2012年10月17日 (水)
ガンダムのお約束 ~その27~『ガンダム名言集【機動戦士ガンダム編・その2】』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第27回!
ガンダム界のアオミノウミウシと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第27回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その27~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力のひとつとして欠かせないのが、一度聞いたら誰でもつい使ってみたくなっちゃう!! という、劇中に登場する素晴らしい“名台詞”の数々ですよね~。
第27回目は「ガンダム名言集(機動戦士ガンダム編・その2)」として、最初のガンダムシリーズ『機動戦士ガンダム』に出てくる珠玉の名台詞の中から、ジオン公国メインで代表的なものをいくつかご紹介しちゃいたいと思います~!
●●●
【その1】
ガンダムの名言は対抗勢力側にも後世に残る名台詞がとっても多いのがお約束!?
「あえて言おう、カスであると!」(ギレン・ザビ/『機動戦士ガンダム』)
まず最初は、ジオン公国(地球連邦の対抗勢力)における事実上の最高権力者であり、総帥でもある「ギレン・ザビ」の台詞からいきますよ~(第42話『宇宙要塞ア・バオア・クー』)。
アニメの名演説シーン、名演説キャラクターといえばこの人!! とういうかんじで、後のロボットアニメをはじめとする作品にも多大な影響(!?)を与えたと言われているのがこの衝撃的な台詞ですよね~。
で、このなんともキツい言葉は、秘密兵器「ソーラ・レイ」(決戦用の巨大レーザー兵器)を使って地球連邦軍の艦隊に大打撃を与えた後に、地球連邦軍との一年戦争の最終決戦地となる宇宙要塞ア・バオア・クーで連邦軍の艦隊を撃破したあとに行った彼の演説の中に出てくる台詞です。
最強の兵器であるソーラレイの能力を賞賛し、勝利を確信したギレンは「人類は選ばれた優良種たるジオン公国民によって管理・運営されるべきである!」という、ヒトラーも真っ青のザ・独裁者! 的にヤバげな持論をここで自軍の兵士に向けて力強く展開します(ようするに地球連邦軍のことを“カス”だと言ってるわけですね)
大の演説好き&雄弁家かつIQ240(!)という怜悧な頭脳を持っているというギレンですが、末弟ガルマが亡くなった際、密葬を望む父・デギン・ザビの意に反してド派手な国葬(もちろんこのときも大演説の中継・オンステージ付)をやっちゃったりしたもんだから、以降、ザビ家のムードもばっちり険悪に。常に沈着冷静、非情で高慢、そしてばりばりの選民思想を持つ彼にしてみれば、自分以外の周りはみーんな馬鹿ばっか(←親父のドズルも)。連邦軍や地球の人間のことだってそりゃもうはるか彼方(?)に見下しているからこそこんな勝手なことが言えちゃうわけです。
かくして“俺様ちゃんだけがスゴいのさ~!”(うっとり……) とすっかり自惚れてみたのはいいものの、大体、説教や演説が好きな奴ってぇのは自分の足下が見えてないことが多いもんだから、最期には賢くてカワイイ(!?)妹のキシリア・ザビに「親殺しの裏切り者!」とばかりに銃で撃たれてしまい、せっかく手にした総帥の座も……。妙なエリート意識と自信過剰が元で己の身を滅ぼす、という悪いお手本になっちゃいました~。
しかし、このアニメ史上に残る彼の演説のカッコよさだけはきっと未来永劫、誰にも負けることはありません!
