▲仲 寿和プロデューサー、藤田進夢3DCG制作デスク
「『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』大ヒット御礼スタッフトーク上映会」の第2弾が、4月9日(火)に東京・新宿ピカデリーで開催された。
今回も、4月2日(火)に開催された第1弾同様、『SEED FREEDOM』の仲 寿和プロデューサーと藤田進夢3DCG制作デスクが登壇。第2弾は「CGアニメーション編」と題して、本作におけるCG制作のメイキングや裏話が語られた。
平日にも関わらず大盛況となり、第1弾に参加した人はもちろん、第2弾から参加したファンにとっても思い出深い夜となった。
それでは早速、現地の模様をレポートしていこう。
今回も、4月2日(火)に開催された第1弾同様、『SEED FREEDOM』の仲 寿和プロデューサーと藤田進夢3DCG制作デスクが登壇。第2弾は「CGアニメーション編」と題して、本作におけるCG制作のメイキングや裏話が語られた。
平日にも関わらず大盛況となり、第1弾に参加した人はもちろん、第2弾から参加したファンにとっても思い出深い夜となった。
それでは早速、現地の模様をレポートしていこう。
イベントレポート
スタッフトーク第2弾「CGアニメーション編」は、CGアニメーションの制作工程の話からスタート。
アニメでCGを使用する際、これまでは、手描きの作画をCGで再現していくような工程を踏んでいくことが多かった。しかし、1,600を超える膨大なカット数でCGが使われた『SEED FREEDOM』では、絵コンテから直接CGムービーを作成することになった。
【『SEED FREEDOM』における基本的なCGカット制作工程】
絵コンテ→演出&CG会議→CGムービー作成→福田己津央監督によるチェック→修正→メカニカルアニメーションディレクター・重田 智さんによるチェック→修正→仕上げ→撮影→ラッシュチェック→修正→再撮影→カット完成
仲プロデューサーは「チェックがたくさんあるとか、手間が多そうに見えるんですけど、『チェック時間を可能な限り効率よく行うには…』と模索した結果、これが一番良さそうだとなった」と明かした。
また、藤田さんが『SEED FREEDOM』に携わったCG協力会社を紹介する一幕も。協力会社は当初6社の予定だったが、制作が進むにつれて予想を大幅に超えて多くのCGカットを制作することになったため、「アニメのCG会社で有名なところには軒並みお願いした」と藤田さんは語る。協力会社は最終的に19社にまで増えたが、「本当に良いものを上げてくださったので、この場を借りてご紹介できればなと思った次第です」と、各社へ感謝の言葉を口にしていた。
続いて、福田監督と重田さんによるCGチェックについて。
福田監督は、『トップガン マーヴェリック』や『スター・ウォーズ』といった映画や特撮作品を例えに出すことが多く、そのニュアンスを拾いつつ、重田さんが画を交えて修正を行う、という流れが基本となるそう。特に劇中の見せ場など表現を追求すべきカットは、CG映像をコマごとに紙に印刷し、重田さんが直接修正を行ったうえでCGを再作成する、といった流れを繰り返した。
仲さんは「最初から作画で描いてもらったほうが早いのではないか、という思考が一瞬よぎるかもしれないですけど、やはり全部を(作画で)描くよりは、直しやポイントを入れてもらうほうが、多くのカットを早く見られるということで、こういう形をとった」と明かし、藤田さんは「重田さんは、そのカットの修正内容だけでなく、考え方や構図を図解してくれたので、若手のクリエイターのレベルアップにつながった」と、異口同音に本体制の利点を語っていた。
アニメでCGを使用する際、これまでは、手描きの作画をCGで再現していくような工程を踏んでいくことが多かった。しかし、1,600を超える膨大なカット数でCGが使われた『SEED FREEDOM』では、絵コンテから直接CGムービーを作成することになった。
【『SEED FREEDOM』における基本的なCGカット制作工程】
絵コンテ→演出&CG会議→CGムービー作成→福田己津央監督によるチェック→修正→メカニカルアニメーションディレクター・重田 智さんによるチェック→修正→仕上げ→撮影→ラッシュチェック→修正→再撮影→カット完成
仲プロデューサーは「チェックがたくさんあるとか、手間が多そうに見えるんですけど、『チェック時間を可能な限り効率よく行うには…』と模索した結果、これが一番良さそうだとなった」と明かした。
また、藤田さんが『SEED FREEDOM』に携わったCG協力会社を紹介する一幕も。協力会社は当初6社の予定だったが、制作が進むにつれて予想を大幅に超えて多くのCGカットを制作することになったため、「アニメのCG会社で有名なところには軒並みお願いした」と藤田さんは語る。協力会社は最終的に19社にまで増えたが、「本当に良いものを上げてくださったので、この場を借りてご紹介できればなと思った次第です」と、各社へ感謝の言葉を口にしていた。
続いて、福田監督と重田さんによるCGチェックについて。
