Gundam Meets Businessの2回目は、前回に続き「戦略」の後半です。
目的をちゃんと考えるだけで、自分のすべきことや用意しておくべきことがわかりやすくなり、二手三手先を考えた行動につながってきたのではないでしょうか。
戦略を理解して勝率をあげるために、ふたつ目に重要なコツは「資源」の把握です。
目的をちゃんと考えるだけで、自分のすべきことや用意しておくべきことがわかりやすくなり、二手三手先を考えた行動につながってきたのではないでしょうか。
戦略を理解して勝率をあげるために、ふたつ目に重要なコツは「資源」の把握です。
「達成したい目的があるのに、投入できる資源が限られている」ときが戦略の使い所です。
ということは、ガルマ率いる北米方面軍がホワイトベースを叩こうとしたときのように「これで勝てねば貴様は無能だ」とつぶやかれるほどの戦力、すなわち総資源量をもっているなら、特に大した戦略がなくても大丈夫です。
思いつくことを全部やればいいのです。
では、それほど圧倒的な資源量を誇っていたガルマが破れたのはなぜか。
それは、坊やであったことでシャアの策謀を見抜けず、投入できるはずの総資源量を十分に使えなかったからです。
ドーム球場に待ち伏せするホワイトベースの主砲の前に、ガウ攻撃空母は脆弱な背面をさらしてしまいました。
この状況下では総資源量の優劣は、明白にホワイトベース側が圧倒しています。
このように考えると、「強さとは投入可能な資源の総量である」という定理も見えてきそうです。
さらには、勝者は資源総量に勝った側である、とも考えられるでしょう。
ここで勘案されるべき総資源量は多岐にわたります。
『ガンダム』で描かれる少数モビルスーツにおける遭遇戦では、機体の設計性能と整備状態、パイロットの能力とその日の調子、僚機の援護などといったチームの体制や地形・天候などを含めた戦闘環境などが変数として作用しつつ、それぞれの資源を足し上げた総資源量の多い方が勝っています。
モビルスーツの性能の違いが普遍的に戦力の決定的差になるわけではありませんし、自分の力だけでなくモビルスーツの性能のおかげで勝てることもあるでしょう。
ということは、ガルマ率いる北米方面軍がホワイトベースを叩こうとしたときのように「これで勝てねば貴様は無能だ」とつぶやかれるほどの戦力、すなわち総資源量をもっているなら、特に大した戦略がなくても大丈夫です。
思いつくことを全部やればいいのです。
では、それほど圧倒的な資源量を誇っていたガルマが破れたのはなぜか。
それは、坊やであったことでシャアの策謀を見抜けず、投入できるはずの総資源量を十分に使えなかったからです。
ドーム球場に待ち伏せするホワイトベースの主砲の前に、ガウ攻撃空母は脆弱な背面をさらしてしまいました。
この状況下では総資源量の優劣は、明白にホワイトベース側が圧倒しています。
このように考えると、「強さとは投入可能な資源の総量である」という定理も見えてきそうです。
さらには、勝者は資源総量に勝った側である、とも考えられるでしょう。
ここで勘案されるべき総資源量は多岐にわたります。
『ガンダム』で描かれる少数モビルスーツにおける遭遇戦では、機体の設計性能と整備状態、パイロットの能力とその日の調子、僚機の援護などといったチームの体制や地形・天候などを含めた戦闘環境などが変数として作用しつつ、それぞれの資源を足し上げた総資源量の多い方が勝っています。
モビルスーツの性能の違いが普遍的に戦力の決定的差になるわけではありませんし、自分の力だけでなくモビルスーツの性能のおかげで勝てることもあるでしょう。
こうした資源には、場合によっては「運」の要素も含まれるでしょう。
天候などと同じく管理できず、実践ではアテにもしにくいですが「幸運」も資源です。
キャリア上、運が悪かったひとはブランドマネジャーになれない、という企業の話を噂に聞いたことがあります。
大事なポジションなので、運の悪い人にまかせたくない、という理由だそうです。
あまり科学的でもなさそうですが、正面の競合が常に幸運の持ち主というのは、相手にしたら気持ちのいいものではありません。
総資源量の優劣が勝敗を決めるとはいえ、ジャブローの地下基地内に投入できるモビルスーツの機数は、ソロモンやア・バオア・クーに配備できる機数とは大きく異なります。
空間の大きさが違うからです。
時間や空間は投入できる総資源量を限定するので、特に競合との相対的な強さを考える上ではとても重要な制約です。
この制約を利用して、彼我の総資源量に大きな差があるときは、時間や空間が限定的な戦場を選ぶことで不利を覆せることもあります。
こうした資源の議論は、個人としても企業としても「強くなるためには資源を増やせばいい」ことを示唆しています。
手持ちの時間や資金、気力や労力を使って、いまは手元にない資源を手にいれればその分だけ強くなれます。
知識は最たるものでしょうし、プロジェクトから経験値や人脈を入手するのも方法です。
この一年間でもっとも時間や労力を費やしたプロジェクトを振り返ったときに、自分やチームはなにができるようになったでしょう。
そこで得られた経験値は、次のプロジェクトで資源として使えます。
こうしてプロジェクトごとに経験値を獲得するのと、毎回一生懸命仕事をするけれど経験値を意識しないのとでは、大きな差がつきます。
「さらにできるようになったな、ガンダム!」というのは、アムロと学習型コンピューターが経験を資源に変えたことを指しています。
われわれも、プロジェクトや業務を通してどのように資源を増やしていくか、意識できると強くなれます。
前回から今回を通じて、戦略を「目的と資源」の観点から説明しました。
具体的な活動や手段を考える前に、自分たちはどのような目的をどういった資源を運用して達成するのか、明確にしておくと成功の可能性が高まります。
次回は、マーケティングをする上で大切な「パーパス(大義とか存在意義と訳されるもの)」の理解です。
お楽しみに!
