「電子書籍で読める!おすすめガンダム本10選」は、数あるガンダム小説・マンガの中から厳選した“電子書籍が販売されている10作品”を、「 このマンガがすごい!」などで活動中のライター・山田幸彦氏が紹介していくコーナーです。
第2回は、現在矢立文庫で連載中の「機動戦士ガンダム TWILIGHT AXIS」でもストーリー構成を務めるなど、ガンダムファンから高い支持を得ているArk Performanceさんによるマンガ「機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画」をご紹介していきます。
さらに今回は、本書の一部を無料で「試し読み」することもできますので、ページ下部よりぜひともチェックしてみてください。
「機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画(1)」(KADOKAWA)
そのディスクには、国家を揺るがす大計画が……
宇宙世紀0079年12月。ジオン公国本拠地のサイド3首都、ズムシティにおいて、7人の政府要人が連続爆破テロによって暗殺される事件が発生した。
ジオン公国国家公安部捜査官のレオポルド・フィーゼラーは、事件の捜査を行う過程で、総帥府に勤務する幼馴染であるエリース・アン・フィネガンから、メモリーディスクを渡される。
そのディスクのデータには、これまでの被害者に加えて、8人目の暗殺対象として、ジオン公国軍総帥「ギレン・ザビ」の名前が記されていた。
レオポルドは、総帥暗殺計画を追う中で一連の事件の黒幕とされる「レギンレイヴ」の存在を知ったことで、国家の深淵に渦巻く闇へと迫っていく。
これまでアニメ『機動戦士ガンダム』と、その関連作品で多く描かれてきた一年戦争では、僅かな描写から想像するしかなかったジオン国内の動向。
そんなジオンの内幕が、本作ではこれまでにない緻密さで描かれており、戦争の裏で静かに進行する「内戦」のドラマが展開されていく。
映像では描かれなかった、大戦末期のジオン
一年戦争後、ジオン共和国より公開された記録映像を再構成した物語というスタイルで、戦争末期に進行していた陰謀を中心とした群像劇が描かれる「ギレン暗殺計画」。
そんな本作オリジナルのキャラクターたちは、渋めで腹に一物あるおじさんばかりで、男臭い場面が頻出する。
だが、ヒロインのエリース・アン・フィネガンだけは、レオポルドの幼馴染で彼を「お兄ちゃん」呼びしたりと、やたら浮世離れした女性として描かれており、一種の清涼剤的存在だ。
そんな彼女も、第1巻では控えめながら、しっかりと策士な面が描かれていくので、ますます油断ならない物語となっていくのだが……。
戦争末期に生存しているザビ家メンバーや、したたかな発言でみんなの記憶に残ったトワニングなど、原作キャラたちももちろん登場。暗殺計画を知った彼らの動きも注目である。
陰謀という言葉から受ける地味な印象で尻込みする方もいるかもしれない。
だが、この作品の舞台は『機動戦士ガンダム』の世界なのだ。
花形であるMSの活躍もしっかり描かれる。『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』での大活躍が印象的なザクII改のバリエーション機、B型仕様が国内に配備されていたりと、重厚な作画で描かれるMSたちは、その機体チョイスもあって大戦末期の空気感を出すのに一役買っている。
さらには『機動戦士ガンダム』の初期構想に存在したギガンも顔を見せたりと、作品の枠を越えた夢の共演も見逃せない。
瞬間的には戦場以上の生臭さを見せる内戦模様が展開する中、ジオン公国はどのような終戦を迎えたのか?一年戦争を知る者ならば、目撃しない手はないだろう。
第1巻の一部を試し読み!
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書籍情報
【タイトル】 機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画
【著者】 Ark Performance
【原作】 富野由悠季
【原案】 矢立 肇
【巻数】 全4巻
【定価】 各583円(税込)
【出版社】 KADOKAWA
山田幸彦
1991年生まれ。「このマンガがすごい!」本誌&WEBや「東映ヒーローMAX」などで活動中。かすんだ地平の向こうを見たくて、馴れ合う奴らを忘れて走るライター
1991年生まれ。「このマンガがすごい!」本誌&WEBや「東映ヒーローMAX」などで活動中。かすんだ地平の向こうを見たくて、馴れ合う奴らを忘れて走るライター
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