▲佐藤光裕さん、重田 智さん、福田己津央監督、池谷浩臣さん
「『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』大ヒット御礼スタッフトーク上映会」の第3弾が、4月23日(火)に東京・新宿ピカデリーで開催された。
イベントには、福田己津央監督、メカニカルアニメーションディレクターの重田 智さん、CGアニメーションメインディレクターの佐藤光裕さん、制作担当の池谷浩臣さんの4名が登壇。そしてプロデューサーの仲 寿和さんがMCを務め、劇中の一部を動画で投影しながら、モビルスーツに関する話題を中心に、こだわったシーンや演出について貴重な話の数々が語られた。
それでは早速、イベントの模様をレポートしていこう。
イベントには、福田己津央監督、メカニカルアニメーションディレクターの重田 智さん、CGアニメーションメインディレクターの佐藤光裕さん、制作担当の池谷浩臣さんの4名が登壇。そしてプロデューサーの仲 寿和さんがMCを務め、劇中の一部を動画で投影しながら、モビルスーツに関する話題を中心に、こだわったシーンや演出について貴重な話の数々が語られた。
それでは早速、イベントの模様をレポートしていこう。
イベントレポート
MCを務める仲プロデューサーの呼び込みとともに、大きな拍手で迎えられ、福田監督、重田さん、佐藤さん、池谷さんが登場。
池谷さんは、『機動戦士ガンダムSEED』制作当時(2002年)から携わっているスタッフということで、福田監督から「出すつもりのなかったデュエルとバスターの新型を登場させるよう私を説得したのは池谷さんです。イザークとディアッカファンの皆さんはぜひ覚えてあげてください」と紹介が。池谷さんからも「新作ということで、(デュエルとバスターの)新しい商品があると喜ばれるかなと思いました(笑)」との答えに会場からは笑いと拍手が起こり、和やかな雰囲気でイベントがスタート。
今回はスクリーンに本編の映像を投影しながら、制作時のラッシュチェック(映像を確認する工程)を再現するような形式でのトークとなった。
池谷さんは、『機動戦士ガンダムSEED』制作当時(2002年)から携わっているスタッフということで、福田監督から「出すつもりのなかったデュエルとバスターの新型を登場させるよう私を説得したのは池谷さんです。イザークとディアッカファンの皆さんはぜひ覚えてあげてください」と紹介が。池谷さんからも「新作ということで、(デュエルとバスターの)新しい商品があると喜ばれるかなと思いました(笑)」との答えに会場からは笑いと拍手が起こり、和やかな雰囲気でイベントがスタート。
今回はスクリーンに本編の映像を投影しながら、制作時のラッシュチェック(映像を確認する工程)を再現するような形式でのトークとなった。
まずは、ライジングフリーダムガンダムが複数のMSと戦闘を繰り広げるシーンが投影された。
福田監督は、制作が始まった当初はCGを細かく確認していたが、制作が進むにつれて、確認はするもののCGスタッフに任せるようになっていったそう。「重田さんが良いならいいよ」と伝えることもあったと、重田さんとCGスタッフへの信頼を語る。
投影されているシーンの前後については、CGで作られた映像に、重田さんが後から細かく手描きを加えたとのことで、その質感の良さに福田監督も「とても良くできていますよね」と太鼓判を押していた。
その後に登場したデストロイガンダムにバックパックが無い理由について、福田監督は「円盤(バックパック)を背負っているデストロイだとドラグナーカット(『機甲戦記ドラグナー』のシーンをオマージュした構図)が使えないというのと、戦力的にも枯渇している時期だからこそ持てる戦力を全て出した、ということを表現したくてこういった形にしました」と明かす。佐藤さんからも「第一幕にくらべて、デストロイのビームをCGで弱くしています」と補足があると、緻密な演出に会場からは感嘆のため息が漏れた。
福田監督は、制作が始まった当初はCGを細かく確認していたが、制作が進むにつれて、確認はするもののCGスタッフに任せるようになっていったそう。「重田さんが良いならいいよ」と伝えることもあったと、重田さんとCGスタッフへの信頼を語る。
投影されているシーンの前後については、CGで作られた映像に、重田さんが後から細かく手描きを加えたとのことで、その質感の良さに福田監督も「とても良くできていますよね」と太鼓判を押していた。
その後に登場したデストロイガンダムにバックパックが無い理由について、福田監督は「円盤(バックパック)を背負っているデストロイだとドラグナーカット(『機甲戦記ドラグナー』のシーンをオマージュした構図)が使えないというのと、戦力的にも枯渇している時期だからこそ持てる戦力を全て出した、ということを表現したくてこういった形にしました」と明かす。佐藤さんからも「第一幕にくらべて、デストロイのビームをCGで弱くしています」と補足があると、緻密な演出に会場からは感嘆のため息が漏れた。
続けて、本編冒頭の野戦シーンについて。
