2012年10月31日 (水)
ガンダムのお約束 ~その29~『ガンダム名言集【その4】』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第29回!
ガンダム界のテングキンザメと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第29回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その29~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力のひとつとして欠かせないのが、一度は叫んでみたくなる(!?)ような素晴らしい“名台詞”の数々ですよね~。
第29回目は「ガンダム名言集(その4)」として、『機動戦士ガンダム』以降に出てくる数々の名台詞の中から、代表的なものをいくつかご紹介していきたいと思います~!
●●●
【その1】
ガンダムの名言は熱い“魂の叫び”が込められているのがお約束!?
「だってよ……アーサーなんだぜ?」(シーブック・アノー/『機動戦士ガンダムF91』)
まずご紹介するのは、ガンダムF91のパイロット「シーブック・アノー」の台詞です(『機動戦士ガンダムF91』)。
フロンティア総合学園工業学科の学生としてごく普通の学園生活を送っていたアノーは、楽しみにしていた学園祭の日に新興の複合企業集団、ブッホ・コンツェルンの私設軍隊、クロスボーン・バンガードによる突然の襲撃に遭遇し、仲間とともにスペースコロニー・フロンティアⅣから脱出します。避難先のフロンティアⅠで地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークに保護されれた彼は、そこで整備されていたMS(モビルスーツ)のガンダムF91(アノーのお母さんが設計した)と出会い、パイロットになるわけです。
襲撃時に博物館にあった整備不良のガンタンクR-44に乗り込んだアノーの親友アーサー・ユングは、敵のMSに攻撃された際に爆風で吹き飛ばされ、ビルに叩きつけられてしまいます。すでにぐったりしてしまっている彼をなんとか起こそうと、必死に声を掛けて身体を揺さぶり続けるシーブックに、仲間のひとりであるジョージ・アズマが「もう楽にさせてやんなきゃ……」と語りかけたときに動揺して思わず言うのがこの言葉です。
それまではひたすら明るくてお調子者だったアーサーが、いきなり爆発に巻き込まれて命を落とす、というあまりにも衝撃的な場面は、戦争を知らない世代が否応なく戦いの真っ只中に巻き込まれていく、という凄惨な情景を鮮烈に描写しています。
劇場用映画としては前作の『逆襲のシャア』とは違って、アムロやシャアというお馴染みのキャラクターを一切出さずに、新たに作られたという『機動戦士ガンダムF91』ですが、この台詞、なんというか、もう、ひたすら…………重いです。胸に重く突き刺さるこの台詞はずっと耳に残ることでしょう。運命が彼らの想いを引き裂いていく様は本当に残酷です。
と、これではあまりにもこの項に救いがないので、あえてここでどうでもいいお話をひとつ……しかし、この台詞、間違っても酒を飲み過ぎてぐったりしている友人を揺さぶり起こすときとかに使ってはいけません。絶対に罰があたることうけあいです。具体的には二日酔いの頭痛がさらに悪化するくらいのバチがあたりますよ~(←注:酔っ払っている人の頭を激しく揺さぶってはいけません)。
「おかしいですよ、カテジナさん!」(ウッソ・エヴィン/『機動戦士Vガンダム』)
次は反ザンスカール帝国を標榜するレジスタンス組織、リガ・ミリティアのパイロットの「ウッソ・エヴィン」の台詞です(『機動戦士Vガンダム』第36話『母よ大地にかえれ』)。
ウッソはザンスカール帝国の軍隊であるベスパのMSに自分の母親が捕まっているのを救出しようとしますが、もとは同じ仲間でもあったカテジナがそれを邪魔しようとしているときに思わず叫んだ台詞です。
ちなみのこの後、ウッソの母親は……(←アニメ史上屈指の××××シーンにつき自粛)。
…………いや、まったくその通り! おかしいんですよ、カテジナさん! というか、後でおかしくないカテジナさんなんて想像できなくなるほど、この頃からだんだんとおかしくなってきてるんですね。ウッソ君も最初は「わー、キレイなお姉さんだ~!」くらいに思って、がんがん一方的にメールを出したりしてアタックしてたんでしょうけれど、ほんのちょっと会わない間に、なんだか放送コードに引っかかっちゃいそうなアブない性格の女性になってしまっていて……(恐怖)。
これも戦争が産んだ狂気というものなんでしょうか!? 女性は決して見た目だけで判断してはいけないということを、ウッソ君もきっと高~い代償をもって学んだことでしょうね~。
みなさんも日々の生活の中でおかしいと思うことや疑問があったときには、すかさず大声でこの台詞を叫んですっきりしてみてくださいね~!
