Gundam Meets Businessのシーズン2として初回となった第11回「VUCAワールドにリーダーはどう立ち向かえばよいか」はいかがでしたか?
今回は、VUCA時代にも有効な概念であるコ・クリエーションをガンダムに例えながら考えてみましょう。
今回は、VUCA時代にも有効な概念であるコ・クリエーションをガンダムに例えながら考えてみましょう。
コ・クリエーションは日本語では「価値共創」と訳される概念です。多くの経営者に親しまれた『コア・コンピタンス経営』の著者、C・K・プラハラードなどが提唱しました。
最近では、社内外のパートナーと直接・間接に協働し、新しい価値を創造することなどもコ・クリエーションと呼ばれるようになってきました。なかでも特徴的なのは、本来は消費をする存在であった消費者との協働による価値創造でしょう。
消費者それぞれの自由な使い方を観察・理解して、そうした使い方に適した製品に改良していくといった消極的な方法から、直接ユーザーにインタビューして議論したり、あるいは一緒にデザインしたりと積極的に巻き込んでいく方法まで、さまざまなアプローチがありえます。
以前はメーカーの技術者が技術の改良にもとづいて、基本的な属性を改善した「よりよい製品」を開発していました。より汚れの落ちる洗剤、よりパワフルなエンジンの自動車、といった具合です。宇宙世紀における初期のモビルスーツ開発でも、信頼性や稼働時間といった汎用性に関する基本的な属性が重要だったことでしょう。
その後、消費者調査の手法が導入され、技術に立脚しつつも顧客の課題にこたえる商品が開発されるようになっていきます。多くのカテゴリーで製品性能は大きく改善し、目につく不満は解消され、近年では消費者は欲しいものを言明しにくくなってきました。いまのままでも、消費に関わる生活に目立った不満は見当たらないのです。
とはいえ、わたしたちの生活がこれ以上の進歩しないわけではないはずです。こうしたジレンマの解消のために、あたらしい消費者の観察法や調査手法が提唱・開発されたり、新しい開発アプローチが考え出されたりしました。コ・クリエーションはそうした方法のひとつだと理解できます。
宇宙世紀の兵器火器のなかには、現地で改修されたり流用されるものがあります。MS-07B グフの左手の固定装備である5連装75mm機関砲を外して通常のマニピュレーターに換装する改修などは、ひとつのコ・クリエーションといえるかもしれません。そうした機体がジャイアント・バズを装備してジャブローの降下作戦に参加していた様子も確認されています。
最近では、社内外のパートナーと直接・間接に協働し、新しい価値を創造することなどもコ・クリエーションと呼ばれるようになってきました。なかでも特徴的なのは、本来は消費をする存在であった消費者との協働による価値創造でしょう。
消費者それぞれの自由な使い方を観察・理解して、そうした使い方に適した製品に改良していくといった消極的な方法から、直接ユーザーにインタビューして議論したり、あるいは一緒にデザインしたりと積極的に巻き込んでいく方法まで、さまざまなアプローチがありえます。
以前はメーカーの技術者が技術の改良にもとづいて、基本的な属性を改善した「よりよい製品」を開発していました。より汚れの落ちる洗剤、よりパワフルなエンジンの自動車、といった具合です。宇宙世紀における初期のモビルスーツ開発でも、信頼性や稼働時間といった汎用性に関する基本的な属性が重要だったことでしょう。
その後、消費者調査の手法が導入され、技術に立脚しつつも顧客の課題にこたえる商品が開発されるようになっていきます。多くのカテゴリーで製品性能は大きく改善し、目につく不満は解消され、近年では消費者は欲しいものを言明しにくくなってきました。いまのままでも、消費に関わる生活に目立った不満は見当たらないのです。
とはいえ、わたしたちの生活がこれ以上の進歩しないわけではないはずです。こうしたジレンマの解消のために、あたらしい消費者の観察法や調査手法が提唱・開発されたり、新しい開発アプローチが考え出されたりしました。コ・クリエーションはそうした方法のひとつだと理解できます。
宇宙世紀の兵器火器のなかには、現地で改修されたり流用されるものがあります。MS-07B グフの左手の固定装備である5連装75mm機関砲を外して通常のマニピュレーターに換装する改修などは、ひとつのコ・クリエーションといえるかもしれません。そうした機体がジャイアント・バズを装備してジャブローの降下作戦に参加していた様子も確認されています。
外装式の武装が使えることで、より多くのパイロットの搭乗を可能にし、多様な運用が可能になったのかもしれません。また、ジオン軍のMBT(メインバトルタンク)とも言えるマゼラアタックの主砲を、ランバ・ラル隊は補給の不足を補うために臨時に使用していたようですが、『第08MS小隊』の舞台である東南アジア戦線では一般的に配備されていたようです。
同時発生的に運用が始まった可能性もありますが、ひょっとすると、これもユーザーからのフィードバックが適切になされ、コ・クリエーションが効果的に実践された成果かもしれません。
顧客からのフィードバックを製品改良へと反映したり、消費者が見つけた新しい使い方をアイデアの種として採用することは、消費者中心を唱える多くの企業で一般化してきたように思われます。同時に、VUCAな様相が強まる競争環境下では、こうしたオープンな共創が思わぬ競争優位をもたらすこともあるでしょう。それは、イノベーションとして新しい結合を促したり、新しい資源として戦略を強化することに直結するからです。
さて、前回と今回はVUCAワールドやコ・クリエーションなど競争・協働環境の変化においてビジネスでどう生き抜いていくか、をテーマにお届けしました。
Gundam Meets Businessでは、皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。「ぜひこんなテーマを扱って欲しい」「ビジネスでこんな課題を抱えている」「こんな用語をガンダムで解説すると?」など、お寄せください。連載の参考にさせていただきます。お便りは、ガンダムインフォのお問い合わせフォームよりお願い致します。
GMBとは
ガンダムをこよなく愛し、ガンダムでビジネスを語る、謎でもないマーケターユニット。
音部 大輔
日米P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、資生堂などで、マーケティング担当副社長やCMOとしてマーケティング組織を構築・指揮し、持続的成長を実現。2018年より株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役。国内外のさまざまなクライアント企業にマーケティング組織強化など提供。博士(経営学 神戸大学)。日本マーケティング学会 理事。日経BPマーケター・オブ・ザ・イヤー審査員、日経BtoBデジタル・マーケティングアワード審査員。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)
田中 準也
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
新卒でクレディセゾン入社。その後ジェイアール東日本企画、電通、トランスコスモス、メトロアドエージェンシー、電通レイザーフィッシュ(現電通アイソバー)を経て、2015年インフォバーン入社。2017年に取締役に就任。2019年より取締役COO。マスからデジタルまで精通し、オンラインとオフラインを横断する総合的なコミュニケーションデザイン及び新規事業開発・推進が得意。
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事。
豊後 祐紀
2017年4月30日までトライバルメディアハウス コンサルティング営業部 熱狂ブランドマーケティングチームに所属。大手製菓会社や、大手化粧品メーカーなどのブランディングを提案し、実行。その後、2017年4月より読売広告社のシンガポール支店であるFLP YOMIKOに所属し、主に日清食品シンガポールのブランディングを担当。2017年12月より子供の頃の夢だったゲームのマーケターとなるべく、DMM.comに所属。ブランディングやプロモーションを担当する。
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