2012年5月2日 (水)
ガンダムのお約束 ~その3~『宇宙世紀』とは
”ガンダムってなんだ!?“ という素朴な疑問(?)に答えるガンダム超初心者「限定」のゆるコラム、第3回!
あまりのゆるさにガンダム界から賛否両論(汗)、“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)、第3回目は、前回に引き続き『~ガンダムのお約束・その3~』についてお話しします。
第1回では、ガンダムの「顔」と「カラーリング」、そして 第2回では「仮面の人」と「ハロ」について触れましたが、今回もガンダムといえばこれははずせない、的な「あの」言葉に関する事柄です。
その1
ガンダムといえば、『宇宙世紀』という概念があるのがお約束!
さて、みなさんもガンダムについて知れば知るほど、なにかと『宇宙世紀』という言葉を耳にすることが多くなってくるはず。
いきなりのマジ専門用語っぽい響きに「わ、なんだそれ?」的な部分もあるかとは思いますが、この『宇宙世紀』というのは、ガンダムシリーズというものを知る上で欠かすことのできない大事な概念の一つなんですよー。
『宇宙世紀』(Universal Century:U.C.)とは、ガンダムシリーズにおいて、世界観に関わるとても重要な決まり事の一つなんですが、初代の『機動戦士ガンダム』は、宇宙世紀“0079年”(U.C.0079)というところからお話が始まります。
ガンダムシリーズの記念すべき最初の作品が1979年(昭和54年)に放送が始まって、同じく「宇宙世紀」の下2桁に同じ数字が並ぶのは、まさに偶然の一致(!?)によるところでしょうが、とにかく、ここから始まる「宇宙世紀シリーズ」というのは、アニメーション作品の世界観としても非常に大きなものなんですね。
平たくいうと、「宇宙世紀」というのは、最初のガンダムからずっと続いている(シリーズ・物語の中の)一つの「時間軸」と考えればいいかもしれません。
つまり、「宇宙世紀シリーズ」においては、同じ時間軸の上の同じ世界の中で、大きな流れに沿った様々なお話が進んでいくということです。
「宇宙世紀シリーズ」はテレビシリーズ第1作目の『機動戦士ガンダム』から、最新OVAの『機動戦士ガンダムUC』まで、なんと(!)30年以上も長く続いていてやってきているので、そりゃもういっぱい作品数があります。
つまり、「宇宙世紀シリーズ」は、数あるガンダム作品の中でも、最大・最強の勢力を誇る、まさに無敵! のシリーズなのであります!!(と、なぜか某軍曹風に言ってみる)。
で、実はガンダムシリーズの中には「機動戦士」とタイトルについている作品ものと、そうじゃないのがあるのって……知ってました?
その2
ガンダムといえば、『宇宙世紀』シリーズと、『宇宙世紀』以外の別のシリーズがあるのがお約束!
カンのいい人なら、「え、それって、ひょっとして宇宙世紀となんか関係あるの? ないの??」とか思うでしょ?
これ、初代はもちろん「宇宙世紀シリーズ」の“機動戦士”ガンダムなんですが、じゃ、その後もずっとそうなのかというと、これまた一概にそうとも言えないんですよね。
テレビアニメシリーズの流れとして「機動戦士」とついている「宇宙世紀シリーズ」は『機動戦士Vガンダム』で一旦止まって、以降の『機動武闘伝Gガンダム』から2012年の現在までは、“機動戦士”とタイトルについていても“宇宙世紀シリーズ”ではない(←ここ、少しややこしいですがひじょーに重要!)、という作品がずーっと続いているということになったりします。
最近では“21世紀ガンダム”とも呼ばれている『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダム00』『機動戦士ガンダムAGE』といった作品がそれにあたるのですが、テレビシリーズ以外のアニメーション作品としては、近作のOVA『機動戦士ガンダムUC』が『機動戦士ガンダム第08MS小隊』以来、13年ぶりの正統な「宇宙世紀」の流れの中での映像作品となるわけです。
「宇宙世紀」以外の作品群では、先に述べた時間軸の上で「宇宙世紀シリーズ」の番外編ともいえる部分を上手く生かして、新しいモノや分野への取り組み(新機軸など)に大胆に挑戦している作品が多いです。
つまり、ガンダムシリーズの中では大きく分けて『宇宙世紀』シリーズと、『宇宙世紀』とは別の流れのシリーズという2つの流れがあると! そういうことなんですねー!
その3
ガンダムといえば、『宇宙世紀』上でのリアルな時間軸に沿った歴史やエピソードがあるのがお約束!
