秋も深まる10月1日、東京・渋谷公会堂にて一日限りのライブエンターテインメント「機動戦士ガンダムUC Film&Live episode 4 最速上映会」が開催された。
本イベントは2部構成となっており、「ガンダムUC」のBGMを迫力のオーケストラ演奏で堪能でき、最新作episode 4が、一か月以上も先駆けて見られるという贅沢なプログラム。
オープニングは、フル・フロンタル役の池田秀一さんが、R・M・リルケの詩「オルフォイスへのソネット」第2部4を朗読。続いてオーケストラとバンド編成による演奏が響き渡る。管弦楽だけでなく、ドラムやベース、ギター、コーラスにより、『ガンダムUC』の世界を“音”で表現していく。楽曲は主にサントラ1に収録されているepisode1&2からだが、episode3&4の本編使用楽曲からもいくつかセレクト。スクリーンに演奏とシンクロした『ガンダムUC』の映像が流れることにより、曲ごとに頭の中でシーンがリフレインされ、引き込まれていく。音楽を担当する澤野弘之さんも今回のライブにはピアニストとして参加、「A LETTER」や「THE UNIVERS」でピアノでのソロ演奏を披露していた。ちなみに今回の演奏曲の構成も澤野さんみずからの手によるもの。トークでは『ガンダムUC』のオファーが来たときの感想や、作曲でのエピソードを語ってくれた。
「最初のレコーディングから、1年後にepisode 3&4用のレコーディングをしていて。ひとつの作品でこれほどスパンが空くのは初めてで、逆に新鮮な気持ちで取り組むことができました。すごくいい作品に巡り会うことができたなと今日あらためて感じております。これからのepisode用にも曲をつくることになっておりますので、気合いを入れて頑張りたいと思います」(澤野) |
澤野「僕の見ていたガンダム・シリーズが宇宙世紀を舞台にした作品だったので、その最新作となる『ガンダムUC』に音楽で携わらせていただくことになったのは、驚きもありつつとても光栄なことだと思っています。オファーをいただいて最初にメインテーマとして作曲したのが『RX-0』でした。それを古橋監督に聴いていただいたところ、『もう少しメロディに抑揚のあるほうがよいです』というご意見をいただいて。確かに『RX-0』は、主人公のバナージが出撃していく、前向きな気分を強く出した曲だったんです。メインテーマとするには、なるほど高揚感がありすぎるかなと。『ガンダムUC』は戦争であったり、バナージの背負う重い過去、父と子の物語とさまざまな要素を内包した作品でしたので、それを音楽で総括できるテーマ曲ができたらと思い、新たにメインテーマとして挑んだのが『UNICORN』なんです。Episode 1では《ユニコーンガンダム》の起動シーンで使われていて、僕も拝見してすごく感動しました」
ライブパートに続き、いよいよepisode 4の上映がスタート。『ガンダムUC』の地上編を描くepisode 4には、懐かしい連邦&ジオンMSが大活躍。緻密な作画と演出に会場も息をのんでいた。そしてファンがepisode 4で最も注目していたことのひとつが“ブライト・ノア役は誰なのか?”。最速の試写となった本イベントで、ブライト役は成田剣さんであることが初めて明かされた。上映後、福井さん、古橋監督、池田さんとともに成田さんもステージに登場。成田さんのブライトについてそれぞれの想いを語った。
「声優という仕事を始めたときから、いつかは『ガンダム』作品に参加したい! そんな気持ちをずっともちつづけていました。今回、その願いが本当に叶ってしまいました。最後まで頑張っていきますので、収録に備えてじっくりと“スタンバ”らせていただきますので(笑)、これからもよろしくお願いします!」(成田) |
福井「成田さんが演じられたブライトは、鈴置さんにそっくりでしたよね。それはけっしてモノ真似というわけではなくて、成田さんの演技に対するアプローチが鈴置さんと似ているというのが、いちばん大きなポイントでした。アフレコの現場に立ち会ったときも想像以上の演技で、何も知らずに2人のブライトを聞き比べてもわからないんじゃないかと思うほどですね」
古橋「『ガンダムUC』をつくっているのはサンライズ第1スタジオで、『犬夜叉』を制作していたところなんです。『犬夜叉』には殺生丸役で成田さんも参加されていたんですね。episode 1の制作時に、『犬夜叉』班がラッシュチェックというのをやっていると声も聞こえてくるんですよ。当然、成田さんの声も混じっていて、『ブライトさんがいるんじゃないか?』と錯覚してしまうほどだったんです。オーディションも行ないましたが、成田さんのブライト以外は考えられないという気持ちに改めてなりました」
池田「とてもよかったです。アフレコをやっていて、彼(成田)もすごく緊張していて、それがすごくわかったんです。やっぱり、人が演じていた役をやるというのはすごく大変なんですね、プレッシャーもあるだろうし。アフレコが終わった後に、軽く打ち上げがありありまして。成田君も緊張から解放されたのか、ベロンベロンに酔っぱらいまして。これも鈴置に似ているなと思いました(笑)」
成田 「大先輩の鈴置洋孝さんが演じられたキャラクターということで、うれしくもありつつ、アフレコはかなり緊張しました。それだけに大切にやらせていただきました。最後までブライト・ノアをやらせていただいて、ガンダム・ファンの皆様の期待に何とか応えられるように、頑張らせていただきます!」
ガンダム・ファンを前にブライト役への意気込みを語ってくれた成田さん。新たなブライト・ノアの誕生に、会場からも惜しみない拍手が贈られた。
より詳しいレポートは後日掲載予定なので、楽しみに待とう。
【プログラム】
1. U.C.0096
2. MOBILE SUIT
3. MINEVA
4. FULL-FRONTAL
5. A LETTER〈feat.Cyua〉
6. LAPLACE
7. THE UNIVERS(Pf Solo)~LICHT MEER
8. MAD-NUG
9. RX-0
10. LIFE & DEATH
11. ON YOUR MARK
12. EGO 〈feat.Mika Kobayashi〉
13. UNICORN
機動戦士ガンダムUC episode 4「重力の井戸の底で」上映
14.REMIND YOU〈feat.Mika Kobayashi〉
【出演】
澤野弘之(音楽)
古橋一浩(監督)
福井晴敏(ストーリー)
池田秀一(フル・フロンタル役)
成田剣(ブライト・ノア役)
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