレルヤとともに救済されたようでよかったです。“人は愛により救われ、愛により本来の姿を取り戻す”というお話ですね。
ルイス・ハレヴィ(『機動戦士ガンダム00』)
彼女は新ヨーロッパ共同体(AEU)のスペインから経済特区・日本へやって来た留学生です。スペインの名家で大富豪のハレヴィ家のご令嬢らしく、いつも明るく元気で天真爛漫(←少々わがまま?)な少女でしたが、CBのチーム・トリニティことトリニティ兄妹の末っ子、ネーナ・トリニティがたまたまイラッときて起こした(!?)気まぐれなテロ(ハレヴィ一族のパーティー会場を通りがかりに襲撃するという極悪ぶり)により両親、親戚、そして自分の左手をも一気に失ってしまうという不幸のどん底につき落とされてしまいます。
やがて彼女は愛する家族や大事な自分の腕を奪ったガンダムとCBに対して深い怨恨を抱くようになり、残された莫大な遺産をアロウズに資金提供するとともに、その一員として自らもMSのパイロットとなります。彼女は先の事件で起きたGN粒子(ガンダムタイプMSの動力源となるGNドライヴから放出される原初粒子)による後遺症があり、細胞異常を抑制するナノマシン入りの錠剤(←なんか飲みにくそう……)を常に服用し続けていないと体に異常をきたしてしまうのですが、その薬物と引き換えにイノベイド組織を率いるリボンズ・アルマークの下に私兵としてつくことになります(実はこのアヤしい薬の投与自体がリボンズの考えた人工イノベイター化計画の実験だったりするのですが……)
昔は刹那・F・セイエイ(主人公)とも交流があり(←まったくそりが合わなかったみたいですが)、またその隣人でもあった宇宙工学を学ぶ高校生、沙慈・クロスロードのガールフレンドだったルイスは沙慈とともに宇宙で働く、という将来の夢を持っていました。
しかし後に刹那たちと再会した際には沙慈が当初からCBやガンダムに関わっていたと思い込んでしまい、裏切られたと感じた彼女は一切の過去を捨ててアロウズの一員として彼らと戦っていくことを決意します。恨みと復讐に燃えた彼女は仇敵・ネーナを仕留めますが、その心は晴れることはなく、ますます精神的に不安定に陥っていくのでした。
薬の副作用ですでに人工イノベイター化し、リボンズに操られている彼女は最後には意識のないまま沙慈を殺そうとしますが、細胞異常による拒絶反応が起こり、一時は危篤状態に(!)。しかし刹那とダブルオーの作り出したトランザムバースト(刹那が覚醒したことにより発動したGN粒子)で一命を取り留めて正気を取り戻し、本来のルイスを取り戻そうと今まで必死に戦っていた沙慈とやっと思いを通じ合うことができました。その後は細胞異常も完治して(トランザムバースト療法?)、二人で静かに療養生活を送っているようです(よかったねー)。
いやー、こちらも“人は愛により救われ、愛により本来の姿を取り戻す”というありがたいお話(その2)ですね。ほんとに愛の力は偉大です! 信じる者は救われます! ということで誰か私も愛の力で救ってください! でもってついでになんかください! 特にプリーズギブミーマネー!!(マネーマネーマネー……深いエコー) って、こりゃまたちょっとちがいますでしょうか……。
というわけで、以上、「女性パイロット編」(その3)、いかがでしたでしょうか~?
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のアブラボウズと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。
第42回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その42~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力もいろいろありますが、殺伐とした戦場に輝く夜空の星のような存在ともいえるのが美しい女性パイロットです。その光は優しく、強く、そしてあるときは深い悲しみを胸に湛えながらも静かな輝きを放ち続けていくことでしょう。
というわけで第42回目は「女性パイロット」(その3)をご紹介していきたいと思います!
【その1】
ガンダムシリーズに登場する女性パイロットは、運命の渦に巻き込まれて性格が一変するのがお約束!?
ソーマ・ピーリス(『機動戦士ガンダム00』)
その美しい銀髪が印象的な彼女は、人類革新連盟(通称:人革連)所属の士官でMSパイロットです。
超人機関技術研究所という、○○マンや××メン(?)がいっぱい飛び出してきそうな怪しげな研究所出身の彼女は、遺伝子工学によって作られたデザインベビーで宇宙空間に適するために身体に様々な強化(←しかもかなりピーキーな)を施されていることから「超兵一号」というちょっとコワモテな名前でも呼ばれてたりもします。愛機は超兵専用にカスタマイズされたティエレンタオツーです(←ごっついどピンクの機体がステキ~)。
同じ超人機関出身で、戦争根絶のためにあらゆる武力介入を行う私設武装組織、ソレスタル・ビーイング(CB)所属のガンダムマイスター、アレルヤ・ハプティズムとは非常に因縁深い関係だったりもしますが、普段は穏やかで優しいのに、時々ハレルヤというとっても好戦的な人格がつい表に出てきちゃったりするアレルヤさん同様、彼女もまた強化された人間であり二面性があったりするので、その性格も名前の呼び方も「ピーリス」なのか「ソーマ」なのか、はたまた「マリー」なのか、なかなか安定しません。でもってあるときは収監されていたアレルヤに自分の本名を言われてパニクったりしちゃいます(本名はマリー・パーファシー)。もっともアレルヤは記憶喪失だった研究所時代に出会ったピーリスからアレルヤという自分の名前を授かったりしてますからさらにややこしいですね(アレルヤが人革連軍の超人機関に拉致されていたときの名前は「被験体E-57」)。
ピーリスの脳量子波(機体操作や敵の攻撃回避を可能にする能力)はアレルヤさんの脳量子波と激しく干渉するため、初めて戦場でアレルヤさんと接近遭遇したときにはバキバキの電波、じゃない暴走モードにもなっちゃいました(←電波管理局から怒られそうです)。
ソーマという全身を制御する人格を研究所で植えつけられているせいか、当初は常に冷静で、極めて感情表現に乏しい彼女でしたが、対CBの切り札として“ロシアの荒熊”(!?)の異名を持つ人革連の指揮官、セルゲイ・スミルノフ中佐率いる特務部隊「頂武」のメンバーとして戦っていくうちに徐々に人間っぽい(?)感情を抱くようになっていき、ついにはセルゲイを本当の父親のように慕うようになります。荒熊セルゲイもまだ若いソーマを娘のように扱うようになり、一時はめでたく養子縁組……という心温まる展開に、と思ったものの、彼女に地球連邦軍の独立治安維持部隊であるアロウズへの転属命令が下ったことに加えて、超人機関出身の強化人間という出自について悩んだソーマはその誘いを断ってしまいます(あーあ)。
その後、アレルヤがうっかり本当の名前を言っちゃったせいで(?)、それまで封印していた心優しいマリーの記憶を取り戻してアレルヤとともにCB入りすることになりますが、セルゲイの実の息子であるアンドレイ(アロウズ所属)がセルゲイを撃墜する現場を目撃し、あまりのショックでまたしても攻撃的な超兵・ピーリスに逆戻り。
これ以降は荒熊父ちゃん・セルゲイの仇(!?)とばかりにGNアーチャーでアンドレイを追いかけまわしますが、リボンズ・アルマーク率いるイノベイド勢力との決戦ではまたしても主人格であるマリーの人格が表に出ることに(!)
