大ヒット上映中の『機動戦士ガンダムNT』では、1月15日(火)に東京・新宿ピカデリーにてスタッフトーク付き上映会「Narra-TALK(ナラトーク)」第6回が開催された。
第6回は「ガンダムNTの制作過程を語ろう」と題して、吉沢俊一監督、脚本を担当する福井晴敏さん、小形尚弘プロデューサーが登壇。今回は、スクリーンにラフや原画が映し出され、吉沢監督により制作手順や方法について説明されたほか、制作現場の裏話についても明かされた。
▲左から福井さん、吉沢監督、小形プロデューサー
まず始めに、暗礁空域をフェネクスが浮遊するシーンの絵コンテがスクリーンで紹介される。吉沢監督はこのシーンを選んだ理由として、「作品を作るうえで意識した“空間づくり”が象徴されている絵コンテです」と述べ、複雑で手間のかかったシーンであることが語られた。
次に、ラフの工程が映し出され、コックピットのヨナの椅子が“3DCG”であることを説明。小形プロデューサーから「『UC』や『サンダーボルト』でも3DCGを使用している」と同スタジオで制作した作品との共通点が明かされ、「手書きでは作画さんによってサイズがバラバラになってしまうが、3DCGにより統一されるようになった反面、別工程を挟む分、より時間がかかってしまう」という、3DCGだからこその大変さも語られた。
原画の工程では、セルの指示にアルファベットが使われており、Aから順番に重ねられているとのこと。小形プロデューサーは「昔は、枚数が重なるほど下の色が変わってしまったり、セル影がでてしまったりしていたんですよね」と昔を振り返った。
カラーチャートを元に塗るペイントの工程では、吉沢監督から「ナラティブガンダムを初めて色彩設計のすずきたかこさんに見せたとき、色の多さに怒られてしまった」とのエピソードを披露。福井さんは「すずきさんとは、『UC』のときにブライトの白目はありかなしかで論争をしたことがある」と明かし、会場からは笑い声があがる場面も。
また、サイコフレームの光は手書きとのことで、小形プロデューサーは「背景などの3Dと手書きを混ぜることで、柔らかい動きにさせています」とコメント。この他、本編でフェネクスに引っかかるワイヤーも、瞬時に3DCGから手書きへと切り替えていることも明かされた。
最後にゲストよりコメントがあり、トークショーは幕を下ろした。
吉沢俊一監督
公開から1ヶ月半が経ちましたが、こうして観ていただけることは本当に嬉しいです。少しでも現場の大変な思いが伝われば報われると思いますので、皆様本当にありがとうございます。『NT』これからもよろしくお願いいたします。
福井晴敏さん(脚本)
こんなに大変なことをしているアニメは他にないですよ。ガンダムはこれをやってこそというところがあって、システマチックにやれる日がくるといいなと思っています。手書きの色気を感じ取っていただけると嬉しいです。
小形尚弘プロデューサー
手書きのメカはサンライズの特色でもありますし、3Dも使っていますが、僕らは単純に3Dでやるっていうことじゃないことにチャレンジしていくつもりです。この分野においては、サンライズは世界トップなんじゃないでしょうか(笑)それだけは胸を張れます。どんどん3Dに置き替わっていくかもしれませんが、良いDNAを3Dにフィードバックして、フィルムをたくさん作っていきたいです。ナラトークを皆さんと最後まで走りぬけたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
『機動戦士ガンダムNT』は絶賛上映中。今週末1月18日(金)からは入場者特典として、「『機動戦士ガンダムNT』モニターワークスイラストカード」が登場する。
さらに、新PV「ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!」も公開しているので、あわせてチェックしておこう。
詳細は、『機動戦士ガンダムNT』公式サイト、および公式Twitterをご覧ください。
(ガンダムインフォ編集部)
ゲストの皆様よりコメントを頂きました!
『機動戦士ガンダムNT』トークショー付き上映会「Narra-TALK」<第6回>「ガンダムNTの制作過程を語ろう」
[日時]2019年1月15日(火)
[会場]新宿ピカデリー
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