東京・秋葉原で営業中のGUNDAM Café秋葉原店では、『ガンダム Gのレコンギスタ』の小形尚弘プロデューサーがゲストとともに様々なテーマで「G-レコ」を語る「夜のG-レコ研究会」第4弾「メカ編2」が、6月25日(木)に開催された。
トークショーには前回の「メカ編」に引き続き、メカニカルデザインの安田 朗氏と形部一平氏がゲストとして登場。さらに、デザインワークスのコヤマシゲト氏も特別に登壇した。
「G-セルフ」をはじめとする数々のモビルスーツの誕生秘話が飛び出し、大いに盛り上がった前回同様、今回も会場は満席、バンダイチャンネル他にて行われたライブ配信も大盛況となった。
それではさっそくトークショーの模様をお届けしていこう。
今回もレポートの最後に恒例の読者プレゼントを用意しているのでお見逃しなく。
▲メカニカルデザインの安田 朗氏(写真左)と、形部一平氏(写真右)。
▲今回も会場のモニターに設定画を映しながら、デザインした本人が自ら解説!
トークショーは、前回のトーク内容を振り返りつつ、その続きからスタート。形部氏がデザインした数々のモビルスーツの中から、前回紹介しきれなかった分を改めて紹介していく。
まずは「ガイトラッシュ」のデザインについて形部氏から語られ、時期的には「メガファウナ」に“ヒレ”が付いた頃にデザインしたと振り返る。
ちなみに、メガファウナをデザインした山根公利氏は、数々のガンダムシリーズにメカデザイナーとして参加しており、「G-レコ」では主に戦艦などのデザインを手がけている。
この“ヒレ”から技術転用されたものとしてデザインしたのが、特徴的な装備の「ビーム・マント」であり、本体については『水中用モビルスーツを宇宙に飛ばしたかった』という思いから、今のデザインになったと語る。
コヤマ氏が『牛若丸っぽいよね』とコメントすると、会場から納得の声が上がった。
「カバカーリー」は、当初の「G-トワサンガ」という名前の通り、トワサンガの機体としてデザインしており、隊長機をカバカーリー、量産機には「リジット」を考えていたという。ところが、リジットがビーナス・グロゥブへと勢力変更されたため、同系統のデザインではおかしいだろうとデザインを変えたところ、何故かラスボスになっていたとのことだ。
デザイン変更に際しては、富野監督からの要望で脚部のシールドを外したが、監督が変更前のイメージのままコンテに取りかかり、脚部シールドを使った大気圏突入シーンを描いてしまったため、結局元に戻すことになったそうだ。
そんな監督の“うっかり”話も明かされた。
なお、形部氏はラスボスには「ダハック」を想定していたとのことだ。特別な機体の証としての真っ白なカラーリングや、金星の管理者権限でフォトン・バッテリーを停止できる能力など、『これでG-セルフに勝てる!』という要素をふんだんに盛り込んだが、こちらも何故かクリムの乗機になり、G-セルフの味方になってしまった。
『ままならないね』とこぼすコヤマ氏に、形部氏は黙って頷く。
形部氏はデザインだけではなくネーミングセンスも優れており、提出時に仮で付けたモビルスーツの名称が、そのまま採用されたケースが数多くあるという。
「コンキュデベヌス」の名前は、貝をイメージしていることから、ふと絵画の「ヴィーナスの誕生」は貝に乗っていることに思い当り、「ヴィーナスの貝」のフランス語訳「conque de venus」をローマ字読みして決めたそうだ。
また、「ユグドラシル」の名前は発射するビームが木の枝のように広がることから「大きい木」が思い浮かび、そこから「世界樹」の原語「Yggdrasill」と名付けたと明かした。
続いては、安田氏デザインのメカへと話が進むが、先立って前回話題に上った「安田プレゼン」の紹介があった。
これは安田氏が「G-レコ」に参加するにあたり、富野監督以下スタッフに対して安田氏の考える「ガンダム」を伝えるために作ったもので、過去のメカデザインから分析した「主役メカに必要な要素」を説明する内容となっている。
いきなり「強い印象」とだけ大きく書かれたページから始まるプレゼンは、その唐突さでスタッフの心を鷲掴みにし、「頭が大きい」、「メカセクシー」、「肩パットこそが重要」とキーワードが続く。
途中やや失速するものの、「光ガンダム」つまり「G-セルフ」のコンセプトを生み出した貴重な資料といえる。
安田氏は「G-セルフ」をデザインする際に、「ガンダム」には引き立て役が必要と考え、最もシンプルな形のモビルスーツとして「レクテン」もデザインしたそうだ。
レクテンは、軌道エレベーターを1000年間整備しているという存在であること、そして後々格好良さのインフレが起きないよう、とにかくダサくしたという。
また、『ジムがガンダムと同じ体であるのはけしからん』という思いから、胸のインテークを1つにしたことで、最もショボいデザインにすることができたと語った。
「G-セルフ」のバックパックのデザインでは、最初にラクガキ状態のラフを出したら富野監督が40分黙ってしまったこと、2回目に形にして出したら何故か準光速パックだけ使えないと言われ、『トリッキーパックの方が無理なんじゃ…』と思ったことなど、その誕生秘話が明かされた。