福田監督は、『トップガン マーヴェリック』や『スター・ウォーズ』といった映画や特撮作品を例えに出すことが多く、そのニュアンスを拾いつつ、重田さんが画を交えて修正を行う、という流れが基本となるそう。特に劇中の見せ場など表現を追求すべきカットは、CG映像をコマごとに紙に印刷し、重田さんが直接修正を行ったうえでCGを再作成する、といった流れを繰り返した。
仲さんは「最初から作画で描いてもらったほうが早いのではないか、という思考が一瞬よぎるかもしれないですけど、やはり全部を(作画で)描くよりは、直しやポイントを入れてもらうほうが、多くのカットを早く見られるということで、こういう形をとった」と明かし、藤田さんは「重田さんは、そのカットの修正内容だけでなく、考え方や構図を図解してくれたので、若手のクリエイターのレベルアップにつながった」と、異口同音に本体制の利点を語っていた。
続いて、本イベントの目玉にもなった「カット制作時のこだわり」の話題に。
最初に紹介されたカットは、ライジングフリーダムガンダムの変形シーン。
CGスタッフと重田さんが「ほぼ完成」というところまで作業を詰め、モビルスーツ形態からモビルアーマー形態へと素早く変形する映像を作り上げたが、それを見た福田監督から「もっと重く、もっとしっかり変形を見せたい。いつもの『SEED』じゃない感じにして欲しい。ライジングフリーダムがどういった機体なのかをちゃんと見せて印象付けたい」との要望があったという。
そこで、変形のプロセスをゆっくりと描いていた『機動戦士Ζガンダム』のワンシーンを参考に、重田さんがアイデアをムービーにまとめ、さらにそれをCGに反映させて、変形シーンを完成させた。シーン完成までの一連の映像が公開されると、観客から感嘆の声が漏れた。
「このシーンだけでも13回くらい作り直してまして(笑)」と藤田さんが明かすと、すかさず仲プロデューサーも「これめっちゃかかったよね!」と反応。また、「人によっては最初のテイクの方が好みだって人がいるんじゃないかって思ったりするんですけど、ぶっちゃけ最初の方が好きな人っています?」と観客に問いかけると、大多数が修正後のテイクが好きだという結果となった。これ受けて藤田さんは「僕たちも頑張った甲斐があったということですね」と安堵した様子だった。
福田監督の演出意図を汲み取って作画に反映させる重田さんの技術、さらにそれをしっかり映像化したCGスタッフの頑張りに対して、藤田さんが感謝の言葉を述べると、観客からは大きな拍手が送られた。
最初に紹介されたカットは、ライジングフリーダムガンダムの変形シーン。
CGスタッフと重田さんが「ほぼ完成」というところまで作業を詰め、モビルスーツ形態からモビルアーマー形態へと素早く変形する映像を作り上げたが、それを見た福田監督から「もっと重く、もっとしっかり変形を見せたい。いつもの『SEED』じゃない感じにして欲しい。ライジングフリーダムがどういった機体なのかをちゃんと見せて印象付けたい」との要望があったという。
そこで、変形のプロセスをゆっくりと描いていた『機動戦士Ζガンダム』のワンシーンを参考に、重田さんがアイデアをムービーにまとめ、さらにそれをCGに反映させて、変形シーンを完成させた。シーン完成までの一連の映像が公開されると、観客から感嘆の声が漏れた。
「このシーンだけでも13回くらい作り直してまして(笑)」と藤田さんが明かすと、すかさず仲プロデューサーも「これめっちゃかかったよね!」と反応。また、「人によっては最初のテイクの方が好みだって人がいるんじゃないかって思ったりするんですけど、ぶっちゃけ最初の方が好きな人っています?」と観客に問いかけると、大多数が修正後のテイクが好きだという結果となった。これ受けて藤田さんは「僕たちも頑張った甲斐があったということですね」と安堵した様子だった。
福田監督の演出意図を汲み取って作画に反映させる重田さんの技術、さらにそれをしっかり映像化したCGスタッフの頑張りに対して、藤田さんが感謝の言葉を述べると、観客からは大きな拍手が送られた。
次に、オルドリンの防衛隊がカナジへ侵攻し始めるカットを使って、「『SEED FREEDOM』におけるCGの色味」を解説。
画面全体に対するフィルター等の処理で色味を変えると、ディテールの色がくすんだり、落ちてしまったりといった問題が生じてしまうそう。そこで本作では、CGも作画と同じようにシーンごとに色を設計し、後処理ではなくCGモデル作成の段階から反映させる手法をとった。
藤田さんは「色彩設計含め作業が大変になってしまったのですが、良い色合いを出せたと思っています」と振り返った。
最後は、デスティニーガンダムSpecIIの発進から戦艦撃墜までのシーンの裏話が披露された。
迫力あるカットの連続なのだが、このシーンでは、エフェクトを担当していた社内スタッフが「自分もアニメーション、やってみたいです!」と志願し、キャリアで初めてアニメーションを担当したそうだ。仲プロデューサーと藤田さんは口をそろえて「スタッフのスキルがどんどん上がっていくので、ビックリするとともに楽しかった」と語っていた。
画面全体に対するフィルター等の処理で色味を変えると、ディテールの色がくすんだり、落ちてしまったりといった問題が生じてしまうそう。そこで本作では、CGも作画と同じようにシーンごとに色を設計し、後処理ではなくCGモデル作成の段階から反映させる手法をとった。
藤田さんは「色彩設計含め作業が大変になってしまったのですが、良い色合いを出せたと思っています」と振り返った。