「あたしを殺そうとした!? 幻を振り切って、あたしのことまで振り切ったか」(カテジナ・ルース/『機動戦士Vガンダム』)
続いては『機動戦士Vガンダム』になくてはならないヒロインの一人「カテジナ・ルース」の台詞です(『機動戦士Vガンダム』第49話『天使の輪の上で』)。
みなさんおまちかね! ガンダムシリーズ史上“最凶”とも言われる“ヤンデレ姐さん”ことカテジナさんの登場ですよ~(……拍手?)。その昔はウッソの初恋の人でもあり、物語中盤からはザンスカール帝国の兵士となったカテジナさんなんですが、帝国が建造した巨大サイコミュ兵器内部での戦闘中、なんと水着姿の女性兵士(近衛部隊)を捨て駒に使うという狂気じみた作戦でウッソと無理矢理戦わせたりもしちゃいます。次々と生身の女性を倒しながら進むウッソ。その前に現れるカテジナ搭乗のMSにウッソはビームサーベルを食らわせて破壊。これは、そのコクピットから逃げ出したカテジナさんが叫んだ台詞です。
このカテジナさん、ガンダムシリーズ数ある中でもエゲツのなさでは他が抜きんでることを許さない(!?)というくらいにイッちゃってる女性でもあります。だってお色気お姉さん部隊のハニトラ(←宇宙で水着のお姉さんたちと戦わせるなんて無茶な戦法、普通は思いつきませんよ! ひょっとしてカテジナさんっておっさん脳なんでしょうか……)で純なウッソ君を見事に惑わそうとしたり、自分に惚れてる二人の男を戦わせて、はたまたその一人であるウッソ君を隠し持ったナイフでぐさりと刺してみたりと……もうほとんど後半は理解不能な行動のオンパレードじゃないですか、カテジナさん!
しかし、ここまでおイタをしておいてそのうち誰かに殺されちゃうかも……とか一度も思わなかったのでしょうか。こんな人が初恋の人だったなんて、百年の恋も冷めるというものです。ウッソ君もきっと自分の黒歴史を(!?)思い切り封印したいことでしょうね~。
「俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと、轟き叫ぶ! 爆熱! ゴッド! フィンガー!」(ドモン・カッシュ/『機動武闘伝Gガンダム』)
これはネオジャパンコロニー出身のガンダムファイター「ドモン・カッシュ」の台詞です。
家出をし、放浪していたドモンは、同じくガンダムファイターであり、コロニー格闘技の覇者たる証、キング・オブ・ハートの紋章を持つマスター・アジアに救われて弟子となり、流派東方不敗を会得しますが、この台詞は、彼が必殺技である“爆熱ゴッドフィンガー”を放つ時の前口上として叫ぶ言葉です。ちなみにこれを叫ぶときは「ばぁぁくねぇぇぇつ!」と強くタメのある言い方をするのがポイントですね~。
『機動武闘伝Gガンダム』という、ガンダムシリーズ史上で最も(!?)熱いガンダムの熱血主人公、ドモン・カッシュ。彼が必殺技を出すときにかならずこれを叫ぶのは、エネルギーをため込むためのタイミングとして前口上が必要になるからなんでしょうか!?
