2014年10月2日 (木)
毎弾好評のトライエイジオリジナルMSの裏話が満載!「ガンダムトライエイジ BUILD G1弾」特集【第4回】
話題を集めた「FAユニコーンガンダム・プランB」誕生の経緯とは!?
いよいよ10月9日(木)より稼働開始となる「ガンダムトライエイジ BUILD G1弾」。その魅力を全4回にわたって紹介する本特集の第1回では大迫力のカードイラストの誕生秘話を、第2回では遊び心たっぷりのカードフレーバーの魅力を、第3回ではアニメと連動したアップデートの舞台裏を紹介した。 いよいよ最終回となる第4回では、フレーバーや必殺技名などのテキスト、オリジナルMSのコンセプトデザインを担当する関西リョウジ氏と、担当バンダイ長瀬氏をゲストに、毎弾好評の「トライエイジオリジナルMS」のデザインや設定の裏話を語ってもらった。 |
「ガンダムトライエイジ」でフレーバーや必殺技名などのテキスト、オリジナルMSのコンセプトデザインを担当している。主な参加作品は「機動戦士ガンダムUC」設定協力、「革命機ヴァルヴレイヴ」メカニカルコーディネーターなど。
長瀬裕
バンダイ カード事業部所属。ガンダムトライエイジ担当の1人で、立上げから現在に至るまで約3年ほど携わり続けている。
初めて遊んだガンダムゲームは「ガシャポン戦士2 カプセル戦記」。
――ガンダムトライエイジでオリジナルMSが登場したのは「BUILD MS 1弾」が最初ですね。
長瀬: モビルスーツに注目した「BUILD MSシリーズ」を展開するにあたり、毎弾毎弾「興味を惹かれるモビルスーツ」がカードでの通常のラインナップ以外に必要ではないかと考えていました。その際、トライエイジだからこそできる企画が「IF要素を絡めたモビルスーツ」なのでは無いかと。ただ、実はこの方向性については「BUILD MSシリーズ」スタート以前より関西さんとはよく話していたんです。
関西: 『機動戦士ガンダムAGE』の放送が終了した後、引き続き「大人から子供まで楽しめるシリーズ」として楽しんで頂くには、お子さん達を惹きつける「派手な何か」が必要だと考えていました。
自分が「パーフェクトガンダム」を初めて見た時は、本編には登場しないデザインでしたが派手で格好良く、非常にインパクトを受けたものです。そういうインパクトを、今の子供たちにも感じてもらいたかったんです。トライエイジのオリジナルMSであれば、同じようなインパクトがあるものを出せるのでは無いかと思っていました。
――「ビグ・ザム(アクシズ仕様)」が第1弾となった経緯はどのようなものでしたか?
長瀬: ゲーム中でBUILD MSシステムを使って開発可能になる機体を『機動戦士ガンダム』から順次ラインナップする予定でした。
その中で、元となる機体自体にもインパクトがあり、IF設定を加えていって膨らみそうなものを探していて行き着いた先が「ビグ・ザム」でした。“量産の暁には・・・”という一文にはロマンがあります(笑)
関西: ハマーンは「キュベレイ」に搭乗している印象が非常に強いのですが、色々なモビルスーツカードとパイロットカードを組み合わせできるトライエイジだからこそ、ハマーンでキュベレイ以外のモビルスーツと組み合わせる遊びを提供したら面白いのでは、と思いました。
いわゆるハマーンカラーでインパクトのあるものは・・・と考えていたところ、「ビグ・ザム」は設定的にも合致して面白いなと。あの両脚はどこか女性らしい艶めかしさがあるでしょ?(笑)
ビグ・ザムがネオ・ジオン軍の戦力としてアクシズで強化改造されていたら・・・。
長瀬: この流れで、「試作1号機」と「試作2号機」をアレンジしたオリジナルMSのラインナップへと続いたわけです。
GP計画がもし予定通りに進み、ティターンズで使用されていたら・・・。
デラーズ・フリートが奪取した試作2号機を自軍カラーに塗り直していたら・・・。