最後は、デスティニーガンダムSpecIIの発進から戦艦撃墜までのシーンの裏話が披露された。
迫力あるカットの連続なのだが、このシーンでは、エフェクトを担当していた社内スタッフが「自分もアニメーション、やってみたいです!」と志願し、キャリアで初めてアニメーションを担当したそうだ。仲プロデューサーと藤田さんは口をそろえて「スタッフのスキルがどんどん上がっていくので、ビックリするとともに楽しかった」と語っていた。
質疑応答のコーナーでは、制作現場でのジェネレーションギャップについて質問が飛び出した。
仲プロデューサーは「監督が例えで出す『マイティジャック』を誰も分からない」と答えると、会場は大爆笑。藤田さんは「(福田監督は)古い例えもありますけど、最新の作品もしっかり観られている」とフォローし、その一例として、ブラックナイトスコード ルドラのビームマントのイメージを福田監督に聞いたところ、「トウカイテイオー」と回答が。最初は「そういった作品が昔あったのかもしれない」と思っていたが、「あ、違う違う、『ウマ娘』」と言われたので「監督、『ウマ娘』やってるんですか!?」という、ユニークなエピソードも披露された。
最後に登壇者それぞれから挨拶があり、盛大な拍手とともにスタッフトークは幕を下ろした。
仲プロデューサー「今日はありがとうございました。また次回は、監督のティーチインという形でやれればと思うので、何が飛び出すかはドキドキしますが、それも含めて楽しんでもらえましたらと思います」
藤田3DCG制作デスク「CGがこんなに表立って何かを言ったりする場がなかなか少ないので、大変嬉しい機会となりました。皆さんありがとうございました」
4月18日(木)に東京・新宿ピカデリーで実施される「大ヒット御礼ティーチイン上映会」のチケットは、好評発売中。福田監督が登壇し、質問に答える貴重な機会となっているので、ぜひ足を運んでみよう。
仲プロデューサーは「監督が例えで出す『マイティジャック』を誰も分からない」と答えると、会場は大爆笑。藤田さんは「(福田監督は)古い例えもありますけど、最新の作品もしっかり観られている」とフォローし、その一例として、ブラックナイトスコード ルドラのビームマントのイメージを福田監督に聞いたところ、「トウカイテイオー」と回答が。最初は「そういった作品が昔あったのかもしれない」と思っていたが、「あ、違う違う、『ウマ娘』」と言われたので「監督、『ウマ娘』やってるんですか!?」という、ユニークなエピソードも披露された。
最後に登壇者それぞれから挨拶があり、盛大な拍手とともにスタッフトークは幕を下ろした。
仲プロデューサー「今日はありがとうございました。また次回は、監督のティーチインという形でやれればと思うので、何が飛び出すかはドキドキしますが、それも含めて楽しんでもらえましたらと思います」
藤田3DCG制作デスク「CGがこんなに表立って何かを言ったりする場がなかなか少ないので、大変嬉しい機会となりました。皆さんありがとうございました」
4月18日(木)に東京・新宿ピカデリーで実施される「大ヒット御礼ティーチイン上映会」のチケットは、好評発売中。福田監督が登壇し、質問に答える貴重な機会となっているので、ぜひ足を運んでみよう。
(ガンダムインフォ編集部)
「大ヒット御礼ティーチイン上映会」はチケット好評発売中!
【日時】
2024年4月18日(木)18:30の回上映後
【登壇者】
福田己津央監督、仲 寿和プロデューサー
※予定
※登壇者は予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。
【会場】
新宿ピカデリー
(東京都新宿区新宿3-15-15)
【チケット料金】
全席指定料金2,200円均一
※ムビチケ使用不可
※各種招待券・無料鑑賞券等はご利用いただけません。
【チケット販売】
インターネット先行販売:2024年4月10日(水)0:00~※SMT Members会員・非会員とも
劇場窓口販売(残席がある場合のみ):2024年4月10日(水)劇場OPEN~
2024年4月18日(木)18:30の回上映後
【登壇者】
福田己津央監督、仲 寿和プロデューサー
※予定
※登壇者は予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。
【会場】
新宿ピカデリー
(東京都新宿区新宿3-15-15)
【チケット料金】
全席指定料金2,200円均一
※ムビチケ使用不可
※各種招待券・無料鑑賞券等はご利用いただけません。
【チケット販売】
インターネット先行販売:2024年4月10日(水)0:00~※SMT Members会員・非会員とも
劇場窓口販売(残席がある場合のみ):2024年4月10日(水)劇場OPEN~
『機動戦⼠ガンダムSEED FREEDOM』大ヒット御礼スタッフトーク上映会「CGアニメーション編」
開催日:2024年4月9日(火)
会場:新宿ピカデリー(新宿区新宿3丁⽬15-15)
開催日:2024年4月9日(火)
会場:新宿ピカデリー(新宿区新宿3丁⽬15-15)
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