2012年9月19日 (水)
ガンダムのお約束 ~その23~『お騒がせ&とんでもキャラクター【その2】』
“ガンダムってなんだ!?”という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第23回!
ガンダム界のビッグフットと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第23回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その23~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今回もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
ガンダムシリーズの各作品ごとで主人公やメインのキャラクターたちに負けず劣らず物語を面白く(というかややこしく)してくれるのが “お騒がせ”&“とんでも”(トラブルメーカー)系のキャラクターたちですよね。
第23回目は前回に引き続き『ガンダムシリーズのお騒がせ&とんでもキャラクター』(その2・宇宙世紀以外編)』をご紹介~!
●●●
【その1】
ガンダムシリーズのお騒がせ&とんでもキャラは個性の強すぎる変わり者というのがお約束!?
今回のトップバッター「 コレン・ナンダー」(『∀ガンダム』)は、月世界への移住民・ムーンレィスの市民軍隊・ディアナ・カウンター所属の古参兵士です(階級は軍曹)。
なんというか、一度見かけたら絶対に忘れられないような、いかにも“とんでも”っぽいキャラ(!?)の香りを全身から漂わせるレスラーチックなルックスのこの兄貴(おっちゃん!?)は、月世界の統治者“月の千年女王”ことディアナ・ソレルの暗殺を企てた兵士を大量虐殺した罪で重犯罪者となり冷凍刑(!)に処されてそのまま軍の刑務所でず~っと眠ってたんですが、地球帰還作戦によりディアナが地球に向かった直後に、月の支配権を掌握した反対派のアグリッパ・メンテナーの企みによって恩赦、解放されます(←冷凍睡眠によって容姿が激しく変貌しちゃったみたいです)。目覚めさせられたコレンは部下としてこれまた対照的な凸凹コンビ、ブルーノとヤコップの二人を連れた独立部隊として地球に送られていきます。
その無軌道な言動、一体何を考えているのか予想のつかない凶暴さ&危険度は折り紙付きで、睡眠から覚醒する際になにかを失敗(!?)したのか、時に意識の混乱を起こしたり、中でも白いガンダムを見ると「ガンダムゥゥゥ~!」と過剰反応して激しい発作を起こしてしまうことも。
当初は「ホワイトドール」や「ヒゲのMS」と呼ばれていた“白い悪魔”こと「ターン∀」を最初に“ガンダム”と認識したのも彼ですが、これは過去になんらかの刷り込み記憶があってのことらしく(トラウマ? 睡眠学習?)、とにかく“打倒ガンダム”ということに対しては異常な執着心と恨み&敵意を持ってことあるごとに「ガンダムちゃ~ん! 出てきてよぉぉ~!!」「フハハ、白ヒゲの野郎!」などと(意味不明なことを)叫びながらガンダムに常に全力で暴走して攻撃を仕掛けていきます。
後に一旦、生死不明となって完全に記憶を無くしたときは流浪の怪僧となって各地を放浪。母の木彫り人形を作って子供にプレゼントしたり、無邪気に話をしたりと本物の僧侶のような優しさや穏やかさを界間見せたりもしましたが、立ち寄った村のお祭りで∀ガンダムの巨大像を見た瞬間に過去のトラウマが一気に爆発。びっくり(!?)の大暴れぶりで∀ガンダムの首(←はりぼて)を討ち取った後、またもや行方不明に。ガンダム(ターン∀とX)に搭載された「月光蝶」システム(ナノマシンを使った兵器)を見て、あまりのショックに過去の記憶を取り戻してからは、ディアナ側と合流し、彼女を守る騎士(ナイト)として活躍。ターンXの地球侵攻時には専用MS(モビルスーツ)の赤いコレン専用カプルでギンガナム軍と最終決戦を繰り広げます。
