Gundam Meets Businessの8回目は、競合対応についてお話しします。
セブン・イレブンを立ち上げた鈴木敏文氏は競合のコンビニに足を運んだことがないそうです。
カリスマ経営者にはできても、我々凡人にはなかなかそこまでできません。
競合相手の動きばかり意識するあまり、本来の戦略と合致しない悪手を打ってしまいがちです。
セブン・イレブンを立ち上げた鈴木敏文氏は競合のコンビニに足を運んだことがないそうです。
カリスマ経営者にはできても、我々凡人にはなかなかそこまでできません。
競合相手の動きばかり意識するあまり、本来の戦略と合致しない悪手を打ってしまいがちです。
コロナ禍があり、消費者の生活スタイルは確実に変化しています。
環境が激変していて先行きが不透明でも、競合は歩みを止めていないように見えるかもしれません。
来月にも、強力な新手を出してくる可能性があります。
帯電デブリの稲妻が閃くサンダーボルト宙域で、稲妻と異なる光が視界をよぎれば、少なからずうろたえてしまうでしょう。
どこに不測の事態が待ち構えているかわからない、先の見えない閉塞感に、リモートワークで神経も衰弱しがちです。
ブリッジのようなオフィスにいれば仲間の姿も見えますが、単座のモビルスーツ・パイロットは孤独です。
彼らと同様の孤独を、リモートワークは我々に課しています。
環境が激変していて先行きが不透明でも、競合は歩みを止めていないように見えるかもしれません。
来月にも、強力な新手を出してくる可能性があります。
帯電デブリの稲妻が閃くサンダーボルト宙域で、稲妻と異なる光が視界をよぎれば、少なからずうろたえてしまうでしょう。
どこに不測の事態が待ち構えているかわからない、先の見えない閉塞感に、リモートワークで神経も衰弱しがちです。
ブリッジのようなオフィスにいれば仲間の姿も見えますが、単座のモビルスーツ・パイロットは孤独です。
彼らと同様の孤独を、リモートワークは我々に課しています。
そのように緊張した心的状況下で競合の新しい機動を見たことで、闇雲に応射したくなるのは戦場に限ったことではありません。
脊髄反射的な対競合活動は、ビジネスの舞台でも頻発します。
特にコロナ禍のように市場環境が変化しているときには、疑心暗鬼に拍車がかかります。
そのような状況下では、競合がとった新しい活動に対して、焦燥に駆られた上司がそっくりマネしろと命じることも珍しいものではありません。
「競合A社がデジタル投資を増やしたらしい。我々も、早くしないと後塵を拝することになる。マーケティング予算をデジタルにまわせ!」
「競合はMA(※)を採用していると聞いた。君たちはなぜ使わないのか!」
※メールの自動配信などを含む「マーケティングオートメーション」のこと。ザクレロやビグロのことではありません。
これは指示の中身に問題があるのではなく、無意識に競合に同調している点が問題です。
恐怖の多くは、未知に起因します。
よく理解できないことが起きていると、不必要に大きな恐怖を感じるのは人間の性の1つです。
こうした未知への恐怖に対して意識的に対応しないと、我々は簡単に恐慌に陥ってしまいます。
ソロモンに向かう途上の『強行突破作戦』で「こういう時、慌てた方が負けなのよね」と、テレビ版ではハヤトが、劇場版ではカイが自戒していました。
敵は撃ってきましたが、一発も当たってはいないのです。
慌てなければ、そうそう当たるものではありません。
その少し前、鉱山都市ではMS-07B-3 グフ・カスタムを駆るノリス・パッカードの「怯えろ、竦め!モビルスーツの性能を活かせぬまま死んでいけ!」というプレッシャーに対して、シロー・アマダは「守ったら負ける。攻めろ!」と自らを励まし(銀行員の直樹よりも17年も前に「倍返しだ!」と叫びつつ)、機能不全に陥った左手を引き抜いて打撃兵器として使い奮闘します。
ところが、眼前の熱中に目的を見失い、護衛すべき量産型ガンタンクは屠られてしまいます。敵機を撃破しながらも、戦闘には負けてしまうのです。
デジタル投資を増やし、MAを導入しながら、売上は増えずに費用だけ増えたなどという例もあるでしょう。
戦場ではなくても、競合対応をきっかけとした活動に熱中し、冷静さを失うことは珍しくありません。
では、なにに気を付ければ、慌てず、眼前の熱中から覚めて、冷静でいられるでしょう。
ノリス・パッカードは戦闘の間ずっとEz8や“ジム頭”ではなく「タンクもどき(量産型ガンタンク)」を見続けていました。
自分たちの勝利条件つまり、そもそもの目的を見続けることは、とても重要な示唆でしょう。
競合を意識するのは、自身の「目的達成の障害」となる時か、「目的達成の役に立つ」ときだけです。
競合の存在や活動を意識しすぎて、みずからペースを見失ってしまうことは避けたいものです。
それこそ、敵の術中にはまることになってしまいます。
我々のビジネスは、競合に勝つことを目的としているのではありません。
我々の活動はパーパスに従い、消費者や顧客ひいては社会に役立つことを目的としているはずです。
競合対策も含め、活動が本来の目的に沿っているか、目をそらさずにいたいものです。
GMBとは
ガンダムをこよなく愛し、ガンダムでビジネスを語る、謎でもないマーケターユニット。
音部 大輔
日米P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、資生堂などで、マーケティング担当副社長やCMOとしてマーケティング組織を構築・指揮し、持続的成長を実現。2018年より株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役。国内外のさまざまなクライアント企業にマーケティング組織強化など提供。博士(経営学 神戸大学)。日本マーケティング学会 理事。日経BPマーケター・オブ・ザ・イヤー審査員、日経BtoBデジタル・マーケティングアワード審査員。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)
田中 準也
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
[Gundam Meets Business] Back Number
- 新連載「ビジネスのヒントは宇宙世紀にあり! ~ Gundam Meets Business ~」はじめます
- #01 ビジネスで大事な「戦略」のコツをガンダムで考える<目的編>
- #02 ビジネスで大事な「戦略」のコツをガンダムで考える<資源編>
- #03 大きな環境変化のときこそ重要視される「パーパス」をガンダムで語る
- #04 リーダーであってもなくても必要な「リーダーシップ」をガンダムで語る
- #05 リーダーシップを構成する5つの要素をガンダムで例える
- #06 ブランドの理解に不可欠な機能とベネフィット
- #07 日々の現場の活動やオペレーションで、正しく意思決定するために「OODAループ」をガンダムで理解する
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