月刊ガンダムエースで好評連載中の「機動戦士ガンダムMSV-R 虹霓のシン・マツナガ」と「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」のコミックス最新刊の発売を記念して、トークイベント「真紅の稲妻と白狼の伝説III」が、ニフティが運営する東京・お台場のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」にて4月1日(金)に開催された。
今回で3回目となるイベントには、前回までと同じく、それぞれの著者である虎哉孝征先生とArk Performance先生が登壇。ガンダムエースの担当編集である財前氏を司会に、印象に残っているシーンを中心にトークが繰り広げられた。
まずは「虹霓のシン・マツナガ」のコミックス第6巻と最新第7巻から、印象に残っているシーンを紹介する。
第6巻の冒頭は、地球連邦軍の「プロトGファイター」と、アナベル・ガトーらジオン公国軍の戦闘シーン。この時期は丁度「ガンダム」が起動する直前だということで、「ずっとジオンの方が強い状態が続いていたけど、やっと『MS-06R-1A』と互角に戦える機体が出せて、ノリノリで描いていた」とのこと。また、その後のオスカーが「ガンダムはプロメテウスの火になるかもしれない」と語るシーンでは、「ガンダムが起動する前に戦争が終わっていたら歴史は全然違うものになったのでは、という“if”が提示できた」と語った。
一方ガトーについては、「いまだによくわからない」と感じているそうだ。「キャラクターが完成されているので下手にいじることができず、掘り下げることが難しい」ということに加え、「普通の武人にしてしまうと、マツナガとキャラが被ってしまう」ということだった。
続いて、第30話に登場するドズル・ザビ専用の「ザク」についての話題へ。既に一度登場しているので、財前氏から「サプライズ感が欲しいので、過剰に見えない程度の改造をするのはどうでしょう」と提案されてデザインを変更したとのことで、設定画も公開された。
また「プロトGファイター」の設定画も公開され、色の候補が2パターン考えてあることも語られた。
ここでArk Performance先生から、「戦闘シーンは、誰がどう動いているかを何かに描いたりします?」という質問が。それに対して虎哉先生が「頭の中で考えて、おかしくないかだけ気を付けています」と答えると、「ゲームをやる方だからか、立ち回りがちゃんとしていてすごい。自分は位置関係とか考えながら描いています」と語った。
続いて第7巻では、ガルマの国葬シーンをピックアップ。第5巻では地球連邦軍のキャラクターが集結するシーンがあるが、今回は『機動戦士ガンダム』からシャリア・ブルや『機動戦士ガンダム MS IGLOO』からヘルベルト・フォン・カスペンなど、ジオンのキャラクターが集結。またその後のロバート・ギリアムは、非常にマイナーなキャラでエンブレムもないので、今回特別にデザインしたそうだ。
そして最後に、読者が気になっているであろう、第7巻ラストのジョニー・ライデン登場シーンになると、会場からは拍手が。Ark Performance先生曰く、「『ジョニー・ライデン』にマツナガを出すことは財前さんから止められていたのに、『シン・マツナガ』の方にジョニー・ライデンが出ていて驚いた」ようだ。これに対して財前氏が「“白狼”のライバルは“真紅の稲妻”だけど、“稲妻”のライバルは本家“赤い人”かなと思う」と言うと、皆納得した様子だった。
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休憩を挟んだ後はArk Performance先生とともに、「ジョニー・ライデンの帰還」第11巻と最新第12巻を振り返る。
今回は特別に、「月刊ガンダムエース 2015年11月号」の表紙を飾ったイラストも公開された。スケジュールは厳しかったそうだが、「『ガンダムエース』の表紙を飾るのはなかなか名誉なことなので、やりたい気持ちがあった」とのこと。また財前氏からは、「本当はジョニ子を発注したかったけど、『ガンダムエース』はあまり表紙にキャラクターを出さないので……」という裏話も明かされた。
本作は当初、5巻くらいまでで終了かと思っており「次は『ジョニー・ライデンの復讐』か『ジョニー・ライデンの花嫁』か?」などと話していたそうだが、単行本もなんと先月に第12巻が発売。ちなみに「ギレン暗殺計画」を連載していた時も、「次は『ハマーン暗殺計画』か?とか、『暗殺シリーズ』をつくろうとか話していた」そうで、会場からは笑いが起こった。
コミックス第11巻には、「ガンダムエース」収録時には存在しなかった、シャアが登場する描き下ろしページが追加されている。シャアは本作の舞台となっている年代にいるキャラクターなので、どこがで出したいとタイミングをうかがっていたそうだ。
また第55話では、以前「電撃ホビーマガジン」で行った「MSV-R杯」で「Ark Performance賞」を受賞した機体も登場。コンテスト実施から登場まで時間がかかってしまったが、設定に合った場面を出さなくてはいけないため、こちらもタイミングを考えていたとのこと。
その他にも第11巻では、財前氏が印象に残ったシーンもピックアップ。第55話ラストのレッド・ウェイラインのアップのシーンは、顔を全部描くかバイザーの反射で全部隠すかと悩んだ末、「ここで必要なのは目力だということで、片目だけにした」そうだ。
第11巻と12巻については、「ほとんど会長が主人公と思えるくらい、会長が活躍している」という話でも盛り上がった。会長のシーンでは、「ガンダムエース」掲載時から追加されたところもいくつかあるそうだ。
第61話のシャアのシーンに関しては、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』について触れ「シャアはアムロと戦いたくてあの事件を起こしたけど、もっと良い手があるよ、と言われたらどういう反応をするか」という思いで描いたそうだ。「この提案が完成するとシャアはアムロと戦えなくなってしまうから、どこかで邪魔しに来るという展開もできるかな……と思うけど、描いてみないとわからないですね」と続けたが、実現する日は来るのだろうか。
さらに、初期設定画も公開されるという嬉しいサプライズもあり、ファンは大興奮の様子だった。
そして最後に、恒例の描き下ろし色紙がプレゼントされるじゃんけん大会も実施。今回は色紙に加えてサイン入りのガンプラも用意されており、白熱の戦いとなった。
コミックス「機動戦士ガンダムMSV-R 虹霓のシン・マツナガ」は第7巻まで、「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」は第12巻までがKADOKAWAより好評発売中のほか、総合電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」でも電子書籍版が好評配信中だ。
まだ読んでいない人は、ぜひともこの機会に読んでみよう。
(ガンダムインフォ編集部)
真紅の稲妻と白狼の伝説III
[日時] 2016年4月1日(金)
[会場] 東京カルチャーカルチャー
[日時] 2016年4月1日(金)
[会場] 東京カルチャーカルチャー
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