歴代のガンダムシリーズに登場する様々なキャラクターやライバルキャラを彷彿させる性格や行動などから、「変わり果てた姿のゼクス」(もとはゼクスばりの金髪の美形キャラ?)とか、ガンダムを悪魔と呼ぶことから『機動武闘伝Gガンダム』のガンダムファイターの一人(!?)ではないか? など正体について様々な憶測と想像を呼ぶ噂も飛び交うほど。
過剰なまでの印象の強さ、行動、言動が(良くも悪くも)見事に三点揃ってるコレン・ナンダーは、まさに“お騒がせ”&“とんでも”キャラを代表的するような存在ですね~。
「 ムルタ・アズラエル」(『機動戦士ガンダムSEED』)は、遺伝子操作によって産まれたコーディネイターを徹底的に迫害・排除する組織・ブルーコスモスの盟主です。数々の軍需企業の経営を抱えるアズラエル財閥の御曹司で、ビジネスマン(死の商人)としてはとても優秀、経営者としても一流で、悪い意味で(!?)多彩な才能の持ち主でもあります。国防産業委員会の理事の肩書きを持つ彼は、その権力と財力で一般の民間人でありながら地球連合軍にもいろいろと口出し(!?)してきます。
地球連合軍によるザフト(事実上の国軍として機能する武装組織)の攻勢の際には自らの肝入りで作らせた3機の新型ガンダムによるチームのオブザーバーとして自らも積極的に軍艦に乗り込み、我が物顔でブリッジから指示を飛ばして陣頭指揮を(勝手に)執るなど、その行動力と周囲への迷惑に富んだ活躍のおかげで周囲からの人望はゼロ&評判は最悪。これは幼い頃にコーディネイターとの競争や喧嘩で負けた記憶があり、それが根深いコンプレックスとなって彼の歪んだ性格や考え方(コーディネイターに対する異常な憎悪)を形成する原因になってしまったらしいとされていますが、一見、容姿端麗(←イケメンだけど目をむいた時の顔がコワイ)で紳士的に見えるものの、実は精神的にとっても打たれ弱くて、自分の考えが上手く実現しないといきなり周囲にキレまくって迷惑をかけるという困った癖も。
その性格はまさしく慇懃無礼かつ傍若無人で、基本的に“お前のものは俺のもの”というどこかのガキ大将のような思想を強く持った天上天下唯我独尊型のエゴイストで、火種を作ってどんどん戦争を悪化させていくタイプのキャラといえるでしょう(←いいところがひとつもない!)。
ザフトからNジャマーキャンセラー(核兵器の使用を不可能にする戦略兵器=Nジャマーの影響を打ち消す装置)のデータを入手して政府高官を黙らせ、地球連合軍のピースメーカー隊に核攻撃を強行させたまではよかったものの、最終防衛ラインのヤキン・ドゥーエ(宇宙要塞)では最終兵器のジェネシス(核エネルギーを使用したレーザー砲)をザフトも使用したために互いに核攻撃を行うことになり、地獄絵図のような凄惨極まる結果を招くことになってしまいます。
プラント侵攻の際は戦艦ドミニオンに乗り込んで最前線に立つも、作戦は失敗。例によって(!?)キレてしまったアズラエルはプラントに向けて核を撃つなどの凶行、暴走を繰り返し、ついには皆に見捨てられて誰にも助けてもらえずに自滅の道へ……
エキセントリックなキレキャラ&典型的な信用できないタイプの悪役キャラをとことん最後まで貫いたアズラエルは、悪役といえどもここまでいくとある種清々しい(?) “お騒がせ”&“とんでも”自滅キャラですね。
●●●
【その2】
ガンダムシリーズのお騒がせキャラは悔しがりやさん(!?)で、とんでもないキレ方をしちゃうのがお約束!?
