「Q．『富野由悠季の世界』BD＆DVDが2/25発売！富野監督がラフデザインを描いたメカどれが好き？」はゲルググが1位！【2/14～20】

ガンダムの産みの親である富野由悠季監督の創作活動の歴史を振り返る巡回展「富野由悠季の世界」展が、2019年6月の福岡市美術館から、2022年1月の北海道立近代美術館まで、全国8会場で行われた。
会場の雰囲気を存分に感じてもらいながら、展覧会の企画者である学芸員へのインタビューや著名クリエイターによる証言を確認できるドキュメントムービー「富野由悠季の世界 ～Film works entrusted to the future～」がついに発売された。
会場には膨大な資料が展示されていたのだが、今回はその中でも富野監督自らが描いたというメカのラフデザインに絞って調査してみた。

が38ポイント弱の支持を集めた。ゲルググ、ジオングとともに、シャア・アズナブルが乗った機体なので人気は高かったのだが、4ポイントほどの僅差でゲルググが勝った。
ゲルググは、一年戦争末期にジオン公国軍が開発にした量産機。これまでのザクなどとは違い、ジオン公国軍のMSでは初めてビーム・ライフルを装備し、ガンダムに匹敵する性能を持つとまで言われた。
今回、特筆すべきは、富野監督のラフの段階で、ビーム・ライフルやビーム・ナギナタも描かれていたことである。ボディ形状もほぼそのままで、特徴的なモノアイ部もラフの段階でデザインされていた。

誤解を恐れずに言わせていただくと、富野監督は絵がとても上手である。1枚の作品として仕上げることはほとんどなかったようだが、アイデアを形にしてみせるというビジュアライゼーションにおいては天才的であると思う。
ビグ・ザムやエルメスを初めて見た時に、なんでこんな形のモノが登場するのだろうと感じていた。当時はメカデザイナーの思いつきなのかと思っていた。しかし、「富野由悠季の世界」展で富野監督の描いたイメージラフを改めてみると、最終形とほとんど変わりがないのだ。もちろん演出の意図があり、デザイナーが武装や機能などを変更するのは難しいのかもしれないが、ほぼそのままといっていい形状に仕上がっているのだ。特にエルメスでは三面図まで起こしている。
今回の「富野由悠季の世界」展を観て、改めて幅広い作品世界の発想の一端に接することができたような気がする。ギリギリで苦しいときもあったであろうが、どんな状況下であっても、自分の思いを形にして、現状を突破する力。富野監督から溢れ出るエネルギーを会場で感じることができた。会場に足を運べなかった方も、ぜひこのBD＆DVDで、富野監督の軌跡に触れてもらいたい。