重田さんは、今までの「SEEDシリーズ」ではあまりないシーンであったことと、見栄えを抑えつつ、“SEEDらしい”ものにするという塩梅が大変だったと明かす。TVシリーズでは雰囲気で描きがちだったようなシーンも、“芝居を描く”ことを念頭に置いて調整が行われており、銃の構え方や盾の持ち方・使い方の工夫や、戦闘シーンでも一般兵は頭を殴ったり、1度じゃ敵を斬れず、2回斬りつけたりする描写が入れられているとのこと。
福田監督が「重田さんは『ちゃんと下っ端は盾を構えろ』とよく言いますよね」とコメントがあると、重田さんは「『SEED』『DESTINY』のリマスター作業をしているときに、なんでもない機体がフリーダムと同じポーズをとっていて、『おまえ、そういう役じゃないじゃん……』と思うことが何度もあって(笑)」と明かす。
さらに「せっかく(シールドを)持っているのだから、ポーズとかお芝居に活かして欲しい、というのがTVシリーズではやり切れなかったところがあったので、今回はなるべくそういう指示を出しました」と本作でのこだわりを話した。
重田さんは、今までの「SEEDシリーズ」ではあまりないシーンであったことと、見栄えを抑えつつ、“SEEDらしい”ものにするという塩梅が大変だったと明かす。TVシリーズでは雰囲気で描きがちだったようなシーンも、“芝居を描く”ことを念頭に置いて調整が行われており、銃の構え方や盾の持ち方・使い方の工夫や、戦闘シーンでも一般兵は頭を殴ったり、1度じゃ敵を斬れず、2回斬りつけたりする描写が入れられているとのこと。
福田監督が「重田さんは『ちゃんと下っ端は盾を構えろ』とよく言いますよね」とコメントがあると、重田さんは「『SEED』『DESTINY』のリマスター作業をしているときに、なんでもない機体がフリーダムと同じポーズをとっていて、『おまえ、そういう役じゃないじゃん……』と思うことが何度もあって(笑)」と明かす。
さらに「せっかく(シールドを)持っているのだから、ポーズとかお芝居に活かして欲しい、というのがTVシリーズではやり切れなかったところがあったので、今回はなるべくそういう指示を出しました」と本作でのこだわりを話した。
ブラックナイトスコード シヴァとライジングフリーダムガンダムの戦闘シーンについては、「もっと引いた画角にしてほしい」と重田さんから指示があったという。それは、富野由悠季監督が30年前に発した「劇場版は引かなきゃだめですよ」という教えに基づいているとのこと。アップの映像は迫力があるが、大画面でみると窮屈になってしまうことに加え、アクションを派手にしても余白がないとエフェクトが入らなかったり動く軌道が見えなかったりするため、劇場ではテレビシリーズとは別の画作りをするために工夫をしていると語った。
次に投影されたのはミレニアムの離水シーン。佐藤さんは、福田監督の指定もあり『宇宙戦艦ヤマト』を何度も見て参考にしたそう。また、CG制作において『マイティジャック』も多く参考として挙げられており、特に噴射口から噴射して出撃するシーンは参考にしていると語られた。
福田監督は「波を高くしてほしい」と指示したことが記憶に残っているとのことで、「港の海に比べてうねりのある外洋の波が船に伝わるとリアルかなと思い、お願いしました」「波があるおかげでミレニアムの巨大感がすごく際立ってよかったです」とその出来栄えをアピールした。
福田監督は「波を高くしてほしい」と指示したことが記憶に残っているとのことで、「港の海に比べてうねりのある外洋の波が船に伝わるとリアルかなと思い、お願いしました」「波があるおかげでミレニアムの巨大感がすごく際立ってよかったです」とその出来栄えをアピールした。
また、福田監督からのリテーク(作り直しの指示)が多かったシーンとして、ミレニアムがレクイエムの攻撃を回避するシーンが挙げられた。
同シーンは、元々ミレニアムが加速することで攻撃回避するシーンだったのを、ブレーキングでの回避に変更されたという。ブレーキングは、パラシュートを出すなどの案の中から艦首を90度上げて減速するコブラ軌道の形になったが、どうしても上昇しているように見えてしまう、という難しさがあり、何度も調整が行われたことが明かされた。
また、福田監督が「でもみんな、どういう軌道で避けたかじゃなくて、誰がやったか、というところでウケてくれて……(笑)」とコメントすると、会場からも笑いが起こった。
ミレニアムには、先述のコブラ軌道はじめ、飛行機と同じような機動ができるように、という意図で翼をつけたという。ミネルバは前方に翼があったのに対してミレニアムは後方に翼がついているのは、メカニカルデザインの宮武一貴さんに「格好良い戦艦を作りたかったら、全部翼を後ろにしろ」と言われたからだと福田監督は打ち明ける。さらに、『宇宙海賊キャプテンハーロック』に登場する「アルカディア号」をイメージした案もあったとのことで、重田さんから「あるとき監督から、最後にマリュー・ラミアスが操舵輪をまわしながら突撃する案の相談を受けました(笑)」とまさかの裏話も披露された。
同シーンは、元々ミレニアムが加速することで攻撃回避するシーンだったのを、ブレーキングでの回避に変更されたという。ブレーキングは、パラシュートを出すなどの案の中から艦首を90度上げて減速するコブラ軌道の形になったが、どうしても上昇しているように見えてしまう、という難しさがあり、何度も調整が行われたことが明かされた。
