1995年4月から一年に渡って放送され、ガンダムシリーズの中でも初めて北米で放送された作品でもある『新機動戦記ガンダムW』。放送終了から17年7ヵ月を経た2013年にBlu-ray Boxが発売されることを記念したイベントが、東京・新宿ピカデリーで開催された。
菱沼義仁さん、寺岡 巌さんがBoxのジャケットとして描き下ろしたイラストが展示された会場は超満員。放送終了から時間が経過していても、チケットは即完売だったことが司会者から告げられるほどの大盛況ぶりだ。
オープニング曲であるTWO-MIXの「JUST COMMUNICATION」が場内に流れ出し、主人公のヒイロ・ユイ役の緑川 光さん、トロワ・バートン役の中原 茂さん、カトル・ラバーバ・ウィナー役の折笠 愛さん、張五飛役の石野竜三さんが登壇。熱の高まる会場は大きな拍手に包まれた。
「相当昔の作品ですよね。こんなにお客さんが来てくれて、嬉しいですね」と表情を緩める緑川さん。参加者は小学生や中学生の頃にリアルタイムで見ていたという観客が圧倒的に多かったが、なかには「ガンダムW」の存在を最近知ったという観客もおり、どれだけ時を経てもファンを魅了する作品であることがうかがえる。
イベントは自己紹介やフリートークからスタートし、キャストたちは同窓会的な集まりだ、と話す。放映当時には、ドラマCDと共にボイスカセットがあった、という思い出話にキャストの4人で大いに盛り上がる場面も。
さらにキャラソンの思い出として「これ本当にヒイロの歌でいいのか?」と思ったという緑川さんが語れば、歌うようなキャラでもなかったヒイロや、キレたとき以外はしゃべらなかった五飛という話題に、「トロワ、なんか明るいな。前向きだなぁ」と思いながら、思いっきり歌い上げたと、中原さんも当時のエピソードを披露。
またそれぞれのキャストが各担当キャラの紹介をしていくコーナーでは、実は謎に思っていたことや、当時「なんでそうだったのか」と思っていたことなどをフランクに話していく。
特に「トロワはライオンとはしゃべるのに、五飛とはあまり話してくれなかった」と石野さんが中原さんをなじると、会場は笑いの渦に包まれた。
また、当日は登壇されなかったデュオ・マックスウェル役の関 俊彦さんが、コメントのみで登場。関さんの声が流れると、再び会場からは歓声があがった。
トークのコーナーでは2014年1月29日に発売予定のBlu-ray Box2の特典、ピクチャードラマの収録ウラ話を披露。放送から18年近くを経た今のヒイロたちの物語について、年を重ねて生きている者、代替わりしている者、あるいは、まったく年を取っていない者など、多彩な登場人物の話で盛り上がった。
さらにイベントは進み、ファンが選んだ「名セリフランキング」の結果発表が、得票のランキングの下位から紹介された。上位のセリフは映像も交えて紹介され、会場にいるファンのみならずキャストも思わず歓声をあげていた。
ちなみに3位はデュオの「死ぬぜ、オレの姿を見た者はみんな死んじまうぞ」、2位に最終回でのヒイロの「任務完了」、そして1位は第1話でのヒイロの「お前をころす」がランクイン。
「言葉のチョイスがシャープですよね」と折笠さんも感嘆の声をもらし、「血なまぐさいチョイスだよね」と石野さんは思わず笑ってしまう場面も見られた。
続いてキャストと観客、揃って最終話を鑑賞。生オーディオコメンタリーで、キャスト4人による解説(ほぼツッコミ)を聴きながらの鑑賞とあって、会場からもくすくすと笑い声が漏れていた。
イベントの最後は、ガンプラやフィギュア、そしてポスターなどのサイン入りアイテムが観客に当たるプレゼント大会が行われ、観客は歓声に沸いた。
「いまだにこれだけみなさんに愛されていて、Blu-ray Boxの発売とピクチャードラマでまたこうやって出演者みんなでアフレコができて嬉しかったです。僕たちも各々のキャラクターを育てながら進んでいきたいと思いますので、みなさんもぜひ長く僕たちと一緒に楽しんでいただけると嬉しいです」という中原さんの言葉に全てが集約されている。
そんなキャストとファンの作品への愛が満ちたイベント。「ガンダムW」の今後の展開も楽しみになる。そんなイベントだった。
▲主人公・ヒイロを演じた緑川光 さん。ピクチャードラマで年を重ねた姿を演じたが「早くみんなの年を取った姿が見たい」と楽しみな様子で声を弾ませていた。
▲寡黙なトロワが笑うシーンを見て「こんな風に笑うこともあった」と思わず懐かしそうに目を細めていた姿が印象的だったトロワ役・中原茂さん。
▲29人という沢山の姉がいたカトルを演じていた折笠愛さんは「いつか姉妹全員を自分で演じたい」とこれからのカトルについての野望を口にし、会場を笑顔にした。
▲このイベントのために五飛が着ていた白いチャイナ服を模したチャイナ風の白い衣装を作った石野竜三さんは、口数の少なかった五飛の想いを雄弁に語っていた。
▲実は放送時にはキャストが集まってイベントをすることがなかったと話すキャストたち。この夜は、18年の時を経て勢ぞろいの奇跡のイベントに。
▲ガンプラやフィギュアなどが来場者に当たったプレゼント抽選会。次々に席番号を引き当てていくキャストの動きを、観客は固唾を飲んで見守る。
文:えびさわなち/編集:レッカ社
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