新機動戦記ガンダムW
【TV】全49話
1995年4月7日~1996年3月29日放送
ストーリー
人類が宇宙へと進出し、スペース・コロニーで新たな生活を営み始めたアフター・コロニー(A.C.)。地球で勢力を保持する地球圏統一連合は、独立や自治権を訴えるコロニー国家群との対立を強めていた。連合は武力によってコロニー国家群を抑えていたが、A.C.195年、L1からL5までの各コロニーより、突如として5機のガンダムが降下、連合の軍事組織OZ(オズ)の基地を急襲する。「オペレーション・メテオ」と呼ばれるこの作戦を実行したのは、ヒイロ・ユイなど、まだ幼い5人の少年であった。
彼らの行動は連合やOZをはじめ、多くのコロニー国家群にも衝撃を与える一方で、その存在を利用しようとする天才的指導者トレーズ・クシュリナーダや、仮面のMSパイロット、ゼクス・マーキスらが台頭する。さらに、完全平和を実現しようとする小国の姫リリーナ・ピースクラフトも支持者を集め、やがて世界を揺るがす大きな事態へと発展する――。
スタッフ
[企画]サンライズ
[原作]矢立 肇、富野由悠季(『機動戦士ガンダム』より)
[シリーズ構成]隅沢克之
[キャラクターデザイン]村瀬修功
[メカニカルデザイン]大河原邦男、力トキハジメ、石垣純哉
[美術監督]佐藤 勝、竹田悠介
[音楽]大谷 幸
[監督]池田 成
キャスト
[ヒイロ・ユイ]緑川 光
[デュオ・マックスウェル]関 俊彦
[トロワ・バートン]中原 茂
[カトル・ラバーバ・ウィナー]折笠 愛
[張五飛(チャン・ウーフェイ)]石野竜三
[リリーナ・ピースクラフト(リリーナ・ドーリアン)]矢島晶子
[ゼクス・マーキス]子安武人
[トレーズ・クシュリナーダ]置鮎龍太郎
[レディ・アン]紗ゆり
[ルクレツィア・ノイン]横山智佐
[サリィ・ポォ]冬馬由美
キャラクター
ヒイロ・ユイ
ウイングガンダムのパイロット。ドクターJによって幼い頃からガンダムのパイロットとして養育されたため、高い操縦技術を有する。骨折した足を自ら直すなど、常人離れした身体能力を持つ。
デュオ・マックスウェル
ガンダムデスサイズのパイロット。コロニーの遊牧民的グループ「スイーパーグループ」に属しており、秘密工作能力に長ける。自らを「死神」と称するが、その性格は明るく他人想いで、無愛想なヒイロにも分け隔てなく接した。
トロワ・バートン
ガンダムヘビーアームズのパイロット。名前も持たない傭兵だったが、殺害された本物のトロワの代わりに「オペレーション・メテオ」に参加した。普段はその身体能力を活かし、サーカス団の道化師として活躍する。
カトル・ラバーバ・ウィナー
ガンダムサンドロックのパイロット。中東諸国と強い繋がりを持つコロニーの資産家、ウィナー家の嫡男で、部下のマグアナック隊を率いて行動する。音楽を愛する心優しき少年で、戦場でもできるだけ相手の命を奪わないように行動していた。
張五飛(チャン・ウーフェイ)
「オペレーション・メテオ」に参加したシェンロンガンダムのパイロット。L5コロニーを拠点とする竜一族の代表者で、一族に代々受け継がれる拳法を習得している。「強い者が正義」という信条を持つ少年で、単独行動を好む。
リリーナ・ピースクラフト(リリーナ・ドーリアン)
完全平和主義を唱えたサンクキングダムの指導者・ピースクラフト王の遺児で、連合のドーリアン外務次官の養子として育てられていた。海岸で倒れているヒイロに遭遇したことがきっかけで戦争に巻き込まれる。
ゼクス・マーキス
ある「復讐」のために仮面を付けたOZのエースパイロット。その正体はピースクラフト家の遺児で、リリーナの兄である。ガンダムの性能と死を厭わないパイロットたちの行動に感銘を受け、戦士として彼らとの対決を望んだ。
トレーズ・クシュリナーダ
OZの幹部で、指導者として絶大なカリスマ性と能力を持つ。バラの花と人類が命を賭けて行なう“エレガント”な戦争を好む。「オペレーション・メテオ」で降下したガンダムを利用し、OZでの主導権を握ろうと画策する。
レディ・アン
丸縁のメガネをかけたトレーズの補佐官で、OZ実働部隊の指揮も執る。トレーズには公私共に心酔していた。トレーズの野望を実現するためなら卑劣な作戦も厭わない冷酷な一面を持つ。
ルクレツィア・ノイン
OZのパイロット育成施設で活動する教育士官。ゼクスとはOZ士官学校時代の同級生で、想いを寄せている。「オペレーション・メテオ」ではシェンロンガンダムの攻撃に対しMSエアリーズで出撃する。
サリィ・ポォ
