2024年7月5日 (金)
開発担当&造形師に突撃取材!「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」オリジナルインタビュー【11/18追記】
圧倒的存在感を放つシャア・アズナブルがいかにして誕生したのか――?
【11/18追記】
「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」の発売月が変更になりました。
2024年11月下旬⇒2024年12月下旬
「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」の発売月が変更になりました。
2024年11月下旬⇒2024年12月下旬
『機動戦士ガンダム』45周年を記念した「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」が現在、プレミアムバンダイほかにて好評予約受付中だ。
「GGG」とは、ガンダム作品に登場するキャラクターを圧倒的な造形力と彩色クオリティで再現するメガハウスのフィギュアシリーズ。今回のシャアは、シリーズのハイエンドモデルとなるDX版として白馬に跨る姿での立体化となる。そのモチーフは『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』より、砂塵渦巻くテキサスコロニーにおいて、妹であるアルテイシア(=セイラ・マス)との再会のシーン。ただし、映像をそのまま立体化したわけではなく、GGGならではのこだわりの演出が随所に盛り込まれている。また、リアリティのある造形力、絵画のような彩色も大きな見どころだ。
ガンダムシリーズが45周年を迎えた今年、圧倒的存在感を放つシャア・アズナブルがいかにして誕生したのか?その制作過程やフィギュアならではの魅力を解き明かすべく、商品開発担当の高倉康二氏(メガハウス)と、造形を手掛けた五十嵐 玄氏(ピンポイント)に突撃取材を行った。
「GGG」とは、ガンダム作品に登場するキャラクターを圧倒的な造形力と彩色クオリティで再現するメガハウスのフィギュアシリーズ。今回のシャアは、シリーズのハイエンドモデルとなるDX版として白馬に跨る姿での立体化となる。そのモチーフは『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』より、砂塵渦巻くテキサスコロニーにおいて、妹であるアルテイシア(=セイラ・マス)との再会のシーン。ただし、映像をそのまま立体化したわけではなく、GGGならではのこだわりの演出が随所に盛り込まれている。また、リアリティのある造形力、絵画のような彩色も大きな見どころだ。
ガンダムシリーズが45周年を迎えた今年、圧倒的存在感を放つシャア・アズナブルがいかにして誕生したのか?その制作過程やフィギュアならではの魅力を解き明かすべく、商品開発担当の高倉康二氏(メガハウス)と、造形を手掛けた五十嵐 玄氏(ピンポイント)に突撃取材を行った。
テキサスコロニーでの“めぐりあい”
――今回、白馬に跨ったシャアをフィギュア化した理由についてお聞かせください。
高倉:私がGGGシリーズのファーストガンダム(シリーズ第1作『機動戦士ガンダム』のこと)の第1弾として商品化させていただいたキャラクターがシャアでした。シャアとしては、第2弾でア・バオア・クーでのノーマルスーツ姿。そして、第3弾をどうするべきか、ずっと心の奥底にはあって。今年『ガンダム』が45周年という機会もあり、ここは誰も手を出さないのかな……と思い、あえて実現の難しそうなシーンを選びました。
高倉:私がGGGシリーズのファーストガンダム(シリーズ第1作『機動戦士ガンダム』のこと)の第1弾として商品化させていただいたキャラクターがシャアでした。シャアとしては、第2弾でア・バオア・クーでのノーマルスーツ姿。そして、第3弾をどうするべきか、ずっと心の奥底にはあって。今年『ガンダム』が45周年という機会もあり、ここは誰も手を出さないのかな……と思い、あえて実現の難しそうなシーンを選びました。
▲これまでメガハウスではさまざまなシャアのフィギュアをリリースしてきた。右にあるのはGGG第1弾となった「機動戦士ガンダム シャア・アズナブル」と可動フィギュア「G.M.G.(ガンダムミリタリージェネレーション)機動戦士ガンダム ジオン公国軍 06 シャア・アズナブル」。
――劇中のテキサスコロニーのシーンはやはり印象的でしたか?