せっかくですからみなさんもジオン兵になったつもりでひとつ御一緒に~!! せ~の、ジーク・ジオン! ジーク・ジオン! ジーク・ジオン! ジーク・ジオン!(←以下ラストまで続く)
「やらせはせんぞ! 貴様ごときモビルスーツに、ジオンの栄光をやらせはせん! この俺がいる限り、やらせはせんぞーっ!」(ドズル・ザビ/『機動戦士ガンダム』)
次にご紹介する台詞は、ジオン公国軍宇宙攻撃軍司令「ドズル・ザビ」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第36話『恐怖!機動ビグ・ザム』)。
ジオン軍の中将で、ザビ家の三男でもある彼は、その巨漢(なんと身長は驚きの2m越え!)から体力自慢の豪腕馬鹿っぽい人なのかしら、と思いきや、実際には現場第一主義の戦略、戦術家で、ときには部下に気遣いをする場面もあったり……うーん、人って見た目によりませんね。
生まれつきの華麗な王子様キャラのような末弟・ガルマを除いては、見た目も性格もキツい(!?)ザビ家の一族にあって、ドズルは(見た目はともかく)意外と好感が持てるタイプの人物なのかもしれません。
この台詞は、試作モビルアーマー、ビグ・ザムの上でガンダムと最後の戦闘を繰り広げているときに叫んでいた言葉ですが、こんなおっさんが目に前に仁王立ちになって化けてでてきそうなただならぬ気合いで断末魔のような執念の叫びをあげてたら、そりゃもうアムロじゃなくたって恐怖でその場から退却したくなることうけあいです。
味方の大部分を失いながらも、最後の猛攻の中で単身、悪鬼羅刹のような形相で勝ち目のないままガンダムへ向かって無反動ライフルを乱射する、というこの壮絶なシーンと台詞によって、ドズルは主人公の仇役ながらも多くの人の心に残ることなりました。
でも、同じ兄弟のガルマやギレンが同じことを言ったしても、ここまでは様にはならないだろうし、この台詞と派手な最後っぷりはやっぱり味のあるこの顔つきだから似合うんでしょうね~。
「シャア! 謀ったな、シャア!」(ガルマ・ザビ/『機動戦士ガンダム』)
この台詞はジオン公国軍地球方面軍司令「ガルマ・ザビ」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第10話『ガルマ散る』)。
ザビ家の末っ子で若くしてすでにジオン軍大佐、という絵に描いたようなエリートコースを歩んでいた彼は、世のご婦人方&女子の人気をシャアと二分するイケメンの王子様キャラ(←お兄さんたちに似ないで良かったね~!)です。でも、育ちが良くて人が良いためにで海千山千(?)のシャアにまんまと騙されてしまうことに……。
地球にいる彼女(婚約者)の前でカッコつけようと功を焦っていたところをシャアに見透かされて“連邦軍の木馬をつぶしちゃえば、みんなの憧れ、ジオン十字勲章も夢じゃないよっ!”てなかんじにまんまとおだてられちゃったことが彼の悲劇のはじまりだったのかもしれません。
結果、シャアと共に木馬(ホワイトベース)を追い詰めようとするも、シャアの目論見によってホワイトベース、ガンタンク、ガンキャノンの挟み撃ちにあってしまいます。ホワイトベースから攻撃を受けている最中のシャアとの交信で、初めて彼の裏切りに気がついたときに思わず叫んだのがこの台詞です。
シャアに“おまえはええ奴やったけど、おまえの父ちゃんがみんな悪いんやで、フフフフ、ハハハハハ”(←関西弁変換)と言われるまでちっともシャアの悪だくみに気がつかなかったという脳天気さんなガルマですが、長い間、ず~っと俺とお前は親友だぜ! と固く信じていた友に自分がずっと騙されてたなんて知ったらさぞかし“がーん!”と頭からマンガの台詞が飛び出すくらいにびっくりしちゃったことでしょう(←ほんま悪い奴でっせ、シャアは!)。
シャア曰くガルマが“坊や”だったから仕方がなかったのかもしれませんが、こんな悲劇的な最期でなく、ガルマにはできればジオン公国を率いる誇り高い指導者として、その手腕をもっと見せて欲しかったですね~。
「ああ、アムロ……、刻が見える……。」(ララァ・スン/『機動戦士ガンダム』)
この台詞は、泣く子も黙る(!?)ニュータイプの代表選手、フラナガン研究所出身の悲劇のヒロイン「ララァ・スン」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第41話『光る宇宙』)。
ジオン公国軍の少尉でもある彼女は、シャアによってその類い希なる資質を見いだされて戦闘に参加してからニュータイプ専用MA(モビルアーマー)のエルメスを駆って次々と敵機を撃墜していきとても恐れられていました。
殺るか殺られるかの戦場で、敵のパイロットとテレパシーで交信できる(!?)というのはニュータイプのならではの“特技”というよりもむしろ“不幸”なんでしょうか?
