2012年9月5日 (水)
ガンダムのお約束 ~その21~『コワイ女たち【その2】』
”ガンダムってなんだ!?“ という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第21回!
ガンダム界のクリスタルスカルと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。
第21回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その21~』についてお話ししたいと思います。
第1回では、ガンダムの「顔」と「カラーリング」、 第2回は「仮面の人」と「ハロ」。 第3回目では「宇宙世紀」、 第4回は「モビルスーツ」、 第5回は「MSV」、 第6回は「ザク」と「ジム」、 第7回は「装備」と「換装」、 第8回は「モビルスーツの進化と発展(例)」、 第9回は「女性キャラクター(『機動戦士ガンダム』編)、 第10回回は「兄貴キャラクター」、 第11回は「水陸両用MS(モビルスーツ)」、 第12回は「おじさまキャラクター」、 第13回は「ガンダムの主題歌(TVシリーズ編)・その1」、 第14回は「ガンダムの主題歌(TVシリーズ編)・その2」、 第15回は「ガンダムのプラモデル(通称:ガンプラ)・その1」、 第16回は「ガンダムのプラモデル(通称:ガンプラ)・その2」、 第17回は「SDガンダム・その1」、 第18回は「SDガンダム・その2」、 第19回は「SDガンダム・その3」、 第20回は「ガンダムシリーズのコワイ女たち(その1)」にについて触れてきましたが、今度も ガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
ガンダムシリーズの中において、様々な角度から魅力的に、あるいは悪魔的(!?)にお話をキリリと引き締めてくれるスパイス(←カラシとかガラムマサラとかetc.)的な存在として欠かせないのが“こわ~い”女性キャラクターの方々でございますよ~。
第21回目は “夏の終わりの特別納涼企画・残暑見舞い編”ということで『ガンダムシリーズのコワイ女たち(その2)』をひや~っとご紹介~!
その1
ガンダムシリーズのコワイ女は男心を楽々と手玉にとる悪女というのがお約束!?
まず「 フレイ・アルスター」(機動戦士ガンダムSEED)。赤い髪がチャームポイントで見るからに育ちが良さそうな超・お嬢様タイプの彼女は、地球連合の大西洋連邦事務次官・ジョージ・アルスターの娘で、へリオポリス(資源衛星コロニー)に住む学生(主人公:キラ・ヤマトの1期後輩)の中ではいわゆるアイドル&マドンナ的存在(←キラもほのかに彼女に好意を寄せてたりします)として皆に愛されていました。
しかし、地球連合軍とは敵対関係にあるプラントの武装組織ザフト(自由条約黄道同盟)による襲撃によってヘリオポリスは壊滅。その際にフレイは救命ポッドで脱出、漂流していたところをストライクガンダムに搭乗していたキラに救助され、大西洋連邦所属の強襲機動特装艦アークエンジェルに乗船しますが、避難民として地球に向かう途中で合流するはずだった父の搭乗する戦艦がザフトの襲撃により撃墜されるのを目の当たりにしてしまいます。
ブルーコスモス(反コーディネイター思想を持つ組織)の一員としてコーディネイター(遺伝子操作により生み出された新しい人類)の排斥を呼びかけていた父の影響もあって、以前からコーディネイターに偏見を持っていたナチュラル(遺伝子調整をされていない通常の人類)の彼女は、このことによりコーディネイター、そして父を救うことができなかったキラに対してもさらに強い憎しみの感情を持つようになっていきます。
その後、彼女は自ら地球連合軍に志願してキラたちと一緒に働くことになるのですが、その真の目的は「(スーパーコーディネイターである)キラの力を利用してコーディネイターという存在を抹殺する」ことだったようです(←コワイっす~~~~~)。その結果、フレイとキラとの間には複雑な愛憎溢れる関係が形成されていくことになるんですね~。
「コーディネイターなんて、、みんな死んじゃえばいいのよ!!」とばかりにその後は熱心(!)にキラを誘惑することに励み、元々の婚約者であるサイ・アーガイルをわざと一方的に捨ててみせたり(←ひどいですね~)、お互いの傷をなめ合うように彼のことを甘やかしつつもしっかり大人の関係(!?)を迫ってみたりと、偽りの愛でキラの心を操って戦わせるように仕向け、憎きコーディネイターに対して復讐を企てようとする彼女でしたが、キラとともに過ごすうちにいつしか愛情が生まれてしまったようで、物語の中盤あたりからは復讐しようとする気持ちとキラに対する愛情との狭間に立って苦しむことになってしまいます。
その後、アラスカ基地のJOSH-A攻防戦ではザフトの指揮官である仮面の男、ラウ・ル・クルーゼに拉致され“戦争を終わらせる鍵”(ニュートロンジャマーキャンセラーのデータ)を持たされると、またしても(!)救命ポッドで漂流する羽目になったりして、最終決戦の後にやっとキラと邂逅した彼女は、キラに謝りたいと願いながら“本当の気持ち”を彼に伝えるのですが……。
コーディネイターという異なる存在に対して激しく嫌悪し、憎悪の念を持ちながら皮肉にもキラというスーパーコーディネイターに惹かれてしまったフレイの行動は確かに悪女的ではありましたが、戦争にさえ巻き込まれなければこうはならなかったのかも……、と考えると、ある意味では彼女もまた悲しい犠牲者の中の一人なのかもしれません。(←この愛憎溢れるエピソードの数々は『機動戦士ガンダムSEED』 HDリマスター版でぜひ直接確かめてみてくださ~い!)
