ガンダムでビジネスの概念の説明を試みる連載、Gundam Meets Businessの1回目は、「戦略」の前半です。
「戦略」とは、多くのビジネスパーソンが頻繁に使っていながら、意味が曖昧なままになっている言葉の筆頭格です。同時に、うまく使えるようになると自身の勝率を大きく高められます。
マーケターにガンダム好きが多いのは、戦略の諸相を多く含んでいることも理由かもしれません。最初の題材としては好適です。
「戦略」とは、多くのビジネスパーソンが頻繁に使っていながら、意味が曖昧なままになっている言葉の筆頭格です。同時に、うまく使えるようになると自身の勝率を大きく高められます。
マーケターにガンダム好きが多いのは、戦略の諸相を多く含んでいることも理由かもしれません。最初の題材としては好適です。
下手な考え休むに似たりなどと言ってみたり、考えている時間があったら行動しようなどと檄が飛ぶこともありますが、よほど考えるのが下手でもない限り、考えてから行動する方が効果も効率も高いのは自明です。
考える能力があるのに使わないのは、サイコミュ搭載なのに腕部を射出しないジオングのようなものです。あれは飾りではありません。
考えていることを行動しない言い訳にしてはいけませんが、考えることをないがしろにするのも残念です。
腕部装着のまま撃発のチャンスがあればチャンスを最大限に生かすべきですが、そうでないならサイコミュを使うべきです。
ビジネスやマーケティングで考えるべきことの多くは、戦略を明らかにすることで解決しやすいものです。なぜなら、「達成したい目的があるのに、投入できる資源が限られている」ときに戦略が必要となるからです。
ビジネスのジレンマのほとんどは、この記述で描写できます。
そして、そうした状況はガンダムの世界にもあふれています。であるなら、このようにストレスフルな状態でも、気持ちひとつでドラマチックに楽しめるかもしれません。
さて、戦略を考えるときに重要なコツが二つあります。そのひとつ目が「目的」から考える、です。
「戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ」という有名なセリフがあります。次に何が起こるか、それにどう対処するか、考えて行動するべきだと解釈できます。
とはいえ、ニュータイプでもないわれわれが二手三手先を考えてみたところで、そうそう当たるものではありません。
そこで、こんな方法があります。
「目前の一手の先の二手目、三手目を考えるのではなく、三手目を最初に考える」というものです。三手目とはすなわち、目的が達成された状態です。
いずれ、あれを達成したい。そのためには、一手前にはこうあるべきで、その一手前はこうあるべきだ、と考えます。
現在から未来を見通すのではなく、実現したい未来から現在に向かって逆戻りしながらプランニングします。
「手持ちのザクがないから補給を待つ」と現状から一手目を思考したドレンに対して、「V作戦の情報を手にいれる、できれば連邦のモビルスーツを手にいれる」という三手目のために必要な二手目として「補充ザクによる攻撃」を考えるなら、一手目として「敵情理解のための偵察」に思いつくのは、われわれでも考えられそうです。
考える能力があるのに使わないのは、サイコミュ搭載なのに腕部を射出しないジオングのようなものです。あれは飾りではありません。
考えていることを行動しない言い訳にしてはいけませんが、考えることをないがしろにするのも残念です。
腕部装着のまま撃発のチャンスがあればチャンスを最大限に生かすべきですが、そうでないならサイコミュを使うべきです。
ビジネスやマーケティングで考えるべきことの多くは、戦略を明らかにすることで解決しやすいものです。なぜなら、「達成したい目的があるのに、投入できる資源が限られている」ときに戦略が必要となるからです。
ビジネスのジレンマのほとんどは、この記述で描写できます。
そして、そうした状況はガンダムの世界にもあふれています。であるなら、このようにストレスフルな状態でも、気持ちひとつでドラマチックに楽しめるかもしれません。
さて、戦略を考えるときに重要なコツが二つあります。そのひとつ目が「目的」から考える、です。
「戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ」という有名なセリフがあります。次に何が起こるか、それにどう対処するか、考えて行動するべきだと解釈できます。
とはいえ、ニュータイプでもないわれわれが二手三手先を考えてみたところで、そうそう当たるものではありません。
そこで、こんな方法があります。
「目前の一手の先の二手目、三手目を考えるのではなく、三手目を最初に考える」というものです。三手目とはすなわち、目的が達成された状態です。
いずれ、あれを達成したい。そのためには、一手前にはこうあるべきで、その一手前はこうあるべきだ、と考えます。
現在から未来を見通すのではなく、実現したい未来から現在に向かって逆戻りしながらプランニングします。