――「BUILD MS 3弾」から新規デザインでのオリジナルMS企画がレギュラー化しましたね。
長瀬: カラーリングを変更した機体のラインナップを続けていくと、次にどんなカラーリングで来るか、ということをお客様が予想されるんですが、それが結構開発チームで考えていることと一致してしまうと危惧していたんです。
というのも、ガンダムゲームがお好きなお客様は知識や造詣が深い方が多く、かつ、開発チームも、皆ガンダムが好きでメンバーが集まっていますので、自然と考えることが近くなるのではないか、と。
でも、それではお客様の想像を超えるものを提供することが難しいので、いかに驚きを作ろうかと考えた時に、1からデザインを起こすしかないのではないかと判断しました。
関西: 昔からトリコロールカラーのサイコ・ガンダムというアレンジをアイデアとして温めていました。リアルタイムで『機動戦士Ζガンダム』を見ていた当時、「サイコ・ガンダム」のモビルフォートレス形態を見て、「横に倒してまさに飛行機そのままの方向で飛ばしたらどういう印象になるんだろう」と感じていたんです。ただ、これは本編で使うにはあまりにも突飛すぎたアイデアでしたから、トライエイジでオリジナルをやると聞いた際には、まさにここしか使いどころは無い!という感じで。
カラバがホンコン・シティ強襲時に鹵獲したサイコ・ガンダムを改修した機体。フォウ・ムラサメから奪取し、新たな搭乗者となった伝説のエースパイロットによって危険なサイコミュ・システムはその問題点を克服、機体カラーも彼がかつて乗っていた伝説のMSにちなんだ配色に変更された。
武装面ではバストライナーと呼ばれる大型補助兵装を転用装備した他、背面部には新たな搭乗者と縁深いキャラクターをモチーフとする新型サイコミュが追加され、ニュータイプである新パイロットの力を最大限に発揮できるようになった。
長瀬: 案を作った後のデザイン進行では、サンライズさんにかなりお力添えをいただきました。
デザイナーの瀧川虚至さんをご紹介頂き、キャッチボールでデザインの具現化やアイデアがどんどん膨らみました。
関西: 実際にデザインを進めて頂くにあたって、見た目のインパクトはありつつも、IF設定的には元の作品を知っている方には「なるほど」と思えるようなものになることを目指しました。
その際、バストライナーをまるでビーム・ライフルのように使う絵面を考え付いたことは、サイコ・ガンダムの巨大さを最大限活用する妙案だったと思います。
――2機目のオリジナルMSとして「ガンダムトライゼータ」が登場しましたが、
これは「フルバースト・サイコ・ガンダム」とは一線を画すインパクトがありました。
関西: 「トライエイジだからできること」をもう一歩進めたものとしてユーザーさんに提供したい、という狙いがありました。そもそも「ガンダム」は「リアルロボット」と言われることもありますが、「スーパーロボット」的側面も間違いなく付加された作品です。そういった「スーパーロボット」的な側面と「ΖΖガンダム」は相性が良いのでは、と考えました。
そして、そのアレンジを頂くのは大河原邦男さんをおいて他にいない、と。大河原さんであれば、ダイターン3や勇者シリーズなどのサンライズのスーパーロボットのイメージをガンダムと絶妙に融和させてくれる、と信じていました。やるなら限界まで行ききらないと面白くないので、ガンダムとしてはあり得ない、胸にライオンを付けるコンセプトも、大河原さんデザインなら許してもらえるだろうと。
地球に降りたジュドー・アーシタらガンダムチームの面々は、ジオン公国残党軍との戦いで大きなダメージを受けてしまう。だが、偶然出会ったガンダム博士と名乗る老人の手により、大破したダブルゼータとゼータのパーツを融合。
老人がジュドーに託した謎の回路をセットすることで、新たなガンダム、トライゼータが誕生した!
