2012年6月6日 (水)
ガンダムのお約束 ~その8~『モビルスーツの進化と発展』
”ガンダムってなんだ!?“ という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第8回!
ガンダム界の猫だまし、と巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)、第8回目も、前回に引き続き『~ガンダムのお約束・その8~』についてお話ししたいと思います。
第1回では、ガンダムの「顔」と「カラーリング」、 第2回は「仮面の人」と「ハロ」。 第3回目では「宇宙世紀」、 第4回は「モビルスーツ」、 第5回は「MSV」、 第6回は「ザク」と「ジム」、 第7回は「装備」と「換装」について触れましたが、またもガンダムといえばやっぱこれでしょ~! というかんじの「アレ」に関する事柄です。
その1
ガンダムといえば、宇宙世紀の中で時を越えて進化・発展する機体が出てくるのがお約束!?
で、まずは上のモビルスーツ、なんともド派手でカッコイイと思いません?
これは通称「百式」と呼ばれているモビルスーツなんですが、ガンダムに興味があるぜ! っていう人なら、きっと一度はどこかで目にしたことがあるんじゃないでしょうか。
この「百式」、プラモデル売り場で金色に燦然と光り輝くイカすデザインやカラーリングもさることながら、なんといっても目立つのは機体の肩に描かれた「百」の文字! なんでこんな風になってるんだろう、とかいろいろ考えると、も~なんだか超気になっちゃうっす~。
ということで、今回はこの「百式」と呼ばれている機体を例に(!?)、モビルスーツの進化と発展のひとつの流れについてちょっとだけ学んでみたいと思います~。
その2
宇宙世紀のガンダムに出てくるモビルスーツには独自の開発計画やエピソードがあるのがお約束!?
さて、この「百式」、もともとは『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』の中に登場する「Z計画」というものから生まれたモビルスーツなのですが、まずはこの「Z計画」というものがどういうものなのかを簡単に説明したいと思います。
「Ζ計画」というのは、宇宙世紀シリーズの中に出てくるエゥーゴ(反地球連邦組織)と、兵器の生産に関わる企業のアナハイム・エレクトロニクス社が、次世代機の象徴となり得る「Ζガンダム」を作るために共同で開発を行った計画(高性能モビルスーツ開発計画)であるといわれているものです。
この計画、より高性能かつ理想的な、とにかく最高のガンダム(=「Ζガンダム」)を作りたいっ! ということで、まず考えたのが巡航形態を取るために必要な可変機構。そしてその実験機としてまず「デルタガンダム」という機体を設計しました。
しかし、このデルタガンダム、実際に動かすことを考えると変形時の耐久性に難がある!(がーん!)ということになり、可変機としての開発を途中で断念することに……(しくしく)。で、いろいろあって最終的に変形は不可能なものの、より高性能な攻撃用のモビルスーツとして「百式」が誕生することになったんですね~。
その3
宇宙世紀のモビルスーツは、試作機・実験機を作りながらその力を進化させていくのがお約束!?
その後、やっぱり可変するモビルスーツを作りたい! ということで、百式と同時期に作られていた二機のうちのもう一方では、初の試作型可変モビルスーツとなる「メタス」が誕生します。
しかし、こちらは「百式」とは違ってばっちり可変はしてくれるものの、装甲が薄い(残念…)、可変機構のために胴体を三本のパイプ(?)だけで繋げている構造で丈夫とはいえない(えー!)、宇宙戦では戦闘機型として優れているが、格闘戦に持ち込まれると不向き(しょぼーん)、とかいう問題がまたいろいろと出てきちゃったりするわけです。
その4
宇宙世紀のモビルスーツは、時の流れに沿って理想の構造により近づいていくのがお約束!?
