ボーンデジタルより好評発売中の「CGWORLD 2024年12月号 vol.316」(税込み1,540円)では、「ガンダムCGの変遷と最前線」と題し、全52ページにわたる大特集を掲載。進化し続けるガンダムCGの変遷、最新作のVR映画『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』、3Dアニメーション・Netflixシリーズ『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』の制作の舞台裏を深掘りしている。
今回、本特集の『銀灰の幻影』に関わる部分の一部が到着した。『銀灰の幻影』制作に至った経緯や複雑な制作ワークフロー、モビルスーツのデザインやモデリングなどについても深堀りしているので、早速紹介していこう。
なお、『復讐のレクイエム』スタッフスペシャルインタビューの一部は、こちらの記事をご覧ください。
今回、本特集の『銀灰の幻影』に関わる部分の一部が到着した。『銀灰の幻影』制作に至った経緯や複雑な制作ワークフロー、モビルスーツのデザインやモデリングなどについても深堀りしているので、早速紹介していこう。
なお、『復讐のレクイエム』スタッフスペシャルインタビューの一部は、こちらの記事をご覧ください。
ガンダムを操縦して動かす体験をVR空間で実現する
本作をバンダイナムコフィルムワークス(以下、BNF)と共同制作したAtlas Ⅴは、2017年設立の没入型コンテンツを専門とするパリの制作会社だ。「本作の企画は、2021年にAtlas ⅤがBNFの小形尚弘さん(エグゼクティブプロデューサー)と彌冨健一さん(プロデューサー)にお声がけしたことから始まりました。それに先立ちMetaから “著名なIPコンテンツを使い、ナラティブ(物語)とインタラクションが融合したVR映画をつくりたい” という相談を受けており、日本の『ガンダム』が最適だと考えたのです」とAtlas VのJulien Bercy氏(プロデューサー)は語った。
BNFの井上 喜一郎氏(プロデューサー)は2017~2018年に『THE ORIGIN』の約5分のVRコンテンツを2本制作した経験があったため、本作を手がけることにしたと語った。「一筋縄ではいかないプロジェクトだと予想はできましたが、作画アニメとフル3D作品の両方を手がけた経験があり、過去に何度もご一緒してお互いに気心が知れている鈴木健一さんが監督を引き受けてくださったので、挑戦することにしました」(井上氏)。実際、本作では何度も答えの見えない複雑な状況におちいったが、3D技術を理解している鈴木氏が監督だったおかげで、すぐに課題解決のための建設的な話し合いに移行できた。その結果、アニメの演出を諦めることなく、VRコンテンツとしても成立する作品をつくりきることができたという。
本作の舞台は宇宙世紀0096で、ユーザーは非公式の傭兵組織であるアージェント・キールの一員として、MSのデルタザインに搭乗する。「当社は国内外の各地に実物大ガンダムを建造してきましたが、操縦して動かすことはまだできていません。その体験をVR空間で実現するため、日本とフランスのスタッフが一丸となって尽力しました。胸を張ってお届けできるものに仕上がっているので、ぜひご体験ください」(井上氏)。
BNFの井上 喜一郎氏(プロデューサー)は2017~2018年に『THE ORIGIN』の約5分のVRコンテンツを2本制作した経験があったため、本作を手がけることにしたと語った。「一筋縄ではいかないプロジェクトだと予想はできましたが、作画アニメとフル3D作品の両方を手がけた経験があり、過去に何度もご一緒してお互いに気心が知れている鈴木健一さんが監督を引き受けてくださったので、挑戦することにしました」(井上氏)。実際、本作では何度も答えの見えない複雑な状況におちいったが、3D技術を理解している鈴木氏が監督だったおかげで、すぐに課題解決のための建設的な話し合いに移行できた。その結果、アニメの演出を諦めることなく、VRコンテンツとしても成立する作品をつくりきることができたという。
本作の舞台は宇宙世紀0096で、ユーザーは非公式の傭兵組織であるアージェント・キールの一員として、MSのデルタザインに搭乗する。「当社は国内外の各地に実物大ガンダムを建造してきましたが、操縦して動かすことはまだできていません。その体験をVR空間で実現するため、日本とフランスのスタッフが一丸となって尽力しました。胸を張ってお届けできるものに仕上がっているので、ぜひご体験ください」(井上氏)。
【TOPIC 1】ワークフロー
