ゴールデンウィーク最終日の5月8日(日)、新宿ロフトプラスワンでは、6月24日発売のBlu-ray BOX「SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors コレクションボックス」(完全受注限定生産/受注締切 5月19日)と、7月22日発売の「G-SELECTION 機動戦士SDガンダム DVD-BOX」(初回限定生産/予約締切 6月14日)の発売を記念して「とことんSDガンダム!! in ロフトプラスワン 」が開催された。
イベントは全3部で構成され、「SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors」(以下、SDガンダム三国伝)のスタッフが制作秘話を赤裸々に語る第一部、1990年当時のSDガンダムブームを振り返る第二部はスペシャルゲストとともに、そして来場者アンケートをもとにSDガンダムの未来を語る第三部では、豪華アイテム大放出のプレゼント抽選会も行われ大いに盛り上がった。
会場に詰めかけた多くの三国伝ファン、SDガンダムファンを熱狂させたイベントの模様をレポートしていこう。
■ 第一部「SDガンダム三国伝」特集 ~その時三国伝は動いた~
左から岸本みゆき氏、恒松あゆみさん、鈴木健一監督、森邦宏監督、佐藤プロデューサー。
「SDガンダム三国伝」制作陣にスペシャルゲストの貂蝉キュベレイ役・恒松あゆみさんを迎えて行われた第一部では、各人より作品に込めた思いや、企画からTVアニメ放送までの様々な制作秘話が赤裸々に語られた。
まずは森監督、鈴木監督から挨拶とともに
「プラモデル(BB戦士 三国伝)のPV映像から参加しているのですが、TVシリーズはけっこう面白い作品にできたなと思っています。海外での放送・配信もあるので、まだこれから伸びる可能性はあるし、また新しいものも作れたらなあと思っています。」(森監督)
「『SDガンダムフォース』も3Dで作ってましたが、当時に比べて技術が発達したということもあってCGとセルの馴染みもだいぶ良くなったなと自負しています。」(鈴木監督)
と、作品に対する自信が力強く語られ、また、制作にあたっては
「SDガンダムが芝居をして三国志の大河ドラマを作っていくということで、この可愛いメカを人間だと思えるように、人間芝居をいつもより強調するように心がけました。」(森監督)
というこだわりのポイントが挙げられた。
“SDガンダムだけど人間らしく芝居させる”という点について司会の岸本みゆき氏(SDガンダム三国伝の脚本を担当)は、第二十話「徐州陥落」で曹操が劉備に『民たちのどこに笑顔がある!』と指摘するシーンで、村人ジムがすごくションボリして見えるシーンをその最たる例として紹介。
さらに第三十四話「黄昏、易京楼」で公孫さんイージーエイトとの別れを惜しんでオイオイと泣くジム兵、第一話「英雄登場」で最初に登場するのがジム親子であること、最終話でいきなり弁髪のジムが出てくることなどを挙げ、両監督の妙な“ジム愛”を披露して会場の沸かせた。
また、映像については妥協のない作り込みで、予算の心配をするプロデューサーを泣かせてきた話が語られ、ファンの間ではクオリティの高さが評判の翔烈帝劉備の覚醒シーンが含まれる第五十話「龍の輝き」では、動画枚数が4,500枚におよぶことがぶっちゃけられた。
10分弱の映像にこれだけの枚数が使用されるのは異例のことであり、「ガンダムUCより多いでしょ、あれ」という具体的な比較には会場からはどよめきと笑いが巻き起こった。
次々と飛び出す制作秘話に、会場はもちろん、登壇者からも思わず笑みがこぼれる。
続いては当サイトで実施されたエピソード人気投票の結果発表が行われ、ベスト10に選ばれた各回の見どころやコメントが各人より述べられた。
現在日替わりで配信しているので、これらの見どころをチェックしながら観てみよう。
⇒ 「SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors」人気エピソード第6位『第四十五話 激震!長坂橋』無料配信中!