高倉:BSアニマックスさんの広告として描かれた(馬に乗ったシャアの)イラストが、当時、すごく刺さっていました。実は「コレを立体化したい!」と思ったことがきっかけです。
――「キャラクター+馬」となると、造形のカロリーも上がりますよね。
高倉:過去に造ったことのない馬を臨場感ある立体で表現するのは難しいですし、実現できるのかなと不安もありました。五十嵐さんに「誰かできる人がいないか」相談したところ、五十嵐さんが悩みに悩んで「僕がやりしょうか」と引き受けていただけました。
五十嵐:本来はプロデュース、ディレクション側なので、フィギュア単体の造形よりも全体を見なくてはいけない立場なんですけどね。
高倉:BSアニマックスさんの広告として描かれた(馬に乗ったシャアの)イラストが、当時、すごく刺さっていました。実は「コレを立体化したい!」と思ったことがきっかけです。
――「キャラクター+馬」となると、造形のカロリーも上がりますよね。
高倉:過去に造ったことのない馬を臨場感ある立体で表現するのは難しいですし、実現できるのかなと不安もありました。五十嵐さんに「誰かできる人がいないか」相談したところ、五十嵐さんが悩みに悩んで「僕がやりしょうか」と引き受けていただけました。
五十嵐:本来はプロデュース、ディレクション側なので、フィギュア単体の造形よりも全体を見なくてはいけない立場なんですけどね。
▲難易度の高い乗馬シーンを躍動感あふれる造形で表現。シャア、馬、それぞれの造形やポージングのみならず、そのバランスと融合性が立体としての魅力を増幅している。
――ご自身で担当された理由は?
五十嵐:やはりシャアですからね(笑)。
高倉:シャアはネームバリューも含めて重みがありますよね。
五十嵐:GGGは第1弾のシャアを担当された原型師・岳さん(※)のイメージが強いブランドだと思っています。GGGはいつも造形がかっこよくて、アニメ+αでスーパーリアルな表現をしていくシリーズ。そんな、高倉さんと岳さんが作ったGGGのブランドイメージを壊さないように、GGGのラインナップとして違和感のない立体となるように気を遣いました。
私自身、この手の表現は好きだったので、けっこうすんなり入っていけて、むしろいろいろと好きにやらせてもらいました。遊び心、イタズラ心で提案して受け入れてもらったところもあり、個人的には「本当にここまでやって大丈夫?」と思っている部分もあります(笑)。
高倉:ファーストガンダムのキャラクターデザインはディフォルメされていると言うよりもリアルに描かれているため、1/8スケールフィギュアの造型に落とし込む時には若干“生身”っぽい、リアルな表現をするように意識しています。そのような造型が得意な原型師さんを選ぶ所も、実は苦労しています。
その点、五十嵐さんが造形していただける点で、不安はありませんでした。
※岳さんは新居興業所属の原型師。GGGでは第1弾のシャアをはじめ数多くの原型を手掛けている。
五十嵐:やはりシャアですからね(笑)。
高倉:シャアはネームバリューも含めて重みがありますよね。
五十嵐:GGGは第1弾のシャアを担当された原型師・岳さん(※)のイメージが強いブランドだと思っています。GGGはいつも造形がかっこよくて、アニメ+αでスーパーリアルな表現をしていくシリーズ。そんな、高倉さんと岳さんが作ったGGGのブランドイメージを壊さないように、GGGのラインナップとして違和感のない立体となるように気を遣いました。
私自身、この手の表現は好きだったので、けっこうすんなり入っていけて、むしろいろいろと好きにやらせてもらいました。遊び心、イタズラ心で提案して受け入れてもらったところもあり、個人的には「本当にここまでやって大丈夫?」と思っている部分もあります(笑)。
高倉:ファーストガンダムのキャラクターデザインはディフォルメされていると言うよりもリアルに描かれているため、1/8スケールフィギュアの造型に落とし込む時には若干“生身”っぽい、リアルな表現をするように意識しています。そのような造型が得意な原型師さんを選ぶ所も、実は苦労しています。