―Meta Questのスペックの限界以上まで使い切った
『銀灰の幻影』の企画は2021年秋から動き出し、Meta、Atlas Ⅴ、BNFの3社間でラフプロットの合意がとれた後、鈴木監督や関西リョウジ氏(脚本)と共に脚本と絵コンテの制作が進められた。並行して2022年春にはバーティカルスライスも制作された。ゲーム開発ではゴールを明確にするために完成に近いデータを1ステージだけつくることがあり、これをバーティカルスライスと呼ぶ。本作でも『RX-93ff νGUNDAM from SIDE-F』(2022)のデータを流用し、バーティカルスライスがつくられた。プロダクションの本格始動は2022年秋で、2023年1月からはメインとなるVR映画に付随するMRコンテンツの開発も始まった。2023年7月にラフな状態ではあったが全23シーンのデータが組み立てられ、日本語と英語の音声収録も行われた。2023年12月にアルファ版が完成、2024年4月にベータ版が完成し、デバッグを経て2024年10月4日に発売となった。
脚本・絵コンテ・モデリング・アニメーションなどはBNFが担当しており、Unityへのインポートとシェーディングの一部はカヤックアキバスタジオが手伝っている。Unity上での実装・シェーディング・エフェクト・最適化などはALBYONが担当した。同社はリヨンにあるAtlas Ⅴのグループ会社で、VR専門の開発スタジオだ。MRコンテンツの制作は、フランスのIncarna Studiosが担当している。「本作はナラティブパートだけで60分、インタラクションパートも含めると90分を超えており、当社が手がけた中でも最長、最難関の大作となりました。Meta Questのスペックの限界どころか、それ以上まで使い切ったと自負しています」とALBYONのGaël Chaize氏(テクニカルアートディレクター)は語った。本作は第49回アヌシー国際アニメーション映画祭(2024年6月)でのWork In Progressのセッション実施、第81回ヴェネチア国際映画祭(2024年8月末~9月頭)のVenice Immersiveでのノミネートといった展開も遂げており、国内外で注目される作品となっている。
『銀灰の幻影』の企画は2021年秋から動き出し、Meta、Atlas Ⅴ、BNFの3社間でラフプロットの合意がとれた後、鈴木監督や関西リョウジ氏(脚本)と共に脚本と絵コンテの制作が進められた。並行して2022年春にはバーティカルスライスも制作された。ゲーム開発ではゴールを明確にするために完成に近いデータを1ステージだけつくることがあり、これをバーティカルスライスと呼ぶ。本作でも『RX-93ff νGUNDAM from SIDE-F』(2022)のデータを流用し、バーティカルスライスがつくられた。プロダクションの本格始動は2022年秋で、2023年1月からはメインとなるVR映画に付随するMRコンテンツの開発も始まった。2023年7月にラフな状態ではあったが全23シーンのデータが組み立てられ、日本語と英語の音声収録も行われた。2023年12月にアルファ版が完成、2024年4月にベータ版が完成し、デバッグを経て2024年10月4日に発売となった。
脚本・絵コンテ・モデリング・アニメーションなどはBNFが担当しており、Unityへのインポートとシェーディングの一部はカヤックアキバスタジオが手伝っている。Unity上での実装・シェーディング・エフェクト・最適化などはALBYONが担当した。同社はリヨンにあるAtlas Ⅴのグループ会社で、VR専門の開発スタジオだ。MRコンテンツの制作は、フランスのIncarna Studiosが担当している。「本作はナラティブパートだけで60分、インタラクションパートも含めると90分を超えており、当社が手がけた中でも最長、最難関の大作となりました。Meta Questのスペックの限界どころか、それ以上まで使い切ったと自負しています」とALBYONのGaël Chaize氏(テクニカルアートディレクター)は語った。本作は第49回アヌシー国際アニメーション映画祭(2024年6月)でのWork In Progressのセッション実施、第81回ヴェネチア国際映画祭(2024年8月末~9月頭)のVenice Immersiveでのノミネートといった展開も遂げており、国内外で注目される作品となっている。
特集の全容は、「CGWORLD 2024年12月号 vol.316」をチェックしよう。
「CGWORLD 2024年12月号 vol.316」好評発売中!