人革連から始まって、地球連邦軍、アロウズ、そしてCBへと戦う場所を変えていった彼女ですが、アレルヤやセルゲイの願いをはねのけて最後まで戦い続けたのは、ピーリスだけではなく本来の人格であるマリーの意志でもあったようです。
最後にはセルゲイの息子・アンドレイとも和解し、彼に最後まですれ違いのままであったセルゲイの本当の気持ちを伝えます(実の娘のようにセルゲイのことを考えていたんでしょうね)。
後にアレルヤとともに巡礼の旅に出た彼女は、やっと本来の人格であるマリーとして安堵の日々を送れるようになったことでしょう。
運命によって不幸な道を歩んてきてしまったとはいえ、最終的にはアレルヤとともに救済されたようでよかったです。“人は愛により救われ、愛により本来の姿を取り戻す”というお話ですね。
ルイス・ハレヴィ(『機動戦士ガンダム00』)
彼女は新ヨーロッパ共同体(AEU)のスペインから経済特区・日本へやって来た留学生です。スペインの名家で大富豪のハレヴィ家のご令嬢らしく、いつも明るく元気で天真爛漫(←少々わがまま?)な少女でしたが、CBのチーム・トリニティことトリニティ兄妹の末っ子、ネーナ・トリニティがたまたまイラッときて起こした(!?)気まぐれなテロ(ハレヴィ一族のパーティー会場を通りがかりに襲撃するという極悪ぶり)により両親、親戚、そして自分の左手をも一気に失ってしまうという不幸のどん底につき落とされてしまいます。
やがて彼女は愛する家族や大事な自分の腕を奪ったガンダムとCBに対して深い怨恨を抱くようになり、残された莫大な遺産をアロウズに資金提供するとともに、その一員として自らもMSのパイロットとなります。彼女は先の事件で起きたGN粒子(ガンダムタイプMSの動力源となるGNドライヴから放出される原初粒子)による後遺症があり、細胞異常を抑制するナノマシン入りの錠剤(←なんか飲みにくそう……)を常に服用し続けていないと体に異常をきたしてしまうのですが、その薬物と引き換えにイノベイド組織を率いるリボンズ・アルマークの下に私兵としてつくことになります(実はこのアヤしい薬の投与自体がリボンズの考えた人工イノベイター化計画の実験だったりするのですが……)
昔は刹那・F・セイエイ(主人公)とも交流があり(←まったくそりが合わなかったみたいですが)、またその隣人でもあった宇宙工学を学ぶ高校生、沙慈・クロスロードのガールフレンドだったルイスは沙慈とともに宇宙で働く、という将来の夢を持っていました。
しかし後に刹那たちと再会した際には沙慈が当初からCBやガンダムに関わっていたと思い込んでしまい、裏切られたと感じた彼女は一切の過去を捨ててアロウズの一員として彼らと戦っていくことを決意します。恨みと復讐に燃えた彼女は仇敵・ネーナを仕留めますが、その心は晴れることはなく、ますます精神的に不安定に陥っていくのでした。
薬の副作用ですでに人工イノベイター化し、リボンズに操られている彼女は最後には意識のないまま沙慈を殺そうとしますが、細胞異常による拒絶反応が起こり、一時は危篤状態に(!)。しかし刹那とダブルオーの作り出したトランザムバースト(刹那が覚醒したことにより発動したGN粒子)で一命を取り留めて正気を取り戻し、本来のルイスを取り戻そうと今まで必死に戦っていた沙慈とやっと思いを通じ合うことができました。その後は細胞異常も完治して(トランザムバースト療法?)、二人で静かに療養生活を送っているようです(よかったねー)。
いやー、こちらも“人は愛により救われ、愛により本来の姿を取り戻す”というありがたいお話(その2)ですね。ほんとに愛の力は偉大です! 信じる者は救われます! ということで誰か私も愛の力で救ってください! でもってついでになんかください! 特にプリーズギブミーマネー!!(マネーマネーマネー……深いエコー) って、こりゃまたちょっとちがいますでしょうか……。
というわけで、以上、「女性パイロット編」(その3)、いかがでしたでしょうか~?
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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