機動戦士ガンダムSEED DESTINY
【TV】全50話
2004年10月9日~2005年10月1日放送
ストーリー
C.E.73、世界を破滅寸前まで導いた第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の終結から約2年が過ぎた。地球連合とプラントの間には休戦条約「ユニウス条約」が締結されたものの、各所で小規模な戦闘が発生しており、両者の緊張は未だに続いていたのである。
同暦10月2日、両者の関係を改善するために、中立国のオーブ連合首長国首長カガリ・ユラ・アスハは、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルとの非公式会談を実現させる。だが、会談のために訪れた軍事プラント「アーモリーワン」を地球連合軍の特殊部隊が襲撃、ザフトが開発していた3機の新型MSを奪われてしまう。ザフトの新鋭艦ミネルバは、シン・アスカが搭乗するインパルスガンダムを中心として特殊部隊を追撃し、激しいMS戦闘を行う。時を同じくして、「ユニウスセブン」が地球への落下軌道に入るという未曾有の事態も発生し、再びその戦火は広がっていく――。
スタッフ
[企画]サンライズ
[原作]矢立 肇、富野由悠季
[シリーズ構成]両澤千晶
[キャラクターデザイン]平井久司
[メカニカルデザイン]大河原邦男、山根公利
[美術監督]池田繁美
[音楽]佐橋俊彦
[監督]福田己津央
キャスト
[シン・アスカ]鈴村健一
[アスラン・ザラ]石田 彰
[ルナマリア・ホーク]坂本真綾
[メイリン・ホーク]折笠富美子
[レイ・ザ・バレル]関 俊彦
[ギルバート・デュランダル]池田秀一
[キラ・ヤマト]保志総一朗
[ラクス・クライン]田中理恵
[カガリ・ユラ・アスハ]進藤尚美
[ステラ・ルーシェ]桑島法子
[スティング・オークレー]諏訪部順一
[アウル・ニーダ]森田成一
[ネオ・ロアノーク]子安武人
キャラクター
シン・アスカ
インパルスガンダムのMSパイロット。オーブで暮らしていたが、2年前の地球連合軍の侵略で両親と妹を失い、プラントへ移住。その後、ザフトの士官学校に入隊し、高いMS操縦技術で頭角を現した。
アスラン・ザラ
元ザフトのエリートパイロットで、第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後にオーブ連合首長国へ移り、カガリの補佐役を務めていた。アーモリーワンでの非公式会談に同行するが、地球連合軍による急襲に遭遇し、戦乱に巻き込まれる。
ルナマリア・ホーク
ミネルバに乗艦するザフトのエリートパイロット。レッドにカラーリングされた専用のザクウォーリアを操る。アーモリーワンでの襲撃事件後、ミネルバ部隊の主力メンバーとして行動し、地球連合軍を追跡した。
メイリン・ホーク
ルナマリアのひとつ年下の妹で、ミネルバでMSの通信管制と索敵を担当するオペレーター。クールな姉とは異なり、天真爛漫な、我の強い性格である。ミネルバに合流したアスランに想いを寄せるようになる。
レイ・ザ・バレル
シン、ルナマリアと共にザフトの士官学校を卒業し、ミネルバ部隊に配属されたエリートパイロット。乗機は白いザクファントム。常に沈着冷静だが、デュランダルの前では異なる一面を見せる。
ギルバート・デュランダル
「ユニウス条約」締結後、プラント最高評議会議長に就任した人物。地球連合やオーブとの対話を重視する一方、プラント防衛のため新型MSを開発するなど、軍備の強化を図っていた。何か大きな野望を抱いているようだが……。
キラ・ヤマト
C.E.71の戦乱終結に大きく貢献したフリーダムガンダムのパイロット。第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後、オーブにあるマルキオ導師邸でラクスと共に暮らしていたが、彼らの下にも戦乱の影が忍び寄る。
ラクス・クライン
第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後、支持者が多く残るプラントを離れ、オーブのマルキオ導師邸に身を寄せている。だがクライン派のリーダーとして秘密裏に活動し、キラの乗機フリーダムを整備するなど、新たな戦争に備えていた。
カガリ・ユラ・アスハ
オーブ連合首長国の若き代表首長。「ユニウス条約」締結後、プラントと地球連合の関係改善と軍縮を求め、両者に働きかけていた。その活動が実を結んだデュランダルとの非公式会談の際、地球軍の襲撃に巻き込まれる。
ステラ・ルーシェ
身体能力、精神を強化された女性エクステンデッドで、地球軍の非正規部隊「ファントムペイン」のメンバー。アーモリーワンでザフトの新型MS・ガイアガンダムを奪取し、以後乗機としてミネルバ隊と死闘を繰り広げた。
スティング・オークレー
アーモリーワン襲撃に参加した「ファントムペイン」のエクステンデッド兵。同作戦に参加したステラ、アウルのリーダー的存在である。ザフトから奪取したカオスガンダムを乗機とし、ミネルバ隊と交戦する。
アウル・ニーダ
「ファントムペイン」のエクステンデッド兵であり、参加したアーモリーワンへの襲撃作戦でアビスガンダムを奪取した。ステラ、スティング同様、MSの操縦能力は非常に高く、ミネルバ隊を圧倒した。
ネオ・ロアノーク
アーモリーワンを襲撃した「ファントムペイン」の一部隊、ネオ隊のリーダー。旗艦はミラージュコロイドを搭載した戦艦ガーティー・ルーである。自らもMAエグザスやMSウィンダムなどに搭乗し、前線に出ることもあった。
メカニック
ZGMF-X56S インパルスガンダム