自分を戦うための道具として利用しようとしている男(←ほんま悪い男でっせ、シャアは!)のために、ひょっとしたら本当の友達になれたかもしれない存在=アムロによってその命を落としてしまうなんて、あまりにもララァが不憫で可哀想すぎます~!
“人を利用するだけ利用しといてあっさり捨てる男なんて、脚のないMSにでも乗っていればいいのよ!”と思った人は私だけじゃないはずです(怒)。
アムロは第34話『宿命の出会い』でシャアと共にララァと出会っていますが、終盤、戦場で再び出会った二人は戦いながらも心と心を通わせて魂の会話(!?)をします。これはシャアを庇って、アムロが操縦するガンダムにララァが攻撃を受けたときに最後にアムロに伝えた台詞ですが、ララァはその瞬間にアムロと魂を共鳴させて、“刻”を見ます。
この“刻”という言葉の中に、ララァが見つけた壮大で悠久な魂と時間の流れ(思念と空間)のようなものが見えてきませんか?(←すごくニュータイプっぽい!?)
ララァの“魂”はこの台詞とともに、ガンダムの歴史の中でこれからも永遠不滅に生き続けていくとことでしょう。
「あんなもの飾りです。お偉い方にはそれが分からんのです。」(ジオン兵/『機動戦士ガンダム』)
さて、ラストはある「ジオン兵」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第42話『宇宙要塞ア・バオア・クー』)。
人呼んで“ただの整備兵”という普通ならすぐに忘れ去られてしまうような、単に名も無いキャラが出てきただけのシーンのはずだったのに、あまりにも状況にハマった本音をうっかり(!?)言ってしまったために30年以上たった今でも語り継がれる名場面になっちゃったのがこの言葉です~!
ガンダムを観たことのない人でもな~んとなくどこかで一度は耳にしたことがあるくらい有名になっちゃったこの台詞は、宇宙要塞、ア・バオア・クーがガンダムの襲撃を受けた際に、キリシア・ザビがシャアに託した(←押しつけた?)MSのジオングを見て“わ、これ脚部がないやんけ!” (←関西弁変換)とシャアが指摘した時に返した整備兵の言葉です。
他に乗る機体がなく、仕方なく搭乗せざるを得ない状況とはいえ、まだ未完成の機体(完成度8割)ということにモヤモヤとした不安を隠せないシャアに対して、ジオングの整備兵は「冗談じゃありません、現状でもジオングの性能は100%出せます」ときっぱり言い放ちます。
階級がはるか上(大佐)であるシャアに対して、一兵士でありながらもズケズケとモノを言ってしまうところが、いかにも“この道一筋” “職人肌”の整備兵ならではの無骨な雰囲気がよく出てますよね~。
とはいえ、単にテキトーな性格をしてるとか、口の利き方がよくわからないゆとり兵士さんだから、ということでもなく、整備兵としての仕事=機体の完成度に対しては自信たっぷりに堂々と(←若干テンション高い声で)答えているところが、同じような言い回しでも“偉ぇ奴に俺の気持ちが判ってたまるかぁ~、てやんでぇ~”と飲み屋でお父さんがくだを巻いているのとはまったく違います。名台詞もいろいろありますが、この台詞は特に『人生を生きて行く上で一度は言ってみたい台詞ベスト3』の中の1つかも知れません!(ちなみに残りの2つは「犯人はこの中にいる!」と「釣りはいらねー、とっときな!」でしょうか……)。
大体、歩くことのできない宇宙空間で使うのに脚なんかいらないだろ! という逆転の発想が素晴らしいです。ひょっとしてこの人はコペルニクスの生まれ変わりなのかもしれません。
名も無きジオン兵はこの言葉によってガンダムシリーズ史上でもっとも有名な一兵士となり、そしてこの台詞はたった一言でロボットアニメの造形というものに波紋を投げかけてしまった(?)革命的な名台詞のひとつとなったのです~!(拍手)
以上、まさに珠玉の名台詞のオンパレード! というわけで今回は「ガンダム名言集(機動戦士ガンダム編・その2)」についてお送りしました!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のアオミノウミウシと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第27回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その27~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今度もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
「ガンダム」の魅力のひとつとして欠かせないのが、一度聞いたら誰でもつい使ってみたくなっちゃう!! という、劇中に登場する素晴らしい“名台詞”の数々ですよね~。
第27回目は「ガンダム名言集(機動戦士ガンダム編・その2)」として、最初のガンダムシリーズ『機動戦士ガンダム』に出てくる珠玉の名台詞の中から、ジオン公国メインで代表的なものをいくつかご紹介しちゃいたいと思います~!