また、福田監督が「でもみんな、どういう軌道で避けたかじゃなくて、誰がやったか、というところでウケてくれて……(笑)」とコメントすると、会場からも笑いが起こった。
ミレニアムには、先述のコブラ軌道はじめ、飛行機と同じような機動ができるように、という意図で翼をつけたという。ミネルバは前方に翼があったのに対してミレニアムは後方に翼がついているのは、メカニカルデザインの宮武一貴さんに「格好良い戦艦を作りたかったら、全部翼を後ろにしろ」と言われたからだと福田監督は打ち明ける。さらに、『宇宙海賊キャプテンハーロック』に登場する「アルカディア号」をイメージした案もあったとのことで、重田さんから「あるとき監督から、最後にマリュー・ラミアスが操舵輪をまわしながら突撃する案の相談を受けました(笑)」とまさかの裏話も披露された。
さらに話題は、興行収入40億円を突破した際に公開された動画についても。
佐藤さんから「ズゴックの中にインフィニットジャスティスガンダム弐式はどうやって入っているんですか?」という質問が挙げられると、会場は大盛りあがりに。
福田監督は「ズゴックのデザイン案はすごく幅がありました。中身が見えているアーマーみたいなズゴックがあったり、大河原(邦男)さんからは、胴体が大きくて『ちゃんとジャスティスが入るんじゃないか?』と思わせるような案もあって。でも最終的にはシャアのズゴックに近づけていきました」とズゴックのデザインの紆余曲折を語る。
重田さんが「どうやったって入らない。最終的にはアニメだからと納得してもらうしかない(笑)」とコメントすると、会場は大きな笑いに包まれた。
佐藤さんから「ズゴックの中にインフィニットジャスティスガンダム弐式はどうやって入っているんですか?」という質問が挙げられると、会場は大盛りあがりに。
福田監督は「ズゴックのデザイン案はすごく幅がありました。中身が見えているアーマーみたいなズゴックがあったり、大河原(邦男)さんからは、胴体が大きくて『ちゃんとジャスティスが入るんじゃないか?』と思わせるような案もあって。でも最終的にはシャアのズゴックに近づけていきました」とズゴックのデザインの紆余曲折を語る。
重田さんが「どうやったって入らない。最終的にはアニメだからと納得してもらうしかない(笑)」とコメントすると、会場は大きな笑いに包まれた。
イベントの最後には登壇者それぞれから挨拶があり、盛大な拍手とともにスタッフトークは幕を下ろした。
福田監督「まだまだ続いていきますので、みなさんに劇場へ通っていただければいただくほど次の展開へつながるのではないかと思います。いろいろな仕込みも行っていますのでよろしくお願いいたします」
重田さん「作っている最中はすごく大変でしたが、お客さんが入っている状態でみるのは今日が初めて。作品に対して作り手として思うことは色々ありますが、長い間待ってくださった皆さんが楽しんでいるのを見ると、喜ばしいなと思います。こんなに長く上映され、興行収入も伸びていくとは思いもしなかったです。本当に皆さんのおかげです」
佐藤さん「『SEED』放送当時は、まだ視聴者として楽しんでいた作品でしたが、こうやって自分が関わらせていただけたことは感無量です。ファンの目線から、TV版を楽しんでくださったファンが見て違和感がないようにできたと思っています。またなにかあれば、ご一緒したいと考えていますので、よろしくお願いいたします」
池谷さん「本当に何度も足を運んでいただきありがとうございます。20年近い月日を経たなかで、楽しみに待ってくださった方には感謝しかありません。上映は続きますので、引き続きよろしくお願いします」
福田監督「まだまだ続いていきますので、みなさんに劇場へ通っていただければいただくほど次の展開へつながるのではないかと思います。いろいろな仕込みも行っていますのでよろしくお願いいたします」
重田さん「作っている最中はすごく大変でしたが、お客さんが入っている状態でみるのは今日が初めて。作品に対して作り手として思うことは色々ありますが、長い間待ってくださった皆さんが楽しんでいるのを見ると、喜ばしいなと思います。こんなに長く上映され、興行収入も伸びていくとは思いもしなかったです。本当に皆さんのおかげです」
佐藤さん「『SEED』放送当時は、まだ視聴者として楽しんでいた作品でしたが、こうやって自分が関わらせていただけたことは感無量です。ファンの目線から、TV版を楽しんでくださったファンが見て違和感がないようにできたと思っています。またなにかあれば、ご一緒したいと考えていますので、よろしくお願いいたします」
池谷さん「本当に何度も足を運んでいただきありがとうございます。20年近い月日を経たなかで、楽しみに待ってくださった方には感謝しかありません。上映は続きますので、引き続きよろしくお願いします」
(ガンダムインフォ編集部)
『機動戦⼠ガンダムSEED FREEDOM』大ヒット御礼スタッフトーク上映会 第3弾
開催日:2024年4月23日(火)
会場:新宿ピカデリー(新宿区新宿3丁⽬15-15)
開催日:2024年4月23日(火)
会場:新宿ピカデリー(新宿区新宿3丁⽬15-15)
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