「 ユウナ・ロマ・セイラン」(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)は、五大氏族であるセイラン家の跡取り息子です(長~いモミアゲが彼のチャームポイント?)。
彼はオーブ宰相である父のウナト・エマ・セイランとともに、地球上では数少ないコーディネイターを受け入れている中立国・オーブ連合首長国の代表首長であるカガリ・ユラ・アスハを裏から操ろうと画策。周囲から彼女に圧力をかけ、中立を維持しようとする彼女に大西洋連邦を主体とした地球連合加盟各国との安全保障条約を締結させると、さらにはその婚約者として盛大な結婚式を執り行おうとしますが、突如現れた正体不明のフリーダムガンダム(実は主人公のキラ・ヤマトが搭乗)に結婚式場からカガリを拉致されてしまいます。
その後は空母・タケミカヅチに乗り込み、地球連合軍とともに大艦隊を率いて総司令官の立場で指揮を執ることになりますが、当初は優勢だった戦況は彼の指揮により次第に劣勢に転じ、オーブの艦隊は壊滅状態に。また、コーディネイター排斥組織・ブルーコスモスの新盟主であるロード・ジブリ-ルを匿ったことから端を発するザフトの連合艦隊によるオーブ侵攻戦の際はオーブ国防本部で指揮を取るものの、今度は民間人の避難やザフトへの迎撃に関しての想定、準備をまったくしてなかったために、その考えの浅さ&甘さから痛烈な打撃を受けてしまいます。
そして劣勢に追い込まれた自軍の応援に援軍を連れてやって来たカガリの姿を見て、大喜びするのもつかの間、カガリの命令によってその場で国家反逆罪で逮捕・拘束。シェルターへの連行中、護送兵の隙を見て逃走するも……。
と、いうようにユウナは決して戦術的に長けているとか、生まれ持った能力が高いわけではなく、総指揮官(!)になってもとんちんかんな指示を出してはみんなから怒られちゃう~、というかんじで次々と周囲に迷惑をかけ続けてくれます。
一見、その肩書きや立場こそスゴいものの、それはあくまで名誉職(!?)っぽい扱いということであって、その中身はイヤミっぽくて計算高い(←悔しさのあまりハンカチをキーっと噛みしめる)、という小物&ボンボン(←なんと就寝時のパジャマはナイトキャップ付き!)ぶりを随所で発揮、「国はあなたのおもちゃではない!」とカガリへ立派に説教する場面も序盤では一応あるものの、司令官としてはひたすら失策続きで中盤以降はなんとも頼りない存在となってしまったユウナは、本人は賢く立ち回っているつもりでもどこか抜けていて、やることなすこと裏目に出てしまう、というトラブルメーカー的な“お騒がせ”&“とんでも”なキャラといえそうです。
ラストは紅一点「 ネーナ・トリニティ」(『機動戦士ガンダム00』)。彼女は私設武装組織・ソレスタルビーイングで活動するセカンドチーム・トリニティに所属するメンバーで、トリニティ三兄妹(長兄・ヨハン、次兄・ミハエル)の末っ子でガンダムマイスター(ガンダムのパイロット)です。
赤毛とそばかすがチャームポイントの美少女・ネーナはとても明るい性格で(←衣装も派手!)天真爛漫ながら、その反面で他人の命を笑いながら平気で奪ってしまう、というような激しい残虐性をあわせ持っているという少々ややこしいキャラクターでもあります。
彼女はデザイン・ベビーであり、生まれながらにガンダムマイスターになるべく様々な英才教育を受け、限定的ながらもヴェーダ(ソレスタル・ビーイングの巨大な情報解析装置)に脳量子波を使ってアクセス(←虹彩が虹色に発光)することができるようです。
たまたま通りすがった他人の結婚式に気まぐれで(←日頃のストレス解消のため?)に乱入「ヒャッホー!」とばかりに面白半分で爆撃を行い、多数の死傷者を出したりします(……)。
しかし、サーシェスにヨハンとミハエルの兄2人を捨て駒のように殺されたあとは、その復讐の機会を虎視眈々と狙うことに。その後は追撃をかわして生き延びるため、世界的大企業「王商会」のトップで莫大な権力と財力を誇る超セレブ・王留美のエージェントとなってスパイ活動に従事することになります。この頃には年齢的にも成長したせいか、若干落ち着いた様子も見せてはいるものの、内心では今までの自分の境遇や生まれに強い不満を抱えており、極めて恵まれた環境に身を置きながらもそのことにありがたみを感じない王留美に対して強い反感と嫌悪の情を抱くことになります。
終盤にはそのかいあって(!?)王留美を裏切り、彼女がコロニーから脱出するところを自らの愛機・ガンダムスローネドライで撃破するも、皮肉なことにこれまでの非道な行いが彼女に運命の報いをもたらすことに……。
デザインベビーという特殊な生い立ちと教育のせいか、善悪の判断があまりつかないまま無邪気というにはかなり(?)問題のある行動を自由に続けながらも、不安定な心の中で最後まで己の不運を強く嘆いたまま散って行ったネーナは“お騒がせ”&“とんでも”なキャラとしてはかなりハイレベルなキャラなんじゃないでしょうか~!?