――胸のライオンは本当に際立っていますよね。
長瀬: これは、「本当にやっていいのか?」と非常に悩んだ部分でした。普通ガンダムではあまりやらないことですからね。でも、そういう「普通やること」を改めてやっても、特にトライエイジのような長期間に渡ってアップデートを続けるタイトルではお客様に楽しんで頂けないだろうと思い、振り切ることに決めました。そして振り切るからには、単なる「悪ふざけ」にならないよう、CGモデルの作成からゲーム中の演出までトコトンこだわりましたね。
関西: 「トライゼータ」のリリースが『ガンダムビルドファイターズ』の放送が始まった時期であったのも幸運でした。『ビルドファイターズ』の中で、原作の枠に囚われない魅力的なガンプラが多数登場し、ガンダムファンの中で「従来の作品とは異なる雰囲気の機体も楽しもう」という雰囲気が高まっている中でラインナップができましたからね。
長瀬: 同時期に「クィン・マンサ・セプテット」の開発も並行して進めていました。この機体のキモは「バインダーが6枚羽となり、まるで花のように広がる」、「バインダー1個1個が独立したMAとして稼働する」という、ゲーム内での必殺技演出での見栄えの追及にありました。
ネオ・ジオンのグレミー・トトが結成した特殊部隊専用モビルスーツ。
セプテット・モード時は6基のバインダーすべてに同じ名前を持つ少女たちが個別搭乗し、それぞれが独立したモビルアーマーとして機動。
本体と合わせて変幻自在の7重奏攻撃を見せる・・・はずだったが、グレミーがエゥーゴの女性パイロットにベタ惚れしたお蔭で開発が疎かになり、本体が完成することはなかった。
関西: メカのギミックやデザインコンセプトを考える際に、ゲーム画面内で一定の短い時間で見栄え良く動くことが大前提なので、動いた時の細かい印象までイメージするために必殺技演出の字コンテと共に作るようにしています。
どんなキャラクターでも動けば格好良くなるものですが、トライエイジのオリジナルMSに関しては、特にその部分を強調させたいと。
長瀬: オリジナルMSはデザインも必殺技案も「通常の機体では出来ないこと」をやることを目標としているので、自然と必殺技も毎回使える技術を全てつぎ込んで作成する形となります。
トライエイジのマシンでは作ることが無理にも思えるような演出をオリジナルMSでやることで、トライエイジ全体の演出手法が広がるという、いわゆるコンセプトモデルのような役割も担っていますね。
――続く「ディガンマ・アジール」は一転して玄人好みしそうなアレンジですね。
長瀬: 「ディガンマ・アジール」については、「BUILD MS 5弾」で『逆襲のシャア』を特集するにあたって、どの機体をアレンジするのが面白いか考えた際、「νガンダム」や「サザビー」はすでにアレンジを他の方々がやられているので、穴場の「α・アジール」を題材とすると、新しいことができるんじゃないか、という視点がきっかけでした。
関西: 「ナイチンゲール」とは全く違う方向性でなにか無いか・・・と考え、本編で意外と存在感の薄かった「α・アジール」に焦点を当て、「パーフェクト・ジオング」の足が元々「ドム」のデザインを使用していたオマージュで、巨大な「ヤクト・ドーガ」の手足を付けてみようと。
そこから、アクシズ落下後の地球での戦闘を視野に入れた機体、というIF設定が膨らみましたね。色味も「パーフェクト・ジオング」を意識しつつ、差し色で白色を使って『逆シャア』の他の機体と一緒に使っても違和感が出ないようにしました。
新生ネオ・ジオン軍の巨大MA、α・アジールを改修した超巨大MS。重力下での使用を前提としており、地球寒冷化作戦が成功の後、残存する連邦拠点を握りつぶすための巨大な腕と、踏み潰すための巨大な足が新たに装着されている。
当初はその姿から機体名に“完璧”という言葉を冠する予定だったが、戦況の変化により開発が中断、失われたギリシャ文字“ディガンマ”があてがわれることになった。
――オリジナルMSは宇宙世紀系の機体が多い中で、「ガンダムゴッドマスター」は
現状唯一のアナザー系機体ですね。
みなさんお待ちかねっ!デビルガンダムの『DG細胞』に侵されてしまった我らのゴッドガンダム!
だがしかし!ガンダムファイターの精神力は、悪魔の力を完全に押さえ込み・・・『神の右手』と『悪魔の左手』を併せ持つ究極の新ガンダムへとパワーアップしたのです!
その名も御存知!さあみなさんもご一緒にぃ!・・・『ガンダムゴットマスター』だぁ!
関西: もし「ゴッドガンダム」がDG細胞の影響を受けつつ、それを克服した時、きっと強大な力を手に入れるんじゃないかというのがコンセプトの企画でした。あとは双腕でゴッドフィンガーを撃たせたいというビジュアルイメージを元に、左右で色が違う格闘技のチャンピオン、だからチャンピオンベルトを巻いている、などの設定が固まっていきましたね。
大河原さんには、「シャイニング」から「ゴッド」へパワーアップしたように、「ゴッド」からさらに次の段階へパワーアップした主人公機体、という方向性でお願いしていました。
長瀬: 「ゴッドマスター」は開発チームの皆さんがかなり動きにこだわって作ってくれたので、動いた時のインパクトはそれまでのオリジナルMSの中で1番群を抜いていたと思っています。各所のギミックやオーラのエフェクトなど、「ここまでやれるんだ」と私も驚きました(笑)
――「フルアーマーユニコーンガンダム・プランB」は、ガンダムインフォでも記事閲覧数が断トツで多かった機体でした。
長瀬: 「フルアーマーユニコーンガンダム・プランB」は、オリジナルMSの中では発想が一番オーソドックスなものかもしれませんね。誰しもが1度は考えるであろう、アームド・アーマーをユニコーンガンダムに集約させる、という案をあえて正面切ってやりたいと思いました。「フルバースト・サイコ・ガンダム」から「トライゼータ」の流れとは逆に、「ゴッドマスター」の次は正攻法で攻めよう、と。
「バンシィ・ノルンには、アームド・アーマーってイカした追加装備が付いてるんだって?