第10位 第一話「英雄登場」 森: 最初のセリフが「かあちゃん!」なんですよ。 岸本: ジムですけど(笑) 森: ジムのお母さんが黄巾賊に襲われて、子どもが飛びつくのを見て「あ~これ人間ドラマできるわ」と思いましたね。 |
第9位 第二話「出会い」 岸本: 「鎧のデザインが好きだから」というコメントを頂いていますが、14話で龍装とかに変わりますよね。 森: シナリオでは触れてなかったけど、いきなり変わってたら不自然かなと思って、「せっかく鎧も新調したし」というセリフを加えましたね。 岸本: 12分の尺ではそれが限界でした… |
第8位 第十話「孫堅死す」 岸本: これは序盤の名エピソードですよね。馬の足もタッタカタッタカ動いてたし。あれは結構大変でした? 鈴木: 赤兎馬はあまり出さないでくれとか、なるべくバイク形態でとか言われてたんですけど、アニメーターがすごく頑張ってくれたので良いものになりましたね。 岸本: そう言われてるのに、董卓は馬車で逃げるわ、孫堅は馬で追いかけるわ、挙句の果てに黄蓋まで馬に乗っちゃって… |
第7位 第四十八話「赤壁大決戦」 岸本: 黄蓋、爆死! 森: これは漫画でも名シーンなので、超えなきゃいけないっていうプレッシャーはありましたね。 岸本: あと意外と知られてないけど、蔡瑁アッグガイと孫策兄さんは声が同じ人なんです。 |
第6位 第四十五話「激震!長坂橋」 岸本: 張飛さん大活躍の回です。もう空気とは言わせない。 鈴木: 僕がコンテやりたかったんだけど、制作部に「そんなヒマないでしょ?」って止められて。脚本は岸本さんだよね。 岸本: そうそう |
第5位 第三十八話「天に選ばれし覇者」 岸本: この回も相当カロリーをかけてますよね。 鈴木: 話の節目だったのである程度はお許し頂けるかな~と思いながら作ってました。 佐藤: 節目なのでOKです。が、そこに至るまでにはとっておかなきゃいけないものもあるよな~とは思ってました。 |
第4位 第二十五話「さらば!孫策」 岸本: この回と前回の脚本は僕が書かせてもらったんですけど、一番揉めたのは第二十四話の「ドブネズミ」ってセリフ。最初「ドブネズミ、死ね!」って書いたら、やめてくれって止められて。土曜日の朝の番組ですよと。その後「地獄に落ちろ、裏切り者!」とか変えてみたんだけど… 森: それ僕が復活させちゃった。 岸本: やっぱ「ドブネズミ」だよね~って。 |
第3位 第五十一話「三国の志」 岸本: 最終回!森さんのコンテ・演出ですよね。 森: 最終回って大体慌しいんですよね。だから今回は早めに戦闘を終わらせて、その後をそれぞれの建国までしっかりと描きました。 岸本: 劉備はようやく主人公として立ったんだから、最後まで居させようねってしたんですよね。ダ○の大冒険みたいに居なくなるんじゃなくて(笑) |
第2位 第三十九話「天に挑んだ修羅」 恒松: 最後の呂布と貂蝉のところがすごく美しかったですよね。 森: あそこは体が3Dで、顔と髪の毛は作画なんですよ。 恒松: 本当にキレイでアフレコの時はうるっとしちゃいました。 |
第1位 第五十話「龍の輝き」 岸本: 得票数ダントツです!コンテ・演出の鈴木さん、どうですか? 鈴木: スケジュールが押し迫ってて大変だったけど、やっと劉備のお披露目だから気合入れてやるしかないないなと。 岸本: 劉備は長い長い旅をして、ここに辿り着くまでの49話だったなってインパクトもありますね。 |
最後は「SDガンダム三国伝 コレクションボックス」に付属する限定キット「貂蝉キュベレイ」の、出来立てほやほやのテストショット第1号が静岡ホビーセンターから到着し、会場のファンの視線を釘付けにした。
バンダイ ホビー事業部の担当者いわく「これが三国伝の最後の商品と思って、精一杯完成度を高めたつもり」とのことで、「演じたキャラがこうやって形になると本当に嬉しいものですね」と恒松さんも大満足の完成度だった。
今回初めてキット化される、ファン待望の「貂蝉キュベレイ」。
最後は完全受注限定生産BD-BOX「SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors コレクションボックス」の紹介となったが、来場者の多くはすでに予約済み(中には2つ予約したという猛者も!)で、ファンの関心の高さが窺えた。
子どもをターゲットにした作品ではあるが、スタッフが1話1話を丁寧に作られているので、大人が観ても充分に楽しめる内容となっている。翔烈帝劉備の覚醒シーンをはじめとした、「予算なんてクソくらえ!」とばかり作り込まれたハイクオリティなシーンの数々は、ぜひともブルーレイ画質で観賞してもらいたい。
「プレミアムバンダイ」、「ドットアニメ」での予約受付は、 5月19日(木)までとなっているのでお見逃しなく!
■SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors コレクションボックス 価 格 : 36,750円(税込) 発売日: 2011年6月24日 受注締切日: 2011年5月19日 プレミアムバンダイ、ドットアニメにて予約受付中 |
「機動戦士SDガンダム」にスポットをあてた第二部・第三部の模様は、後編でレポートしていくぞ!
お楽しみに!(近日掲載予定)
(本文中一部敬称略)
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