2022年に開催された公式ガンプラ世界大会「ガンプラビルダーズワールドカップ 10thトーナメント」(GBWC)のOver21コース優勝者・Manson Ngさんへのインタビューが到着した。
インタビューでは、Manson Ngさんが自身の作品のアピールポイントから込められたストーリー、さらにはガンプラとの出会いから製作にかける情熱まで幅広く語られているので、本記事で紹介していこう。
なお、今回のGBWCは3年ぶり10回目の開催。世界15エリアから数多くの作品が参加し、Over21コースではmanson ngさんの「Fragments of a Star」が、U-20コースではFeng ZheKaiさんの「- THE LAST ZEON -」が、U-14コースではLiu HaoWenさんの「Trails of New Type」が、それぞれ世界一に輝いた。
世界大会決勝戦表彰式の模様はこちらの記事をご覧ください。
インタビューでは、Manson Ngさんが自身の作品のアピールポイントから込められたストーリー、さらにはガンプラとの出会いから製作にかける情熱まで幅広く語られているので、本記事で紹介していこう。
なお、今回のGBWCは3年ぶり10回目の開催。世界15エリアから数多くの作品が参加し、Over21コースではmanson ngさんの「Fragments of a Star」が、U-20コースではFeng ZheKaiさんの「- THE LAST ZEON -」が、U-14コースではLiu HaoWenさんの「Trails of New Type」が、それぞれ世界一に輝いた。
世界大会決勝戦表彰式の模様はこちらの記事をご覧ください。
OVER-21コース優勝 Manson Ngさんインタビュー
Q.この作品のテーマと一番のアピールポイントを教えてください。
「愛」というテーマをいかにして模型で表現するか?というところから構想に取り掛かりました。もうひとつのテーマは、「シャア専用ゲルググを使う」ということです。このふたつをいかにして融合させるか考えた時に、『機動戦士ガンダム』でララァ・スンが自分を犠牲にし、シャア・アズナブルを救うシーンを思い出しました。このシーンを模型で再現することで、愛ゆえに愛を失う強烈な感覚を表現しています。
Q.今回の優勝作品で使用したゲルググの注目ポイントを教えてください。
今回選んだガンプラは1980年代発売された1/60スケールのゲルググです。なるべくサイズが大きく、作品のスケールを大きく見せられるようなガンプラを選定しました。80年代に発売されたキットと現代の技術を融合し、どのような効果が引き出せるのか、いかにして古いキットを現代のパーフェクトグレードと同じようなクオリティで見せられるか、というのが製作上の課題でした。
また、エルメスはプラスチックのシートとパテを使用して製作、ディテールアップしています。
Q.構想・製作にどれくらいの期間を費やしましたか?
当初は2020年のGBWCに応募するつもりで、2019年末頃からコンセプトを考え始めました。しかし、GBWCは2020年、2021年と開催延期になり、2022年4月に「GBWC 10thトーナメント」の開催が発表されるまで3年近くかかりました。
途中、休憩したり、他のものに取り組む時間もありましたが、最後の3ヶ月はこの作品に専念し、ほぼ4年間という時間をかけてようやく完成させることができました。
Q.これまでGBWCに参加したことはありますか?
これまで4回、GBWCに参加しています。2016年、2017年、2018年と今回です。2016年初めて参加した年に、香港エリアの2位を受賞することができました。それから2018年には「Origin of Char」という作品で香港1位を獲得し、世界大会でもガンダムベース賞をいただききました。そして今回、幸運なことに世界チャンピオンになることができました。
Q.今回のGBWC参加のきっかけを教えてください。
他のガンプラビルダーも同じだと思いますが、参加するならば、必ず前の作品よりも優れた作品を製作する必要があります。
ですから、それまでの自分を乗り越えて、より良い作品を生み出すチャンスだと思って参加しました。
Q.今大会はオンライン開催でしたが、オフライン大会との違いは何だと思いますか?
