2012年12月5日 (水)
ガンダムのお約束 ~その34~『顔に傷のある男たち』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第34回!
ガンダム界のバイカナマコと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第34回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その34~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今 度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力として欠かせないものといえば、劇中に登場する個性的なキャラクターの数々。中には見た目からして一癖ありそうなキャラクターもいっぱいいたりします!
第34回目はその中から「顔に傷のある男たち」をご紹介していきたいと思います~!
●●●
【その1】
ガンダムシリーズに登場する顔に傷のある男たちは、過去の傷を乗り越えて戦うのがお約束!?
今回最初にご紹介する顔に傷のある男は、サングラスの似合う訳ありげな兄貴、こと「 ジャミル・ニート」です。(『機動新世紀ガンダムX』)。
見るからに癖がありそうで、そのサングラスのせいか、ちょっと悪そうな強面っぽくもあるジャミルは、主人公・ガロードが後にクルーとなるバルチャー(廃棄された軍備や兵器の残骸を拾っては売買する稼業)グループ・フリーデンのリーダーであり、旧地球連邦軍が開発した戦艦を改装した陸上戦艦フリーデンの艦長です。
通称・キャプテンことジャミルは、旧地球連邦軍のエースパイロットで元の階級も大尉でしたが、ある事件をきっかけにコックピット恐怖症になってしまいます。
今でこそ、その顔の傷とともに大人の渋さ(←ちょっぴり70年代風?)をムンムンと漂わせるジャミルの兄貴ですが、15年前の第七次宇宙戦争のときにはまだ15歳の無鉄砲な少年だったようです。ただし、少年といってもニュータイプ兵であり、ガンダムを縦横無尽に操縦してたりするんですが、前の大戦の末に参加した宇宙革命軍のコロニー落としを迎撃する作戦に失敗、革命軍によって逆におびただしい数のコロニーを地球上に落下させてしまうことになり、人類史上最悪の悲劇とされる地球壊滅のきっかけを作ってしまいます。そして、そのことにショックを受けて自分のニュータイプ能力を失ってしまった(+コクピット恐怖症)という悲劇の人なんです。
自分にまったくその気がなくても、結果として重大なことが起きちゃって、お前がきっかけだったんだぞ! とか周りからがんがん言われたらそりゃつらいですよね~。人の心の動きや考えを繊細かつダイレクトに感じとることができるニュータイプの能力というのは、それゆえに精神的なストレスにも弱い(!?)のかも知れません。
ジャミルはその後、長い間に渡ってMS(モビルスーツ)の操縦がまったくできないようになってしまったんですが、第七次宇宙戦争の終結後はバルチャーグループのリーダーとなり、もっぱらティファ・アディール(生まれながらのニュータイプとしては戦争後唯一の少女)をはじめとしたニュータイプたちの保護に力を入れていました。
ちなみに顔の傷はライバル関係にある宇宙革命軍大佐、ランスロー・ダーウェルとの戦いの最中にできたもの(←ヘルメットの破片でできた傷)ですが、先の事件、そして自分自身への贖罪の意味を持ってそれまで他のニュータイプを救済してきたジャミルは終盤、ついに「D.O.M.E.」(謎の月面にあるマイクロウェーブ送信施設)=「ファーストニュータイプ」と接触。そこに至るまでの大きな決意とそれまでの過去への決別の証としてトレードマーク(!)である黒いサングラスを外し、自分の素顔をフリーデンクルーに初めて公開(?)しています。
その後も主人公のガロード・ランに様々なアドバイスを与えて精神的な成長へと導いたのち、自分もまたコクピット恐怖症から脱却して、立派に前線に復帰を遂げたジャミルは、見た目によらず(?)真面目で頼りがいのある良き兄貴なんですね~。ジャミル兄貴(←ニート兄貴! だとなんだかちょっとアレなかんじが……)の活躍ぶりが気になる人は、ぜひ『機動新世紀ガンダムX』を観てチェックしてみてくださいね~!