「手持ちのザクがないから補給を待つ」と現状から一手目を思考したドレンに対して、「V作戦の情報を手にいれる、できれば連邦のモビルスーツを手にいれる」という三手目のために必要な二手目として「補充ザクによる攻撃」を考えるなら、一手目として「敵情理解のための偵察」に思いつくのは、われわれでも考えられそうです。
ひとは、つい目の前のことに熱中しがちなものです。
会議が始まる時にはその会議のこと、報告書を書く時にはその報告書のことで頭がいっぱいになります。
そんなときには俯瞰して、「会議が終わったときになにが達成できていれば成功といえるか」とか「報告書を受け取った人がなにをしてくれれば書いた意義があったといえるか」などと考えてみましょう。
もし難しければ、「この会議がある場合とない場合で、どのような違いがあるか」とか「この報告書がある場合とない場合でどのような違いがあるか」と考えてみましょう。
ある場合とない場合の差の最大化が、その活動の目的であることが多いです。
もし何の違いもないなら、その活動は不要です。
こうして考えてみることで、会議で場当たり的な発言をしたり、報告書で自分が書きたいことに熱中してしまうよりも、二手三手先を考えた振る舞いになると思います。
Gundam Meets Businessの1回目、いかがでしたでしょうか。
ぜひ『機動戦士ガンダム』第2話「ガンダム破壊命令」を観てこちらをお読みいただければ、理解が深まることでしょう。
さて、次回は戦略を考えるコツのふたつめ、「資源」の把握です。これがわかっているとビジネスで勝率をグッと上げられます。
次回もご期待ください。
⇒ガンダムチャンネル『機動戦士ガンダム』第2話「ガンダム破壊命令」
会議が始まる時にはその会議のこと、報告書を書く時にはその報告書のことで頭がいっぱいになります。
そんなときには俯瞰して、「会議が終わったときになにが達成できていれば成功といえるか」とか「報告書を受け取った人がなにをしてくれれば書いた意義があったといえるか」などと考えてみましょう。
もし難しければ、「この会議がある場合とない場合で、どのような違いがあるか」とか「この報告書がある場合とない場合でどのような違いがあるか」と考えてみましょう。
ある場合とない場合の差の最大化が、その活動の目的であることが多いです。
もし何の違いもないなら、その活動は不要です。
こうして考えてみることで、会議で場当たり的な発言をしたり、報告書で自分が書きたいことに熱中してしまうよりも、二手三手先を考えた振る舞いになると思います。
Gundam Meets Businessの1回目、いかがでしたでしょうか。
ぜひ『機動戦士ガンダム』第2話「ガンダム破壊命令」を観てこちらをお読みいただければ、理解が深まることでしょう。
さて、次回は戦略を考えるコツのふたつめ、「資源」の把握です。これがわかっているとビジネスで勝率をグッと上げられます。
次回もご期待ください。
⇒ガンダムチャンネル『機動戦士ガンダム』第2話「ガンダム破壊命令」
GMBとは
ガンダムをこよなく愛し、ガンダムでビジネスを語る、謎でもないマーケターユニット。
音部 大輔
日米P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、資生堂などで、マーケティング担当副社長やCMOとしてマーケティング組織を構築・指揮し、持続的成長を実現。2018年より株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役。国内外のさまざまなクライアント企業にマーケティング組織強化など提供。博士(経営学 神戸大学)。日本マーケティング学会 理事。日経BPマーケター・オブ・ザ・イヤー審査員、日経BtoBデジタル・マーケティングアワード審査員。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)
音部 大輔
日米P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、資生堂などで、マーケティング担当副社長やCMOとしてマーケティング組織を構築・指揮し、持続的成長を実現。2018年より株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役。国内外のさまざまなクライアント企業にマーケティング組織強化など提供。博士(経営学 神戸大学)。日本マーケティング学会 理事。日経BPマーケター・オブ・ザ・イヤー審査員、日経BtoBデジタル・マーケティングアワード審査員。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)
田中 準也
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
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