【その1】
ガンダムの名言は対抗勢力側にも後世に残る名台詞がとっても多いのがお約束!?
「あえて言おう、カスであると!」(ギレン・ザビ/『機動戦士ガンダム』)
まず最初は、ジオン公国(地球連邦の対抗勢力)における事実上の最高権力者であり、総帥でもある「ギレン・ザビ」の台詞からいきますよ~(第42話『宇宙要塞ア・バオア・クー』)。
アニメの名演説シーン、名演説キャラクターといえばこの人!! とういうかんじで、後のロボットアニメをはじめとする作品にも多大な影響(!?)を与えたと言われているのがこの衝撃的な台詞ですよね~。
で、このなんともキツい言葉は、秘密兵器「ソーラ・レイ」(決戦用の巨大レーザー兵器)を使って地球連邦軍の艦隊に大打撃を与えた後に、地球連邦軍との一年戦争の最終決戦地となる宇宙要塞ア・バオア・クーで連邦軍の艦隊を撃破したあとに行った彼の演説の中に出てくる台詞です。
最強の兵器であるソーラレイの能力を賞賛し、勝利を確信したギレンは「人類は選ばれた優良種たるジオン公国民によって管理・運営されるべきである!」という、ヒトラーも真っ青のザ・独裁者! 的にヤバげな持論をここで自軍の兵士に向けて力強く展開します(ようするに地球連邦軍のことを“カス”だと言ってるわけですね)
大の演説好き&雄弁家かつIQ240(!)という怜悧な頭脳を持っているというギレンですが、末弟ガルマが亡くなった際、密葬を望む父・デギン・ザビの意に反してド派手な国葬(もちろんこのときも大演説の中継・オンステージ付)をやっちゃったりしたもんだから、以降、ザビ家のムードもばっちり険悪に。常に沈着冷静、非情で高慢、そしてばりばりの選民思想を持つ彼にしてみれば、自分以外の周りはみーんな馬鹿ばっか(←親父のドズルも)。連邦軍や地球の人間のことだってそりゃもうはるか彼方(?)に見下しているからこそこんな勝手なことが言えちゃうわけです。
かくして“俺様ちゃんだけがスゴいのさ~!”(うっとり……) とすっかり自惚れてみたのはいいものの、大体、説教や演説が好きな奴ってぇのは自分の足下が見えてないことが多いもんだから、最期には賢くてカワイイ(!?)妹のキシリア・ザビに「親殺しの裏切り者!」とばかりに銃で撃たれてしまい、せっかく手にした総帥の座も……。妙なエリート意識と自信過剰が元で己の身を滅ぼす、という悪いお手本になっちゃいました~。
しかし、このアニメ史上に残る彼の演説のカッコよさだけはきっと未来永劫、誰にも負けることはありません!
