「電子書籍で読める!おすすめガンダム本10選」は、数あるガンダム小説・マンガの中から厳選した“電子書籍が販売されている10作品”を、「 このマンガがすごい!」などで活動中のライター・山田幸彦氏が紹介していくコーナーです。
第4回は、「機動戦士ぶよガンダム」などのギャグマンガを数多く手掛けてきた唐沢なをき先生によるパロディマンガ「犬ガンダム」をご紹介していきます。
今回も本書の一部を無料で「試し読み」することもできますので、ページ下部よりぜひともチェックしてみてください。
「犬ガンダム 地上編」(KADOKAWA)
犬は、生き延びることができるか?
「犬類(けんるい)が増えすぎた犬口(けんこう)を宇宙に移民犬するようになって半世紀がすぎた。犬々は地球の周りの人工の島で子を産み、餌を食べ、しっこをしたり糞をしたり、わんわん鳴いたりしていた」
我々の生きる現代よりもはるかに未来、はるかにゆるゆるな時代で、犬ジオン公国と犬地球連邦軍の戦争が勃発。
戦争の最中、犬地球連邦軍の発動した「V作戦」によって開発された「犬ガンダム」に偶然乗り込むこととなった少年・アムロ犬レイは、ブライト犬ノアやセイラ犬マスなどの「犬ホワイトベース」クルーたちと共に、戦場へと身を投じていくことに!
戦場で対峙するシャア犬アズナブルやランバ・ラル犬などといった、手強い犬たちと戦ったりお尻を舐められたりしていく(誰も死なない)うちに、アムロは一匹の犬戦士として「犬(いぬ)―タイプ」の片鱗を見せていくのであった……。
犬がそんなに便利になれるわけ、ない……
本作は一年戦争を描いた『機動戦士ガンダム』に沿ってお話が進行していくのだが、アムロやシャアなど、おなじみの人物の名前に全て「犬」がつくだけで、伝説的な存在である「ガンダム大地に立つ」でさえ、たちまちアムロ犬とデニム犬&ジーン犬が犬語を交えて戦いを繰り広げられるゆる~い対決になる。
「犬ガンダム」は、第1話「犬ガンダム大地に立つ」から最終話「犬脱出」まで、シュールな雰囲気の充満するギャグ漫画だ。
原作の数々の名台詞、名勝負も、エサやメス犬の魅力の前には全て台無しになり、特に多くのガンダムギャグ漫画でネタ化が著しいシャアは、偵察に訪れたサイド7におしっこでマーキングをする始末。いじられキャラ代表としての本領を発揮している。
おしっこや発情などはまだまだ序の口で、犬ホワイトベースに搭乗させられっぱなしでストレスの溜まった民間犬が、うんちを食べることを脅しのネタに使ったりと、作中登場する数々の犬ネタはあくまで現実に忠実で、豆知識としても有用だ。
モビルスーツも、もちろんゆるさ満点。犬ガンダムは浅草犬張子、ザク=ベコは赤べこ(シャア専用は首振りが3倍速い)、グフ=クマは木彫り熊と、民芸品と化したモビルスーツたちの戦闘シーンは振り切れたシュールさを見せている。
ちなみに、下巻にあたる「宇宙編」には「犬Ζガンダム」も収録されており、噛み癖のついたやたら暴力的なカミーユ犬なども登場。
派手な戦場に疲れた人は、ぜひ犬―タイプとして覚醒していく犬類の戦いに触れていただきたい。
第1巻の一部を試し読み!
電子書籍ストア
書籍情報
【タイトル】 犬ガンダム
【著者】 唐沢なをき
【原案】 矢立 肇、富野由悠季
【巻数】 全2巻(地上編、宇宙編)
【定価】 各583円(税込)
【出版社】 KADOKAWA
山田幸彦
1991年生まれ。「このマンガがすごい!」本誌&WEBや「東映ヒーローMAX」などで活動中。かすんだ地平の向こうを見たくて、馴れ合う奴らを忘れて走るライター
1991年生まれ。「このマンガがすごい!」本誌&WEBや「東映ヒーローMAX」などで活動中。かすんだ地平の向こうを見たくて、馴れ合う奴らを忘れて走るライター
関連サイト
あなたへのオススメ
編集部イチオシ
PREMIUM BANDAI
プレミアムバンダイ