CGWORLD 2024年12月号 vol.316
価格:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:112
■特集:ガンダムCGの変遷と最前線
・表紙
・[特集扉](2ページ)
・[PART 01:ガンダムCGの変遷](8ページ)
紹介作品:
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)
『GUNDAM Mission to the Rise』(1998)
『GUNDAM THE RIDE ‐宇宙要塞A BAOA QU‐』(2000)
『GUNDAM EVOLVE』(2001~2007)
『SDガンダムフォース』(2004)
『機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録』(2004)
『機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079』(2006)
『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』(2008〜2009)
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(2015〜2018)
VR映像『機動戦士ガンダム THE ORIGIN シャア出撃』(2017)
VR映像『機動戦士ガンダム THE ORIGIN -RISING-』(2018)
『SDガンダムワールド 三国創傑伝』(2019〜2021)
『SDガンダムワールド ヒーローズ』(2021)
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2021)
『RX-93ff νGUNDAM from SIDE-F』(2022)
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(2002)
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(2022〜2023)
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(2024)
・[PART 02:VR映画『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』](22ページ)
TOPIC 1:ワークフロー
TOPIC 2:モデリング
TOPIC 3:作画
TOPIC 4:アニメーション
TOPIC 5:インタラクション・エフェクト
TOPIC 6:MRコンテンツ
・[PART 03:3Dアニメーション『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』](20ページ)
TOPIC 1:モデリング[モビルスーツ]
TOPIC 2:モデリング[キャラクター]
TOPIC 3:シネマティック
TOPIC 4:アニメーション
TOPIC 5:エフェクト
価格:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:112
■特集:ガンダムCGの変遷と最前線
・表紙
・[特集扉](2ページ)
・[PART 01:ガンダムCGの変遷](8ページ)
紹介作品:
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)
『GUNDAM Mission to the Rise』(1998)
『GUNDAM THE RIDE ‐宇宙要塞A BAOA QU‐』(2000)
『GUNDAM EVOLVE』(2001~2007)
『SDガンダムフォース』(2004)
『機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録』(2004)
『機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079』(2006)
『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』(2008〜2009)
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(2015〜2018)
VR映像『機動戦士ガンダム THE ORIGIN シャア出撃』(2017)
VR映像『機動戦士ガンダム THE ORIGIN -RISING-』(2018)
『SDガンダムワールド 三国創傑伝』(2019〜2021)
『SDガンダムワールド ヒーローズ』(2021)
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2021)
『RX-93ff νGUNDAM from SIDE-F』(2022)
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(2002)
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(2022〜2023)
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(2024)
・[PART 02:VR映画『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』](22ページ)
TOPIC 1:ワークフロー
TOPIC 2:モデリング
TOPIC 3:作画
TOPIC 4:アニメーション
TOPIC 5:インタラクション・エフェクト
TOPIC 6:MRコンテンツ
・[PART 03:3Dアニメーション『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』](20ページ)
TOPIC 1:モデリング[モビルスーツ]
TOPIC 2:モデリング[キャラクター]
TOPIC 3:シネマティック
TOPIC 4:アニメーション
TOPIC 5:エフェクト
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