さてさてお次は「 ニナ・パープルトン」(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。
月出身という彼女は軍産複合企業(「スプーンから戦艦まで」でおなじみ!?)のアナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン支社の社員で、自らの開発したガンダムに異常なこだわりを持つ、無類のガンダム好きな女性です。
一年戦争後に地球連邦政府は「連邦軍再建計画」の一環として次世代主力量産機開発のために「ガンダム開発計画」を立案し、アナハイム・エレクトロニクス社と共同で極秘にGPシリーズ(ガンダム試作機)の開発と建造に乗り出しますが、ニナはその汎用試作MS(モビルスーツ)1号機であるRX-78GP01 ゼフィランサス担当の専属システムエンジニアであり、またガンダム試作2号機であるRX-78GP02A サイサリスの重力化実験の指揮者として強襲揚陸艦アルビオンに搭乗することになります(ちなみにこのGPシリーズのコードネームは女性技術者からの発案らしく、花の名前から取ってるみたいです~)。
その後は主人公で地球連邦軍の少尉であるコウ・ウラキと趣味のガンダムを通じて親しくなると(!?)試作1号機のパイロットの座とともにニナを巡って争いながらコウをいびり続けるというコウの上位士官・ベルナルド・モンシアや、コウのライバルで「ソロモンの悪夢」の異名を轟かすアナベル・ガトー(ジオンの残党勢力の一派である「デラーズ・フリート」のエースパイロット)と多角(?)関係を繰り広げていくことになるんですね。
実はこのニナ、昔は敵軍パイロットであるガトーと恋人同士(!)だったりもするんですが、ガンダム試作2号機をまんまと強奪していった(←前にガンダム試作1号機で対決してます)ガトーへのライバル心と敵意に燃えまくるコウとの交際が深まっていくに従い、ガトーとの過去の関係が今度はニナの心を苦しめていくことになるんですね~。
物語の終盤ではジオン復興のために命がけで “星の屑作戦”(コロニーを地球に落下させる)を遂行するため、最後の軌道修正に来たガトーに銃を撃つコウですが、突然その場に現れたニナはあろうことかガトーをかばってコウに銃を向け「そういうことじゃないのよ……」(←ってどういうこと!?)と思い切り威嚇射撃を食らわした後にガトーとともに去って行きます(謎)。
それまではまったくニナとガトーの過去の関係を知らなかった現在の恋人・コウは、当然ですが「うそだろ!? (一部略)がーーーーーーっ!!!」とまさに精神崩壊レベル(すっごい顔)で大きなショックを受けちゃうことに……(←コワイっす~~~~~~)。
これは、後にこのときコウにガトーを殺して欲しくなかったというニナの気持ちからの態度だったという説もありますが、コウとガトーという二人の男性の間で激しく揺れ動いていたニナの心境(どうもこの二人の対決を見守ることに宿命を感じていた……らしいです)を思うと、未だに賛否両論を呼んでいる噂のラストシーンでの彼女のコウに対する行為も、なんだかさらにややこしく意味深に思えてきちゃいますね~(←この辺、気になった人はぜひ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』を観てぜひ彼女の悪女っぷり(!?)を味わってみてください~)。
その2
ガンダムシリーズのコワイ女はもはや常人には理解できない発想で大暴れするのがお約束!?
