▲井上ジェット氏、大河原邦男氏、稲城市長・高橋勝浩氏
『機動戦士ガンダム』や『疾風!アイアンリーガー』など数多くのメカをデザインしてきたメカニックデザイナー・大河原邦男氏の出身地である東京都稲城市では、ガンダムなどの「デザインマンホール蓋」を新たに製作し、11月30日(土)から市内5か所に設置する。
この取り組みは、大河原氏と稲城市が協力して進めている「メカニックデザイナー大河原邦男プロジェクト」の一環として実現。東京都の「平成31年度デザインマンホール蓋設置・活用等推進事業費補助金」の助成を受けて実施されるもので、観光資源としてデザインマンホール蓋を活用し、下水道に対するイメージを向上させるとともに、観光客の誘致や地域活性化を目的としている。
11月25日(月)には完成披露も実施され、デザインを担当した大河原邦男氏、井上ジェット氏に加え、稲城市長の高橋勝浩氏も登場し質疑に応じた。
完成披露の場で初めて実物と対面したという大河原氏は「今日は楽しみにして来ました。実物は(自分の)デザインにとても近い形で、思った以上に良くできています」と感想を語る。大河原氏のデザイン作業は直径700mmの実寸で行われ、マンホール製作はマグナムエースを長島鋳物が、ガンダムなど4種を日之出水道機器が担当。大河原氏が「愛情をもって作ってくださるので、信頼してお任せしました」と語る通り、満足の出来に仕上がった様子だった。
蓋のデザインは、右側に市章と多摩川が、下部に武蔵野の大地があしらわれている。「稲城なしのすけ」のマンホール蓋をデザインした井上氏は、大河原氏と同時並行で作業を進めたにも関わらず、図らずも両者のデザインが「自然」をモチーフとしていることに驚いていた。
マンホールに必要なすべり止めの部分には、ガンダムは地球連邦軍のマークが、マグナムエースはシルバーキャッスルのマークが、スコープドッグはアストラギウス文字の「V」が、それぞれ使用されている。また、色数の制約がある中でも工夫を重ね、大河原氏は「新しい挑戦で、楽しい仕事をさせていただきました」、井上氏は「カラーのマンホールは街を歩くのが楽しくなる」と語る。
江戸時代から11代に渡って稲城市に住んでいるという大河原氏は、父親に「『ふるさとには尽くすように』と言われて育ちました。今回も“恩返し”のつもりで協力しています」と穏やかな笑顔を浮かべる。井上氏も「実は父親が津久井町(神奈川県)のマンホールをデザインしておりまして」と、マンホールが繋ぐ親子のエピソードを披露していた。
最後に高橋市長が「稲城市のマンホール蓋と観光スポットを巡って、宝探しのような感覚で楽しんでもらえれば」と設置への期待を語っていた。
稲城市では、デザインマンホール蓋5種を順次設置し、11月30日(土)にはすべての蓋が見られるようになる予定。
さらに、2020年には、デザインマンホール蓋の展示イベントや5か所をめぐるフォトラリーの実施、下水道広報プラットフォームから発行されているマンホールカードへのエントリーも予定されている。詳細は後日発表されるとのことなので、続報を楽しみに待とう。
なお、毎年開催されている、大河原氏をホストに迎え“ものづくり”に焦点を当てたイベント「メカデザイナーズサミット」が、2020年3月21日(土)にも開催されることが決定した。トークイベントや子供向けの体験企画なども計画中とのことなので、こちらも続報をお楽しみに。
稲城市デザインマンホール蓋(5種)設置場所
- ガンダム …………… JR南武線稲城長沼駅(いなぎペアパーク傍)
- マグナムエース …… JR南武線矢野口駅(北口)
- ヤッターワン ……… JR南武線南多摩駅(南口)
- スコープドッグ …… 京王相模原線若葉台駅
- 稲城なしのすけ …… 京王相模原線若葉台駅
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