と、いうことで今回は『ガンダムシリーズのお騒がせ&とんでもキャラクター』(その2・宇宙世紀以外編)』についてお送りしました!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のビッグフットと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。第23回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その23~』についてお話ししたいと思います。
これまでガンダムにまつわる様々なお約束について触れてきましたが (バックナンバーはこちら!)、今回もガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
ガンダムシリーズの各作品ごとで主人公やメインのキャラクターたちに負けず劣らず物語を面白く(というかややこしく)してくれるのが “お騒がせ”&“とんでも”(トラブルメーカー)系のキャラクターたちですよね。
第23回目は前回に引き続き『ガンダムシリーズのお騒がせ&とんでもキャラクター』(その2・宇宙世紀以外編)』をご紹介~!
【その1】
ガンダムシリーズのお騒がせ&とんでもキャラは個性の強すぎる変わり者というのがお約束!?
今回のトップバッター「 コレン・ナンダー」(『∀ガンダム』)は、月世界への移住民・ムーンレィスの市民軍隊・ディアナ・カウンター所属の古参兵士です(階級は軍曹)。
なんというか、一度見かけたら絶対に忘れられないような、いかにも“とんでも”っぽいキャラ(!?)の香りを全身から漂わせるレスラーチックなルックスのこの兄貴(おっちゃん!?)は、月世界の統治者“月の千年女王”ことディアナ・ソレルの暗殺を企てた兵士を大量虐殺した罪で重犯罪者となり冷凍刑(!)に処されてそのまま軍の刑務所でず~っと眠ってたんですが、地球帰還作戦によりディアナが地球に向かった直後に、月の支配権を掌握した反対派のアグリッパ・メンテナーの企みによって恩赦、解放されます(←冷凍睡眠によって容姿が激しく変貌しちゃったみたいです)。目覚めさせられたコレンは部下としてこれまた対照的な凸凹コンビ、ブルーノとヤコップの二人を連れた独立部隊として地球に送られていきます。
その無軌道な言動、一体何を考えているのか予想のつかない凶暴さ&危険度は折り紙付きで、睡眠から覚醒する際になにかを失敗(!?)したのか、時に意識の混乱を起こしたり、中でも白いガンダムを見ると「ガンダムゥゥゥ~!」と過剰反応して激しい発作を起こしてしまうことも。
当初は「ホワイトドール」や「ヒゲのMS」と呼ばれていた“白い悪魔”こと「ターン∀」を最初に“ガンダム”と認識したのも彼ですが、これは過去になんらかの刷り込み記憶があってのことらしく(トラウマ? 睡眠学習?)、とにかく“打倒ガンダム”ということに対しては異常な執着心と恨み&敵意を持ってことあるごとに「ガンダムちゃ~ん! 出てきてよぉぉ~!!」「フハハ、白ヒゲの野郎!」などと(意味不明なことを)叫びながらガンダムに常に全力で暴走して攻撃を仕掛けていきます。
後に一旦、生死不明となって完全に記憶を無くしたときは流浪の怪僧となって各地を放浪。母の木彫り人形を作って子供にプレゼントしたり、無邪気に話をしたりと本物の僧侶のような優しさや穏やかさを界間見せたりもしましたが、立ち寄った村のお祭りで∀ガンダムの巨大像を見た瞬間に過去のトラウマが一気に爆発。びっくり(!?)の大暴れぶりで∀ガンダムの首(←はりぼて)を討ち取った後、またもや行方不明に。ガンダム(ターン∀とX)に搭載された「月光蝶」システム(ナノマシンを使った兵器)を見て、あまりのショックに過去の記憶を取り戻してからは、ディアナ側と合流し、彼女を守る騎士(ナイト)として活躍。ターンXの地球侵攻時には専用MS(モビルスーツ)の赤いコレン専用カプルでギンガナム軍と最終決戦を繰り広げます。