初代ガンダムから30年に渡って続く歴史の中でも「宇宙世紀シリーズ」は、やっぱり一番“コア”なガンダムファンの方々が好むシリーズなんだそうです(特に人気のある宇宙世紀上の年代は『機動戦士Zガンダム』以降『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のあたりらしい)
0079年から始まる「宇宙世紀」ですが、0080年代からは早い者勝ち(笑)、原則として先にお話を作った部分から設定や歴史が決まっていきます。
これは、宇宙世紀が一つの時間軸の上で進む話である以上、一度公式に決まった設定は、宇宙世紀の中であとから絶対的に覆すことのできない「歴史上の出来事」となっていくわけなんです。
どういうことかというと、後からお話を作るには、すでに決まった(時間軸上の)条件の中で上手くつじつまを合わせていくしかないということになるんです。
これは、ガンダムというか、宇宙世紀という壮大かつSF的な世界観の中で、歴史の年表をコツコツと作っていく作業、と考えればわかりやすいですね。
こういうのはむしろ戦争映画やミリタリーの分野とかに近い考え方といえるかもです。
その時代背景に沿った武器・兵器、戦術などを考慮しないと、話の流れや中身の整合性がとれなくなってしまいます。ガンダムで言えば、内戦があったり、モビルスーツの進化や系統だったりetc.……と、なんだかちょっと大変かも。
でも、実はそれこそが見ている側にとっては楽しいこだわりどころだったり、みんなを夢中にする重厚な設定の魅力となったりするわけですね。
初代から『機動戦士ガンダムUC』までの作品に一貫して流れている「宇宙世紀」という時間軸の中では、登場するキャラクターだってちゃんと年をとっていきます。あのブライトさんだって作品中で年をとっていくんですよ~。
(※ブライト・ノア=ガンダムシリーズの登場人物の一人。言わずと知れた地球連邦軍・ホワイトベースをはじめとした“艦長さん”として有名。『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダムUC』 までの宇宙世紀シリーズに数多く登場しているキャラクター。初登場時は19歳だった彼も、最新作「ガンダムUC」ではなんと36歳!)
と、いうわけで、テレビシリーズに関しては、「宇宙世紀」ものは『機動戦士Vガンダム』以降、まだ新作が作られてはいませんが、その一方でゲームや小説、そしてマンガなどでは新たな「宇宙世紀シリーズ」が次々と作られ続けているわけなんです。
初代から脈々と続く「宇宙世紀」シリーズの中で、今度はどんな今までに見たことのない、新しい“ガンダム”の姿を見ることができるのか、今からちょー楽しみ! ですね~。
さてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
文/馬場絵麻
あまりのゆるさにガンダム界から賛否両論(汗)、“超々初心者向けガンダム入門・ゆるコラム”(!?)、第3回目は、前回に引き続き『~ガンダムのお約束・その3~』についてお話しします。
第1回では、ガンダムの「顔」と「カラーリング」、そして 第2回では「仮面の人」と「ハロ」について触れましたが、今回もガンダムといえばこれははずせない、的な「あの」言葉に関する事柄です。
その1
ガンダムといえば、『宇宙世紀』という概念があるのがお約束!
さて、みなさんもガンダムについて知れば知るほど、なにかと『宇宙世紀』という言葉を耳にすることが多くなってくるはず。
いきなりのマジ専門用語っぽい響きに「わ、なんだそれ?」的な部分もあるかとは思いますが、この『宇宙世紀』というのは、ガンダムシリーズというものを知る上で欠かすことのできない大事な概念の一つなんですよー。
『宇宙世紀』(Universal Century:U.C.)とは、ガンダムシリーズにおいて、世界観に関わるとても重要な決まり事の一つなんですが、初代の『機動戦士ガンダム』は、宇宙世紀“0079年”(U.C.0079)というところからお話が始まります。
ガンダムシリーズの記念すべき最初の作品が1979年(昭和54年)に放送が始まって、同じく「宇宙世紀」の下2桁に同じ数字が並ぶのは、まさに偶然の一致(!?)によるところでしょうが、とにかく、ここから始まる「宇宙世紀シリーズ」というのは、アニメーション作品の世界観としても非常に大きなものなんですね。
平たくいうと、「宇宙世紀」というのは、最初のガンダムからずっと続いている(シリーズ・物語の中の)一つの「時間軸」と考えればいいかもしれません。
つまり、「宇宙世紀シリーズ」においては、同じ時間軸の上の同じ世界の中で、大きな流れに沿った様々なお話が進んでいくということです。
「宇宙世紀シリーズ」はテレビシリーズ第1作目の『機動戦士ガンダム』から、最新OVAの『機動戦士ガンダムUC』まで、なんと(!)30年以上も長く続いていてやってきているので、そりゃもういっぱい作品数があります。
つまり、「宇宙世紀シリーズ」は、数あるガンダム作品の中でも、最大・最強の勢力を誇る、まさに無敵! のシリーズなのであります!!(と、なぜか某軍曹風に言ってみる)。
で、実はガンダムシリーズの中には「機動戦士」とタイトルについている作品ものと、そうじゃないのがあるのって……知ってました?