なお、パーフェクトパックの機能には、監督から『新しい技を考えていいよ』と言われて安田氏が考えたアイディアが、いくつか採用されているという。
採用案はフォトン・バッテリーの特性まで含めて考えられており、奥深いものを感じることができる。
「G-レコ」制作時の感想として、形部氏は『クラブ活動のようだった』、安田氏は『全工程がコンペのようだった』と振り返った。富野監督から常に試され、教えられる環境は、仕事でありながらも仲間と研鑽を積むクラブ活動に近かったのだろう。
しかしコヤマ氏が『安田さんのG-セルフという決め一手と、形部さんの物量で停滞が終わった』と言うように、2人のメカデザイナーの突破力が富野監督を助け、「G-レコ」を完成に導いたのも事実である。
トークショーでは、この後もおなじみの質問コーナーがあったほか、富野監督と山根氏の間で交わされたデザインのやり取りや、旭プロダクション・脇氏による撮影処理の紹介が行われた。
今回、撮影処理は安田氏・形部氏デザインのモビルスーツに加えて、次回予告のメインキングもおまけとして披露。iOS/Android向け無料アプリ 「ガンダムチャンネル」で配信中のアーカイブ映像で見ることができるので、ぜひともチェックしてみよう。
次回の「夜のG-レコ研究会 ~キャラクター編2~」は、明後日7月30日(木)にGUNDAM Café秋葉原店で開催される。
ゲストには、キャラクターデザイン・作画チーフを務める吉田健一氏と、デザインワークスを務めるコヤマシゲト氏が再び登場。こちらもお見逃しなく。
参加方法など詳細は、 こちらの記事をご覧ください。
(ガンダムインフォ編集部)
【読者プレゼント】
「サイン入りポスターイメージ」&「吉田健一作監集」を抽選で8名様にプレゼント
イベント当日に来場者特典として配布された「富野由悠季&吉田健一サイン入りポスターイメージ」と、「吉田健一作監集(全9種・ランダム)」を、ガンダムインフォをご覧の読者の中から抽選で8名様にプレゼントします!
どちらも貴重なアイテムとなっているので、当日会場へ行けなかった方は奮ってご応募ください!ご応募お待ちしてます!
「サイン入りポスターイメージ」&「吉田健一作監集」プレゼント応募要項
【応募受付期間】
2015年7月28日(火)21:00 ~ 8月9日(日)23:59
【プレゼント】
富野由悠季&吉田健一サイン入りポスターイメージ+吉田健一作監集セット … 8名様
※作監集は全9種の中からランダムで1枚。絵柄は選べません。
【応募について】
○応募はお一人様一回までとさせて頂きます。
○アンケートの回答内容は抽選結果には影響いたしません。
○賞品送付先は日本国内に限ります。海外在住の方はご応募頂けません。
【当選について】
○当選者の方には当選通知と賞品送付先の確認メールを送らせて頂きます。(8/12頃送信予定)
○賞品の発送は2015年8月下旬を予定しています。
【注意事項】
○当選通知メールは当選者の方へのみ送信いたします。落選の通知は送られません。
○当選通知メールは「info-support@sunrise-inc.jp」より送信いたします。
応募メールアドレスを携帯電話のメールアドレスにする場合は事前に「ドメイン指定」を
解除するか「@sunrise-inc.jp」からのメールを受信できるように設定してください。
○当選された方は、当選の権利を他人に譲渡、ならびに換金することはできません。
○応募データに虚偽誤りがある場合、その他不正な参加とみなした場合には当選を無効とし、
当選の権利の取消を行う場合があります。
○賞品到着後の紛失・破損などにつきましては対応いたしかねます。
応募受付は終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
2015年7月28日(火)21:00 ~ 8月9日(日)23:59
【プレゼント】
富野由悠季&吉田健一サイン入りポスターイメージ+吉田健一作監集セット … 8名様
※作監集は全9種の中からランダムで1枚。絵柄は選べません。
【応募について】
○応募はお一人様一回までとさせて頂きます。
○アンケートの回答内容は抽選結果には影響いたしません。
○賞品送付先は日本国内に限ります。海外在住の方はご応募頂けません。
【当選について】
○当選者の方には当選通知と賞品送付先の確認メールを送らせて頂きます。(8/12頃送信予定)
○賞品の発送は2015年8月下旬を予定しています。
【注意事項】
○当選通知メールは当選者の方へのみ送信いたします。落選の通知は送られません。
○当選通知メールは「info-support@sunrise-inc.jp」より送信いたします。
応募メールアドレスを携帯電話のメールアドレスにする場合は事前に「ドメイン指定」を
解除するか「@sunrise-inc.jp」からのメールを受信できるように設定してください。
○当選された方は、当選の権利を他人に譲渡、ならびに換金することはできません。
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たくさんのご応募ありがとうございました。
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