歴代のガンダムシリーズに登場する様々なキャラクターやライバルキャラを彷彿させる性格や行動などから、「変わり果てた姿のゼクス」(もとはゼクスばりの金髪の美形キャラ?)とか、ガンダムを悪魔と呼ぶことから『機動武闘伝Gガンダム』のガンダムファイターの一人(!?)ではないか? など正体について様々な憶測と想像を呼ぶ噂も飛び交うほど。
過剰なまでの印象の強さ、行動、言動が(良くも悪くも)見事に三点揃ってるコレン・ナンダーは、まさに“お騒がせ”&“とんでも”キャラを代表的するような存在ですね~。
「 ムルタ・アズラエル」(『機動戦士ガンダムSEED』)は、遺伝子操作によって産まれたコーディネイターを徹底的に迫害・排除する組織・ブルーコスモスの盟主です。数々の軍需企業の経営を抱えるアズラエル財閥の御曹司で、ビジネスマン(死の商人)としてはとても優秀、経営者としても一流で、悪い意味で(!?)多彩な才能の持ち主でもあります。国防産業委員会の理事の肩書きを持つ彼は、その権力と財力で一般の民間人でありながら地球連合軍にもいろいろと口出し(!?)してきます。
地球連合軍によるザフト(事実上の国軍として機能する武装組織)の攻勢の際には自らの肝入りで作らせた3機の新型ガンダムによるチームのオブザーバーとして自らも積極的に軍艦に乗り込み、我が物顔でブリッジから指示を飛ばして陣頭指揮を(勝手に)執るなど、その行動力と周囲への迷惑に富んだ活躍のおかげで周囲からの人望はゼロ&評判は最悪。これは幼い頃にコーディネイターとの競争や喧嘩で負けた記憶があり、それが根深いコンプレックスとなって彼の歪んだ性格や考え方(コーディネイターに対する異常な憎悪)を形成する原因になってしまったらしいとされていますが、一見、容姿端麗(←イケメンだけど目をむいた時の顔がコワイ)で紳士的に見えるものの、実は精神的にとっても打たれ弱くて、自分の考えが上手く実現しないといきなり周囲にキレまくって迷惑をかけるという困った癖も。
その性格はまさしく慇懃無礼かつ傍若無人で、基本的に“お前のものは俺のもの”というどこかのガキ大将のような思想を強く持った天上天下唯我独尊型のエゴイストで、火種を作ってどんどん戦争を悪化させていくタイプのキャラといえるでしょう(←いいところがひとつもない!)。
ザフトからNジャマーキャンセラー(核兵器の使用を不可能にする戦略兵器=Nジャマーの影響を打ち消す装置)のデータを入手して政府高官を黙らせ、地球連合軍のピースメーカー隊に核攻撃を強行させたまではよかったものの、最終防衛ラインのヤキン・ドゥーエ(宇宙要塞)では最終兵器のジェネシス(核エネルギーを使用したレーザー砲)をザフトも使用したために互いに核攻撃を行うことになり、地獄絵図のような凄惨極まる結果を招くことになってしまいます。
プラント侵攻の際は戦艦ドミニオンに乗り込んで最前線に立つも、作戦は失敗。例によって(!?)キレてしまったアズラエルはプラントに向けて核を撃つなどの凶行、暴走を繰り返し、ついには皆に見捨てられて誰にも助けてもらえずに自滅の道へ……
エキセントリックなキレキャラ&典型的な信用できないタイプの悪役キャラをとことん最後まで貫いたアズラエルは、悪役といえどもここまでいくとある種清々しい(?) “お騒がせ”&“とんでも”自滅キャラですね。
【その2】
ガンダムシリーズのお騒がせキャラは悔しがりやさん(!?)で、とんでもないキレ方をしちゃうのがお約束!?