ただし、この場合は相手キャラも彼がこの必殺技の前口上を言ってる間に避けるなり反撃するなりという対策も充分に取れるような気もしますが……(←必殺技を避けることは「ガンダムファイト国際条約」の中で禁止されてるのかも!?)。まあ、相手の必殺技を避けちゃだめ~! というのはこれに限ったお話じゃないですけどね~。
私たちがごく日常的にこの台詞を使う事はまずないと思いますが(……)、頭が硬い学校の先生や融通の利かないアホ上司の背中に向かって心の中で叫んでみたい! と思ったことはきっと聡明なる諸兄姉なら一度はあることでしょう(←たまには思う存分叫んでみてください!!)。
「だからお前はアホなのだーっ!」(マスター・アジア/『機動武闘伝Gガンダム』)
今回の最後は、先に出てきたドモン・カッシュの師匠であり、武道の達人「マスター・アジア」の台詞です(『機動武闘伝Gガンダム』第45話『さらば師匠! マスター・アジア暁に死す』)。
“流派東方不敗”という拳法の達人にして、かってのガンダムファイトでネオホンコンを勝利へと導いたほぼ無敵の人物であり、ガンダムシリーズ史上で唯一、生身でモビルスーツを倒した“神”(魔人or化け物!?)でもあります。
マスター・アジアは弟子となったドモンに拳法を伝授しますが、その後、本来は地球環境浄化用ガンダムであるデビルガンダムを操縦して人類抹殺を企み、ドモンの前に最大・最強のライバルとして立ちはだかります。
「人類が地上からいなくなることが地球にとって最善なのだ!」という自らの苦い経験と深い哲学から導かれた壮大な理想を語るマスター・アジアと、その考え方にまったく賛同できない愛弟子、ドモンの二人。この二人がケタ外れの激しい戦いを繰り広げる最終決戦においてマスターがドモンに向かって叫ぶ熱い台詞がこれです。
なんたって弟子も熱ければ、師匠もさらに熱いっ!! そのあまりにオーバーヒートすぎる決闘シーンは、もはやガンダムで戦っているんだか生身で殴り合っているんだか判らないというカオスな状態となって、観るもののハートに凄まじいインパクトを与えてくれます。
ドモンとマスター、二人の間には、互いの拳を交わし合うことで通じ合う肉体言語が存在するのみ。そのあまりの熱さ、激しさに唯々我々は圧倒され、言葉を失い、その戦いの行く末をじっと見守るしかありません。むしろ、ここまで激しい勝負を見せつけられたら、ドモンが負けて人類が滅亡してもいいような気すらしてきます(←よくない!)。この場面はまさに二人が全身全霊をかけた名勝負シーンだといえるでしょう(必見ですよ~!!)。
ところで、このお話(『機動武闘伝Gガンダム』第45話)の中でマスター・アジアはドモンに向かって「アホ」「バカ弟子」「ウツケ者」とひたすら罵倒しまくります。まさに罵詈雑言の嵐なんですが、それもガンダムファイトという武闘を絆にした強固な師弟関係が成立しているからこそ言えるというものです。普通、これだけ罵倒しまくったら、マジで殴られるかぐさっと刺されちゃいますよ。カミーユ・ビダン君かカテジナさんあたりに……。
以上、秋のパン祭り、じゃなくって、ガンダム秋の名台詞祭り、絶賛開催中!! というわけで今回は「ガンダム名言集(その4)」についてお送りしました!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のテングキンザメと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第29回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その29~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力のひとつとして欠かせないのが、一度は叫んでみたくなる(!?)ような素晴らしい“名台詞”の数々ですよね~。
第29回目は「ガンダム名言集(その4)」として、『機動戦士ガンダム』以降に出てくる数々の名台詞の中から、代表的なものをいくつかご紹介していきたいと思います~!
【その1】
ガンダムの名言は熱い“魂の叫び”が込められているのがお約束!?
「だってよ……アーサーなんだぜ?」(シーブック・アノー/『機動戦士ガンダムF91』)
まずご紹介するのは、ガンダムF91のパイロット「シーブック・アノー」の台詞です(『機動戦士ガンダムF91』)。
フロンティア総合学園工業学科の学生としてごく普通の学園生活を送っていたアノーは、楽しみにしていた学園祭の日に新興の複合企業集団、ブッホ・コンツェルンの私設軍隊、クロスボーン・バンガードによる突然の襲撃に遭遇し、仲間とともにスペースコロニー・フロンティアⅣから脱出します。避難先のフロンティアⅠで地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークに保護されれた彼は、そこで整備されていたMS(モビルスーツ)のガンダムF91(アノーのお母さんが設計した)と出会い、パイロットになるわけです。