せっかくですからみなさんもジオン兵になったつもりでひとつ御一緒に~!! せ~の、ジーク・ジオン! ジーク・ジオン! ジーク・ジオン! ジーク・ジオン!(←以下ラストまで続く)
次にご紹介する台詞は、ジオン公国軍宇宙攻撃軍司令「ドズル・ザビ」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第36話『恐怖!機動ビグ・ザム』)。
ジオン軍の中将で、ザビ家の三男でもある彼は、その巨漢(なんと身長は驚きの2m越え!)から体力自慢の豪腕馬鹿っぽい人なのかしら、と思いきや、実際には現場第一主義の戦略、戦術家で、ときには部下に気遣いをする場面もあったり……うーん、人って見た目によりませんね。
生まれつきの華麗な王子様キャラのような末弟・ガルマを除いては、見た目も性格もキツい(!?)ザビ家の一族にあって、ドズルは(見た目はともかく)意外と好感が持てるタイプの人物なのかもしれません。
この台詞は、試作モビルアーマー、ビグ・ザムの上でガンダムと最後の戦闘を繰り広げているときに叫んでいた言葉ですが、こんなおっさんが目に前に仁王立ちになって化けてでてきそうなただならぬ気合いで断末魔のような執念の叫びをあげてたら、そりゃもうアムロじゃなくたって恐怖でその場から退却したくなることうけあいです。
味方の大部分を失いながらも、最後の猛攻の中で単身、悪鬼羅刹のような形相で勝ち目のないままガンダムへ向かって無反動ライフルを乱射する、というこの壮絶なシーンと台詞によって、ドズルは主人公の仇役ながらも多くの人の心に残ることなりました。
でも、同じ兄弟のガルマやギレンが同じことを言ったしても、ここまでは様にはならないだろうし、この台詞と派手な最後っぷりはやっぱり味のあるこの顔つきだから似合うんでしょうね~。
この台詞はジオン公国軍地球方面軍司令「ガルマ・ザビ」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第10話『ガルマ散る』)。
ザビ家の末っ子で若くしてすでにジオン軍大佐、という絵に描いたようなエリートコースを歩んでいた彼は、世のご婦人方&女子の人気をシャアと二分するイケメンの王子様キャラ(←お兄さんたちに似ないで良かったね~!)です。でも、育ちが良くて人が良いためにで海千山千(?)のシャアにまんまと騙されてしまうことに……。
地球にいる彼女(婚約者)の前でカッコつけようと功を焦っていたところをシャアに見透かされて“連邦軍の木馬をつぶしちゃえば、みんなの憧れ、ジオン十字勲章も夢じゃないよっ!”てなかんじにまんまとおだてられちゃったことが彼の悲劇のはじまりだったのかもしれません。
結果、シャアと共に木馬(ホワイトベース)を追い詰めようとするも、シャアの目論見によってホワイトベース、ガンタンク、ガンキャノンの挟み撃ちにあってしまいます。ホワイトベースから攻撃を受けている最中のシャアとの交信で、初めて彼の裏切りに気がついたときに思わず叫んだのがこの台詞です。
シャアに“おまえはええ奴やったけど、おまえの父ちゃんがみんな悪いんやで、フフフフ、ハハハハハ”(←関西弁変換)と言われるまでちっともシャアの悪だくみに気がつかなかったという脳天気さんなガルマですが、長い間、ず~っと俺とお前は親友だぜ! と固く信じていた友に自分がずっと騙されてたなんて知ったらさぞかし“がーん!”と頭からマンガの台詞が飛び出すくらいにびっくりしちゃったことでしょう(←ほんま悪い奴でっせ、シャアは!)。
シャア曰くガルマが“坊や”だったから仕方がなかったのかもしれませんが、こんな悲劇的な最期でなく、ガルマにはできればジオン公国を率いる誇り高い指導者として、その手腕をもっと見せて欲しかったですね~。
この台詞は、泣く子も黙る(!?)ニュータイプの代表選手、フラナガン研究所出身の悲劇のヒロイン「ララァ・スン」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第41話『光る宇宙』)。
ジオン公国軍の少尉でもある彼女は、シャアによってその類い希なる資質を見いだされて戦闘に参加してからニュータイプ専用MA(モビルアーマー)のエルメスを駆って次々と敵機を撃墜していきとても恐れられていました。
殺るか殺られるかの戦場で、敵のパイロットとテレパシーで交信できる(!?)というのはニュータイプのならではの“特技”というよりもむしろ“不幸”なんでしょうか?
