機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)
【OVA】全7話
2010年2月20日~2014年5月17日映像展開
ストーリー
地球連邦政府を転覆させうる秘密を隠した「ラプラスの箱」――U.C.0096、その「箱」を保有することで地球連邦政府との共生関係を築いたビスト財団が、ネオ・ジオン残党軍「袖付き」に「箱」を譲渡する動きを見せた。これを察知した地球連邦政府は「箱」を奪取すべく、ビスト財団の根拠地が併設された民間コロニー「インダストリアル7」に独立機動艦隊ロンド・ベルを投入する。その時、インダストリアル7の工専生バナージ・リンクスは謎の少女オードリー・バーンとの出会いを通して事件に巻き込まれ、生き別れの父カーディアス・ビストから「箱」の「鍵」であるMS「ユニコーンガンダム」を託された。各勢力の思惑が交錯し戦禍が拡大する中、事態の中心に置かれたバナージはユニコーンガンダムの「La+(ラプラス)プログラム」に導かれるように地球圏各地を転戦し、数々の「可能性」と「絶望」を目の当たりにする。そして長い旅路の果てに「箱」の下に辿り着いたバナージとオードリーが下す決断とは?
スタッフ
[原作]矢立 肇・富野由悠季(『機動戦士ガンダム』より)
[監督]古橋一浩
[脚本]むとうやすゆき
[オリジナルキャラクターデザイン]安彦良和
[アニメーションキャラクターデザイン]高橋久美子
[モビルスーツ原案]大河原邦男
[メカニカルデザイン]カトキハジメ・石垣純哉・玄馬宣彦
[メカニカルデザイン協力]明貴美加
[ディスプレイデザイン]佐山善則・上村秀勝
[設定考証]小倉信也
[ストーリー]福井晴敏
[音楽]澤野弘之
[音響監督]木村絵理子
[美術監督]池田繁美
[色彩設計]すずきたかこ
[撮影監督]葛山剛士・田中 唯
[編集]今井大介
[CGディレクター]藤江智洋
[プロデューサー]小形尚弘・桑園裕子
[企画・制作]サンライズ
キャスト
[バナージ・リンクス]内山昴輝
[オードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)]藤村 歩
[フル・フロンタル]池田秀一
[アンジェロ・ザウパー]柿原徹也
[リディ・マーセナス]浪川大輔
[マリーダ・クルス]甲斐田裕子
[スベロア・ジンネマン]手塚秀彰
[ブライト・ノア]成田 剣
[アルベルト・ビスト]高木 渉
[マーサ・ビスト・カーバイン]塩田朋子
[ローナン・マーセナス]小川真司
[カイ・シデン]古川登志夫
[カーディアス・ビスト]菅生隆之
[サイアム・ビスト]永井一郎
キャラクター
バナージ・リンクス
インダストリアル7のアナハイム高専に通う男子学生で、ビスト財団当主カーディアスの生き別れの息子。「箱」の「鍵」であるユニコーンガンダムを稼働できる唯一の人間となったことから、「箱」を巡る争乱に巻き込まれていく。
オードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)
かつてのジオン公国の独裁者一族・ザビ家唯一の生き残りで「袖付き」の象徴。「箱」の譲渡に伴う戦争を止めるため、インダストリアル7に潜入したことを契機に、事態に巻き込まれていく。オードリーは偽名で、バナージと出会ったときに名乗った。
フル・フロンタル
"シャアの再来"と呼ばれる「袖付き」の首魁で、壊滅状態のネオ・ジオンを短期間で再編した。シャアと瓜ふたつの声を持ち、パイロットとしての能力も突出している。「箱」を確保すべくユニコーンガンダムを追跡する。
リディ・マーセナス
ロンド・ベル隊のMSパイロットで、地球連邦初代首相リカルド・マーセナスの子孫。ミネバに恋心を抱くが拒否されたうえ、「箱」とそれに絡むマーセナス家の秘密を知ったことから、バナージやロンド・ベル隊と敵対する。
スベロア・ジンネマン
「袖付き」のガランシェール隊の隊長。元ジオン公国軍人。一年戦争終結直後に妻と子供を地球連邦軍に殺されたことから、反連邦活動に身を投じた。ガランシェール隊所属の強化人間マリーダ・クルスから「マスター」と呼ばれる。
ブライト・ノア
ロンド・ベル隊司令で、旗艦ラー・カイラムの艦長を兼任。「箱」に関与してしまったロンド・ベル所属艦ネェル・アーガマを救うため奔走する。バナージにかつてのガンダムパイロットたちの面影を見出し、期待をかける。
マーサ・ビスト・カーバイン
カーディアス・ビストの妹。AE(アナハイム・エレクトロニクス)社の会長一族カーバイン家に嫁いだため、社内で絶大な発言力を持つうえ、地球連邦政府との間に太いパイプを持つ。地球連邦政府と共謀し、「箱」を確保すべく暗躍する。
ローナン・マーセナス
地球連邦政府中央議会の議員であり、「影の政府」と揶揄される移民問題評議会の議長。リディの父親だが、家を嫌って出奔した息子に複雑な感情を抱いている。一年戦争を再来させかねない「箱」の開示を恐れ、その確保を目指す。
