音楽とアニメーション……2DAYS限りの「真夏の宴」
1964年の東京オリンピック開催時に建設された日本武道館。武道、そして音楽を志す者にとっては特別な意味をもつ場所である。2008年8月16日(土)・17日(日)、その聖地で「機動戦士ガンダム00」と「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」、2つのアニメーションが“ライブ”する「GUNDAM00 × CODE GEASS GO!GO!5 FES'08 in 武道館」が開催された。折しも世の中は北京オリンピックの期間中。海を隔て、スポーツマンがその才を競い合うそのとき、武道館ではアーティストと声優陣による“生”の競演が繰り広げられた。
2日間ともあいにくの悪天候であったが、武道館には多くのファンが。その数は両日合わせ2万4000人! 2つのアニメーションがもつ“熱”の高さが会場でも伝わってきた。
会場では特設ステージに巨大スクリーンを設置。そのスクリーンでカウントダウンの映像が始まり、カウント「10」と切ると興奮度は否応にも高まる。ここでちょっとしたサプライズ。「GO!GO!5」なだけにカウント「5」でステージがスタート! スタッフによる演出が冴える。前半は現在TV放送中でクライマックスを迎えている「コードギアス」から。オープニング・エンディングを彩ったアーティストがテーマソングを披露し、福山潤(as ルルーシュ・ランペルージ)、櫻井孝宏(as 枢木スザク)、ゆかな(as C.C.)、小清水亜美(as 紅月カレン)の4人がスペシャル映像に合わせ、キャラクターたちの思いを声で綴っていた。
セカンドシーズンの映像とともに「00」のライブがスタート!
続く「ガンダム00」の始まりは、現在ファンが最も関心を向けている「セカンドシーズン」の最新映像から。さらに宮野真守(as 刹那・F・セイエイ)のパフォーマンスに会場も沸き立つ。私服の刹那をイメージしてか、宮野as刹那は白のジャケットに、首には赤いターバン。映像にはりりしく成長した刹那が映し出される。ファーストシーズンでの最終決戦を生き残り、刹那が4年間、何をしていたのかが語られた。
宮野as刹那のあとを受け登場したのは、UVERworld。セカンドシーズンのオープニングテーマを担当することになった彼ら。「曲の制作に入る前に水島精二監督をはじめスタッフの皆さんともお会いして、お話をさせていただいて、自分でもすごく納得のいくカッコイイ曲ができあがりました。『ガンダム00』と融合して、俺たちの曲がみんなのもとに届くことによって、いろんな人の背中を押してあげられると本気で思っています!」(TAKUYA∞/ボーカル)と、熱いメッセージとともに「儚クモ永久のカナシ」を生のライブで披露。UVERworldと「00」の世界がここで初めて融合し、ここにセカンドシーズンの到来を告げることとなった。
スクリーンには、ほかにもセカンドシーズンの最新映像が流れ、ガンダムマイスターを演じる4人のキャストも壇上にそろい、パフォーマンスが続く。
ステージにはファーストシーズンの2ndエンディングテーマ「フレンズ」を歌うステファニーも登場。伸びやかに、情熱的に歌い上げるハイトーンボイスが武道館に響く。武道館のステージに立てたことが本当にうれしいと語る彼女は、「この曲『フレンズ』は、友達に対して感じたことを忘れないで、頑張っていこうという思いを込めて歌っています。皆さんも大事な仲間を忘れずに生きていきましょう!」と。そんなピュアなメッセージが込められた「フレンズ」は、どこかロックオンを思う刹那やティエリアたちとも符合して、ステージには切なさも感じられた。
武道館中に響き渡る「00」声優陣とアーティストの“ライブな”ボイス
ドラマパートでは、再会した刹那とティエリアが小型宇宙船のコクピットで西暦2312年の現状や過去を語り合うシーンも挿入された。神谷浩史(as ティエリア・アーデ)が語ったのは、ティエリアの視点からのロックオンであり、ロックオンの導きでティエリアが得たみずからの意思。シーンは流れ、スクリーンはロックオンとアリー・アル・サーシェスとの一騎打ちに。三木眞一郎(as ロックオン・ストラトス)の鬼気迫る演技にいつしか会場に張り詰めた空気が充満する。宇宙を漂いながら独白するロックオンのシーン。終盤、三木asロックオンは台本を伏せたまま演じ通し、会場から拍手が巻き起こった。