オンラインとオフラインの最大の違いは、実物を見ることができるか否か、ということです。写真では、作品のスケールがあくまで写真の大きさに制限されてしまいますが、実物審査では写真では伝わらない迫力を感じることができると思います。ですので、個人的にはオフライン大会の方が好きです。
Q.世界大会決勝戦に集結した他の作品について、感想などあればお聞かせください。
どの作品も素晴らしいです。個人的な感想ですが、私は普段、360度どの角度からも鑑賞できることを意識して製作しています。エントリー作品の一部は、写真審査を意識し、背面に壁を立て正面から見ることを前提とした作品もありました。そういった作品はオンライン大会ならではだと思います。
Q.今回、GBWCで入賞や世界一を果たして、今の気持ちや受賞時の感想などを教えてください。
結果が発表された時は本当に驚きました。世界中にたくさん上手なガンプラビルダーがいる中で、まさか自分が優勝するとは思いませんでした。
あらゆるものがオンラインで行われている現代になかなか馴染めない感覚があるので、今回のオンラインでの結果発表もなかなか実感ができず、ふわふわとした感覚でした。
でも、トロフィーを実際に手にした瞬間、「本当に優勝したんだ!」という実感を得られて、ようやく気持ちが落ち着いてきました。
「愛」というテーマをいかにして模型で表現するか?というところから構想に取り掛かりました。もうひとつのテーマは、「シャア専用ゲルググを使う」ということです。このふたつをいかにして融合させるか考えた時に、『機動戦士ガンダム』でララァ・スンが自分を犠牲にし、シャア・アズナブルを救うシーンを思い出しました。このシーンを模型で再現することで、愛ゆえに愛を失う強烈な感覚を表現しています。
Q.今回の優勝作品で使用したゲルググの注目ポイントを教えてください。
今回選んだガンプラは1980年代発売された1/60スケールのゲルググです。なるべくサイズが大きく、作品のスケールを大きく見せられるようなガンプラを選定しました。80年代に発売されたキットと現代の技術を融合し、どのような効果が引き出せるのか、いかにして古いキットを現代のパーフェクトグレードと同じようなクオリティで見せられるか、というのが製作上の課題でした。
また、エルメスはプラスチックのシートとパテを使用して製作、ディテールアップしています。
Q.構想・製作にどれくらいの期間を費やしましたか?
当初は2020年のGBWCに応募するつもりで、2019年末頃からコンセプトを考え始めました。しかし、GBWCは2020年、2021年と開催延期になり、2022年4月に「GBWC 10thトーナメント」の開催が発表されるまで3年近くかかりました。
途中、休憩したり、他のものに取り組む時間もありましたが、最後の3ヶ月はこの作品に専念し、ほぼ4年間という時間をかけてようやく完成させることができました。
Q.これまでGBWCに参加したことはありますか?
これまで4回、GBWCに参加しています。2016年、2017年、2018年と今回です。2016年初めて参加した年に、香港エリアの2位を受賞することができました。それから2018年には「Origin of Char」という作品で香港1位を獲得し、世界大会でもガンダムベース賞をいただききました。そして今回、幸運なことに世界チャンピオンになることができました。
Q.今回のGBWC参加のきっかけを教えてください。
他のガンプラビルダーも同じだと思いますが、参加するならば、必ず前の作品よりも優れた作品を製作する必要があります。
ですから、それまでの自分を乗り越えて、より良い作品を生み出すチャンスだと思って参加しました。
Q.今大会はオンライン開催でしたが、オフライン大会との違いは何だと思いますか?