その点、五十嵐さんが造形していただける点で、不安はありませんでした。
※岳さんは新居興業所属の原型師。GGGでは第1弾のシャアをはじめ数多くの原型を手掛けている。
▲アニメとしてのキャラクター性を大切にしつつ、リアリティも盛り込まれており、美術品のような佇まいすら感じられる。
五十嵐:本当はもうちょっと早く仕上げたかったんですけど、ちょうど45周年という大きな節目に間に合わせることができました。メガハウスのフィギュアブランドカテゴリーとして、かなり良いフラッグシップが立てられたと思っています。
高倉:やはり 『ガンダム』というタイトルにおけるトータルのファンを歓喜させるようなキャラクターフィギュアを作り出すことが我々の目標でもあるので。ガンダム系の立体はキャラクター、MSも含めて、リーズナブルなものからハイクオリティなものまであるなかで、GGGシリーズはハイターゲットアイテムならではのクオリティを徹底的に追求しています。
高倉:やはり 『ガンダム』というタイトルにおけるトータルのファンを歓喜させるようなキャラクターフィギュアを作り出すことが我々の目標でもあるので。ガンダム系の立体はキャラクター、MSも含めて、リーズナブルなものからハイクオリティなものまであるなかで、GGGシリーズはハイターゲットアイテムならではのクオリティを徹底的に追求しています。
DXならではの造形と彩色
――DX版だけにシャアのコスチュームの装飾などディテールも細かいですよね。
五十嵐:そこもやはりシャアですからね(笑)。ゴージャスにしたかったので、少し誇張しました。ヘルメットの形状は細かな指示もあり、アニメの初期をイメージして、マスクとの比率なども調整しています。イメージの集合体ですよね。
五十嵐:そこもやはりシャアですからね(笑)。ゴージャスにしたかったので、少し誇張しました。ヘルメットの形状は細かな指示もあり、アニメの初期をイメージして、マスクとの比率なども調整しています。イメージの集合体ですよね。
▲マスクの形状はアニメ初期のデザインを重視しながら、カラーリングはテキサスの砂塵などを意識してグレー系。軍服の肩章(フサフサ部分)などゴールド部分はモール紐や編み込みの質感をディテールにて再現。
――それこそ馬も含めて、大ボリュームですよね。
五十嵐:当初、もっと馬が大きかったんですよ。サラブレッドすぎた。サラブレッドって大きいんですよ。ただ、大きすぎるとシャアが霞んでしまう。とは言え、シャアが乗る馬=シャア専用ですからね(笑)。あまり貧弱だと見映えがしないし、小さいとロバやポニーになってしまう。馬のサイズはギリギリのラインを探りましたね。
――これまで馬の造形を手掛けられたことはあったのでしょうか?
五十嵐:動物は好きですが、馬をここまで仕上げるのは初めてですね。馬のことを調べるのも楽しかったですよ。本物の馬を見たり、実際に乗馬も体験しました。仕事なのに楽しんじゃいました(笑)。
高倉:確かに馬の画像資料もいっぱいありましたよね。
五十嵐:本物の馬を調べてみると、思っていたよりも(幅が)薄いんですよね。ただ、リアルを追求すると、シャア専用馬らしさが出ないので、“3倍”ではないですが、自分のイメージに合わせて横に太らせました。それでいてストイックで、筋肉質なイメージ。テキサスコロニーだけに、アメリカのマスタングのような骨太な馬をイメージしました。実際、馬の造形にはシャアと同じくらいの時間が掛かっています。
五十嵐:当初、もっと馬が大きかったんですよ。サラブレッドすぎた。サラブレッドって大きいんですよ。ただ、大きすぎるとシャアが霞んでしまう。とは言え、シャアが乗る馬=シャア専用ですからね(笑)。あまり貧弱だと見映えがしないし、小さいとロバやポニーになってしまう。馬のサイズはギリギリのラインを探りましたね。
――これまで馬の造形を手掛けられたことはあったのでしょうか?
