全国35館にて大ヒット劇場上映中の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』では、5月22日(火)に東京・新宿ピカデリーにてスタッフトーク付き上映会第3弾が開催された。
今回は「ORIGIN VR制作秘話」と題し、5月31日(木)まで平日限定で展開中のVR映像体験『機動戦士ガンダム THE ORIGIN -RISING-』を中心に、VR映像制作の裏話を披露。VR映像の演出を担当した京極尚彦さん、CGプロデューサー・井上喜一郎さん、谷口 理プロデューサーが登壇し、それぞれの視点から制作を振り返った。
それでは早速、多くのファンが詰めかけたイベントの模様をお届けしていこう。
まず初めに、本VR映像の成り立ちについて。
京極さんが初めてVR映像を制作したのは、VR映像第1弾『機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-』の時。ちょうど、京極さんが監督として関わっているアニメ『宝石の国』のCGを制作している頃で、また、ご自身がもともとサンライズD.I.D.スタジオのスタッフでもあったことから、声をかけてもらったことに「縁や所縁を感じた」とのこと。
井上CGプロデューサーは、本編を作りつつ、さらに『THE ORIGIN』の世界に浸ることができないか?と検討した結果、VR映像を作りたいと本映像を企画。また、谷口プロデューサーは、いつか京極さんと仕事がしたいと思っていたそうで、「この企画が、サンライズの制作するVRの先駆けになることができた」と振り返った。
続いて、スクリーンに映された資料をもとに、登壇者から解説がなされた。京極さんは特に苦労した点として「絵コンテ」を挙げ、どうすれば良いのか手探り状態で、試行錯誤したと明かす。最終的には“アジの開きのように”何コマか使って展開して描くという手法を編み出すこととなった。
また、前作は、シャアの一人称視点にこだわることで構成をシンプルにした「わかりやすさ」をテーマに制作したが、第2弾ではサンライズらしい躍動感のある映像で、ライド系のアトラクションのようなものを狙ったそうだ。第1弾と第2弾では、方向性が全く異なるものとなっただけでなく、前作の体験者の感想を今作へとフィードバックするなど、「進化できるのがVRの面白さ」と京極さんは語る。
さらに大変だったこととして、音響作業も挙げられた。VRの音響監督は、本編と同じく藤野貞義さんが担当したが、藤野さんにとってもVRの音響制作は初めての経験。井上さんは、まずスタッフ間のコミュニケーションに必要な言葉の定義から始め、実際に4分間の映像に音響をつける作業に7時間以上かかったと明かした。
最後に登壇者からのコメントがあり、熱気にあふれたイベントは幕を下ろした。
京極尚彦(VR映像演出)
VRの現状は、いろんな人が体験して進化している途中の状態。また次の機会があれば、より面白いものができるアイディアもあるし、いずれ他の作品でもVRができたらきっと面白いだろうな、と思っています。今回のVRもぜひ体験していただきたいです。今日は本当にありがとうございました。
井上喜一郎(CGプロデューサー)
VRで使っているリアルタイムCGのエンジンは、まだ可能性が色々あります。AR、アトラクション映像、ライブ配信などに応用しやすい技術ですので、ガンダムはもちろん、他の作品でもチャレンジしていって、皆さんの「映画を見る楽しみ」が広げられると良いな、と思っています。VR映像はいろんなものを詰め込んでできあがったものですので、ぜひ体験してください。本編の方のCGも、汗と涙の集大成になっていますので、こちらもご期待ください。ありがとうございました。
谷口 理(プロデューサー)
こういうチャレンジングなことをするのであれば、今後はもっと作品の幅を広げた“遊び”ができても面白いのかな、と思います。サンライズがこういう新しい映像のあり方にチャレンジできる先駆けになったと思いますので、今後にもぜひご期待ください。ありがとうございます。
VR映像体験『機動戦士ガンダム THE ORIGIN -RISING-』は、5月31日(木)までの平日12:00から20:00限定で好評開催中。参加には、新宿ピカデリーの『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』劇場鑑賞チケット、もしくは半券が必要となる。体験は予約優先で、特設サイトにて予約を受付中。
また、本編『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』は、全国35館にて大ヒット上映中。
5月29日(火)に新宿ピカデリーで開催されるスタッフトーク付上映会の最終回は、「ガンダムプロデューサートーク」として、谷口プロデューサーと発表されたばかりの『機動戦士ガンダムNT』より小形尚弘プロデューサーが登場予定。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
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