オンラインとオフラインの最大の違いは、実物を見ることができるか否か、ということです。写真では、作品のスケールがあくまで写真の大きさに制限されてしまいますが、実物審査では写真では伝わらない迫力を感じることができると思います。ですので、個人的にはオフライン大会の方が好きです。
Q.世界大会決勝戦に集結した他の作品について、感想などあればお聞かせください。
どの作品も素晴らしいです。個人的な感想ですが、私は普段、360度どの角度からも鑑賞できることを意識して製作しています。エントリー作品の一部は、写真審査を意識し、背面に壁を立て正面から見ることを前提とした作品もありました。そういった作品はオンライン大会ならではだと思います。
Q.今回、GBWCで入賞や世界一を果たして、今の気持ちや受賞時の感想などを教えてください。
結果が発表された時は本当に驚きました。世界中にたくさん上手なガンプラビルダーがいる中で、まさか自分が優勝するとは思いませんでした。
あらゆるものがオンラインで行われている現代になかなか馴染めない感覚があるので、今回のオンラインでの結果発表もなかなか実感ができず、ふわふわとした感覚でした。
でも、トロフィーを実際に手にした瞬間、「本当に優勝したんだ!」という実感を得られて、ようやく気持ちが落ち着いてきました。
Q.ガンダム作品に触れたきっかけを教えてください。
街中で1/144スケールのプラモをたまたま見かけて、当時はそれが何かわからなかったんですが、見た目にすごく特別なものを感じました。
その後、『機動戦士ガンダム』がテレビで放送されているのを見て、最初は内容を上手く理解できませんでしたが、どんどん面白く感じるようになりました。アニメを見終わったあと、すぐにお小遣いを貯めてガンプラを買いました。
最初に買ったのはザクで、2個目がガンダムだったことを今でも覚えています。ガンプラをお休みしていた時期もありましたが、幼い頃からずっと組み立ててきたものです。
Q.ガンプラを本格的に製作しはじめた経緯を教えてください。
『機動戦士ガンダム』や『機動戦士Ζガンダム』を見たあと、大人になって十数年もガンダムから離れていた時期がありました。
そんなとき、突然友人がガンダムの映像とガンプラを持ってきて、「このアニメは面白いぞ!ガンプラも格好いいし、君にあげるよ」と言われて受け取りました。
しばらくの間ガンプラも組んでいなかったでのですが、何気なくアニメの第1話を見たら、途端に「ヤバい!これは絶対に見なきゃ!」と感じました。次の話数を見るまでの間に、友人からもらったガンプラを組み立てて、それ以来ガンプラへの情熱は今も燃え続けています。
ちなみに、勧められたアニメというのが、『機動戦士ガンダムSEED』で、本当に素晴らしい作品だと思っています。特にフリーダムガンダムが好きで、これまで発売されたフリーダムガンダムのガンプラは全て組んできました。
フリーダムガンダムは新しい製作アイディアが浮かぶたびに、いまでも繰り返し何度も作り続けています。
Q.あなたにとって、“ガンプラ”とは何ですか?
私にとってガンプラとは自由の象徴です。同じガンプラでも、作る人によって、その意味や結果も異なります。同じものでも、より心を込めて、より時間を費やすことで、最高のものができます。「何にも邪魔されず、自分の好きなものをつくれる」というのは、究極の自由だと思っています。
Q.世界一になられたことで、今後は他のガンプラビルダーの憧れにもなられると思うのですが、今後のGBWC参加者へ一言お願いします。
憧れなどとんでもないです。私はただ心を込めて、時間をかけてガンプラを製作しただけです。皆さんも私と同じように情熱と時間をかけて作り続ければ、必ず同じ結果を生み出せると思います。ガンプラは自由なので、アイディアと想像力、それとある程度の技術があれば、誰でもチャンピオンになれると思います。
Q.最後に、世界中のガンプラファンに向けてメッセージをお願いします。
ガンプラは自由です。ある程度の技術を獲得したら、自分が何をすれば、自分の作品を他人に見せた時、喜んでもらえるか、ということを考えて欲しいです。
技術がついてくると、ディテールや密度の濃さを追い求めがちですが、同じような技術をもったビルダーは他に沢山いるので、いかにオリジナルな想像力や思考を発揮して、印象に深く残せるような、誰も見たことがないもの作り出すことが大切だと思います。
簡単ではありませんが、どうやって自分の作品の独創性を生み出すのかを考え抜いて、見た人が一生忘れられない作品を作り出すことを目指して欲しいです。
成功できるかどうかを別にして、こういった考えを持って自分なりの道を歩めば、きっと多くの人の印象に残るような素晴らしい作品でき上がると思います。皆さん、頑張ってください!
