『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の音楽を担当するジャズミュージシャン・菊地成孔氏のソロライブ「NARUYOSHI KIKUCHI Solo Live ‐Original Sound Track“MOBILE SUIT GUNDAM THUNDERBOLT”‐」は、6月23日(木)に東京・青山の「ブルーノート東京」にて開催された。
6月15日(水)に発売されたオリジナル・サウンドトラックの楽曲をレコーディング・メンバーとともに再現したこのライブは、『サンダーボルト』の世界観と菊地氏が作りだす音楽が融合する、きわめて刺激的な内容に。2公演ともチケットがソールドアウトし、大盛況となったライブのオフィシャルレポートをお届けしていこう。
登壇 ―――
菊地成孔(サックス・他)、大西順子(ピアノ)、伊平友樹(ギター)、
西村浩二(トランペット)、永見寿久(ベース)、服部正嗣(ドラムス)、
ギラ・ジルカ(ヴォーカル)、中沢ノブヨシ(ヴォーカル)、矢幅歩(ヴォーカル)
ICI a.k.a.市川愛(ヴォーカル)、坂本愛江(ヴォーカル)、伊平友樹(ギター)
※敬称略
オープニングは『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の戦闘シーンの映像。続いてジャズピアニストの大西順子、セクシーなファルセットボイスを持つシンガー矢幅歩が登場し、憂いを帯びたジャズバラード「年寄りになれば」を披露する。
さらに菊地がステージに上がり、「イラク戦争で戦っている兵士たちの耳から紐がぶら下がっており、それが通信機だと思っていたら実はiPodで曲を聞いていた」というエピソードを挙げ、劇伴ではなく、「イオ・フレミング、ダリル・ローレンツが戦闘中に聴いていたiPodの中身を作る」というコンセプトで制作された「サンダーボルト」のサウンドトラックについて説明。「まずはジャズ・サイド。イオ・フレミングのiPodに入っている曲を演奏します」というコメントともに「出撃用」、「戦闘中(激戦状態)用」などの鋭利なジャズナンバーを次々と放つ。
演奏のテーマは「60年代フリージャズのコスプレ」。「クールジャパンのコンテンツだから、コスプレは似合うと思います」という菊地のコメントからも“ガンダム×フリージャズ”の特性が感じられた。ジャズ・サイドのラストは、ジャズシンガーのギラ・ジルカのボーカルによる「白い部屋」。美しい旋律が会場に響き渡り、会場全体が官能的な空気に包み込まれた。
続いてはダリル・ローレンツのiPodの中身、すなわちオールディーズ・サイドへ。カウガールスタイルで登場した坂本愛江は、アコースティックな手触りの「あたしのカントリー・ソング」、コニー・フランシスを想起させるポップチューン「女の子に戻るとき」を歌唱。さらに中澤ノブヨシが「ただ泣くだけ」「ただ二人だけ」でソウルフルなボーカルを響かせる。
菊地自身がボーカルを取る「月のカクテル」も絶品。まずは日本語の歌詞を朗読し、マティーニを片手に披露されたこの曲のロマンティシズムは、ダリル・ローレンツの精神性と軽やかにリンクしていた。
本編の最後はICI a.k.a.市川愛をフィーチャーした「あなたのお相手」。菊地のスタイリングによる、和服をカスタマイズした衣装に身を包んだ市川の横には、菊地、矢幅、中澤、坂本のコーラス隊。揃いの振り付けでモータウン風のナンバーをパフォーマンスし、観客から大きな歓声が起こった。
アンコールは出演者全員による「イエスのガール」。「これからも日本のジャズとコンテンツとしての“サンダーボルト”をよろしくお願いします」という菊地の言葉とともに、この貴重なライブは幕を閉じた。ガンダムとジャズのコラボレーションがブルーノート東京で開催されたのは、もちろん今回が初めて。世界的コンテンツと先鋭的なジャズを同時に体感できる、きわめて貴重なライブとなった。
太田垣康男氏による累計発行部数160万部を誇る大ヒットコミックスを、『機動戦士ガンダムUC』を手掛けたサンライズ第1スタジオが描くファン待望の「ガンダム」シリーズ最新作『機動戦士ガンダム サンダーボルト』。
有料配信中の全4話に新作カットを加えたディレクターズカット版『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』は、6月25日(土)より全国15館にて2週間限定のイベント上映が実施される。
NARUYOSHI KIKUCHI Solo Live ‐Original Sound Track“MOBILE SUIT GUNDAM THUNDERBOLT”‐
[日程] 2016年6月23日(木)
[場所] ブルーノート東京
[日程] 2016年6月23日(木)
[場所] ブルーノート東京
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