と、ここまでの流れだと、なんだか「百式」も「メタス」も試作機・実験機的な色が強いだけの機体なの? みたいなかんじですが、この二機の存在こそが、「Zガンダム」へと繋がっていくモビルスーツ開発の上で大きな意味を持つことになるんですよ。
先に挙げたメタスは、実験データを後の「Zガンダム」の開発に活かしつつ、改修の上で実戦にも投入されることになります。後の「ZII」(メタスの可変機構を採用したZガンダムの発展形)や、コストを削減してやっと量産化にこぎつけた「リゼル」も、元はこのメタスの構造を参考にして造られたものになるんですね~。
一方、メタスと違って可変こそできないものの、機体として高い能力を持つ百式は、クワトロ・バジーナ大尉(=シャア・アズナブル)の愛機として活躍し、さらにはその進化形である「デルタプラス」という機体が作られることになります。
デルタプラスは変形できない百式系列の量産機とは違って、本来の理想だった変形が可能なタイプ(デルタガンダム)まで設計を戻して、量産を目的として再設計した試作機ということなので、この流れの中でいうと、設計当初のデルタガンダムの理想通り、やっと巡航形態への変形が可能なモビルスーツになったということですね。
(デルタプラスは 『機動戦士ガンダムUC』に登場するのでぜひ観てください!)。
※ちなみに同時期にはムーバブルフレームによる斬新な機構を搭載した「ガンダムMk-II」(地球連邦軍特殊部隊・ティターンズから奪取した試作機)という機体もあったりします。
そんなこんなで、今回は「百式」という機体をきっかけに、モビルスーツの進化と発展のひとつの流れをとりあげてみましたが、「理想の次世代機を量産化したい!」という熱い思いや考えが(宇宙世紀の)シリーズを跨ぎ、時代を越えながら当初の設計思想を結実させていく、というところは、現実の自動車や様々な乗り物の開発エピソードさながらのロマンを感じさせてくれますね~。
でもって最後に、あの気になる「百式」ガンダムの肩についている漢数字のことなんですが、どうして数字がつくことになったのか、他にも数字がついている機体があるのか? etc.ということについては、厳密にはっきりとはしてないみたいです。
(百台目に設計された機体だから、などの諸説はいろいろありますが……)
ああ、ガンダムの世界は本当に深いなあ……。
さてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
ガンダム界の猫だまし、と巷で噂の“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)、第8回目も、前回に引き続き『~ガンダムのお約束・その8~』についてお話ししたいと思います。
第1回では、ガンダムの「顔」と「カラーリング」、 第2回は「仮面の人」と「ハロ」。 第3回目では「宇宙世紀」、 第4回は「モビルスーツ」、 第5回は「MSV」、 第6回は「ザク」と「ジム」、 第7回は「装備」と「換装」について触れましたが、またもガンダムといえばやっぱこれでしょ~! というかんじの「アレ」に関する事柄です。
その1
ガンダムといえば、宇宙世紀の中で時を越えて進化・発展する機体が出てくるのがお約束!?
で、まずは上のモビルスーツ、なんともド派手でカッコイイと思いません?
これは通称「百式」と呼ばれているモビルスーツなんですが、ガンダムに興味があるぜ! っていう人なら、きっと一度はどこかで目にしたことがあるんじゃないでしょうか。
この「百式」、プラモデル売り場で金色に燦然と光り輝くイカすデザインやカラーリングもさることながら、なんといっても目立つのは機体の肩に描かれた「百」の文字! なんでこんな風になってるんだろう、とかいろいろ考えると、も~なんだか超気になっちゃうっす~。
ということで、今回はこの「百式」と呼ばれている機体を例に(!?)、モビルスーツの進化と発展のひとつの流れについてちょっとだけ学んでみたいと思います~。
その2
宇宙世紀のガンダムに出てくるモビルスーツには独自の開発計画やエピソードがあるのがお約束!?