さてラストはやっぱりこの人「 カテジナ・ルース」。山や谷、深い森の中に地球連邦政府未認可の集落として不法居住者が寄り集まって住んでいるポイント・カサレリア(←注・彼らが勝手につけた名前です~)付近にある街のウーイッグで商店を営んでいたテングラシー・ルースの娘として産まれたカテジナは、主人公のウッソ・エヴィンとは元々ペンフレンド(!)という旧知の間柄で、その後、戦災から逃れるためにレジスタンス組織のリガ・ミリティアと行動をともにすることになりますが、戦火が激しくなり、子供たちを巻き添えにしたり、ウッソのような少年までをMS(モビルスーツ)のパイロットとして戦地に送り出そうとするリガ・ミリティアの考え方に嫌悪感を抱くようになります。
ザンスカール帝国の軍隊・ベスパによるウーイッグ空襲により焼け出された敵対勢力となるザンスカール帝国の将校であり王弟で生粋のスペースノイド(スペースコロニーに移住した宇宙居住者)であるクロノクル・アシャーによって捕らえられて人質になった彼女は、逆にクロノクルの人柄に次第に惹かれるようになり、その秘書官からついにはザンスカールの軍人に転向、自ら戦場に出ていくようになります。
当初は子供たちやウッソに優しいところを見せたりと、そこそこいいお姉さん的雰囲気だったカテジナでしたが、戦地に出るようになってからはことあるごとにウッソと対決し、ウッソに対して憎しみを感じるようになる中でどんどん激しく壊れていくのですが……(←「おかしいですよカテジナさん!」byウッソ)。
ウッソとクロノクルを互いに戦わせる場面では「戦え……ウッソ、クロノクル。勝った方をあたしが全身全霊をかけて愛してあげるよ!? うは、あははっ、あーっはははははははははーー!(エコー)」と、もはや常人には理解不能な恐ろしい台詞とともに毒々しく描かれた鬼気迫る彼女の姿は見た者をみな凍り付かせる、と言われています(冷汗)。
ザンスカール帝国が建造した巨大サイコミュ兵器、エンジェル・ハイロゥの攻防戦ではゴトラタン(彼女の専用機という扱いの試作MS)で、かつては仲間だったこともあるであるシュラク隊(リガ・ミリティア所属の戦闘部隊)をあっさり全滅させるなど、まさに情け容赦のない鬼神のようなパワーを発揮します。そして女だけの近衛部隊を捨て駒に、なんと水着姿でバズーカを持たせてウッソのV2ガンダムを襲わせる(←通称“水着のお姉さん作戦” ウッソは「裸の女の人!?」とすっかり動揺してましたが……一応水着です~)というあまりにも悪辣でエグいやり方にはさすがのウッソも激怒、後で不意打ちをかけてきたカテジナの搭乗するリガ・ミリティアの量産型MSであり、主力機でもあったガンイージのコクピットをビームサーベルで容赦なくグシャっと貫きます。
彼女が精神を壊して本格的な狂気の世界(←コワイっす~~~~~~~~)に走るのは、ずっと自分の事を好きでいてくれるはず(?)だったウッソが自分を本気で殺そうとしたことがきっかけとなったからだと思われますが、以降はすっかり顔つきも変わって、ついには恋人のクロノクルとともに最後の敵としてウッソの前に立ちはだかるものの、破れて行方不明となり、さらにクライマックスでは視力を失いながらも見事(!?)に再登場するという、なにがあってもめげない&死なないという“ど根性悪女”ぶりを見せてくれたカテジナさんは、やっぱりガンダムシリーズにおけるコワイ女のホームラン王(MVP)なのではないでしょうか~!
と、いうことで今回は“夏の終わりの特別納涼企画・残暑見舞い編”『ガンダムシリーズのコワイ女たち(その2)』についてお送りしました!
