2009年8月26日 (水)
スペシャルシンポジウム「未来のニュータイプが地球を生かす」レポート
富野監督をはじめとした特別講師を招いて行われた、親子で学ぶ体験型のシンポジウムの模様をお伝えします
富野監督をはじめとした特別講師を招いて行われた親子で学ぶ体験型のシンポジウム『未来のニュータイプが地球を生かす』が、8月23日(日)午前と午後の2回にわたり日本科学未来館で開催されました。
会場となった日本科学未来館は、GREEN TOKYO ガンダムプロジェクトの会場である潮風公園のほど近くにあります。折しも地球環境を考える特別展などが開催されており、夏休み中ということもあって多くの親子連れでにぎわっていました。
富野監督をはじめとする特別講師の方々。富野監督から出されたテーマは「今後何千年も地球で生きていく我々が、今、考えることとは?」ということで、「地球をどう考えるか」「技術をどう考えるか」を中心とした興味深いお話を“未来のニュータイプ”である子供たちにも分かりやすいようにお話しくださいました。
環境問題の専門家である枝廣淳子先生は、地球温暖化など人間が地球に及ぼす影響についてを様々に例えながら説明してくれました。参加した子供たちも身近な問題として受け止めていて、後半の質疑応答では「温暖化はどうしたら食い止められるの? 地球を冷やすことはできないの?」といった質問も。
クリーンエネルギーを研究している亀井敬史先生は、トリウムという放射性物質を燃料とする溶融塩炉という新しいエネルギー技術について解説。なんと、『機動戦士ガンダム』放送当時、物語中で “ソリウム” という名称で、マ・クベが採掘鉱山における含有量などに言及しています。ファーストガンダムの先見性が見て取れるエピソードですね。
溶融塩炉(MSR=Molten Salt Reactor)は小型化が容易なことから、実現されたらモビルスーツの動力源として使えるのではないか、そしてその時にはMSRはMobile Suit Reactorの略称になるのではないか──という亀井先生のスライドから。ミノフスキー粒子が無くてもモビルスーツが実現する日がやってくる!? 富野監督も思わず苦笑。
海と地球の専門家、平朝彦先生は、地球深部探査船「ちきゅう」の探査研究活動を中心にお話を進めます。海底下にも巨大な可能性を秘めた生命圏があり、「ちきゅう」は地球を理解することによってそのフロンティアに挑んでいる、それはガンダムが描く「フロンティアへの挑戦」というテーマにも通じる研究である──。
ロボットクリエイターの高橋智隆先生は、自らが製作したロボット「クロイノ」「FT(エフティ)」と登場。ロボットたちのパフォーマンスに子供たちは大興奮! CMで話題のロボットの開発エピソードには場内爆笑! そんな高橋先生が初めて製作したロボットはザクだった!? マブチモーター1個で電磁吸着歩行を行うというスペックがスゴイ。
子供たちの質問に真剣に答える富野監督。積極的に手を挙げて質問する子供たちを見て、未来への可能性を感じた監督は終始嬉しそうでした。
「地球で生き続けるために何かやらなきゃ。」──亀井先生のスライドに書かれたこの言葉こそ、このシンポジウムで子供たちに伝えたかったメッセージかもしれません。
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