襲撃時に博物館にあった整備不良のガンタンクR-44に乗り込んだアノーの親友アーサー・ユングは、敵のMSに攻撃された際に爆風で吹き飛ばされ、ビルに叩きつけられてしまいます。すでにぐったりしてしまっている彼をなんとか起こそうと、必死に声を掛けて身体を揺さぶり続けるシーブックに、仲間のひとりであるジョージ・アズマが「もう楽にさせてやんなきゃ……」と語りかけたときに動揺して思わず言うのがこの言葉です。
それまではひたすら明るくてお調子者だったアーサーが、いきなり爆発に巻き込まれて命を落とす、というあまりにも衝撃的な場面は、戦争を知らない世代が否応なく戦いの真っ只中に巻き込まれていく、という凄惨な情景を鮮烈に描写しています。
劇場用映画としては前作の『逆襲のシャア』とは違って、アムロやシャアというお馴染みのキャラクターを一切出さずに、新たに作られたという『機動戦士ガンダムF91』ですが、この台詞、なんというか、もう、ひたすら…………重いです。胸に重く突き刺さるこの台詞はずっと耳に残ることでしょう。運命が彼らの想いを引き裂いていく様は本当に残酷です。
と、これではあまりにもこの項に救いがないので、あえてここでどうでもいいお話をひとつ……しかし、この台詞、間違っても酒を飲み過ぎてぐったりしている友人を揺さぶり起こすときとかに使ってはいけません。絶対に罰があたることうけあいです。具体的には二日酔いの頭痛がさらに悪化するくらいのバチがあたりますよ~(←注:酔っ払っている人の頭を激しく揺さぶってはいけません)。
「おかしいですよ、カテジナさん!」(ウッソ・エヴィン/『機動戦士Vガンダム』)
次は反ザンスカール帝国を標榜するレジスタンス組織、リガ・ミリティアのパイロットの「ウッソ・エヴィン」の台詞です(『機動戦士Vガンダム』第36話『母よ大地にかえれ』)。
ウッソはザンスカール帝国の軍隊であるベスパのMSに自分の母親が捕まっているのを救出しようとしますが、もとは同じ仲間でもあったカテジナがそれを邪魔しようとしているときに思わず叫んだ台詞です。
ちなみのこの後、ウッソの母親は……(←アニメ史上屈指の××××シーンにつき自粛)。
…………いや、まったくその通り! おかしいんですよ、カテジナさん! というか、後でおかしくないカテジナさんなんて想像できなくなるほど、この頃からだんだんとおかしくなってきてるんですね。ウッソ君も最初は「わー、キレイなお姉さんだ~!」くらいに思って、がんがん一方的にメールを出したりしてアタックしてたんでしょうけれど、ほんのちょっと会わない間に、なんだか放送コードに引っかかっちゃいそうなアブない性格の女性になってしまっていて……(恐怖)。
これも戦争が産んだ狂気というものなんでしょうか!? 女性は決して見た目だけで判断してはいけないということを、ウッソ君もきっと高~い代償をもって学んだことでしょうね~。
みなさんも日々の生活の中でおかしいと思うことや疑問があったときには、すかさず大声でこの台詞を叫んですっきりしてみてくださいね~!
「あたしを殺そうとした!? 幻を振り切って、あたしのことまで振り切ったか」(カテジナ・ルース/『機動戦士Vガンダム』)
続いては『機動戦士Vガンダム』になくてはならないヒロインの一人「カテジナ・ルース」の台詞です(『機動戦士Vガンダム』第49話『天使の輪の上で』)。
みなさんおまちかね! ガンダムシリーズ史上“最凶”とも言われる“ヤンデレ姐さん”ことカテジナさんの登場ですよ~(……拍手?)。その昔はウッソの初恋の人でもあり、物語中盤からはザンスカール帝国の兵士となったカテジナさんなんですが、帝国が建造した巨大サイコミュ兵器内部での戦闘中、なんと水着姿の女性兵士(近衛部隊)を捨て駒に使うという狂気じみた作戦でウッソと無理矢理戦わせたりもしちゃいます。次々と生身の女性を倒しながら進むウッソ。その前に現れるカテジナ搭乗のMSにウッソはビームサーベルを食らわせて破壊。これは、そのコクピットから逃げ出したカテジナさんが叫んだ台詞です。
このカテジナさん、ガンダムシリーズ数ある中でもエゲツのなさでは他が抜きんでることを許さない(!?)というくらいにイッちゃってる女性でもあります。だってお色気お姉さん部隊のハニトラ(←宇宙で水着のお姉さんたちと戦わせるなんて無茶な戦法、普通は思いつきませんよ! ひょっとしてカテジナさんっておっさん脳なんでしょうか……)で純なウッソ君を見事に惑わそうとしたり、自分に惚れてる二人の男を戦わせて、はたまたその一人であるウッソ君を隠し持ったナイフでぐさりと刺してみたりと……もうほとんど後半は理解不能な行動のオンパレードじゃないですか、カテジナさん!