残暑もまだまだ厳しい折、少しでもこれで涼しくなってもらえたらうれしいかもです~(汗)。
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界のクリスタルスカルと巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)。
第21回目も引き続き『~ガンダムのお約束・その21~』についてお話ししたいと思います。
第1回では、ガンダムの「顔」と「カラーリング」、 第2回は「仮面の人」と「ハロ」。 第3回目では「宇宙世紀」、 第4回は「モビルスーツ」、 第5回は「MSV」、 第6回は「ザク」と「ジム」、 第7回は「装備」と「換装」、 第8回は「モビルスーツの進化と発展(例)」、 第9回は「女性キャラクター(『機動戦士ガンダム』編)、 第10回回は「兄貴キャラクター」、 第11回は「水陸両用MS(モビルスーツ)」、 第12回は「おじさまキャラクター」、 第13回は「ガンダムの主題歌(TVシリーズ編)・その1」、 第14回は「ガンダムの主題歌(TVシリーズ編)・その2」、 第15回は「ガンダムのプラモデル(通称:ガンプラ)・その1」、 第16回は「ガンダムのプラモデル(通称:ガンプラ)・その2」、 第17回は「SDガンダム・その1」、 第18回は「SDガンダム・その2」、 第19回は「SDガンダム・その3」、 第20回は「ガンダムシリーズのコワイ女たち(その1)」にについて触れてきましたが、今度も ガンダムといえばやっぱこれでしょ! という「アレ」に関する事柄です。
ガンダムシリーズの中において、様々な角度から魅力的に、あるいは悪魔的(!?)にお話をキリリと引き締めてくれるスパイス(←カラシとかガラムマサラとかetc.)的な存在として欠かせないのが“こわ~い”女性キャラクターの方々でございますよ~。
第21回目は “夏の終わりの特別納涼企画・残暑見舞い編”ということで『ガンダムシリーズのコワイ女たち(その2)』をひや~っとご紹介~!
その1
ガンダムシリーズのコワイ女は男心を楽々と手玉にとる悪女というのがお約束!?
まず「 フレイ・アルスター」(機動戦士ガンダムSEED)。赤い髪がチャームポイントで見るからに育ちが良さそうな超・お嬢様タイプの彼女は、地球連合の大西洋連邦事務次官・ジョージ・アルスターの娘で、へリオポリス(資源衛星コロニー)に住む学生(主人公:キラ・ヤマトの1期後輩)の中ではいわゆるアイドル&マドンナ的存在(←キラもほのかに彼女に好意を寄せてたりします)として皆に愛されていました。
しかし、地球連合軍とは敵対関係にあるプラントの武装組織ザフト(自由条約黄道同盟)による襲撃によってヘリオポリスは壊滅。その際にフレイは救命ポッドで脱出、漂流していたところをストライクガンダムに搭乗していたキラに救助され、大西洋連邦所属の強襲機動特装艦アークエンジェルに乗船しますが、避難民として地球に向かう途中で合流するはずだった父の搭乗する戦艦がザフトの襲撃により撃墜されるのを目の当たりにしてしまいます。
ブルーコスモス(反コーディネイター思想を持つ組織)の一員としてコーディネイター(遺伝子操作により生み出された新しい人類)の排斥を呼びかけていた父の影響もあって、以前からコーディネイターに偏見を持っていたナチュラル(遺伝子調整をされていない通常の人類)の彼女は、このことによりコーディネイター、そして父を救うことができなかったキラに対してもさらに強い憎しみの感情を持つようになっていきます。
その後、彼女は自ら地球連合軍に志願してキラたちと一緒に働くことになるのですが、その真の目的は「(スーパーコーディネイターである)キラの力を利用してコーディネイターという存在を抹殺する」ことだったようです(←コワイっす~~~~~)。その結果、フレイとキラとの間には複雑な愛憎溢れる関係が形成されていくことになるんですね~。
「コーディネイターなんて、、みんな死んじゃえばいいのよ!!」とばかりにその後は熱心(!)にキラを誘惑することに励み、元々の婚約者であるサイ・アーガイルをわざと一方的に捨ててみせたり(←ひどいですね~)、お互いの傷をなめ合うように彼のことを甘やかしつつもしっかり大人の関係(!?)を迫ってみたりと、偽りの愛でキラの心を操って戦わせるように仕向け、憎きコーディネイターに対して復讐を企てようとする彼女でしたが、キラとともに過ごすうちにいつしか愛情が生まれてしまったようで、物語の中盤あたりからは復讐しようとする気持ちとキラに対する愛情との狭間に立って苦しむことになってしまいます。
その後、アラスカ基地のJOSH-A攻防戦ではザフトの指揮官である仮面の男、ラウ・ル・クルーゼに拉致され“戦争を終わらせる鍵”(ニュートロンジャマーキャンセラーのデータ)を持たされると、またしても(!)救命ポッドで漂流する羽目になったりして、最終決戦の後にやっとキラと邂逅した彼女は、キラに謝りたいと願いながら“本当の気持ち”を彼に伝えるのですが……。
コーディネイターという異なる存在に対して激しく嫌悪し、憎悪の念を持ちながら皮肉にもキラというスーパーコーディネイターに惹かれてしまったフレイの行動は確かに悪女的ではありましたが、戦争にさえ巻き込まれなければこうはならなかったのかも……、と考えると、ある意味では彼女もまた悲しい犠牲者の中の一人なのかもしれません。(←この愛憎溢れるエピソードの数々は『機動戦士ガンダムSEED』 HDリマスター版でぜひ直接確かめてみてくださ~い!)