五十嵐:動物は好きですが、馬をここまで仕上げるのは初めてですね。馬のことを調べるのも楽しかったですよ。本物の馬を見たり、実際に乗馬も体験しました。仕事なのに楽しんじゃいました(笑)。
高倉:確かに馬の画像資料もいっぱいありましたよね。
五十嵐:本物の馬を調べてみると、思っていたよりも(幅が)薄いんですよね。ただ、リアルを追求すると、シャア専用馬らしさが出ないので、“3倍”ではないですが、自分のイメージに合わせて横に太らせました。それでいてストイックで、筋肉質なイメージ。テキサスコロニーだけに、アメリカのマスタングのような骨太な馬をイメージしました。実際、馬の造形にはシャアと同じくらいの時間が掛かっています。
▲馬はマスタングをイメージ。マスタングはアメリカの野生馬で屈強さと荒々しさをもつ。サラブレッドより小型ながら、その逞しさはシャアの乗馬にふさわしい。ちなみに『THE ORIGIN』では、テキサスコロニーはかつて北米西部開拓時代風のテーマパークであった。
――シャアも含めて、かなり躍動感ある立体表現ですね。
五十嵐:かなり苦労はありましたが、そのあたりは高倉さんも一緒に見てくれますからね。当初は、シャアの脚を伸ばした造形でしたが、高倉さんから「これではあまりカッコよくない」と指示があって。乗馬としての動きをイメージしながら調整しています。作りながら補正をしていく形ですね。
高倉:実際に乗馬をしたことはないのですが、馬に乗ったとしたら……と仮定して、重心のかけ方、脚の位置、そして馬に対する手綱とヒジの力の入れ具合などを相談しました。五十嵐さん含めて造形師さんは筋肉まで含めて、しっかりと造形で表現できる方ですからね。
五十嵐:かなり苦労はありましたが、そのあたりは高倉さんも一緒に見てくれますからね。当初は、シャアの脚を伸ばした造形でしたが、高倉さんから「これではあまりカッコよくない」と指示があって。乗馬としての動きをイメージしながら調整しています。作りながら補正をしていく形ですね。
高倉:実際に乗馬をしたことはないのですが、馬に乗ったとしたら……と仮定して、重心のかけ方、脚の位置、そして馬に対する手綱とヒジの力の入れ具合などを相談しました。五十嵐さん含めて造形師さんは筋肉まで含めて、しっかりと造形で表現できる方ですからね。
▲高倉氏による修正指示。重心を意識した動きをイメージし、細かな指示が書き込まれている
――シャアの魅力については、どう考えていますか?
五十嵐:ただ、ただ、かっこいい。
高倉:謎……ですよね。何を考えているのか分からないところが魅力でしょう。信じたら裏切られそうな恐怖感がある。不思議な魅力のキャラクターです。ただ、現実にいたら絶対についていきたくはないですよね。私は、上司にするならラル派です(笑)。
五十嵐:それこそ謎めいたところも魅力で、何をやらせてもできちゃうスーパーマンですよね。アニメのヒーローとして最適。タイツとマスク姿で「あれがかっこいいの?」と思うんですけど……かっこいいんですよ。
五十嵐:ただ、ただ、かっこいい。
高倉:謎……ですよね。何を考えているのか分からないところが魅力でしょう。信じたら裏切られそうな恐怖感がある。不思議な魅力のキャラクターです。ただ、現実にいたら絶対についていきたくはないですよね。私は、上司にするならラル派です(笑)。
五十嵐:それこそ謎めいたところも魅力で、何をやらせてもできちゃうスーパーマンですよね。アニメのヒーローとして最適。タイツとマスク姿で「あれがかっこいいの?」と思うんですけど……かっこいいんですよ。
▲ストレートなシャアのかっこよさも「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」の魅力。赤の軍服、マスクから見える口元など、“赤い彗星”の存在感も際立つ。
高倉:世の中にはシャアマニアの方、シャアのフィギュアだけを集めているようなファンの方もいらっしゃいますからね。そんな方々にも喜んでもらいたいと思って作ったのが、今回の商品です。
――彩色についてはいかがですか?