次にご紹介する顔に傷のある男は、ネオジャパンコロニー出身のガンダムファイター「
ドモン・カッシュ」です。(『機動武闘伝Gガンダム』)。
100mくらい遠く離れたところから見ても、すぐに熱血漢! という雰囲気(←どんなだ!)が伝わってくるほど熱いオーラを持つ男・ドモンですが、そもそもガンダムシリーズでは主人公の性格が熱血! というのも、顔に傷がある、っていうのもまた珍しいですよね。たぶん今までのシリーズの主人公全員で素手のバトルをしたら、文句なく一番強い主人公であることは間違いないでしょう。右手に刻まれたコロニー格闘技の覇者の証、キング・オブ・ハートの紋章は伊達じゃありません。なんたって徒手空拳、生身でMS(デスアーミー)と戦えちゃうんですよ!? お師匠さんの東方不敗ことマスター・アジアもですが、素手で人型兵器をずばっ! と薙ぎ倒していく様は圧巻です! 必殺技もシャイニングフィンガーや爆熱ゴッドフィンガーなど、すでに名前からして熱すぎます!!
優秀な父と兄に対して反感を覚えるという、いわゆる反抗期(?)に家出し、各所を当てもなく放浪しているときに偶然、生涯の師となるマスターアジアと出会ったドモンは、そのあまりの「強さ」に衝撃を受けて弟子入りすることになりますが、その後、ドモンは一子相伝である流派東方不敗を会得、その使い手となり、コロニーにおいてガンダムで格闘技を行うガンダムファイターとして数々の死闘を繰り広げていくことになります。主な機体(MSではなく、モビルファイター:MF)としてシャイニングガンダムやゴッドガンダムを自分の手足のように使いこなしがら、世界中から集結したモビルファイター(←ちなみにみんな「ガンダム」)たちと地球上だけでなく宇宙すらところ狭しとばかりに熱い戦いをガンガン繰り広げてくれるんだからたまりません! このMFの操縦システムは、一般的な操縦システムでなく、身体の動きを直接センサーが読み取って忠実に再現するモビルトレースシステムが採用されているため、ドモンのように極めて身体能力の高い格闘家にはうってつけのシステムなんですね。
で、ドモンの能力に目を付けたのが、元ガンダムファイターで、ガンダム開発局の中心人物(デビルガンダムを兵器として利用しようとしている)であるネオジャパンの軍人、ウルベ・イシカワ少佐です。彼はガンダムファイトでの優勝とデビルガンダムを奪い返すことを条件に、国家反逆罪で永久冷凍刑となっている父のライゾウ・カッシュの引き換えを提案します。ドモンはネオジャパン代表のガンダムファイターとして4年に一度、地球上を自由に動くことが可能なガンダムファイトに出場することになりますが、父からデビルガンダムを奪って消えた兄キョウジを捜すうちに、かつての師匠がなぜかデビルガンダム側に回っていたり(!?)などなどの衝撃的な出来事が次々と彼に襲いかかってくることに……うーむ、目が離せませんね~。
もともとあまり自分を表現することが得意ではない不器用な性格のドモンは、歴戦の激しい戦いと、師匠との運命的な対決を経て、最強のガンダムファイターとして、そして人間として大きく育っていくんですね~。そのへんの壮大なエピソードは、ぜひ『機動武闘伝Gガンダム』を実際に観てじっくり堪能してください!! ガンダムファイト! レディー!ゴー! ……って、えっ? 年末は忙しくって観てる時間がないって? その罪、万死に値します! 今から赤いハチマキを頭にぐるぐる巻いて、超必殺技の『石破天驚ゴッドフィンガー』(←石破ラブラブ天驚拳も?)を出せるようになるまでギアナ高地で山籠もりしてでも猛特訓&修行するべし! するべし!
