滋賀県・佐川美術館にて開催中の「メカニックデザイナー 大河原邦男展」では、5月28日(土)に「大河原邦男×山根公利 トークショー」が実施された。トークショーには大河原氏に加え、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』や『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』などでメカデザインを担当する山根公利氏も登壇。
まずはじめに、山根氏から「大河原さんが作ってくれた“メカニックデザイナー”という職業に憧れて専門学校に行き、今でも大河原さんを目標としている」と、メカニックデザイナーになった経緯が明かされた。
山根氏は『機動武闘伝Gガンダム』でもメカニカルデザインを担当しているが、大河原氏の線を真似て描いた部分もあるそうだ。『Gガンダム』は元々火星を舞台にしたSF色の強い作品の企画だったが、最終的にキャラクターものに近い作品になったため、「大河原さんのようなキャラクター性の強いロボットを描こうと思った」とのことだった。また、『Gガンダム』には大河原氏も参加しており、「はじめは真面目にデザインをしていたけど、ある日監督に『こんなに真面目なものじゃないんだ』と言われた」と振り返る。大河原氏は9月と11月に発売される「機動武闘伝Gガンダム石破天驚Blu-ray Box」の収納ボックスのイラストも担当しているので、こちらもぜひチェックしてみよう。
▲大河原邦男[左]、山根公利[右]
また、大河原氏は『科学忍者隊ガッチャマン』のメカニックデザインでデビューし、その後山根氏も放映20周年の際に制作されたOVAの『GATCHAMAN』でメカニックデザインを担当している。山根氏は「過去の大作なので、僕のような若手のデザイナーが描いてしまっていいのかとすごいプレッシャーに襲われてつらかった」と振り返り、「今でもガンダムを描いてくれなど依頼が来ると、その時の気分が蘇ってくる」と語った。
この他にも、子どもの頃はあまりテレビを観ていなかった、という共通点も。山根氏は地方に住んでいたために番組が入らなかったそうで、「色々なものを観てきた人と勝負するのは難しいけど、自分の強いところは何も観ていなかったところでは」とコメントした。
さらに、5月22日(日)にBS朝日にて放送されたドキュメンタリー「ザ・インタビュー~トップランナーの肖像~」の内容にも触れ、大河原氏の自宅にはどこの町工場かと思うほど様々な機械があることを紹介。大河原氏は「安彦(良和)さんとか作画監督レベルの人は絵に関しては天才だから、張り合うのはやめたんです」としたうえで、「安彦さんにできないことということで、“ものづくり”をしている」と語った。
その他にも、山根氏の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』、大河原氏の『ガンダムビルドファイターズ』など最近の参加作品や、2人でメカニカルデザインを担当する『機動戦士ガンダムSEED』などについても語られた。
最後には観客からの質問も募集され、「一番理想の美しさを持つものはどのようなデザインですか?」という質問に、2人は「自然にあるものが美しい」と口をそろえた。
翌日の5月29日(日)には、大河原氏によるサイン会も実施。
さらに、「人々の暮らしを豊かにする琵琶湖で活躍できる湖上交通メカニック」、「未来の運搬メカニック」をテーマに、4月22日(金)から5月25日(水)に募集された「めざせ未来のメカニックデザイナー!メカニックデザインコンテスト」の表彰式も行われた。
「メカニックデザイナー 大河原邦男展」は、滋賀県・佐川美術館にて好評開催中。開催期間は6月16日(木)まで。
(ガンダムインフォ編集部)
メカニックデザイナー 大河原邦男展
[開催日程] 2016年4月17日(日) ~ 6月16日(木)
[開館時間] 9:30 ~ 17:00(入館は16:30まで)
[当日券] 一般1,000円 / 高大生600円 / 中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要)
[会場] 佐川美術館(滋賀県守山市水保町北川2891)
[開催日程] 2016年4月17日(日) ~ 6月16日(木)
[開館時間] 9:30 ~ 17:00(入館は16:30まで)
[当日券] 一般1,000円 / 高大生600円 / 中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要)
[会場] 佐川美術館(滋賀県守山市水保町北川2891)
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