OZに所属する医療クルー。医師としてのプライドは高く、敵味方かかわらず人命を最優先にして行動する。ウイングガンダムのパイロット、ヒイロ・ユイを医務室に収容、治療した際、その驚異的な身体能力に驚きを隠せないでいた。
メカニック
XXXG-01W ウイングガンダム
ドクターJが開発した、ガンダニュウム合金製のMS。可変機構を持ち、バード形態では優れた加速性能を実現、高度な一撃離脱戦法が可能となっている。主武装はバスターライフルとビームサーベル。
XXXG-00W0 ウイングガンダム0(ゼロ)
ドクターJをはじめ、ガンダムを開発した5人の技師が共同で開発した、5機のガンダムの原型となった機体。バード形態を持つ可変MSで、搭乗者の能力を強制的に引き上げる「ゼロシステム」を搭載する。ツインバスターライフルはコロニーを一撃で破壊するほどの攻撃力を有する。
XXXG-01D ガンダムデスサイズ
プロフェッサーGによって開発された漆黒のガンダムで、高いステルス性能を持つ。機動性にも優れ、奇襲や強襲行動に長ける。主兵装は、鎌状の格闘兵器ビームサイズ。後に防御力を強化したガンダムデスサイズH(ヘル)に改修された。
XXXG-01H ガンダムヘビーアームズ
ドクトルSによって開発された砲撃戦仕様のガンダム。重装甲、重武装が特徴で、胸部のビームマシンガンをはじめ、機体各所にミサイルや射撃兵器を搭載する。のちにビームガトリングを2連装としたガンダムヘビーアームズ改に改修された。
XXXG-01SR ガンダムサンドロック
H教授が開発した局地戦対応型MS。防塵対策が施されるなど、砂漠に代表される不整地での運用を想定した機体で、防御性能にも秀でている。主兵装は、大型のヒートショーテル。後にガンダムサンドロック改に改修され、宇宙戦にも対応した。
XXXG-01S シェンロンガンダム
O老師が開発したガンダムで、五飛からは「ナタク」と呼ばれる。主兵装は、伸縮自在のドラゴンハングとナギナタ状のビームグレイヴで、これらを駆使した格闘戦を得意とする。後に攻撃力を増したアルトロンガンダムに改修された。
OZ-00MS トールギス
A.C.で初めて開発された戦闘用MS。圧倒的な推力を保有し、重装甲でありながら宇宙、地上でも高い機動性を誇る。一方で搭乗者への負担が大きく、操縦が困難な機体でもあった。リーオーの原型となったため、「プロトタイプ・リーオー」とも呼ばれる。
OZ-06MS リーオー
トールギスをベースに開発されたOZの制式MS。装甲や推力は原型機に比べ低下したが、操縦性は向上し、一般兵でも容易に扱える機体となっている。高機動ブースターなど多彩なオプションパーツを持ち、あらゆる状況に対応した。
OZ-02MD ビルゴ
OZのツバロフ技師長が開発した、無人操作型MSで、MD(モビルドール)と呼ばれる。3機1組で行動するのが基本で、1組につき有人機によるサポートが必要となっていた。主兵装はビームキャノン。
OZ-13MS ガンダムエピオン
トレーズが設計、開発を行ったOZ製のガンダム。「エレガントな戦い」を好むトレーズのこだわりを反映し、 完成当初は射撃兵器を装備していなかった。「ゼロシステム」と似たパイロット強化システム「エピオンシステム」を搭載する。
作品解説
『機動武闘伝Gガンダム』に続き、非宇宙世紀のガンダムシリーズ第2弾として登場したTV作品。ガンダム5機が突如として巨大勢力を急襲する場面からダイナミックに物語がスタートし、その後も息をつかせぬ展開が最終回まで続いていった。5人のガンダムパイロットをはじめ、ゼクスやトレーズといった美形の男性キャラが数多く登場し、ケレン味溢れる演出も伴って、多くの女性ファンを獲得することに成功した。アメリカで放映された初めてのガンダム作品でもある。
世界観
独立を求めたコロニー国家群と、これに反対する地球圏統一連合の対立を決定的にしたものは、A.C.175年に起きたコロニー側の指導者ヒイロ・ユイの暗殺事件である。ヒイロ・ユイは、「非武装・非暴力」による自治権獲得を訴え、コロニー居住者、また一部ではあるが地球の国家からも賛同を得ていた。だが、彼が暗殺されたことでコロニーは混乱し、その後MSを開発した地球圏統一連合による軍事的な圧力も強化されたのである。これにより沈黙したかに見えたコロニー国家群だが、ヒイロに近い関係者たちは、暗殺の実行犯である連合への復讐を秘密裏に企てていた。その結果、「オペレーション・メテオ」が実行されたのである。
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