高倉:彩色も五十嵐さんの会社に所属されているフィニッシャーさんと白馬の彩色に関して何度も試行錯誤し悩みました。
また普段使った事のない色味を使うなどして、このような形に仕上がっています。
五十嵐:最初は白が軽い感じでしたよね。
高倉:今よりも明るいイメージでしたね。もう少しサンドイエロー系を加えたり、青系、緑系を試してもらったりして良い勉強にもなりました。
――彩色についてはいかがですか?
高倉:彩色も五十嵐さんの会社に所属されているフィニッシャーさんと白馬の彩色に関して何度も試行錯誤し悩みました。
また普段使った事のない色味を使うなどして、このような形に仕上がっています。
五十嵐:最初は白が軽い感じでしたよね。
高倉:今よりも明るいイメージでしたね。もう少しサンドイエロー系を加えたり、青系、緑系を試してもらったりして良い勉強にもなりました。
▲白馬のカラーは単純な白ではなく、緑系を加えた三層塗装により表現。陰影のみならず、毛皮の質感、躍動感も伝わってくる。
五十嵐:原型から彩色まで社内で担当させてもらっているのですが、そこでのバトンパスで予期せぬことが起こることも期待していて。最終的には彩色チームが自分たちの感性を出してほしい。もちろんある程度は原型の意図を伝えるのですが、ある程度にとどめた結果、今回は良いかたちになりましたね。楽しんで塗れたみたいです。馬の首などかなりこだわって造形していますが、彩色でもうまく誇張されていると思います。
▲馬の首元なども五十嵐氏こだわりの造形。正面から見たときの馬の厚みなども注目。彩色の陰影と相まって、ねじれや筋肉などが強調されている。
高倉:試行錯誤した結果、必然的に油絵や水彩などの絵画的な表現になったんですよね。企画当初に私が造りたいと思っていた物が、完成するまでにイメージが変わってしまうことは時々あります。その辺りは初めのうちから五十嵐さん達と相談できて、ここまでの物が仕上がったんだと思います。
――馬具なども、本物のような質感ですよね。
高倉:馬具全体、レザーの質感の色味に変化が持たせられないかなど相談しました。
1/8スケールフィギュアだからそこ原型師さん、フィニッシャーさん達の腕の見せ所なのかな……と思います。
五十嵐:(馬具には)そもそも詳細な設定資料が存在しないので、自分好みのデザイン、もちろん劇中イメージを壊さないようなデザインにして。レザーとしての厚さなどもこだわりましたよね。
――馬具なども、本物のような質感ですよね。
高倉:馬具全体、レザーの質感の色味に変化が持たせられないかなど相談しました。
1/8スケールフィギュアだからそこ原型師さん、フィニッシャーさん達の腕の見せ所なのかな……と思います。
五十嵐:(馬具には)そもそも詳細な設定資料が存在しないので、自分好みのデザイン、もちろん劇中イメージを壊さないようなデザインにして。レザーとしての厚さなどもこだわりましたよね。
▲鞍や鐙などの馬具もこだわりの造形。それぞれ別の革製品として、造形、テクスチャー、彩色、さらに厚みなどを変えており、細部にわたりリアリティが追求されている。
高倉:テキサスコロニーを駆け抜けてきた馬なので、蹄の汚れ具合も含めて、そこまでしっかりと手入れされていない、多少乱暴に扱われても頑張ってくれるようなところも表現しています。
――劇中シーンやイラストを忠実に再現するのではなく、モチーフからイマジネーションを膨らませて誕生したのが、「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」なんですね。
