全国13館の劇場にてイベント上映が実施中の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』のスタッフトークショー付き上映会が、東京・新宿ピカデリーにて3月10日(火)に開催された。トークショーには、今西隆志監督をはじめ、メカニカル総作画監督の鈴木卓也氏、総作画監督の西村博之氏、谷口 理プロデューサーが登壇。
当日はすでに2、3回観ているというリピーターも非常に多く、本作の人気ぶりがうかがえた。
まず始めに、会場に来ることができなかった安彦良和総監督とシャア・アズナブル役の池田秀一氏から、ビデオメッセージが届けられた。安彦総監督が「スタッフが丁寧にいい仕事してますから、どのシーンも見逃さずしっかりご覧ください。」とコメントすると、池田氏も「油断なさらないように。60分あっという間ですからね。」と頷く。
続いて、話題は制作の舞台裏へ。
総作画監督の西村博之氏は「安彦さんの元絵があるので楽といえば楽なんですが、その代わり半端なものにはできないので逆にプレッシャーは強くなった気がします。」とコメント。また、メカニカル総作画監督の鈴木卓也氏は、CGの大元となる動きのラフや、車両や銃器の作画監督を担当しているという。
そして、安彦総監督が「CGの大親分」と言う今西隆志監督は、「時代によって作り方が変わってきているので、間に立って交通整理のようなことをしています。」と語った。
また、本作は各地で舞台挨拶が行われたが、今西監督は「リピーターやファーストガンダム世代以外の若い人、安彦さんの漫画しか知らない人も参加してくれたので、非常にありがたいです。」と、振り返った。10年以上アニメ業界で働いているという谷口プロデューサーも、「こんなに宣伝しなきゃいけないんだってくらい駆り出される作品は初めて。」と語った。
▲谷口 理プロデューサー(左)、今西隆志監督(右)
安彦総監督はアニメ制作に関わるのは実に25年振りとなるが、西村氏は「始めは仕上がりがどうなるか不安だったみたいですが、徐々に信用してもらえたというか、任せてもらえるようになりました。」という。さらに、「安彦さんの何がすごいかというと、20年以上ブランクがあってこれだけ描ける人はいないなぁ、という絵がほぼ一発で入ってくるところ。人物の動きとか感情が全て線に込められていて、安彦さんは動きで絵を描く人なんだなというのは、コンテを見ればよくわかると思います。」と語った。
また、安彦総監督が『機動戦士ガンダム』を制作していた当時にはなかった「CG」という技術について、始めはあまり良い印象を持っていなかったようだが、鈴木氏は「ある日『CGって結構良いもんじゃない。鈴木さんに全部任せた。』と言ってもらえて、自由にできたんじゃないかと思います。」とコメントした。
▲メカニカル総作画監督・鈴木卓也氏(左)、総作画監督・西村博之氏(右)
さらに、イベントでは、先月日比谷公会堂にて行われたプレミア上映会で展示された複製原画の抽選プレゼントも実施。原画の額にはイベント登壇者のサインも入れられており、この日だけのサプライズプレゼントとなった。
最後は、各人からのコメントでイベントは締めくくられた。
谷口 理
「日々満員御礼に近い成績が出ていまして、ありがとうございます。2話もガンダムは出てこないですが、丁寧に作っていますので、お祭りのように半年に1回できるように頑張ります。」
鈴木卓也
「CGの細かいところも非常によく動いてるので、注目して観てください。」
西村博之
「なんとか秋に公開できるように頑張っていますので、よろしくお願いします。」
今西隆志監督
「2話の方が面白いんじゃないかなと思いますので、ご期待ください。」
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』全国13館でのイベント上映は、3月13日(金)までの2週間限定で実施中。また、先行有料配信も同時に行われているほか、バンダイビジュアル公式通販サイト「バンダイビジュアルクラブ」にて「Blu-ray Disc Collector’s Edition」の予約も受付中なので、あわせてチェックしておこう。
※本文中、一部敬称略。
(ガンダムインフォ編集部)
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