街中で1/144スケールのプラモをたまたま見かけて、当時はそれが何かわからなかったんですが、見た目にすごく特別なものを感じました。
その後、『機動戦士ガンダム』がテレビで放送されているのを見て、最初は内容を上手く理解できませんでしたが、どんどん面白く感じるようになりました。アニメを見終わったあと、すぐにお小遣いを貯めてガンプラを買いました。
最初に買ったのはザクで、2個目がガンダムだったことを今でも覚えています。ガンプラをお休みしていた時期もありましたが、幼い頃からずっと組み立ててきたものです。
Q.ガンプラを本格的に製作しはじめた経緯を教えてください。
『機動戦士ガンダム』や『機動戦士Ζガンダム』を見たあと、大人になって十数年もガンダムから離れていた時期がありました。
そんなとき、突然友人がガンダムの映像とガンプラを持ってきて、「このアニメは面白いぞ!ガンプラも格好いいし、君にあげるよ」と言われて受け取りました。
しばらくの間ガンプラも組んでいなかったでのですが、何気なくアニメの第1話を見たら、途端に「ヤバい!これは絶対に見なきゃ!」と感じました。次の話数を見るまでの間に、友人からもらったガンプラを組み立てて、それ以来ガンプラへの情熱は今も燃え続けています。
ちなみに、勧められたアニメというのが、『機動戦士ガンダムSEED』で、本当に素晴らしい作品だと思っています。特にフリーダムガンダムが好きで、これまで発売されたフリーダムガンダムのガンプラは全て組んできました。
フリーダムガンダムは新しい製作アイディアが浮かぶたびに、いまでも繰り返し何度も作り続けています。
Q.あなたにとって、“ガンプラ”とは何ですか?
私にとってガンプラとは自由の象徴です。同じガンプラでも、作る人によって、その意味や結果も異なります。同じものでも、より心を込めて、より時間を費やすことで、最高のものができます。「何にも邪魔されず、自分の好きなものをつくれる」というのは、究極の自由だと思っています。
Q.世界一になられたことで、今後は他のガンプラビルダーの憧れにもなられると思うのですが、今後のGBWC参加者へ一言お願いします。
憧れなどとんでもないです。私はただ心を込めて、時間をかけてガンプラを製作しただけです。皆さんも私と同じように情熱と時間をかけて作り続ければ、必ず同じ結果を生み出せると思います。ガンプラは自由なので、アイディアと想像力、それとある程度の技術があれば、誰でもチャンピオンになれると思います。
Q.最後に、世界中のガンプラファンに向けてメッセージをお願いします。
ガンプラは自由です。ある程度の技術を獲得したら、自分が何をすれば、自分の作品を他人に見せた時、喜んでもらえるか、ということを考えて欲しいです。
技術がついてくると、ディテールや密度の濃さを追い求めがちですが、同じような技術をもったビルダーは他に沢山いるので、いかにオリジナルな想像力や思考を発揮して、印象に深く残せるような、誰も見たことがないもの作り出すことが大切だと思います。
簡単ではありませんが、どうやって自分の作品の独創性を生み出すのかを考え抜いて、見た人が一生忘れられない作品を作り出すことを目指して欲しいです。
成功できるかどうかを別にして、こういった考えを持って自分なりの道を歩めば、きっと多くの人の印象に残るような素晴らしい作品でき上がると思います。皆さん、頑張ってください!
※本記事はインタビューをもとに意訳しています
次回の開催も決定し、ますます盛り上がるGBWC。次回「GBWC11th」の詳細は後日公開予定となっているので、続報をお楽しみに。
(ガンダムインフォ編集部)
OVER-21コース 優勝作品「Fragments of a Star」
作品名:Fragments of a Star
作者名:manson ng
エリア:香港特別行政区
【審査員コメント】
ゲルググが主役ではあるが、背後にエルメスの装甲の一部が残骸のように配置されている。全体から醸し出される世界観、ストーリーが非常に伝わってくる作品。まさに見入ってしまうという言葉がふさわしい。
作者名:manson ng
エリア:香港特別行政区
【審査員コメント】
ゲルググが主役ではあるが、背後にエルメスの装甲の一部が残骸のように配置されている。全体から醸し出される世界観、ストーリーが非常に伝わってくる作品。まさに見入ってしまうという言葉がふさわしい。
GBWC10th 世界大会決勝戦 アーカイブ配信中!
GBWC11th 開催決定!
詳細は後日公開予定!
続報をお楽しみに。
続報をお楽しみに。
あなたへのオススメ
編集部イチオシ
PREMIUM BANDAI
プレミアムバンダイ