「 ユウナ・ロマ・セイラン」(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)は、五大氏族であるセイラン家の跡取り息子です(長~いモミアゲが彼のチャームポイント?)。
彼はオーブ宰相である父のウナト・エマ・セイランとともに、地球上では数少ないコーディネイターを受け入れている中立国・オーブ連合首長国の代表首長であるカガリ・ユラ・アスハを裏から操ろうと画策。周囲から彼女に圧力をかけ、中立を維持しようとする彼女に大西洋連邦を主体とした地球連合加盟各国との安全保障条約を締結させると、さらにはその婚約者として盛大な結婚式を執り行おうとしますが、突如現れた正体不明のフリーダムガンダム(実は主人公のキラ・ヤマトが搭乗)に結婚式場からカガリを拉致されてしまいます。
その後は空母・タケミカヅチに乗り込み、地球連合軍とともに大艦隊を率いて総司令官の立場で指揮を執ることになりますが、当初は優勢だった戦況は彼の指揮により次第に劣勢に転じ、オーブの艦隊は壊滅状態に。また、コーディネイター排斥組織・ブルーコスモスの新盟主であるロード・ジブリ-ルを匿ったことから端を発するザフトの連合艦隊によるオーブ侵攻戦の際はオーブ国防本部で指揮を取るものの、今度は民間人の避難やザフトへの迎撃に関しての想定、準備をまったくしてなかったために、その考えの浅さ&甘さから痛烈な打撃を受けてしまいます。
そして劣勢に追い込まれた自軍の応援に援軍を連れてやって来たカガリの姿を見て、大喜びするのもつかの間、カガリの命令によってその場で国家反逆罪で逮捕・拘束。シェルターへの連行中、護送兵の隙を見て逃走するも……。
と、いうようにユウナは決して戦術的に長けているとか、生まれ持った能力が高いわけではなく、総指揮官(!)になってもとんちんかんな指示を出してはみんなから怒られちゃう~、というかんじで次々と周囲に迷惑をかけ続けてくれます。
一見、その肩書きや立場こそスゴいものの、それはあくまで名誉職(!?)っぽい扱いということであって、その中身はイヤミっぽくて計算高い(←悔しさのあまりハンカチをキーっと噛みしめる)、という小物&ボンボン(←なんと就寝時のパジャマはナイトキャップ付き!)ぶりを随所で発揮、「国はあなたのおもちゃではない!」とカガリへ立派に説教する場面も序盤では一応あるものの、司令官としてはひたすら失策続きで中盤以降はなんとも頼りない存在となってしまったユウナは、本人は賢く立ち回っているつもりでもどこか抜けていて、やることなすこと裏目に出てしまう、というトラブルメーカー的な“お騒がせ”&“とんでも”なキャラといえそうです。
ラストは紅一点「 ネーナ・トリニティ」(『機動戦士ガンダム00』)。彼女は私設武装組織・ソレスタルビーイングで活動するセカンドチーム・トリニティに所属するメンバーで、トリニティ三兄妹(長兄・ヨハン、次兄・ミハエル)の末っ子でガンダムマイスター(ガンダムのパイロット)です。
赤毛とそばかすがチャームポイントの美少女・ネーナはとても明るい性格で(←衣装も派手!)天真爛漫ながら、その反面で他人の命を笑いながら平気で奪ってしまう、というような激しい残虐性をあわせ持っているという少々ややこしいキャラクターでもあります。
彼女はデザイン・ベビーであり、生まれながらにガンダムマイスターになるべく様々な英才教育を受け、限定的ながらもヴェーダ(ソレスタル・ビーイングの巨大な情報解析装置)に脳量子波を使ってアクセス(←虹彩が虹色に発光)することができるようです。
たまたま通りすがった他人の結婚式に気まぐれで(←日頃のストレス解消のため?)に乱入「ヒャッホー!」とばかりに面白半分で爆撃を行い、多数の死傷者を出したりします(……)。
しかし、サーシェスにヨハンとミハエルの兄2人を捨て駒のように殺されたあとは、その復讐の機会を虎視眈々と狙うことに。その後は追撃をかわして生き延びるため、世界的大企業「王商会」のトップで莫大な権力と財力を誇る超セレブ・王留美のエージェントとなってスパイ活動に従事することになります。この頃には年齢的にも成長したせいか、若干落ち着いた様子も見せてはいるものの、内心では今までの自分の境遇や生まれに強い不満を抱えており、極めて恵まれた環境に身を置きながらもそのことにありがたみを感じない王留美に対して強い反感と嫌悪の情を抱くことになります。
終盤にはそのかいあって(!?)王留美を裏切り、彼女がコロニーから脱出するところを自らの愛機・ガンダムスローネドライで撃破するも、皮肉なことにこれまでの非道な行いが彼女に運命の報いをもたらすことに……。
デザインベビーという特殊な生い立ちと教育のせいか、善悪の判断があまりつかないまま無邪気というにはかなり(?)問題のある行動を自由に続けながらも、不安定な心の中で最後まで己の不運を強く嘆いたまま散って行ったネーナは“お騒がせ”&“とんでも”なキャラとしてはかなりハイレベルなキャラなんじゃないでしょうか~!?
と、いうことで今回は『ガンダムシリーズのお騒がせ&とんでもキャラクター』(その2・宇宙世紀以外編)』についてお送りしました!
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
あなたへのオススメ
編集部イチオシ
PREMIUM BANDAI
プレミアムバンダイ