さてさてお次は「 ニナ・パープルトン」(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。
月出身という彼女は軍産複合企業(「スプーンから戦艦まで」でおなじみ!?)のアナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン支社の社員で、自らの開発したガンダムに異常なこだわりを持つ、無類のガンダム好きな女性です。
一年戦争後に地球連邦政府は「連邦軍再建計画」の一環として次世代主力量産機開発のために「ガンダム開発計画」を立案し、アナハイム・エレクトロニクス社と共同で極秘にGPシリーズ(ガンダム試作機)の開発と建造に乗り出しますが、ニナはその汎用試作MS(モビルスーツ)1号機であるRX-78GP01 ゼフィランサス担当の専属システムエンジニアであり、またガンダム試作2号機であるRX-78GP02A サイサリスの重力化実験の指揮者として強襲揚陸艦アルビオンに搭乗することになります(ちなみにこのGPシリーズのコードネームは女性技術者からの発案らしく、花の名前から取ってるみたいです~)。
その後は主人公で地球連邦軍の少尉であるコウ・ウラキと趣味のガンダムを通じて親しくなると(!?)試作1号機のパイロットの座とともにニナを巡って争いながらコウをいびり続けるというコウの上位士官・ベルナルド・モンシアや、コウのライバルで「ソロモンの悪夢」の異名を轟かすアナベル・ガトー(ジオンの残党勢力の一派である「デラーズ・フリート」のエースパイロット)と多角(?)関係を繰り広げていくことになるんですね。
実はこのニナ、昔は敵軍パイロットであるガトーと恋人同士(!)だったりもするんですが、ガンダム試作2号機をまんまと強奪していった(←前にガンダム試作1号機で対決してます)ガトーへのライバル心と敵意に燃えまくるコウとの交際が深まっていくに従い、ガトーとの過去の関係が今度はニナの心を苦しめていくことになるんですね~。
物語の終盤ではジオン復興のために命がけで “星の屑作戦”(コロニーを地球に落下させる)を遂行するため、最後の軌道修正に来たガトーに銃を撃つコウですが、突然その場に現れたニナはあろうことかガトーをかばってコウに銃を向け「そういうことじゃないのよ……」(←ってどういうこと!?)と思い切り威嚇射撃を食らわした後にガトーとともに去って行きます(謎)。
それまではまったくニナとガトーの過去の関係を知らなかった現在の恋人・コウは、当然ですが「うそだろ!? (一部略)がーーーーーーっ!!!」とまさに精神崩壊レベル(すっごい顔)で大きなショックを受けちゃうことに……(←コワイっす~~~~~~)。
これは、後にこのときコウにガトーを殺して欲しくなかったというニナの気持ちからの態度だったという説もありますが、コウとガトーという二人の男性の間で激しく揺れ動いていたニナの心境(どうもこの二人の対決を見守ることに宿命を感じていた……らしいです)を思うと、未だに賛否両論を呼んでいる噂のラストシーンでの彼女のコウに対する行為も、なんだかさらにややこしく意味深に思えてきちゃいますね~(←この辺、気になった人はぜひ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』を観てぜひ彼女の悪女っぷり(!?)を味わってみてください~)。
その2
ガンダムシリーズのコワイ女はもはや常人には理解できない発想で大暴れするのがお約束!?
