ガンダムファッションチェック 第2回「ガンダム00編②」服のセンスでわかるキャラクターの性格

【目次】

第1回「ガンダム00編①」ガンダム00のファッションデザイン

⇒第2回「ガンダム00編②」服のセンスでわかるキャラクターの性格

第3回「ガンダム00編③」ガンダム00で好きな衣裳デザイン

第4回「ガンダム00編④」明日から使えるガンダム00コーデ

②「服のセンスでわかるキャラクターの性格」

― キャラクターの深層心理は服装に出る！？ ―

どんな服を着ているかで、その人の性格や人となりはある程度わかるものです。『機動戦士ガンダム00』におけるファッションリーダー的存在は、2人いると思います。

1人は「スメラギ・李・ノリエガ」さん。彼女の場合、胸元が大きく開いた服や肌の露出が多いデザインの服を選ぶことが多いようです。これは自分に相当な自信がなければできないチョイスで、彼女の任務の重要性や指揮官としての立場にも即したものと言えます。一方で、酒に溺れて自堕落な生活を送るなど、精神的な弱さも抱えている彼女ですから、あえて派手なものを纏い、それを隠している面もあるからでしょう。紫を使うことが多いのも、大人っぽい印象があってスメラギさんの魅力のひとつです。

とくに驚いたのは水着姿で、いつもなら胸元が開いているのに、あえて首から胸を隠しています。しかし、ウエストのくびれは強調されたデザインで、（放送）当時大流行していたパレオを組み合わせており、単なるビキニを選ばないところに、スメラギ流の大人の色気が感じられます。

もう1人は「王留美（ワン・リューミン）」さん。中華系という背景を持つ彼女は、民族的なデザインの衣裳が多く、カラフルでバリエーションも豊富です。

ファーストシーズンでは、まだ少女だったせいか子供っぽい印象ですが、セカンドシーズンでは、大人の女性らしい深いスリットの入ったドレス姿を見せてくれます。そこからは、おしゃれが好きなだけじゃない、本心が読めない危険な女性という印象を受けます。

また、ファッション的に強烈な印象を与えているのが、「ミスター・ブシドー」です。彼の場合、思想的な理由から“サムライ”的なものに目覚めた経緯があるため、そこにファッションセンスは関係ないと思われます。推測ですが、アロウズの制服に陣羽織を重ね着しているように見えます。軍服をカスタムする業者か何かに特注したのでしょうか（笑）。デザイン画を自分で描いていたりしそうで、微笑ましいです。

ファッションの世界ではいくつか定番というものがあって、私の中での最強の法則のひとつに「白衣は無敵」というのがあります。つまり、ジャージや短パン、スーツであろうと、白衣を上に重ねてしまえば恰好がつく。白衣を羽織った瞬間に、その人物は医者や学者のような知性の高い職業の人に見えてしまうのです。

「ビリー・カタギリ」がまさにそれで、優柔不断で決断力に欠ける彼は、色気のない地味な服装がほとんどです。そんな目立たない彼でも、白衣を着れば一瞬で超有能科学者に見えてしまいます。これは白衣だけでなく、白い上着やシャツでも同様の効果があって、例えば、『仮面ライダードライブ』での詩島 剛も、白ジャケットを羽織ることで無敵感を出しています。皆様も、ぜひお試しください。

次回、第3回「ガンダム00編③」ガンダム00で好きな衣裳デザインは、12月12日（水）更新予定！お楽しみに！

三浦 玄

スタイリスト。数々のドラマ、映画、舞台、写真集など幅広いジャンルで活躍中。

1983年生まれ、群馬県出身。主な仕事に、「仮面ライダー鎧武／ガイム」や「仮面ライダードライブ」、「スモーキング」、「ハゲタカ」など。

大のガンダムファンで特に好きな作品は『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』。