自分を戦うための道具として利用しようとしている男(←ほんま悪い男でっせ、シャアは!)のために、ひょっとしたら本当の友達になれたかもしれない存在=アムロによってその命を落としてしまうなんて、あまりにもララァが不憫で可哀想すぎます~!
“人を利用するだけ利用しといてあっさり捨てる男なんて、脚のないMSにでも乗っていればいいのよ!”と思った人は私だけじゃないはずです(怒)。
アムロは第34話『宿命の出会い』でシャアと共にララァと出会っていますが、終盤、戦場で再び出会った二人は戦いながらも心と心を通わせて魂の会話(!?)をします。これはシャアを庇って、アムロが操縦するガンダムにララァが攻撃を受けたときに最後にアムロに伝えた台詞ですが、ララァはその瞬間にアムロと魂を共鳴させて、“刻”を見ます。
この“刻”という言葉の中に、ララァが見つけた壮大で悠久な魂と時間の流れ(思念と空間)のようなものが見えてきませんか?(←すごくニュータイプっぽい!?)
ララァの“魂”はこの台詞とともに、ガンダムの歴史の中でこれからも永遠不滅に生き続けていくとことでしょう。
さて、ラストはある「ジオン兵」の台詞です(『機動戦士ガンダム』第42話『宇宙要塞ア・バオア・クー』)。
人呼んで“ただの整備兵”という普通ならすぐに忘れ去られてしまうような、単に名も無いキャラが出てきただけのシーンのはずだったのに、あまりにも状況にハマった本音をうっかり(!?)言ってしまったために30年以上たった今でも語り継がれる名場面になっちゃったのがこの言葉です~!
ガンダムを観たことのない人でもな~んとなくどこかで一度は耳にしたことがあるくらい有名になっちゃったこの台詞は、宇宙要塞、ア・バオア・クーがガンダムの襲撃を受けた際に、キリシア・ザビがシャアに託した(←押しつけた?)MSのジオングを見て“わ、これ脚部がないやんけ!” (←関西弁変換)とシャアが指摘した時に返した整備兵の言葉です。
他に乗る機体がなく、仕方なく搭乗せざるを得ない状況とはいえ、まだ未完成の機体(完成度8割)ということにモヤモヤとした不安を隠せないシャアに対して、ジオングの整備兵は「冗談じゃありません、現状でもジオングの性能は100%出せます」ときっぱり言い放ちます。
階級がはるか上(大佐)であるシャアに対して、一兵士でありながらもズケズケとモノを言ってしまうところが、いかにも“この道一筋” “職人肌”の整備兵ならではの無骨な雰囲気がよく出てますよね~。
とはいえ、単にテキトーな性格をしてるとか、口の利き方がよくわからないゆとり兵士さんだから、ということでもなく、整備兵としての仕事=機体の完成度に対しては自信たっぷりに堂々と(←若干テンション高い声で)答えているところが、同じような言い回しでも“偉ぇ奴に俺の気持ちが判ってたまるかぁ~、てやんでぇ~”と飲み屋でお父さんがくだを巻いているのとはまったく違います。名台詞もいろいろありますが、この台詞は特に『人生を生きて行く上で一度は言ってみたい台詞ベスト3』の中の1つかも知れません!(ちなみに残りの2つは「犯人はこの中にいる!」と「釣りはいらねー、とっときな!」でしょうか……)。
大体、歩くことのできない宇宙空間で使うのに脚なんかいらないだろ! という逆転の発想が素晴らしいです。ひょっとしてこの人はコペルニクスの生まれ変わりなのかもしれません。
名も無きジオン兵はこの言葉によってガンダムシリーズ史上でもっとも有名な一兵士となり、そしてこの台詞はたった一言でロボットアニメの造形というものに波紋を投げかけてしまった(?)革命的な名台詞のひとつとなったのです~!(拍手)
以上、まさに珠玉の名台詞のオンパレード! というわけで今回は「ガンダム名言集(機動戦士ガンダム編・その2)」についてお送りしました!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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