なんでもっと早くそれを教えてくれなかったのさ~!バナージのユニコーンに全部くっつけたら、すっごく強くなるじゃないか!!アーロンさん、アーロンさん!!今からでも入手して、付けられないかな?」「……タクヤ君、寛大な私でも流石に怒りますよ?」という経緯があったらしいフルアーマーユニコーンガンダムのプランB。Bにはブルーの意味も込められているそうだ。
「やっぱりフルアーマーガンダムは、青色だよね!!」「いったい何の話ですか……?」
関西: ただ、完全に正攻法では驚きが無いので、何かしらのアレンジを加えようと思い、サイコフレームやビーム刃などを青に統一しました。これは「フルアーマーガンダム(プラモ狂四郎版)の青色」にかけたオマージュでもあるんですが、限定販売されていたANAカラーのユニコーンガンダムのプラモデルが格好良かったというのもあって。
アームド・アーマーDEの取り付け方を「フェネクス」と変更したのは、実際にガンプラで再現する際にアームド・アーマーXCとの干渉を避けるためです。また、本当ならばトライエイジならではのさらにインパクトの強いオリジナルユニコーンガンダム案もあったのですが、スケジュール的に断念せざるを得なかったのは残念でした。トライエイジが続く限り、いつか復活させたいですね。
長瀬: ガンプラでの再現と言えば、好評発売中の「月刊ホビージャパン11月号」、「電撃ホビーマガジン11月号」にて「フルアーマーユニコーンガンダム・プランB」の作例記事が組まれていますので、ぜひそちらもチェックして頂けると嬉しいです。
――稼働中の「BUILD MS 8弾」では「ガンダムF91」のアレンジ機体が登場していますね。
小型モビルスーツのガンダムF91に、新開発のグローアップ・ユニットを組み込んだ総合重装仕様。両手両足にヴェスバーと大型ビーム・シールドが追加され、肩関節部には白兵戦にも対応可能なヴェスバー・サーベルを新たに備えている。
いわゆる増加装甲(フルアーマー)ではなく、四肢の末端や関節部に対する根本的な機能付加という方向性は、機体の体格を従来の大型規格へと再び引き戻す本末転倒なものであったが、これは機体小型化への変革を良しとしない一部の連邦高官たちの意向が強く働いたとされる。
関西: 「ガンダムF91RR」に関しては、もともと小型化されているデザインを、まったく逆説的に組み立てたらどうだろうか、と考えました。その際に、フルアーマー化のように外から武器や装甲を足すのでは無く、体の内部から巨大化させる、という新しい表現にも挑戦しました。
軽快なイメージを持つ「F91」をあえて巨大化させる本末転倒なコンセプトや、全身にヴェスバーを追加する力業もトライエイジならでは、というノリですね。
長瀬: 色の付け方も独特ですね。当初はもっと青色の部分が多かったのですが、重い印象だったので元の「F91」の持つ軽やかなイメージも残るように、配色を調整しました。
――今後もオリジナルMS企画は続いていくのでしょうか?
長瀬: 現時点ではまだ詳しくお話できないのが申し訳ないのですが、従来までとはまた変わった取り組みを進めています。
関西: かなり面白い流れですよね、今回は。きっとみなさんの期待を裏切らないものをお届け出来ると思うので、引き続き楽しみに待って頂けると嬉しいです。
全4回にわたってお送りしてきた「ガンダムトライエイジ BUILD G1弾」特集。「ガンダムトライエイジ BUILD G1弾」は、いよいよ来週 10月9日(木)より稼働開始となる。
『ガンダムビルドファイターズトライ』や『ガンダム Gのレコンギスタ』といったTVシリーズ最新作や、『∀ガンダム』、『機動新世紀ガンダムX』から機体、パイロットが続々参戦することはもちろん、「バトルパートナー」や「Gコマンダー」といった新たなシステムでさならる進化を果たす「ガンダムトライエイジ」にぜひとも注目しよう。
デジタルカードゲーム ガンダムトライエイジ BUILD G1弾 10月9日稼働開始 1プレイ1枚100円(税込) ※100円につき必ず1枚カードがでます。 |
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