2011年9月2日 (金)
「ボードシミュレーションゲーム 機動戦士ガンダム JABRO」特集【第3回】
伝説のボードシミュレーションゲーム「ジャブロー戦役」が30年の刻を超えて完全復刻! 特集第3回では、伝説のゲームデザイナー・岡田厚利さんへのインタビューを掲載!
「JABRO」特集を締めくくるのは、伝説のゲームデザイナー・岡田厚利さんへのインタビュー!
どんな秘話が聞けるのかお楽しみに!!
⇒ 第1回、 第2回はこちら
―― まずは、プロフィールからお願いします
1960年生まれ。生まれは、東京の大田区。実家がステンレスの溶接・研磨をやってたので、90年代ゲームデザイナーを休んでいた時に、少しやってました。
―― ゲームデザイナーになったきっかけは?
中学の頃、ミニチュアのシミュレーションゲームの記事がホビージャパンで始まって、当時はアクチュアルの「ウォーゲーム」と言ったかな?井出さんと言う人が、日本で一番最初にウォーゲームを普及させた人で。
高校になってホビージャパンがアバロンヒル社のボードシミュレーションゲームを発売して遊び始めて、それで、大学ぐらいの時にミニチュアの1/285の戦車を使ったシミュレーションゲームを自作したのがキッカケ。
今で言う同人ゲームみたいなのを作って、遊んでいた。
―― ガンダムとの出会いを教えてください
元々、ガンダムが始まるまではいわゆるオタクじゃなかったの。ミリタリーマニアで、SFやメカが好きな程度だったのよ。ところが、大学2年の時に機動戦士ガンダムが始まって、当初あんまり面白くはなかったんだけど、「トリプルドム」ぐらいからハマった。
ガンダムのゲームは当時無かったので、自作したんだ。
それで自作のガンダムゲームの実演をイベントでしたら話題になって、ホビージャパンやポパイに載ったりして、アドテクノスからの依頼でバンダイ出版から「機動戦士ガンダム」というカードゲームが発売されることになった。
その後、ツクダホビーから依頼が来たんだ。それから約6年ぐらいお世話になったなあ。
―― ツクダホビーでの思い出を教えてください
ツクダホビーでは、かなり自由にやらせてもらったよ。
このアニメをゲームにしたいから、担当の人に版権を取ってきてもらったり、みたいな感じで。
―― ジャブロー開発秘話を教えてください
元々、別の方が海外の名作ゲーム「スコードリーダー」をベースに作る話になってたのが、いつの間にかこっちで作る話になってたんだ。
初めて、本格的にルールブックを書いたから大変だった。あとユニットやマップのデザインはツクダホビーの鈴木さんがやっていて、ユニットに至っては当時、パソコンが無いからロットリングで手で描いてたんだ。
―― 思い出のゲームについて
ジャブローに対して、「フォートレス」あたりからはかなり好き勝手に作っていたよ。
だいたい、大学とゲームデザインと掛け持ちで、ゲームデザインやってた頃は一ヶ月連続で、テストプレイとかざらにあったし。
「クロスファイト」は、行動ポイント制でやりたいことを全部詰めたら、プレイアブル性が悪くなって失敗した例。あとユニットも真上から見下ろした絵柄で、全機体を描き下ろしてもらったのに凄く評判が悪かった。
「ラストファイト」は攻撃と防御のダイス目が反映されるというルールを思いついた会心作。
その後の「ガンダム戦史」までスタンダードになったからね。
―― オペレーションの話もお願いします
ツクダホビーの会誌ね。あれはゲームを発売してから一、二年ぐらいしてユニットやダイスとかだけを通販しようという話が出て、それのための会誌を作ることになったんだ。
あと追加ルールやユーザー間のコミュニティも図れるように、色んなコーナーを作ったよ。確か、季刊で五年ぐらい続けたと思う。
で、シミュレーションゲームブームに陰りが出て、採算がとれないから止めようとなって休刊したんだ。
ジリ貧な時に打ってでないとそのまま終息するね。
―― デュアルマガジンの思い出を教えてください
デュアルマガジンは、立ち上げの時から関わっていて、オマケのゲームも作ることになったんだ。
ダグラムとか、ボトムズのゲームはいまだに良くできたと思っているよ。
―― 再販版のジャブローを見て
あれ?ダイスが大きくなった?昔はこんなにみやすくなかったぞ。
お、ユニットトレイも作り直したの?ツクダホビーが撤退してから海外のしかなかったからね。
マップもクルミ張りのままなのが良いね。結構、コストがかかるんだけど、頑丈になるから。
ユニットは、今回ニュータイプの仕様に変更しようと言ったの。ところが今回はメガハウスさんが、完全復刻にこだわってくれたので、ユニットも同じ形で復刻できた。
―― 幻のゲームについて
Ζガンダムを舞台にしたマルチゲームね。ツクダホビーはシミュレーションゲームから撤退したから結局出せなかったんだけど、それをベースにコンピュータゲームとして出る話があったんだ。
でも当時はバンダイじゃなくファミリーソフトさんが手掛けているということで、こっちのは版権が通らず一度、お蔵入りした。
そのあと「ギレンの野望」のベースになったみたいだけど。
―― ギレンの野望について
ボクが最初にデザインしたゲームは、エリア制で作ってたんだけど、社長からヘクス制を要望されて、そっちでも作ってみたよ。
今回の「新ギレンの野望」もヘクス制らしいね。
―― 今後の展望について
このジャブローが売れてくれれば、また他のゲームも再販される可能性があるから、できれば幻となったΖガンダムのマルチゲームまで出せると嬉しいね。
全3回に渡って「JABRO」を特集してきたが、いかがだったろうか?
このアイテムの魅力が、多くの人に伝われば幸いである。
「機動戦士ガンダム JABRO」は、 メガトレショップ、および プレミアムバンダイにて好評発売中だ。
30年の刻を超えて復刻した伝説のシミュレーションゲームを、ぜひこの機会に手に入れよう!
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