いよいよ5月29日(木)にバンダイナムコゲームスより発売されるPlayStation®3専用ソフト「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」は、ガンダム外伝待望の完全新作となる「ミッシングリンク」に加え、過去に様々なプラットホームにて発売されたガンダム外伝タイトルのリメイク版を多数収録する。 豪華スタッフ・キャストによる濃密なドラマが、PS3の性能を活かした美麗なグラフィックと爽快なハイスピードアクションで展開される本作の魅力を、全3回にわたって徹底紹介! |
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第1回となる今回は、新作の「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」に登場する最新のオリジナルMS「ペイルライダー」について、デザインを手がけた瀧川虚至氏にインタビューを敢行した。 瀧川氏に、そのデザインやこだわりのポイントを語ってもらったので、さっそく紹介していこう。 |
――「メカデザイナーデビューの経緯」
瀧川: 今のお仕事をさせて頂くきっかけを頂いたのが6年程前になります。その頃はメカはあまり描いてなく自分の絵を趣味で描いていたんですが、たまたま数年ぶりにモビルスーツが描きたくなって描いた物を1枚あるSNSに載せたんです。
それをとある有名な原型師さんが見られて、イベント用のガレージキットのデザインをやってみませんか、とお声をかけて頂いてそれが最初ですね。もともと子供の頃からメカを描くのは大好きだったので、お声をかけて頂いた時は手が震えるほど嬉しかったです。
そのあと、この原型師さんから当時バンダイにあったガレージキット部門のB-CLUBを紹介していただいて、その流れでSBクリエイティブさんも紹介してもらって商業誌のお仕事も頂くようになりました。
それまでも今も同人誌などはやっていなかったのでメカ描きの知り合いなどもいなくて、メカを描くというお仕事は実践しながら学ばせて頂いてる感じでした。過呼吸起こす程無我夢中でしたね。
書籍は一番最初が「ハイコンプロクロニクル」という本で、それに少しだけ描かせて頂いた後、「マスターファイル」シリーズや「マスターアーカイブ」シリーズなどに参加させてもらってます。
その間にバンダイホビー部さんの方からもお仕事が来るようになり、RGシリーズの「ガンダムMk-II」、「Ζガンダム」、「ガンダムGP01」、HGUCの「ハンブラビ」や「メッサーラ」のプラモデル開発用の参考用画稿などを描かせて頂きました。
ガンダムエースで北爪先生の「機動戦士Ζガンダム Define」の連載開始に当たっては、メカデザイナーのコンペが開かれることになって運よく選んで頂けましたね。インパルスの板倉俊之さんの「ブレイジングシャドウ」では、最初からガンダムエース編集部からの推薦でデザインを依頼して頂きました。
――「Ζガンダム Define」版のMSの魅力」
編集部: Define版の「リック・ディアス」は、だいぶジオンぽさから離れた感じがしました。Ζガンダムの本放送を見ていた時は子供だったせいかかなり違和感を感じてたんですが、瀧川さん版の「リック・ディアス」を見てやっと腑に落ちたというか、ガンダム的なラインも入った気がしたのです。瀧川さんは、連邦系とジオン系だと連邦系を描くのが得意なのですか?
瀧川: いや、本当はジオン系の方が好きなのですが…(笑)、何故か発注がたまたま連邦系のが多くて、どうしてもそういう印象になってるみたいですね。
――「内部図解の描き方」
編集部: 瀧川さんの絵の魅力って見てて楽しい分解図にあると思うんですよ。昔、大河原さんが描いたハーフカットモデルに近い感覚の内部図解に、近いワクワク感を持ってると思うんですね。これってどうやって描くんですか?
瀧川: まず全体の形を描いて、それに紙を重ねてライトボックスを使い部分ごとに中身を描いて行きます。それの繰り返しですね。最後にパソコンに取り込んで、フォトショップでバラバラに描いた部品を組み上げて最初の全体の形に戻します。
――「ペイルライダーデザインの経緯」
「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」のジャブロー戦から登場。ジオン公国軍のマルコシアス隊だけでなく、同じ地球連邦軍に所属するスレイヴ・レイス隊にも襲いかかる。
編集部: そんなこんなで「ミッシングリンク」に繋がっていくわけですね。どういう経緯で今回のゲームの仕事の依頼が来たのでしょうか?
瀧川: 依頼があったのは去年ですね。ゲームのサンライズ側の担当さんが当時、Ζガンダム Defineの担当でもあったので、どうやら私を推薦してくれたようなのです。
今回のゲームでは「ペイルライダー」とそれの改造機の「トーリスリッター」を描かせて頂きました。改造機といってもほとんど別物になってますが。
バンダイナムコゲームスさんとの打ち合わせでは、まず大まかなイメージラフを頂き、そこからジム・コマンド系ジム・スナイパーIIをベースに、ガンダム4号機・5号機などのパーツを付けるといった方向にまとまりました。一見するとゴテゴテしていますが、ぎりぎりその時代のデザイン枠から出ないようにしています。脚部のスラスターなどはガンダム6号機由来ですね。
ブルーディスティニーが陸戦型ガンダムをベースにしつつかなり違う印象になっているので、ペイルライダーもそういう方向にまとめました。
編集部: 時代的には0079年?
瀧川: オーダーでは、ジャブロー戦ぐらいからテストしている感じという話だったので、そこら辺での最新MSの話になりましたね。
編集部: あの辺の時代ってすでに色々と密集していて、バッティングしないようにするのが難しいのでは?