ロックオンの余韻が漂うステージに、静かな歌声を響かせてきたのはTaja。「00」の挿入歌「LOVE TODAY」をエモーショナルで広がりのある声で歌い、そのメロディに心が洗われるかのよう。「今日はすてきなステージで皆さんたちと会えて、そして二度と訪れないすてきな一日を皆さんと過ごせて本当にうれしく思っています。ありがとうございました!」(Naho/ボーカル)と、この出会いの喜びを会場と分かち合っていた。
刹那とティエリアの会話からは、会場で初めて知らされる気になるキャラクターたちの動向も。「スメラギ・李・ノリエガはソレスタルビーイングをやめた」というティエリアのセリフに会場はどよめき、さらにアレルヤが「行方不明だ」という一言でさらにざわめきが起こる。スクリーンには、厳重に拘束されたアレルヤが映し出され、吉野裕行(as アレルヤ・ハプティズム)による生の演技が始まる。アレルヤは相克する2つの人格をもつ、演じるうえでも難しいキャラクター。アレルヤと別人格・ハレルヤの魂が激しくぶつかるシーン。交互に繰り出されるアレルヤとハレルヤの悲しみと怒り、叫び。それをライブで吉野asアレルヤはみごとに演じきり、会場から賞賛の拍手が贈られていた。
セカンドシーズンで新生ソレスタルビーイングに集い戦うことになる4人のマイスターたち。彼らのライブナレーションに続き、この日最後を飾ったのがthe brilliant green。最後のステージを惜しむ川瀬智子(ボーカル)は「最後にみんなでいっしょに盛り上がって歌ってください」と、ファーストシーズン2ndオープニングテーマ「Ash Like Snow」を歌い上げる。the brilliant greenのライブパフォーマンスと、「00」のスペシャル映像がシンクロし武道館に新たな“熱”を生み出していく。
アンコールでもうれしいサプライズ!? そして感動のフィナーレへ
プログラムはここで終了──であったがファンのアンコールに応えて、宮野as刹那と福山asルルーシュが語り合い、互いの名前を呼び合うという最後のサプライズ! 会場は沸き立ち、「ミッション終了だ、ルルーシュ」「行こうっ刹那!」という二人のかけ声に続いて、ステージに「00」と「コードギアス」のキャスト全員が集結。このカーテンコールで、4人のガンダムマイスターたちはこの武道館での思いを語ってくれた。
三木「今日、来たかったけれども来られなかった人たちも大勢いらっしゃると思います。その方たちと、ここに足を運んでくださった皆さんの思いも含めて、相乗効果でこのイベントがすごく楽しく、とてもパワーのあるものになったと思っています。本当に感謝しています」
神谷「ものすごいパワーを今日一日で使った気がします。でもすごいパワーをもらった気がします。もう一回くらい(ステージが)いけそうですね!(笑) これだけ豪華なアーティストとこれだけの声優陣がそろったイベントですから、できれば客席から楽しみたかったんですけれども、やっぱり今日はこのステージに立つことができて、本っ当に本当に幸せでした! 」
吉野「武道館の舞台に立てるのは本当に貴重な経験で、皆さんのおかげです。感謝しています。けっして僕らだけの力だけではありません。皆さんひとりひとりにありがとうと言いたいです。本当にありがとうございました。」
宮野「収録で僕自身も、三木さんのロックオンのお芝居や、吉野さんの“アレ・ハレ”(!)を見て、いつもすご~く感動してるんですよ。だからこうやってみんなの前でやることは必ず意味があると思うんです。生アフレコは緊張するし恥ずかしいですけど(笑)。でも生のリアクションが、本当にうれしいんですよ。みんながこの作品、本当に大好きなんだなというのがすごく伝わってきました。この武道館という大舞台でいい経験をさせてもらいました。ありがとうございます」
このあと「00」「コードギアス」のキャスト全員がステージを横断し、会場すべてのファンに感謝の思いを伝え、最後はキャスト全員が手を取り合い、この2DAYS限りの宴は幕を閉じた。
ガンダムインフォ編集部
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