カーディアス・ビスト
U.C.0096時のビスト財団の当主。バナージの父親。祖父サイアムの「箱」譲渡計画に同意し、自身が開発を主導するユニコーンガンダムに「La+プログラム」を導入した。再会したバナージにユニコーンガンダムを託し、命を落とす。
サイアム・ビスト
「箱」を用いて地球連邦政府との共生関係を構築し、ビスト財団を打ち立てた人物。バナージの曽祖父で、コールドスリープによる延命措置で生きながらえていた。時代の停滞を憂慮し、「箱」の譲渡計画を実行に移させた。
マリーダ・クルス
「袖付き」ガランシェール隊に所属する強化人間で、クシャトリヤのパイロット。エルピー・プルシリーズの12体目のクローン「プルトゥエルブ」として生まれた。ジンネマンを「マスター」と捉えており、彼に忠実に従った。
メカニック
RX-0 ユニコーンガンダム
「UC計画」の一環として開発されたフル・サイコフレーム実装試作MSの1号機。「NT-D」が発動するとユニコーンモードからデストロイモードに変身する。バナージ専用の機体として運用され、「箱」を巡る争乱で活躍した。
RX-0 ユニコーンガンダム2号機 バンシィ
ユニコーンガンダムの2号機。「La+プログラム」を持たない点を除けば、1号機とほぼ同等の性能を持つ。マリーダによる重力下試験の後、装備や仕様が異なる「ノルン」として宇宙に投入され、リディが運用した。
MSN-06S シナンジュ
真紅に染められたフル・フロンタルの乗機で、「袖付き」を象徴する機体。元々はサイコフレームの実験機としてAE社が開発したものである。紛争末期には大型MAネオ・ジオングのコア・ユニットとして転用されている。
RGM-96X ジェスタ
「UC計画」で開発されたジェガンの上位機種。ユニコーンガンダムが敵性サイコマシンと対峙した際、他の敵戦力を排除するための機体である。重武装仕様のジェスタ・キャノンと共にロンド・ベル隊に配備され、トライスターが運用した。
RGM-89D ジェガンD型
地球連邦軍の主力MSジェガンのマイナーチェンジ仕様。機体各部に増加装備を施すことで、対艦攻撃用のスタークジェガンや偵察型のEWACジェガンなどに換装できる。系列機に特殊部隊用のジェガンDe型(エコーズ仕様)がある。
RGZ-95 リゼル
地球連邦軍の可変MS。ジェガンとの部品の共通化や可変機構の簡易化によって生産性に優れ、「箱」を巡る争乱でも多く投入された。リミッター解除が施された隊長機や、遠距離射撃型のディフェンサーbユニット装備仕様がある。
D-50C ロト
地球連邦宇宙軍特殊作戦群「エコーズ」が運用した。タンク形態への可変機構を備えるが、MS形態時の全高は約12mに過ぎない小型可変MS。ロング・キャノンやメガ・マシン・キャノンなどの武装バリエーションが存在する。
NZ-666 クシャトリヤ
「袖付き」のニュータイプ専用MS。ニュータイプ専用機クィン・マンサのコンセプトを継承しつつ、サイコフレームの導入により22m級まで小型化された。強化人間であるマリーダの運用によって、その能力を最大限に発揮できた。
YAMS-132 ローゼン・ズール
ギラ・ズールをベースに開発された機体で、アンジェロ・ザウパーが運用した。擬似オールレンジ攻撃が可能な準サイコミュ式遠隔兵器「インコム」のほか、敵機のサイコミュ機能を遮断するサイコ・ジャマーを備える。
AMS-129 ギラ・ズール
「袖付き」の主力MSで、運用性に優れる汎用機。バックパックと一体化した長距離ビーム砲など多彩なオプション装備を活かし、シナンジュやクシャトリヤをサポートした。アンジェロ・ザウパーほか、親衛隊機はカスタマイズされた高性能仕様である。
作品解説
作家・福井晴敏氏がストーリーを担当する映像作品。全7話。ジオン勢力が登場するガンダム作品としては設定の時系列上、最後期の作品で『逆襲のシャア』の3年後の世界を描いている。これまで語られなかった宇宙世紀の始まりと100年の秘密や地球連邦政府の内幕、シャア亡き後のネオ・ジオン、行方不明となっていたミネバ・ラオ・ザビ、新旧MSの登場など旧作ファンを惹き付ける要素が広範に散りばめられている。
世界観
本作の舞台となるのは『逆襲のシャア』の3年後にあたるU.C.0096の地球圏。ネオ・ジオンの弱体化により地球圏は安定化しつつあったが、これは本来の目的を忘れた地球連邦政府の固定化に繋がりかねないものだった。この事態に一石を投じたのが地球連邦政府と共生関係にあったビスト財団で、地球圏の逼塞(ひっそく)を打破すべく「ラプラスの箱」の譲渡に動いた。この結果、地球連邦政府、ビスト財団の造反組(マーサ)、ネオ・ジオン残党軍「袖付き」が「箱」の争奪戦を展開することとなった。
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