しかし、ここまでおイタをしておいてそのうち誰かに殺されちゃうかも……とか一度も思わなかったのでしょうか。こんな人が初恋の人だったなんて、百年の恋も冷めるというものです。ウッソ君もきっと自分の黒歴史を(!?)思い切り封印したいことでしょうね~。
「俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと、轟き叫ぶ! 爆熱! ゴッド! フィンガー!」(ドモン・カッシュ/『機動武闘伝Gガンダム』)
これはネオジャパンコロニー出身のガンダムファイター「ドモン・カッシュ」の台詞です。
家出をし、放浪していたドモンは、同じくガンダムファイターであり、コロニー格闘技の覇者たる証、キング・オブ・ハートの紋章を持つマスター・アジアに救われて弟子となり、流派東方不敗を会得しますが、この台詞は、彼が必殺技である“爆熱ゴッドフィンガー”を放つ時の前口上として叫ぶ言葉です。ちなみにこれを叫ぶときは「ばぁぁくねぇぇぇつ!」と強くタメのある言い方をするのがポイントですね~。
『機動武闘伝Gガンダム』という、ガンダムシリーズ史上で最も(!?)熱いガンダムの熱血主人公、ドモン・カッシュ。彼が必殺技を出すときにかならずこれを叫ぶのは、エネルギーをため込むためのタイミングとして前口上が必要になるからなんでしょうか!?
ただし、この場合は相手キャラも彼がこの必殺技の前口上を言ってる間に避けるなり反撃するなりという対策も充分に取れるような気もしますが……(←必殺技を避けることは「ガンダムファイト国際条約」の中で禁止されてるのかも!?)。まあ、相手の必殺技を避けちゃだめ~! というのはこれに限ったお話じゃないですけどね~。
私たちがごく日常的にこの台詞を使う事はまずないと思いますが(……)、頭が硬い学校の先生や融通の利かないアホ上司の背中に向かって心の中で叫んでみたい! と思ったことはきっと聡明なる諸兄姉なら一度はあることでしょう(←たまには思う存分叫んでみてください!!)。
今回の最後は、先に出てきたドモン・カッシュの師匠であり、武道の達人「マスター・アジア」の台詞です(『機動武闘伝Gガンダム』第45話『さらば師匠! マスター・アジア暁に死す』)。
“流派東方不敗”という拳法の達人にして、かってのガンダムファイトでネオホンコンを勝利へと導いたほぼ無敵の人物であり、ガンダムシリーズ史上で唯一、生身でモビルスーツを倒した“神”(魔人or化け物!?)でもあります。
マスター・アジアは弟子となったドモンに拳法を伝授しますが、その後、本来は地球環境浄化用ガンダムであるデビルガンダムを操縦して人類抹殺を企み、ドモンの前に最大・最強のライバルとして立ちはだかります。
「人類が地上からいなくなることが地球にとって最善なのだ!」という自らの苦い経験と深い哲学から導かれた壮大な理想を語るマスター・アジアと、その考え方にまったく賛同できない愛弟子、ドモンの二人。この二人がケタ外れの激しい戦いを繰り広げる最終決戦においてマスターがドモンに向かって叫ぶ熱い台詞がこれです。
なんたって弟子も熱ければ、師匠もさらに熱いっ!! そのあまりにオーバーヒートすぎる決闘シーンは、もはやガンダムで戦っているんだか生身で殴り合っているんだか判らないというカオスな状態となって、観るもののハートに凄まじいインパクトを与えてくれます。
ドモンとマスター、二人の間には、互いの拳を交わし合うことで通じ合う肉体言語が存在するのみ。そのあまりの熱さ、激しさに唯々我々は圧倒され、言葉を失い、その戦いの行く末をじっと見守るしかありません。むしろ、ここまで激しい勝負を見せつけられたら、ドモンが負けて人類が滅亡してもいいような気すらしてきます(←よくない!)。この場面はまさに二人が全身全霊をかけた名勝負シーンだといえるでしょう(必見ですよ~!!)。
ところで、このお話(『機動武闘伝Gガンダム』第45話)の中でマスター・アジアはドモンに向かって「アホ」「バカ弟子」「ウツケ者」とひたすら罵倒しまくります。まさに罵詈雑言の嵐なんですが、それもガンダムファイトという武闘を絆にした強固な師弟関係が成立しているからこそ言えるというものです。普通、これだけ罵倒しまくったら、マジで殴られるかぐさっと刺されちゃいますよ。カミーユ・ビダン君かカテジナさんあたりに……。
以上、秋のパン祭り、じゃなくって、ガンダム秋の名台詞祭り、絶賛開催中!! というわけで今回は「ガンダム名言集(その4)」についてお送りしました!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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