その2
ガンダムといえば、『宇宙世紀』シリーズと、『宇宙世紀』以外の別のシリーズがあるのがお約束!
カンのいい人なら、「え、それって、ひょっとして宇宙世紀となんか関係あるの? ないの??」とか思うでしょ?
これ、初代はもちろん「宇宙世紀シリーズ」の“機動戦士”ガンダムなんですが、じゃ、その後もずっとそうなのかというと、これまた一概にそうとも言えないんですよね。
テレビアニメシリーズの流れとして「機動戦士」とついている「宇宙世紀シリーズ」は『機動戦士Vガンダム』で一旦止まって、以降の『機動武闘伝Gガンダム』から2012年の現在までは、“機動戦士”とタイトルについていても“宇宙世紀シリーズ”ではない(←ここ、少しややこしいですがひじょーに重要!)、という作品がずーっと続いているということになったりします。
最近では“21世紀ガンダム”とも呼ばれている『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダム00』『機動戦士ガンダムAGE』といった作品がそれにあたるのですが、テレビシリーズ以外のアニメーション作品としては、近作のOVA『機動戦士ガンダムUC』が『機動戦士ガンダム第08MS小隊』以来、13年ぶりの正統な「宇宙世紀」の流れの中での映像作品となるわけです。
「宇宙世紀」以外の作品群では、先に述べた時間軸の上で「宇宙世紀シリーズ」の番外編ともいえる部分を上手く生かして、新しいモノや分野への取り組み(新機軸など)に大胆に挑戦している作品が多いです。
つまり、ガンダムシリーズの中では大きく分けて『宇宙世紀』シリーズと、『宇宙世紀』とは別の流れのシリーズという2つの流れがあると! そういうことなんですねー!
その3
ガンダムといえば、『宇宙世紀』上でのリアルな時間軸に沿った歴史やエピソードがあるのがお約束!
初代ガンダムから30年に渡って続く歴史の中でも「宇宙世紀シリーズ」は、やっぱり一番“コア”なガンダムファンの方々が好むシリーズなんだそうです(特に人気のある宇宙世紀上の年代は『機動戦士Zガンダム』以降『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のあたりらしい)
0079年から始まる「宇宙世紀」ですが、0080年代からは早い者勝ち(笑)、原則として先にお話を作った部分から設定や歴史が決まっていきます。
これは、宇宙世紀が一つの時間軸の上で進む話である以上、一度公式に決まった設定は、宇宙世紀の中であとから絶対的に覆すことのできない「歴史上の出来事」となっていくわけなんです。
どういうことかというと、後からお話を作るには、すでに決まった(時間軸上の)条件の中で上手くつじつまを合わせていくしかないということになるんです。
これは、ガンダムというか、宇宙世紀という壮大かつSF的な世界観の中で、歴史の年表をコツコツと作っていく作業、と考えればわかりやすいですね。
こういうのはむしろ戦争映画やミリタリーの分野とかに近い考え方といえるかもです。
その時代背景に沿った武器・兵器、戦術などを考慮しないと、話の流れや中身の整合性がとれなくなってしまいます。ガンダムで言えば、内戦があったり、モビルスーツの進化や系統だったりetc.……と、なんだかちょっと大変かも。
でも、実はそれこそが見ている側にとっては楽しいこだわりどころだったり、みんなを夢中にする重厚な設定の魅力となったりするわけですね。
初代から『機動戦士ガンダムUC』までの作品に一貫して流れている「宇宙世紀」という時間軸の中では、登場するキャラクターだってちゃんと年をとっていきます。あのブライトさんだって作品中で年をとっていくんですよ~。
(※ブライト・ノア=ガンダムシリーズの登場人物の一人。言わずと知れた地球連邦軍・ホワイトベースをはじめとした“艦長さん”として有名。『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダムUC』 までの宇宙世紀シリーズに数多く登場しているキャラクター。初登場時は19歳だった彼も、最新作「ガンダムUC」ではなんと36歳!)
と、いうわけで、テレビシリーズに関しては、「宇宙世紀」ものは『機動戦士Vガンダム』以降、まだ新作が作られてはいませんが、その一方でゲームや小説、そしてマンガなどでは新たな「宇宙世紀シリーズ」が次々と作られ続けているわけなんです。
初代から脈々と続く「宇宙世紀」シリーズの中で、今度はどんな今までに見たことのない、新しい“ガンダム”の姿を見ることができるのか、今からちょー楽しみ! ですね~。
さてさてさて、今回はここまで。次回も引き続き、『ガンダム』のお約束ごとについて、ゆる~く探っていきたいと思います。
【著者プロフィール】
馬場 絵麻
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
脚本家。暴れん坊シナリオライターです。
ガンダムの魅力と素晴らしさを伝えるため、日々研鑽中!
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