五十嵐:やはり立体でどう見えるかが一番大切なので、絵では表現できなかったところ、絵では想像つかなかったところを作り上げていく。
高倉:今回のシャアに限らず、ですね。
――劇中シーンやイラストを忠実に再現するのではなく、モチーフからイマジネーションを膨らませて誕生したのが、「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」なんですね。
五十嵐:やはり立体でどう見えるかが一番大切なので、絵では表現できなかったところ、絵では想像つかなかったところを作り上げていく。
高倉:今回のシャアに限らず、ですね。
『機動戦士ガンダム』45周年のインパクト
――ベストアングルについてお聞かせください。
高倉:シャアが目線を落としている場所、下からの位置ですね。その視線の先にはやはりセイラさんがいますからね。
五十嵐:この目線を下方に欲しかったので、馬の動きも合わせて造形しています。
高倉:シャアが目線を落としている場所、下からの位置ですね。その視線の先にはやはりセイラさんがいますからね。
五十嵐:この目線を下方に欲しかったので、馬の動きも合わせて造形しています。
▲下から見上げることで、シャアとセイラの再会を体感。台座の岩場もテキサスコロニーを彷彿とさせる。
高倉:馬を止めるために手綱を引っ張るわけですが、立体では手綱が緩んでいるんですよ。つまり一度引っ張ってから、戻る瞬間なんです。
五十嵐:セイラさんの方へ行こうとしている馬をシャアが引き戻しているけど、馬はセイラさんの方向が気になっている(笑)。そんな細かな演技もイメージして、立体化しています。
高倉:勝手な妄想です。参考にするイラストや設定画があれば良いのですがそうではない造型には色々と想像を膨らませて原型師さんと向き合うようにしています。
五十嵐:セイラさんの方へ行こうとしている馬をシャアが引き戻しているけど、馬はセイラさんの方向が気になっている(笑)。そんな細かな演技もイメージして、立体化しています。
高倉:勝手な妄想です。参考にするイラストや設定画があれば良いのですがそうではない造型には色々と想像を膨らませて原型師さんと向き合うようにしています。
▲手綱の“ゆるみ”により、引いた瞬間ではなく、戻った一瞬を表現している。馬の視線にも、シーンをイメージさせる演出が。造形の随所に意図が盛り込まれており、ストーリー性を感じさせてくれる。
――少し高いところに飾ると、見上げるイメージで楽しめるかもしれませんね。
高倉:ぜひ皆さんのコレクションの中でも良い場所に置いていただきたいですね。シャアはまさに名パイロットですので、シャア専用MS、ザクなり、ズゴックなり、それこそテキサスコロニーで言えばゲルググなりと一緒に飾ってもらえば、おのずとガンダムの名場面を語ってくれるはずです。
――シーンを想像するとセイラさんも欲しくなりますよね。
高倉:そうですね。弊社ですと、これまでエクセレントモデルシリーズでセイラさんを立体化していますが、いつか黄色のノーマルスーツ姿も作りたいですね。セイラさんのファンも多いので(笑)。
――GGG含めて、ガンダムフィギュアシリーズの今後の展開についてお聞かせください。
高倉:シャアで言えばクワトロ・バジーナなどすでにGGGでリリースしていますが、別作品でも立体映えのするものを模索していきたいですね。ファーストでまだやりきれていないところもありますし。とは言え、「シャワーを浴びているシャア」などはやらないと思います(笑)。
――それは逆に“フリ”にも思えてしまうのですが(笑)?