と、寒い冬に気合を入れて一気に暖まってきたところで、以上、「顔に傷のある男たち」、いかがでしたでしょうか~? とうわけでこの項、次回に続きます!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のバイカナマコと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第34回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その34~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今 度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力として欠かせないものといえば、劇中に登場する個性的なキャラクターの数々。中には見た目からして一癖ありそうなキャラクターもいっぱいいたりします!
第34回目はその中から「顔に傷のある男たち」をご紹介していきたいと思います~!
【その1】
ガンダムシリーズに登場する顔に傷のある男たちは、過去の傷を乗り越えて戦うのがお約束!?
今回最初にご紹介する顔に傷のある男は、サングラスの似合う訳ありげな兄貴、こと「 ジャミル・ニート」です。(『機動新世紀ガンダムX』)。
見るからに癖がありそうで、そのサングラスのせいか、ちょっと悪そうな強面っぽくもあるジャミルは、主人公・ガロードが後にクルーとなるバルチャー(廃棄された軍備や兵器の残骸を拾っては売買する稼業)グループ・フリーデンのリーダーであり、旧地球連邦軍が開発した戦艦を改装した陸上戦艦フリーデンの艦長です。
通称・キャプテンことジャミルは、旧地球連邦軍のエースパイロットで元の階級も大尉でしたが、ある事件をきっかけにコックピット恐怖症になってしまいます。
今でこそ、その顔の傷とともに大人の渋さ(←ちょっぴり70年代風?)をムンムンと漂わせるジャミルの兄貴ですが、15年前の第七次宇宙戦争のときにはまだ15歳の無鉄砲な少年だったようです。ただし、少年といってもニュータイプ兵であり、ガンダムを縦横無尽に操縦してたりするんですが、前の大戦の末に参加した宇宙革命軍のコロニー落としを迎撃する作戦に失敗、革命軍によって逆におびただしい数のコロニーを地球上に落下させてしまうことになり、人類史上最悪の悲劇とされる地球壊滅のきっかけを作ってしまいます。そして、そのことにショックを受けて自分のニュータイプ能力を失ってしまった(+コクピット恐怖症)という悲劇の人なんです。
自分にまったくその気がなくても、結果として重大なことが起きちゃって、お前がきっかけだったんだぞ! とか周りからがんがん言われたらそりゃつらいですよね~。人の心の動きや考えを繊細かつダイレクトに感じとることができるニュータイプの能力というのは、それゆえに精神的なストレスにも弱い(!?)のかも知れません。
ジャミルはその後、長い間に渡ってMS(モビルスーツ)の操縦がまったくできないようになってしまったんですが、第七次宇宙戦争の終結後はバルチャーグループのリーダーとなり、もっぱらティファ・アディール(生まれながらのニュータイプとしては戦争後唯一の少女)をはじめとしたニュータイプたちの保護に力を入れていました。
ちなみに顔の傷はライバル関係にある宇宙革命軍大佐、ランスロー・ダーウェルとの戦いの最中にできたもの(←ヘルメットの破片でできた傷)ですが、先の事件、そして自分自身への贖罪の意味を持ってそれまで他のニュータイプを救済してきたジャミルは終盤、ついに「D.O.M.E.」(謎の月面にあるマイクロウェーブ送信施設)=「ファーストニュータイプ」と接触。そこに至るまでの大きな決意とそれまでの過去への決別の証としてトレードマーク(!)である黒いサングラスを外し、自分の素顔をフリーデンクルーに初めて公開(?)しています。
その後も主人公のガロード・ランに様々なアドバイスを与えて精神的な成長へと導いたのち、自分もまたコクピット恐怖症から脱却して、立派に前線に復帰を遂げたジャミルは、見た目によらず(?)真面目で頼りがいのある良き兄貴なんですね~。ジャミル兄貴(←ニート兄貴! だとなんだかちょっとアレなかんじが……)の活躍ぶりが気になる人は、ぜひ『機動新世紀ガンダムX』を観てチェックしてみてくださいね~!