天候などと同じく管理できず、実践ではアテにもしにくいですが「幸運」も資源です。
キャリア上、運が悪かったひとはブランドマネジャーになれない、という企業の話を噂に聞いたことがあります。
大事なポジションなので、運の悪い人にまかせたくない、という理由だそうです。
あまり科学的でもなさそうですが、正面の競合が常に幸運の持ち主というのは、相手にしたら気持ちのいいものではありません。
総資源量の優劣が勝敗を決めるとはいえ、ジャブローの地下基地内に投入できるモビルスーツの機数は、ソロモンやア・バオア・クーに配備できる機数とは大きく異なります。
空間の大きさが違うからです。
時間や空間は投入できる総資源量を限定するので、特に競合との相対的な強さを考える上ではとても重要な制約です。
この制約を利用して、彼我の総資源量に大きな差があるときは、時間や空間が限定的な戦場を選ぶことで不利を覆せることもあります。
こうした資源の議論は、個人としても企業としても「強くなるためには資源を増やせばいい」ことを示唆しています。
手持ちの時間や資金、気力や労力を使って、いまは手元にない資源を手にいれればその分だけ強くなれます。
知識は最たるものでしょうし、プロジェクトから経験値や人脈を入手するのも方法です。
この一年間でもっとも時間や労力を費やしたプロジェクトを振り返ったときに、自分やチームはなにができるようになったでしょう。
そこで得られた経験値は、次のプロジェクトで資源として使えます。
こうしてプロジェクトごとに経験値を獲得するのと、毎回一生懸命仕事をするけれど経験値を意識しないのとでは、大きな差がつきます。
「さらにできるようになったな、ガンダム!」というのは、アムロと学習型コンピューターが経験を資源に変えたことを指しています。
われわれも、プロジェクトや業務を通してどのように資源を増やしていくか、意識できると強くなれます。
前回から今回を通じて、戦略を「目的と資源」の観点から説明しました。
具体的な活動や手段を考える前に、自分たちはどのような目的をどういった資源を運用して達成するのか、明確にしておくと成功の可能性が高まります。
次回は、マーケティングをする上で大切な「パーパス(大義とか存在意義と訳されるもの)」の理解です。
お楽しみに!
GMBとは
ガンダムをこよなく愛し、ガンダムでビジネスを語る、謎でもないマーケターユニット。
音部 大輔
日米P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、資生堂などで、マーケティング担当副社長やCMOとしてマーケティング組織を構築・指揮し、持続的成長を実現。2018年より株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役。国内外のさまざまなクライアント企業にマーケティング組織強化など提供。博士(経営学 神戸大学)。日本マーケティング学会 理事。日経BPマーケター・オブ・ザ・イヤー審査員、日経BtoBデジタル・マーケティングアワード審査員。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)
音部 大輔
日米P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、資生堂などで、マーケティング担当副社長やCMOとしてマーケティング組織を構築・指揮し、持続的成長を実現。2018年より株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役。国内外のさまざまなクライアント企業にマーケティング組織強化など提供。博士(経営学 神戸大学)。日本マーケティング学会 理事。日経BPマーケター・オブ・ザ・イヤー審査員、日経BtoBデジタル・マーケティングアワード審査員。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)
田中 準也
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
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