さてラストはやっぱりこの人「 カテジナ・ルース」。山や谷、深い森の中に地球連邦政府未認可の集落として不法居住者が寄り集まって住んでいるポイント・カサレリア(←注・彼らが勝手につけた名前です~)付近にある街のウーイッグで商店を営んでいたテングラシー・ルースの娘として産まれたカテジナは、主人公のウッソ・エヴィンとは元々ペンフレンド(!)という旧知の間柄で、その後、戦災から逃れるためにレジスタンス組織のリガ・ミリティアと行動をともにすることになりますが、戦火が激しくなり、子供たちを巻き添えにしたり、ウッソのような少年までをMS(モビルスーツ)のパイロットとして戦地に送り出そうとするリガ・ミリティアの考え方に嫌悪感を抱くようになります。
ザンスカール帝国の軍隊・ベスパによるウーイッグ空襲により焼け出された敵対勢力となるザンスカール帝国の将校であり王弟で生粋のスペースノイド(スペースコロニーに移住した宇宙居住者)であるクロノクル・アシャーによって捕らえられて人質になった彼女は、逆にクロノクルの人柄に次第に惹かれるようになり、その秘書官からついにはザンスカールの軍人に転向、自ら戦場に出ていくようになります。
当初は子供たちやウッソに優しいところを見せたりと、そこそこいいお姉さん的雰囲気だったカテジナでしたが、戦地に出るようになってからはことあるごとにウッソと対決し、ウッソに対して憎しみを感じるようになる中でどんどん激しく壊れていくのですが……(←「おかしいですよカテジナさん!」byウッソ)。
ウッソとクロノクルを互いに戦わせる場面では「戦え……ウッソ、クロノクル。勝った方をあたしが全身全霊をかけて愛してあげるよ!? うは、あははっ、あーっはははははははははーー!(エコー)」と、もはや常人には理解不能な恐ろしい台詞とともに毒々しく描かれた鬼気迫る彼女の姿は見た者をみな凍り付かせる、と言われています(冷汗)。
ザンスカール帝国が建造した巨大サイコミュ兵器、エンジェル・ハイロゥの攻防戦ではゴトラタン(彼女の専用機という扱いの試作MS)で、かつては仲間だったこともあるであるシュラク隊(リガ・ミリティア所属の戦闘部隊)をあっさり全滅させるなど、まさに情け容赦のない鬼神のようなパワーを発揮します。そして女だけの近衛部隊を捨て駒に、なんと水着姿でバズーカを持たせてウッソのV2ガンダムを襲わせる(←通称“水着のお姉さん作戦” ウッソは「裸の女の人!?」とすっかり動揺してましたが……一応水着です~)というあまりにも悪辣でエグいやり方にはさすがのウッソも激怒、後で不意打ちをかけてきたカテジナの搭乗するリガ・ミリティアの量産型MSであり、主力機でもあったガンイージのコクピットをビームサーベルで容赦なくグシャっと貫きます。
彼女が精神を壊して本格的な狂気の世界(←コワイっす~~~~~~~~)に走るのは、ずっと自分の事を好きでいてくれるはず(?)だったウッソが自分を本気で殺そうとしたことがきっかけとなったからだと思われますが、以降はすっかり顔つきも変わって、ついには恋人のクロノクルとともに最後の敵としてウッソの前に立ちはだかるものの、破れて行方不明となり、さらにクライマックスでは視力を失いながらも見事(!?)に再登場するという、なにがあってもめげない&死なないという“ど根性悪女”ぶりを見せてくれたカテジナさんは、やっぱりガンダムシリーズにおけるコワイ女のホームラン王(MVP)なのではないでしょうか~!
と、いうことで今回は“夏の終わりの特別納涼企画・残暑見舞い編”『ガンダムシリーズのコワイ女たち(その2)』についてお送りしました!
残暑もまだまだ厳しい折、少しでもこれで涼しくなってもらえたらうれしいかもです~(汗)。
嗚呼、ガンダムの世界って本当に素晴らしいですね~!!
さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き(!?)、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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