100mくらい遠く離れたところから見ても、すぐに熱血漢! という雰囲気(←どんなだ!)が伝わってくるほど熱いオーラを持つ男・ドモンですが、そもそもガンダムシリーズでは主人公の性格が熱血! というのも、顔に傷がある、っていうのもまた珍しいですよね。たぶん今までのシリーズの主人公全員で素手のバトルをしたら、文句なく一番強い主人公であることは間違いないでしょう。右手に刻まれたコロニー格闘技の覇者の証、キング・オブ・ハートの紋章は伊達じゃありません。なんたって徒手空拳、生身でMS(デスアーミー)と戦えちゃうんですよ!? お師匠さんの東方不敗ことマスター・アジアもですが、素手で人型兵器をずばっ! と薙ぎ倒していく様は圧巻です! 必殺技もシャイニングフィンガーや爆熱ゴッドフィンガーなど、すでに名前からして熱すぎます!!
優秀な父と兄に対して反感を覚えるという、いわゆる反抗期(?)に家出し、各所を当てもなく放浪しているときに偶然、生涯の師となるマスターアジアと出会ったドモンは、そのあまりの「強さ」に衝撃を受けて弟子入りすることになりますが、その後、ドモンは一子相伝である流派東方不敗を会得、その使い手となり、コロニーにおいてガンダムで格闘技を行うガンダムファイターとして数々の死闘を繰り広げていくことになります。主な機体(MSではなく、モビルファイター:MF)としてシャイニングガンダムやゴッドガンダムを自分の手足のように使いこなしがら、世界中から集結したモビルファイター(←ちなみにみんな「ガンダム」)たちと地球上だけでなく宇宙すらところ狭しとばかりに熱い戦いをガンガン繰り広げてくれるんだからたまりません! このMFの操縦システムは、一般的な操縦システムでなく、身体の動きを直接センサーが読み取って忠実に再現するモビルトレースシステムが採用されているため、ドモンのように極めて身体能力の高い格闘家にはうってつけのシステムなんですね。
で、ドモンの能力に目を付けたのが、元ガンダムファイターで、ガンダム開発局の中心人物(デビルガンダムを兵器として利用しようとしている)であるネオジャパンの軍人、ウルベ・イシカワ少佐です。彼はガンダムファイトでの優勝とデビルガンダムを奪い返すことを条件に、国家反逆罪で永久冷凍刑となっている父のライゾウ・カッシュの引き換えを提案します。ドモンはネオジャパン代表のガンダムファイターとして4年に一度、地球上を自由に動くことが可能なガンダムファイトに出場することになりますが、父からデビルガンダムを奪って消えた兄キョウジを捜すうちに、かつての師匠がなぜかデビルガンダム側に回っていたり(!?)などなどの衝撃的な出来事が次々と彼に襲いかかってくることに……うーむ、目が離せませんね~。
もともとあまり自分を表現することが得意ではない不器用な性格のドモンは、歴戦の激しい戦いと、師匠との運命的な対決を経て、最強のガンダムファイターとして、そして人間として大きく育っていくんですね~。そのへんの壮大なエピソードは、ぜひ『機動武闘伝Gガンダム』を実際に観てじっくり堪能してください!! ガンダムファイト! レディー!ゴー! ……って、えっ? 年末は忙しくって観てる時間がないって? その罪、万死に値します! 今から赤いハチマキを頭にぐるぐる巻いて、超必殺技の『石破天驚ゴッドフィンガー』(←石破ラブラブ天驚拳も?)を出せるようになるまでギアナ高地で山籠もりしてでも猛特訓&修行するべし! するべし!
と、寒い冬に気合を入れて一気に暖まってきたところで、以上、「顔に傷のある男たち」、いかがでしたでしょうか~? とうわけでこの項、次回に続きます!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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