高倉:ニーズはあるかもしれませんが、監修を頼まれる版権元様も困りますよね(笑)。
――今年、ガンダムシリーズは45周年を迎え、ついに半世紀となる50周年も見えてきました。
高倉:BANDAI NAMCOグループのメガハウスとして、ガンダムフィギュアのカテゴリーはひとつの大きなテーマですし、続けていきたいと思っています。そんな中で今回の「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」は、GGGシリーズでも最高にインパクトのあるものが作れたと自負しています。フィギュアから滲みているものは受け手によっても異なるので、これを買ってくれるユーザーさんにも思うところがあるかもしれません。五十嵐さんたち造形師の方々の演出が皆さんに刺さるように、今後もフィギュアを作っていきたいと考えています。
五十嵐:高倉さんからはいつも突発的なアイデアをジャブ的にもらっていて、「そんなのできるわけないじゃん!」みたいなイメージなんですけど(笑)。原型師としてはその無茶ぶりから上乗せしてもっとイイものを……と考えています。
高倉:今回のシャアを手にとってもらったら、次は、さらなるクオリティを期待されると思うんです。ユーザーさんの想像を超えられるかどうかは常に考えています。
五十嵐:造形師としてはコンセプトをもらって、そこに肉付けするのが仕事です。キャラクターをお借りして作らせてもらっているので、いかにテーマをかっこ良く具現化するか、ですね。
――ありがとうござました。
高倉:ぜひ皆さんのコレクションの中でも良い場所に置いていただきたいですね。シャアはまさに名パイロットですので、シャア専用MS、ザクなり、ズゴックなり、それこそテキサスコロニーで言えばゲルググなりと一緒に飾ってもらえば、おのずとガンダムの名場面を語ってくれるはずです。
――シーンを想像するとセイラさんも欲しくなりますよね。
高倉:そうですね。弊社ですと、これまでエクセレントモデルシリーズでセイラさんを立体化していますが、いつか黄色のノーマルスーツ姿も作りたいですね。セイラさんのファンも多いので(笑)。
――GGG含めて、ガンダムフィギュアシリーズの今後の展開についてお聞かせください。
高倉:シャアで言えばクワトロ・バジーナなどすでにGGGでリリースしていますが、別作品でも立体映えのするものを模索していきたいですね。ファーストでまだやりきれていないところもありますし。とは言え、「シャワーを浴びているシャア」などはやらないと思います(笑)。
――それは逆に“フリ”にも思えてしまうのですが(笑)?
高倉:ニーズはあるかもしれませんが、監修を頼まれる版権元様も困りますよね(笑)。
――今年、ガンダムシリーズは45周年を迎え、ついに半世紀となる50周年も見えてきました。
高倉:BANDAI NAMCOグループのメガハウスとして、ガンダムフィギュアのカテゴリーはひとつの大きなテーマですし、続けていきたいと思っています。そんな中で今回の「GGG-DX シャア・アズナブル〜めぐりあい〜」は、GGGシリーズでも最高にインパクトのあるものが作れたと自負しています。フィギュアから滲みているものは受け手によっても異なるので、これを買ってくれるユーザーさんにも思うところがあるかもしれません。五十嵐さんたち造形師の方々の演出が皆さんに刺さるように、今後もフィギュアを作っていきたいと考えています。
五十嵐:高倉さんからはいつも突発的なアイデアをジャブ的にもらっていて、「そんなのできるわけないじゃん!」みたいなイメージなんですけど(笑)。原型師としてはその無茶ぶりから上乗せしてもっとイイものを……と考えています。
高倉:今回のシャアを手にとってもらったら、次は、さらなるクオリティを期待されると思うんです。ユーザーさんの想像を超えられるかどうかは常に考えています。
五十嵐:造形師としてはコンセプトをもらって、そこに肉付けするのが仕事です。キャラクターをお借りして作らせてもらっているので、いかにテーマをかっこ良く具現化するか、ですね。
――ありがとうござました。
(ガンダムインフォ編集部)
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GGG-DX 機動戦士ガンダム シャア・アズナブル~めぐりあい~
価格:36,300円(税込)
発売日:2024年11月下旬
サイズ:全長約380mm
素材:PVC・ソフビ・ABS
【セット内容】
・彩色済み完成品フィギュア
【受注サイト】
・プレミアムバンダイ
・全国のホビーショップ
・Web通販サイト
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