2008年2月5日 (火)
第29話「ジャブローに散る!」
今回はディテールとして画面内に南米産の奇異な動物が多々描かれているのが、ひとつのみどころ。AR台本によれば、ショウジョウトキ、カピパラ、ホエザル、ピラルク、ブラックカイマン(ワニ)、ツバメケイなど具体的な種別まで指定されている。蝶も青の美しさで高名なモルフォ蝶だと思われる。
【ゾックはモビルスーツ】
ミハルの情報をもとにシャアも南米に到着、北米キャルホルニアからの増援としてゾックを受領する。水陸両用、ジャンプ力はザクの数倍というが、モビルアーマー並みの巨体、前後対称という奇妙な印象に、懐疑的なシャアが面白い。
【カイの態度】
前回ラストの絶叫を経て、カイ・シデンの言動、姿勢に微妙な成長の変化が見られる。ミハルの死は、それほどまでに彼の中では大きかったのだ。
潜水艦の中に収納されていたシャア専用ズゴックと部下2機は、どこかでガウ攻撃空母と合流。上空からジャブローに向け降下する28機のモビルスーツ部隊の中に編入されている。「何機のモビルスーツが降りられるんだ?」という有名なセリフもTV版ではシャアのもの。実際、シャアは巧みに攻撃を避けられたが、部下のリー・ホワンとジッタルのズゴックは撃破されてしまう。
【ジム登場】
地球連邦軍の本拠地ジャブローにはガンダムをベースにしたジムがすでに実戦配備されている。アムロは量産型ではなく「ガンダムの生産タイプ」と呼んでいる。
【マチルダ幻の結婚式】
アムロはマチルダの婚約者ウッディ大尉と出逢う。修理補給を担当する技術士官、ジャブロー本部勤務という役職に加え、自分の仕事に対するプライドや戦争全体への視点など、彼ならマチルダにふさわしいという描写が無駄なく置かれている。それだけに、イメージの結婚式やシャアとの戦いが際だつのである。
ズゴックの高速戦闘はジムを一瞬で葬り去り、ガンダムを発見してシャアは冷酷に笑みを浮かべる。全編を通じて屈指の名場面。シールドを貫いて反撃するアムロとガンダムの強さにも注目だ。
氷川竜介(アニメ評論家)
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