ザフトの新世代MSシリーズ、セカンドステージシリーズに属するMS。機体は3つのパーツに分離でき、戦場での換装も可能である。また数種の兵装ユニット「シルエットシステム」によって、高い汎用性を発揮する。(画像はフォースインパルスガンダム)
ZGMF-X23S セイバーガンダム
セカンドステージシリーズに属する可変型MS。加速力・旋回力に優れた飛行形態、近接戦闘に対応するMS形態を瞬時に切り替えられる機構を持ち、一撃離脱戦法を得意とした。ザフトに復帰したアスラン・ザラの乗機となる。
ZGMF-1000 ザクウォーリア/ZGMF-1001 ザクファントム
ザフトがジンやゲイツに代わる主力機として開発した、ニューミレニアムシリーズのひとつ。一般兵用がザクウォーリア、指揮官用がザクファントムで、ウィザードシステムと呼ばれる背部の換装機構によって多彩な戦況に対応する。(画像はザクウォーリア)
ZGMF-X88S ガイアガンダム
ザフト・セカンドステージシリーズに属するMS。バクゥのコンセプトを引き継いだ四足獣型MA形態への変形機構を持ち、地上戦やコロニー内の戦闘でその実力を発揮する。アーモリーワンで地球連合軍に奪取されてしまう。
ZGMF-X24S カオスガンダム
ザフト・セカンドステージシリーズとして開発された、高機動型のMS。スラスターと小型ビーム砲を装備した「機動兵装ポッド」を背部に備え、小型ビーム砲を分離・運用することでオールレンジ攻撃が可能となる。
ZGMF-X31S アビスガンダム
水中戦と砲撃戦に長けた、ザフト・セカンドステージシリーズのひとつ。水中では潜水艦型の巡航MA形態となり、高い機動性を発揮する。地上では肩部ユニットに備えたビーム砲での後方支援を得意としている。
ZGMF-X2000 グフイグナイテッド
ザクと同時期に開発された、ザフト・ニューミレニアムシリーズに属するMS。大型フライトユニットを設置して高い機動性を実現したほか、多彩な格闘兵器を備え、近接格闘を得意とする。指揮官用として配備後、量産機も登場した。
ZGMF-X42S デスティニーガンダム
核エンジンとデュートリオンエンジンのハイブリット機関「ハイパーデュートリオン」を搭載した高出力MS。掌部に備えた近接戦闘用ビーム兵器、光の翼を生み出す大型ウイングなど、ザフトの高い技術が多数投入されている。
ZGMF-X666S レジェンドガンダム
デスティニーと同時期に開発された、「ハイパーデュートリオン」搭載型のMS。プロヴィデンスガンダムの発展機で、無線誘導ビーム砲とスラスターを備えた「ドラグーン・システム」が一新され、より高い運用性を獲得している。
ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダム
フリーダムガンダムの発展機で、クライン派のMS工厰「ファクトリー」で整備されていたMS。高い機動力を生み出すウイング内にドラグーン・システムを新たに搭載し、単機で複数の敵機を攻撃することが可能となっている。
ZGMF-X19A インフィニットジャスティスガンダム
ストライクフリーダムガンダムと共に「ファクトリー」で整備されていたMS。ジャスティスの兵装ユニット「ファトゥム-00」を強化、攻撃力を高めた「ファトゥム-01」を備え、多彩な射撃兵器と格闘兵器で他機を圧倒する。
ORB-01 アカツキ
オーブが、カガリ・ユラ・アスハ用に開発していたゴールドのMS。ビーム防御・反射システム「ヤタノカガミ」を装甲表面にコーティングしており、圧倒的な防御性能を誇る。宇宙用、地上用の兵装ユニットが用意されている。
ミネルバ
セカンドステージシリーズの運用を想定した戦艦、水上を含む大気圏、宇宙双方で運用が可能。戦場でMSにエネルギーを補給するデュートリオンビーム送信装置を搭載している。主武装は陽電子砲「タンホイザー」。
作品解説
『機動戦士ガンダムSEED』から2年後の世界を描いた続編。地球連合軍に肉親を殺害されたザフト兵、シン・アスカの目線から、再び勃発したザフトと地球軍の戦乱を描いている。また、前作にも登場し、最終決戦では共闘したキラ・ヤマト、アスラン・ザラ、ラクス・クラインが、それぞれの立場・ 理念から戦争終結を目指そうと奮闘する姿も見所のひとつである。合体機構を持つインパルスをはじめ、ザクウォーリアやグフイグナイテッドなど、過去のガンダム作品のデザインを踏襲したMSも登場。フリーダムやジャスティスといった前作の機体も再登場している。キャラクターには新たにレイ・ザ・バレルやルナマリア・ホークといった個性的な面々を加え、前作同様の人気を誇った。
世界観
世界を破滅寸前にまで追い込んだC.E.71の大規模な戦闘「第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦」終結後、プラントと地球連合の間で「ユニウス条約」が締結された。核動力やミラージュコロイドの使用禁止など、ザフト、地球連合軍双方に軍縮を求める内容で、両者の軍事衝突に歯止めをかける大きな一歩として期待されていた。だが、この条約に違反しない形で、ザフトは新型MS群「セカンドステージシリーズ」「ニューミレニアムシリーズ」などを開発し、積極的な軍備増強を推進。一方の地球軍も、非正規という扱いで「ファントムペイン」と呼ばれる特殊部隊を結成、ミラージュコロイド搭載艦を配備するなど、「ユニウス条約」の効力は徐々に薄れていったのである。この間、再びナチュラルとコーディネイターの軋轢が増し、C.E.73、「ファントムペイン」によるアーモリーワン襲撃事件以降、大規模な戦闘が各地で勃発したのだった。
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