東京・お台場のニフティが運営するイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」では、3月27日(木)に「ジョニー・ライデンの帰還8巻&虹霓のシン・マツナガ3巻発売記念ライブ『真紅の稲妻と白狼の伝説』」が行われた。
イベントは、月刊ガンダムエースで好評連載中の「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」と、「機動戦士ガンダムMSV-R 虹霓のシン・マツナガ」のコミックス最新刊の発売を記念して開催されたもので、トークショーにはそれぞれの著者であるArk Performance先生と虎哉孝征先生が登壇。ガンダムエースの担当編集である財前氏司会のもと、各作品について濃密な制作秘話が繰り広げられた。
まずは「ジョニー・ライデンの帰還」の著者・Ark Performance先生が登場し、本作品が生まれた経緯を紹介した。
作品が題材にしている「MSV-R」は、元々ガンダム30周年の時に発売された大河原邦男氏の画集「原点継承」から生まれたもので、「ジム・キャノン(空間突撃仕様)」や「ドム(寒冷地仕様)」といった新たな機体が数多く誕生したが、基本的には設定のみとなっているため、連載開始にあたっては「F.S.S.社(Federation Survey Service)」という組織を作り、物語を組み立てる柱としたこと、そして「ジョニー・ライデン」は決まったキャラクター設定画がないため自分たちで作るしかなかったが、本作ではジョニー・ライデンには様々な人物像があるということにし、過去のデザインを全て救うべく自分たちでは描かないという選択をとったと語った。
執筆時に苦労した点については、これまで「ギレン暗殺計画」や「光芒のア・バオア・クー」とジオン側の作品ばかりだったので、連邦側の機体を描くのに苦労し、特にガンダムは難しく、ちょっと間違えると全く別物になってしまうので、第1話のフルアーマー・ガンダムは何度も直したと振り返った。
そして、マンガの合間にある「MSプロファイリング」のフォーマットは、アレもコレも入れて欲しいという編集部からの多過ぎる要望を実現するための方策だったが、結果的に新しいことができて気に入っているとのこと。また、好きな方は切り取ってぜひファイリングして貰いたいと付け加えた。
第1巻から最新の第8巻までを振り返っていくコーナーでは、各巻の「こだわりの作画」や「名シーン」、「名セリフ」がテーマに。
特に戦闘シーンには強いこだわりがあり、カメラの位置やアングル、誰を写すか、各MSの配置、集団戦では遊んでいる者がいないかなど、とにかく考えて描いており、4巻の「ヴァースキ」と「ユーマ」の戦闘シーンは単行本1冊分に相当するぐらい直しながら描いたと語った。
この他にも、5巻に見開きであるバンカーバスターの着弾シーンは、ただの爆発ではなく地中がえぐれる様に表現するのに苦労したが、ポスターにして飾りたいぐらい気に入っているとコメント。
名セリフについては、6巻の「ゴップ」と「ヴァースキ」の会話を挙げ、長回しで色々リンクさせていく大人の会話にするのが難しかったと。ただ、苦労した分キャラクターへの思い入れが強くなり、最近はゴップを描くのが楽しくなったほか、「ジャコビアス」は本来格好よくなりえない容姿なのに、今は格好よく感じるようになったとのことだ。
なお、トーク中によく出た「ヴァースキ」だが、作中ではその正体を匂わせつつも隠すことに苦心しているのに、コミックスのオビに大きく「ヤザン」と書いてあったのには本当にビックリしたと語り、会場の笑いを誘う一幕も。
また、既存のキャラクターとオリジナルのキャラクターを絡ませる時は、どちらかが強すぎてもダメだし弱すぎてもダメなので、戦う時にはそのバランスには気を使ったと語った。
続いては「虹霓のシン・マツナガ」の著者・虎哉孝征先生が登場。執筆については、この時すでに「ジョニー・ライデンの帰還」の連載は始まっており人気も高く、同じ「MSV-R」を題材にするのはプレッシャーが大きかったが、ドズルの懐刀ということで一年戦争のエースパイロットを全て出すことで「ジョニー」との差別化を図ったと振り返る。
シャアやランバ・ラル、ガトー、ノリスといったオールスターが集結し、いわゆる正統派にできて良かったと語った。
苦労した点では、ドズル専用ザクの模様を挙げ、6話で10回ぐらい出てくる時は死にかけたが、細かい模様を描くのは好きなので楽しかったコメント。
また、最新3巻に収録のストーリーでは当初ガトーをゲストにする予定だったが、ちょうど夏元雅人先生の「機動戦士ガンダム0083 REBELLION」の連載が始まるタイミングだったので、これをランバ・ラルに変更。原稿執筆の合間に『ガンダムビルドファイターズ』を観たら、ラルさんが出てきて仲裁するという全く同じシーンでズッコケたというエピソードも披露した。
この他、「ヅダ」との開発競争などMSの誕生に関わる部分を描くことができて嬉しいと語った。
最後は豪華賞品が当たるジャンケン大会となり、来場者にはガンプラやサイン入りグッズなどがプレゼントされ、大盛況のうちにイベントは幕を閉じた。
コミックス「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」1~8巻と、「機動戦士ガンダムMSV-R 虹霓のシン・マツナガ」1~3巻は、KADOKAWAより好評発売中。
また、総合電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」でも「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」の電子書籍が好評配信中だ。
※「機動戦士ガンダムMSV-R 虹霓のシン・マツナガ」の電子書籍は5月10日(土)配信開始予定
2つの「MSV-R」コミックスをまだ読んでいない人は、ぜひこの機会に読んでみよう。
(ガンダムインフォ編集部)
ジョニー・ライデンの帰還8巻&虹霓のシン・マツナガ3巻発売記念ライブ
「真紅の稲妻と白狼の伝説」
[日時] 2014年3月27日(木)
[会場] 東京カルチャーカルチャー
「真紅の稲妻と白狼の伝説」
[日時] 2014年3月27日(木)
[会場] 東京カルチャーカルチャー
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