瀧川: ブレイジングシャドウもそうですが、すごくやりづらい時代ですね。後の時代のMSとか決まっているので。
近い時代の利点と言えば、ペイルライダーのベースとなったジム・スナイパーIIと、ブレイシングシャドウのジム・スナイパーIIは、私の中でジム・スナイパーIIを一旦形にして、どちらも同じジム・スナイパーIIの形を基準としているぐらいですね(笑)なんにしろ何か新規でMSを入れるのが難しい時代です。
実は先日、SBクリエイティブ編集部から撮影が終わったサンプルのHGUC版ペイルライダーを戴きましてとても感激しています。これ、本当にすごく良いキットですよ。
完全新規のキットでプロポーションもそうですが、関節も専用の物で非常によく動くんです。バイザーが赤いからHADES発動バージョンとなるのですが、通常の青いバイザーのは販売されるんですかね?(笑)
とにかく限定版付属のメタリックエディションはここでしか手に入らない貴重なキットなので嬉しいですね。PS3版の「ガンダム戦記」が発売された時は、HGUCでフルアーマーガンダム7号機が出ていますが、今回のサイドストーリーズ発売にあわせてピクシーやイフリートなどもHGUCになると嬉しいです。
編集部: ペイルライダーと言えば、今回のゲームの初回封入特典に「ガンダムバトルオペレーション」や「ガンダムエリアウォーズ」、「SDガンダムジージェネレーションフロンティア」で先行取得できるシリアルコードが付くみたいですが、やっぱり気になったりしますか?
瀧川: そうですね、ペイルライダーは設定的にブルーディスティニーに近く、もし両者が戦ったらどうなるの?的な感じで気になりますね。
――「トーリスリッターのデザイン」
「終章:ペイルライダー」に登場するネオ・ジオンの機体。
ジオン残党に渡り改造され続けたペイルライダー。その結末は如何に?
瀧川: トーリスリッターは、最初ネオ・ジオンのニュータイプ専用機をモチーフにする予定だったので曲面を多用する予定だったのですが、打ち合わせの中で紆余曲折があってシナリオでの関係上、最終的にドーベン・ウルフに近く角ばったデザインでいくことになったのです。
ガンダムMk-Vなどをイメージしつつ、HADESというシステムと連動したギミックの考案や、この時代のネオ・ジオンのMSの武器も盛り込んでというオーダーに合わせました。
ラフと言えば、今回の限定版についている設定資料集でも急遽いろいろと収録してもらえることになって、ペイルライダーやトーリスリッターのボツになったスケッチやテザインのラフ稿とかも入っているようです。
トーリスリッターの頭部などは色々なタイプを描いてみました。ガンダムぽいアンテナやジオンぽいマスクの付いたものなどそのあたりも収録されているようです。
――「今後のお仕事の話」
編集部: 今後のお仕事のことを教えてください。
瀧川: 近いものだと6月にSBクリエイティブさんから「マスターファイル ウォーカー ザブングル」が発売されますのでよろしくお願いします。
他はガンダムエースで北爪先生が手掛けられている「機動戦士Ζガンダム Define」用に、現在サイコ・ガンダムなどを制作中です。
編集部: サイコ・ガンダムと言えば、カードゲームのガンダムトライエイジの「フルバースト・サイコ・ガンダム」が話題になりましたね。
瀧川: こちらはゲーム側から細かく提案があって、それがかなり面白い案でしたので、ならばと思い私の方からハロ型のファンネルを提案させて頂きました。
あとブレイジングシャドウも現在、板倉先生が執筆中でいろいろなMSのデザインのオーダーが来てるので、楽しみにして頂ければと思います。あっと驚く機体が出るかも知れません。
瀧川虚至(たきがわきょし) メカデザイナー。 バンダイホビー事業部のガンプラのほか、角川書店ガンダムエースや、SBクリエイティブ「マスターファイル」シリーズ、「マスターアーカイブ」シリーズなどで活躍。 精密な内部図解に定評がある。 |
「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」は通常版とLimited Editionの2つの形態で発売される。
Limited Editionは、限定メタリックバージョンのガンプラ「HGUC ペイルライダー Limited Metallic Ver.」や、「機動戦士ガンダム外伝シリーズ」のオリジナルサウンドトラックといった、ここでしか手に入らない超豪華特典を同梱。ガンダム外伝ファンだけでなく、ガンプラファンにも堪らないアイテムだ。
また、通常版の初回生産分とLimited Editionは特典として「豪華4大特典ダウンロードコード」が封入される。
コードは入力することで「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」(PS3)、「SDガンダム ジージェネレーション フロンティア」(iOS/Android)、「ガンダムエリアウォーズ」(iOS/Android)の各タイトル内で「ペイルライダー」を先行入手できるほか、歴代「ガンダム外伝シリーズ」オリジナルダイジェスト紹介映像をダウンロードすることができる。こちらもお見逃しなく。
「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」特集第2回では、Limited Editionに特典として付属するガンプラ「HGUC ペイルライダー Limited Metallic Ver.」をレビューするぞ!
5月26日(月)掲載予定!ぜひともお楽しみに!
⇒ 第2回を掲載しました!こちらからご覧ください!
機動戦士ガンダム サイドストーリーズ 発売日 : 2014年5月29日予定 価 格 : 通常版 7,600円+税/ 限定版「Limited Edition」13,790円+税 ジャンル : ドラマチック&ハイスピードアクション 対応機種 : PlayStation®3 プレイ人数: 1人 CERO : A 開 発 : B.B.スタジオ |
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