さて、この「百式」、もともとは『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』の中に登場する「Z計画」というものから生まれたモビルスーツなのですが、まずはこの「Z計画」というものがどういうものなのかを簡単に説明したいと思います。
「Ζ計画」というのは、宇宙世紀シリーズの中に出てくるエゥーゴ(反地球連邦組織)と、兵器の生産に関わる企業のアナハイム・エレクトロニクス社が、次世代機の象徴となり得る「Ζガンダム」を作るために共同で開発を行った計画(高性能モビルスーツ開発計画)であるといわれているものです。
この計画、より高性能かつ理想的な、とにかく最高のガンダム(=「Ζガンダム」)を作りたいっ! ということで、まず考えたのが巡航形態を取るために必要な可変機構。そしてその実験機としてまず「デルタガンダム」という機体を設計しました。
しかし、このデルタガンダム、実際に動かすことを考えると変形時の耐久性に難がある!(がーん!)ということになり、可変機としての開発を途中で断念することに……(しくしく)。で、いろいろあって最終的に変形は不可能なものの、より高性能な攻撃用のモビルスーツとして「百式」が誕生することになったんですね~。
その3
宇宙世紀のモビルスーツは、試作機・実験機を作りながらその力を進化させていくのがお約束!?
その後、やっぱり可変するモビルスーツを作りたい! ということで、百式と同時期に作られていた二機のうちのもう一方では、初の試作型可変モビルスーツとなる「メタス」が誕生します。
しかし、こちらは「百式」とは違ってばっちり可変はしてくれるものの、装甲が薄い(残念…)、可変機構のために胴体を三本のパイプ(?)だけで繋げている構造で丈夫とはいえない(えー!)、宇宙戦では戦闘機型として優れているが、格闘戦に持ち込まれると不向き(しょぼーん)、とかいう問題がまたいろいろと出てきちゃったりするわけです。
その4
宇宙世紀のモビルスーツは、時の流れに沿って理想の構造により近づいていくのがお約束!?
と、ここまでの流れだと、なんだか「百式」も「メタス」も試作機・実験機的な色が強いだけの機体なの? みたいなかんじですが、この二機の存在こそが、「Zガンダム」へと繋がっていくモビルスーツ開発の上で大きな意味を持つことになるんですよ。
先に挙げたメタスは、実験データを後の「Zガンダム」の開発に活かしつつ、改修の上で実戦にも投入されることになります。後の「ZII」(メタスの可変機構を採用したZガンダムの発展形)や、コストを削減してやっと量産化にこぎつけた「リゼル」も、元はこのメタスの構造を参考にして造られたものになるんですね~。
一方、メタスと違って可変こそできないものの、機体として高い能力を持つ百式は、クワトロ・バジーナ大尉(=シャア・アズナブル)の愛機として活躍し、さらにはその進化形である「デルタプラス」という機体が作られることになります。
デルタプラスは変形できない百式系列の量産機とは違って、本来の理想だった変形が可能なタイプ(デルタガンダム)まで設計を戻して、量産を目的として再設計した試作機ということなので、この流れの中でいうと、設計当初のデルタガンダムの理想通り、やっと巡航形態への変形が可能なモビルスーツになったということですね。
(デルタプラスは 『機動戦士ガンダムUC』に登場するのでぜひ観てください!)。
※ちなみに同時期にはムーバブルフレームによる斬新な機構を搭載した「ガンダムMk-II」(地球連邦軍特殊部隊・ティターンズから奪取した試作機)という機体もあったりします。
そんなこんなで、今回は「百式」という機体をきっかけに、モビルスーツの進化と発展のひとつの流れをとりあげてみましたが、「理想の次世代機を量産化したい!」という熱い思いや考えが(宇宙世紀の)シリーズを跨ぎ、時代を越えながら当初の設計思想を結実させていく、というところは、現実の自動車や様々な乗り物の開発エピソードさながらのロマンを感じさせてくれますね~。
でもって最後に、あの気になる「百式」ガンダムの肩についている漢数字のことなんですが、どうして数字がつくことになったのか、他にも数字がついている機体があるのか? etc.ということについては、厳密にはっきりとはしてないみたいです。
(百台目に設計された機体だから、などの諸説はいろいろありますが……)
ああ、ガンダムの世界は本当に深いなあ……。
さてさてさてさてさてさてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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